お義兄さまの頭の中には悪魔と淫魔が住んでいる

柴田

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18.ふたりのエンディング2 ※

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「そうだな……あと二回イったら、にしようか」
「二回もですか!?」

 すでに二回達している身体は、疲労を訴えている。

「私はレニャとの初めてを最高のものにしたいだ。お兄様もがんばるから、レニャもがんばれ」

 そんなふうに言われてしまうと断れない。そもそも経験がないため、普通の初体験がどういうものなのかもレニャにはよくわかっていなかった。閨教育も、座学でさらっと表面をなぞっただけだ。ここは初体験にもかかわらず手練れの空気を漂わせるマクシミリアンに全面的に任せるのが吉か。
 話している間にも蜜壺をほぐされており、多少は太さに馴染んだように思う。
 気持ちよくなってしまう場所を重点的に触られなければ、果てなくともじゅうぶんほぐれるような気がした。そんなことを考えていると、マクシミリアンが再び股に顔を埋めようとしているのに気づくのが遅れてしまう。
「待って」と言うのが一拍遅れ、ぴっとりと舌が押し当てられた。同時に、膣口や中を拡げるような動きをしていた指が天井をとんとんと撫でる。

「こ、れ……だめなやつ……!」
「だめ? ……ん、前にしたときは随分善がっていたじゃないか」
「だからっ、だめなんです……ッあ、あ、まってぇ」

 中を刺激しながら陰核を舐められ、急速に快感が膨張する。思わず太腿でマクシミリアンの顔を挟み込むが、すぐに脚を左右に割られ軽々と固定された。秘所が剥き出しになり、指を食い締めているところをマクシミリアンがじっとりと濡れたまなざしで見つめてくる。
 レニャが手で秘所を隠そうとするが、間に合わない。指の隙間を縫って、ツンと尖った陰核を肉厚な舌でねぶられる。そのちょうど裏側にあたる位置の膣壁を揉み込むようにされ、勝手に身体に力が入ってしまうのに、だんだんと下半身の感覚がなくなっていくようだった。

「あ、あっ、あ……! イ、く……ッひ、ああぁ!」
「ん……一回め」

 反った腰を支えるように抱えられ、さらに責められる。敏感なままの陰核をにゅりにゅりと舌で転がされ、レニャは歯を食いしばった。脚も腰もガクガクと痙攣している。身体は強張り、中は柔らかくなるどころかぎゅうぎゅうときつく指を締めつけていた。

「だめ、だめ、だめ……っ!」
「このままもう一回イけそうだ」
「ちがうのっ、変なんです……! ひう、んんッ、イっちゃ、イく、イ――ッ」

 中から圧迫されたまま陰核をいじられ続け、以前にも感じたような感覚が下半身に広がっている。ざわざわと肌が粟立ち、足先がピンと伸びた。目の前が真っ白に染まっている。
 ぢゅるるる、と吸い上げられた瞬間、快感が大きく弾けた。

「ん゙んん――ッ!」

 尿道口がカッと熱くなる。自分の意思とは関係なく、そこから透明な液体が吹き上がった。
 ぷしゃあっ、ぷしっ、と断続的に吹き出すそれを止めることができず、全身を痙攣させるレニャは恥ずかしさのあまり顔を両手で覆うことしかできない。
 余韻から抜け出し身体を弛緩させたレニャは、シーツの海を這い上がる。マクシミリアンの指が抜け出ていくと、脚を抱くように身体を丸めて秘所を手で隠した。シーツが濡れて色が変わっている件からは全力で目を背けたい。

「お兄様の……ばか……っ」

 悪態をつきつつも、マクシミリアンからの反応がないことが気になった。行為の最中に粗相をするなど、さすがのマクシミリアンでも引いたかもしれない。
 おそるおそる指の隙間から見下ろす。
 避けることもできず顔面に受け止めたらしいマクシミリアンは、きょとんと目を丸くしていた。

「お兄様……?」

 レニャと目が合うと、マクシミリアンの唇が笑みの形に撓る。濡れた顔を拭うこともせず、恍惚とした顔で唇に舌を這わせるマクシミリアンは、見るからに興奮状態にあった。濡れた髪をかき上げる姿は雄々しく、状況も忘れてどきどきしてしまう。
 顔よりもどちらかというと身体で受け止めたようで、シルクのシャツがびしゃびしゃに濡れていた。マクシミリアンはそれを脱ぎ捨てると、ズボンの前立てから紐を引き抜く。本人が言っていたとおり、彼の裸身は〝脱いだらすごい〟を体現していた。だが、レニャの目が釘付けになったのは上半身よりも股間であった。

 ズボンと下着をずらすと、ばるんっと陰茎が弾み出る。重そうに揺れるそれはへそにつきそうなほど反り、血管を浮き立たせていた。前もちらりと見たけれど、こんなにまじまじと観察したのははじめてだ。マクシミリアンの身長や体格からすればさほど違和感はないのかもしれないが、この顔についていることが不自然なほどご立派である。
 窮屈な場所から解放され、マクシミリアンがふうと息を吐く。

 こちらへ向き直ったマクシミリアンにレニャは慄いた。額を出しているせいか、瞳がいつもよりはっきりと見える。片目にもかかわらずその眼光の鋭さに身を焼かれてしまいそうだ。ぎらぎらとしたまなざしには、欲望の炎がめらめらと揺らめいていた。
 脚を掴まれ、這い上がった分だけ引き戻される。
 脚を開かされて腰を引き寄せられたかと思うと、ずしん、とおなかが重たくなる。陰茎がおなかの上に乗せられている光景を目にして、レニャは情けない声を上げた。
 先端からとろりと先走りをこぼす陰茎の長さは、へそを優に超えている。レニャのおなかに乗っているとその太さや長さが際立ち、マクシミリアンが丹念に解したがった理由を今さら理解した。いざこれを挿入されると思うと、太腿に挟まれていたときよりずっと大きく感じる。

「ご、ご、ごめんなさい……っ」
「何が? ああ、潮をかけたことなら気にしなくていいよ。むしろご褒美だ」
「しお……?」
「違うの? ――なら、もしかして怖くなった……?」

 アイスブルーの瞳が翳る。マクシミリアンは睫毛を震わせたあと、頬を両手で優しく撫でてきた。

「いいよ。まだやめてあげられる」
「……っ!」

 ――うそだ。こんなに大きくなっているのに。淫魔がずっと『もう挿入れちゃえよ』って囁いているのに。やめてあげられるなんて言わないで。つい甘えたくなる。
 レニャが頭をぶんぶんと横に振ると、マクシミリアンは「うん?」と優しく尋ねた。

「や、やだ……するの。お兄様とちゃんと最後までしたい。お兄様にも気持ちよくなってほしい……」
「本当にいいんだな?」

 マクシミリアンが腰を引くと、棹がずりずりと割れ目をなぞっていく。愛液をまぶすように何度か往復して、先端が膣口にあてがわれた。

「は、……っ、はぁ」
「レニャ、身体から力を抜いて」
「お兄様、手、ぎゅってしてて……」

 五指を絡められると、レニャは強く握り返した。
 意地を張っているわけではない。マクシミリアンと繋がりたいというのは紛れもない本当の気持ちだ。けれど怖いものは怖い。

「……挿入れるよ」
「ひっ……、あ、入って、る」
「ふ、……ッ」

 めりめりと先端が入ってくる。膣口を無理に拡げられているような感覚はあるものの、思っていたより痛みはなかった。マクシミリアンが提案した〝あと二回〟のおかげだろうか。しっかりと濡れて、蜜壺がふわふわとほどけているようだった。ただ、圧迫感はものすごい。
 小刻みに中を突いて隘路をほぐしながらゆっくりゆっくり埋められていく。

 マクシミリアンの手のひらはじっとりと汗をかいていた。奥歯を強く食い締めるマクシミリアンは見たこともないくらい険しい顔をしており、淫魔による囁きが見えていなかったら痛がっているか、怒っていると勘違いしただろう。
 この顔でイきそうなのを我慢しているだなんて、誰が想像できるだろうか。
 胸に愛おしさがこみ上げる。絡められた指を自らほどいて、マクシミリアンの背中に両手を回して抱き寄せた。唇を啄むと、細く息を吐きながら口を開いてくれる。舌を割り入れると、気もそぞろな舌使いで絡めとられた。

「んう……ふ、う……もう全部入りましたか……?」
「…………やっと半分だな」

 レニャは思わず素っ頓狂な声を上げる。もうおなかはいっぱいいっぱいだ。これ以上はどこにも入る隙間がない――そう思うのに、とちゅとちゅと奥をほぐされるとまた挿入が深くなる。
 そうやって奥をずっと優しくこねられていると、だんだんと変な気分になってきた。突かれた場所からじわじわと熱が広がって、最奥からまた蜜が溢れる。そこが気持ちよくなれる場所だと気づいてしまうと、慣れるのはあっという間だった。

「――はあ、全部入ったよ」

 奥にぐーっと押しつけられるとたまらなく気持ちよくて、レニャはマクシミリアンの背中にしがみついた。自分の中がぐねぐねと蠢いてマクシミリアンのものを舐め回しているのがわかる。彼の形を覚えようとしているようだ。
 中に押し入ったままマクシミリアンは動いていないのに、自分で締めつけているだけで甘く痺れるような快感があった。

「レニャの中、すごく気持ちいい……ン、とろとろで、私のものが溶けてしまいそうなくらい熱いね。レニャは痛いところはないか? 苦しいとか、気持ち悪いとか、全部教えてくれ」
「だい、じょうぶ、です」

 大きいから相変わらず圧迫感はある。苦しいといえば苦しい。でも、それは早く動いて奥を突いてほしいというもどかしさからくるものだ。マクシミリアンに本能のままに揺さぶられて、ぐちゃぐちゃにされてみたい。
 でも、初めてなのにこんなに気持ちよくなってしまって、挙句の果てには乱されたいだなんて淫らなことを言ったら、はしたないと思われるに決まっている。
 マクシミリアンももう限界のはずだ。レニャがねだらずとも、すぐに腰を振りたくるだろう。

「あぁ苦しいんだな。すまないレニャ。しばらく動かずにこのままでいよう。レニャの中がお兄様の大きさに馴染むまで」
「え? ……っは、い。わかりました」

 心配してくれるマクシミリアンの顔の良さに負けて思わず返事をしてしまった。もう動いてくれてもいいのに。マクシミリアンだって動きたいはずなのに。なんだこの無駄な時間は。
 しかし必死に耐えているマクシミリアンの顔を眺める余裕は今しかないような気がして、せっかくだからと目に焼きつけておいた。食い縛った歯の隙間からこぼれる荒い息や、ポタポタと落ちてくる汗、時折中でビクッと跳ねる陰茎の感触など、マクシミリアンのすべてにきゅんきゅんと胸が甘く締めつけられる。
 じっと間近で見下ろされていたかと思うと、唇を重ねられた。舌が差し入れられ、口内をあますところなく舐められる。相変わらず腰は動かさないまま、胸を愛撫された。

「んんっ……ふ、はぁ、なんで」
「気持ちよくなったほうが中が潤んで柔らかくなるだろう? それに、レニャはこうされるのが好きなはずだ」

 ピンピンと乳首を弾かれて身体が跳ねる。愛撫されるたびに中を締めてしまい、マクシミリアンが息を詰めた。
 キスをされながら胸をいじられて、また蜜がわき出る。身体が勝手に気持ちよくなろうとして、マクシミリアンのものをきつく抱き締めた。震える息を吐いて快感を享受する。もっと、もっと、気持ちよくなりたい。マクシミリアンとふたりで。
 腰が揺らめいてしまう。マクシミリアンがますます表情を険しくした。

「っく……」
「お兄様っ、もう、もう……動いて」
「苦しくない?」
「きもち、いい、の……っ入ってるだけで、気持ちよくなっちゃう、から」
「……レニャ!」

 マクシミリアンがずるりと腰を引くと、媚肉が追いすがるようにしがみつく。それを振り解くように抜かれれば先端の段差がごりごりと襞を擦っていった。再び押し入られると、おなかの底から絞り出したような声が漏れる。
 子宮口をこねるように腰を回されて、下腹部がズンと重くなった。
 際限なく溢れる愛液が、亀頭に掻き出されて結合部から溢れていく。それは抽挿されるたびにぐぽぐぽといやらしい音を立て、レニャが感じていることを間接的にも突きつけてきた。

「は、……あまり、もちそうにない」
「んあ、あっ、お兄様も、気持ちいい、ですか?」
「気持ちいいよ。すごく」

 最初は若干ぎこちなく腰を振っていた様子のマクシミリアンだが、すぐにコツを掴んだのか今や非常にスムーズだ。気持ちいい場所を的確に、同じ力、同じリズムで突かれると否応なく快感が溜まっていく。
 太い棹は柔壁を容赦なくすべて擦っていった。レニャの視界が快感で滲む。
 優しかった律動は次第に肉筒で陰茎を扱くように激しくなり、肌を打つ音がパンパンと響いた。気遣われていたときよりも強く求められているようで、うれしさのあまり気持ちよくなってしまう。

「……ッもう、出る……ぁ、く……出る……!」
「あっ、あっ、なか、びくびくってして、んんっ、熱、い」

 子宮を押し上げるように奥を貫かれ、最も深い場所で熱がほどかれる。何度も最奥に亀頭を押し当てられ、ぎゅーっと子宮が引き絞られるようにして緩やかに極まった。
 マクシミリアンに強く抱き締められている。重なった胸から大きく弾んだ鼓動が伝わってきた。レニャの胸も同じ速さで鼓動を刻んでいる。耳元でこぼされる吐息、抑え込んだ声、喉を鳴らす音、すべてが快感に繋がった。

「はー……クソ……早かった、すまないレニャ……」

 ちゅ、ちゅ、と唇を啄まれる。未だ中で陰茎が脈動しているのがわかり、レニャは自身のおなかを撫でさすった。手のひらにもほんのりとマクシミリアンの存在を感じる。
 早いとかそういうのは比較対象がいないのでわからない。それだけ興奮してくれたのだと思うとレニャはうれしいのに、マクシミリアンは恥ずかしそうに睫毛を伏せている。いつも割と丁寧に話すマクシミリアンの、つい漏れ出てしまったような汚い言葉遣いがまた胸を疼かせた。
 最高の初体験だ。
 抱き締め返す腕の中からマクシミリアンの身体が抜け出ていく。密着していた胸が離れると冷たい空気が肌を撫で、寂しい気持ちにさせた。もう少しだけくっついていたい。

「次はレニャをもっと気持ちよくさせられるよう、がんばるから」
「え? ――ッあ!」

 陰茎を引き抜かれ、くるりとうつ伏せにされる。次? 次とは、次回のこと? そんなふうに疑問を浮かべた瞬間、ずぷ、と再び陰茎が押し入ってきた。そんなにすぐに次がくるだなんて予想だにしていなかったせいで、喉から間の抜けた声がこぼれる。
 先ほどたしかに達していたはずなのに、ちっとも硬さを損なっていないものがずぶずぶと埋められていく。おしりに腰骨が当たり奥まで入ったのだと実感し、レニャは細く息を吐いた。

「ふ、ふう……っ、あ、……ッんん、深ぁ」
「はぁ……」

 マクシミリアンの胸板が背中に密着するほどのしかかられたとき、ぐぐ、とさらに挿入が深くなった。体重をかけられて、ベッドとマクシミリアンの身体の間で子宮が押し潰されている。奥の深い場所をごりごりと抉られる快感で、頭の奥がジンジンと痺れた。

「レニャ、……気持ちいい? ハハッ、挿入れただけでイってる。中がお兄様をぎゅーって締めつけてるからわかるよ。この体位好きなんだ?」
「あ、……ぁッ、あ゙」
「低い声出ちゃってる……あぁかわいい」

 身体全体を囲うようにされ、たくましい身体で押さえつけられている。逃げ場がない。子宮を揺さぶるように奥ばかりを突かれては、ひとたまりもなかった。何度も何度もおなかの奥底がぎゅうっと引き絞られ、快感で視界が滲み、全身が沸騰したように熱い。
 深い絶頂からは、なかなか下りてこられなかった。
 ――こんなのをこのまま続けられたら、確実におかしくなってしまう。
 しかしレニャは、枕に縋ってただ喘ぐことしかできなかった。上からどちゅどちゅと突かれてかわいげのない声ばかりがこぼれていく。奥を突かれて達して、また突かれてさらに深く達して、おしりも太腿もぶるぶると痙攣する。

「ひンッ、だめ、だめぇ……っ」
「やだ? 気持ちよくない? じゃあこれは――?」
「……ぁッ、あ……!」

 わきの下に手を入れられて力の入らない身体を持ち上げられる。結合したまま体位を変えられ、中を撫で回された。されるがままになるしかなく、気づけば向かい合わせで膝に乗せられていた。
 膝に力が入らず、レニャを支えているのはマクシミリアンの腕だけだ。

「……手ッ、てぇ……!」
「手……? 繋ぐの?」
「ちがぁっ、~~~~ッ! はなしちゃだめ、なのに……ふ、うう」

 ずっぷりと自重で奥深くまで沈む。いま自分が達してるのかどうかもわからないほど下半身の感覚はあやふやなのに、快感だけははっきりとしていた。思わず仰け反る身体を抱き寄せられ、レニャはマクシミリアンの首にすがりつく。
 腰をホールドするように抱き締められていて、胸の先端がマクシミリアンの胸板に当たっていた。腰を反らすようにして押しつけると陰核が彼の下腹部でにゅるにゅると擦れる。そして下からずんずんと突き上げながらキスをされ、もう頭の中がぐちゃぐちゃだ。

「ん……レニャ、好きだよ」
「わたしもっ、だいすきぃ」
「幸せだ……」
「うっ、れ、しい……ぁ、あッ、イっちゃう、またイく」
「お兄様の目を見つめながらイって」
「や、やだぁ」

 果てる瞬間の顔を見られるのは恥ずかしくてたまらないのに、不思議と目を反らせない。
 重なる下腹部の間に入り込んだマクシミリアンの指が陰核をコリコリとこねる。すると凄まじい快感が子宮を経由して、腰、それから背筋をせり上がり、脳天を痺れさせた。

「ほら、イけ。イーけ」

 激しい交接で揺さぶられ、一気に快感が膨らむ。

「ひ、んんッ……! イ、く……!」
「あぁ締まった……ッぐ、私も、もう出すよ」

 達したばかりで痙攣する肉襞を、射精をめがけて腰を突き上げるマクシミリアンに容赦なく擦られる。マクシミリアンは歯を噛み締めて声を押し殺すようにして息をこぼしている。彼のなまめかしい表情を見つめていると子宮がさらにきゅんきゅんと疼き、蜜壺がうねった。
 相手が感じている顔にこれ以上なく興奮するということに、レニャもまた気づいてしまった。

「はぁっ、出る……イくっ、……ふ、う」
「わ、たしのこと、見つめながら、出して……っ」

 熱で潤んだ瞳が細められる。顔を紅潮させたマクシミリアンの陰茎が、中で膨張するのがわかった。ぎゅ、と腰を押さえつけられ、最奥をガツンと穿たれる。眉根をきつく寄せたマクシミリアンが息を詰めるたびに、中でびゅーっと注がれているのが伝わってきた。
 つられるように達しながらも、レニャはマクシミリアンをずっと見つめていた。

 荒い息を繰り返すマクシミリアンの顔を両手で引き寄せる。唇を重ねてそっと顔を離したとき、レニャは思わす噴き出してしまった。

「どうして笑ってるんだ?」
「い、いえ……ただ」

 マクシミリアンの背後で淫魔が『幸せ!!』とドデカい吹き出しで主張している。

「幸せだな、って思ったんです」

 マクシミリアンが目をまんまるに見開く。それから泣き出しそうに細め、顔を綻ばせた。

「私も、とても幸せだ。……とても」

 これは紛れもないハッピーエンドだ。
 マクシミリアンの表情を見ていれば、そうとしか思えない。

「いや、ハッピードスケベエンドかも」
「…………?」

 きょとんとするマクシミリアンの鼻の頭にキスをして、レニャはくすくすと笑うのだった。




おわり


→おまけの番外編
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