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【仇】隠シ通路ノ三悪人
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「……勝ちゃん、勝ちゃん!」
丸井家を囲む生垣から、久芳春子は声を掛けた。手入れ途中の農具を前に、呆然と考え事をしていた丸井勝太は、その声にハッと駆け寄った。
「春ちゃん! どうしたんだ?」
「あの変な探偵に、話を聞かれたの?」
勝太は神妙な顔でうなずいた。
「……駄目だわ、もうバレちゃう。――お父さんとお母さん、捕まっちゃうわ」
春子はその場に泣き崩れた。
勝太はチラリと縁側を振り返った。耳の遠い高祖父の宗右衛門は、黙々と竹籠を編んでいる。
「……どうしよう……どうしよう……」
そんな春子の両手を握りながら、勝太は心を決めた。
「――春ちゃん、駆け落ち、しよう」
これも前から考えていた。どうしても春子の両親を説得できない場合は、春子をこの村から連れ出そうと。
この狭い村で犯罪者になったりしたら、居場所などあろうはずがない。当事者には「罪を償う」という逃げ道がある。しかし、その家族に残された運命は……。そう考えれば、春子を村から連れ出す理由は、十二分にあった。
「東京に行こう。そんで、二人で暮らそう」
涙に濡れた目で、春子は勝太を見上げた。そして、静かにうなずいた。
「兄ちゃんの釣り仲間の柴田さん。あん人、陣屋様専属のハイヤー運転手だから、今は暇してるらしい。あん人に、東京まで運んでもらおう」
「うん」
春子が勝太の手を握り返す。
「……じゃあ、夜八時、学校の裏で」
「分かった」
春子はぎこちなく微笑むと、生垣の向こうに姿を消した。
久芳正善は、セメント御殿に水川夢子を訪ねた。
「資料館の普請の件で」と言うと、メイドは何の疑いもなく彼を通した。
夫の信一郎は、会社の一大事につき、あれからずっと会社に詰めたままだと言っていた。果たしてこの時も、小洒落た洋間には、夢子ひとりだった。
「……勘づかれたかもしれません」
正善は険しい顔で畏まる。
「そんな時に、普段と違う動きをするのは良くないわ」
夢子は冷静に紅茶を啜っている。……彼女は平日は毎日、浄善寺の説法を聞きに来る。しかし、土日は参拝客が多いため、寺には来ない。そのため、土曜日であるこの日は、正善が夢子を訪ねたのである。
「すみません。どうしたらいいか、分からなくなりまして」
「……気付いたのは、あのおかしな探偵だけかしら?」
「まるいやの勝太も、恐らく。しかし、春子と一緒になりたいばかりに、あいつは言わないと思います」
「なら……」
夢子はカップを置き、満面の笑みを浮かべた。
「埋めてしまいましょう」
さすがに正善は目を丸くした。
「そ、そんな事……!」
「大丈夫よ。うちは穴を掘るのが仕事なの。一人や二人、何て事はないわ。……昔から、月原洞窟では遭難者が多いじゃない。特に観光客は。――あなたたちは、何とかして、あの探偵を眠らせてちょうだい。いいわね?」
零と桜子は、百合園の東端にある東屋にいた。……例の不審者が身を投げた、あの場所だ。
丸井勝太と別れた後、山を眺めたいと零が言い出し、屋敷に戻ったのだ。
二畳ほどの、傘のような屋根に腰掛けが設えてあるだけの建物だが、それだけに、眺めが素晴らしい。
「……ここだけ見てると、事件が嘘のようです」
「本当に」
言いながらも、桜子は少し石垣から離れている。特に高い所が苦手という訳ではないのだが、柵も何もないため、石垣の下の崖に些か恐怖を覚える。
百合御殿のある山は、善浄寺のある山となだらかに繋がっている。ここから見ると北東の方角に、寺の石段が見える。
「……どうも気になるんですよね」
「勝太君の言葉でしょ? 彼は、何を見たのかしら」
「はい。――恐らく、資料館にいた時に、何かを見たんでしょう」
「何を?」
「…………」
零は立ち上がり、石段の上、小さく見える善浄寺の裏手に目を遣る。資料館の白い屋根が、木々の間にわずかに見えている。……その横には、ここからは見えないが、古い石塔があった、土台が納骨堂のように大きい……。
それから不意に、彼は百合園の奥、城跡のある裏山に顔を向けた。
「あそこから浄善寺だと、山の尾根を行けば、かなり近いですね」
「普通に行くと、つづら折れを下りて月原山道を上がって、また石段を上らなきゃならないけどね」
「……昔の城には、隠し通路がよく作られていたと聞きます。敵に攻められた時、城主一族だけでも逃げられるように」
「…………」
「ここも、そういうのがあったりしませんかね?」
「まさか……」
零は思い出していた。桜子と城跡に行った時にあった、錆びた鉄の板――。
「また、行ってみませんか?」
零が振り返ると、桜子は即答した。
「嫌」
「……ですよね……」
「蚊が凄いし迷うし落ちそうになるし、絶対嫌。行くならひとりで行って」
「……分かりましたよ。行ってきますよ」
桜子は目を丸くした。
「本気なの?」
零は城跡を眺めながら顎を撫でた。
「――もし隠し通路があれば、これまでの推理は全てひっくり返ります」
「そりゃそうだけど……」
「桜子さん、後はよろしく。私はこのまま行きますから」
零がスタスタと歩き出すから、桜子は慌てた。
「ちょっと、せめて警部さんにくらい報告しなくていいの?」
「大丈夫ですよ、すぐ戻ります。帰って来たら報告しますから。……あ、彼を驚かせたいので、帰るまで内緒にしておいてください」
そして零は、百合園を抜け、石垣の階段に向かったのだが……。
この判断が、彼を窮地に陥れたのである。
桜子は仕方なく、いつものように勝手口から亀乃の様子を見に行った。――配膳室の柱時計は、ちょうど十二時。彼女は昼食の支度を終え、主一家に配膳を終えたところだった。
「この頃、旦那様も梅子様も、ご自分のお部屋でお食事を取られます。色々あって、疲れておられるんだと思います」
亀乃は桜子の前に、手打ちのざるうどんを置いた。艶々としていて美味しそうだ。
「……あの、探偵さんは?」
「あー、いいのいいの。なんかひとりで調べたい事があるんだって」
「そうなんですか」
「私は頂くわ。ありがとう。……松子さんの様子はどう?」
「午前中は初江さんが、午後からは私が、お付き添いする事になりました。先程、お食事をお持ちしたんですけど、まだお布団から起き上がれないご様子でした」
「お気の毒ね……。何か力になれる事があったら、遠慮なく言ってね」
桜子はうどんを啜る。コシがあって喉越しが良く、非常に美味しい。しかも、つゆがまた絶品だ。
「ご一家が、バラバラになってしまいました。何とか奥様がお戻りになるまでに、事件が解決するといいんですけど」
「そうね。……鶴代様は、あなたにとってどんなお方なの?」
「純粋で、見ていて微笑ましくなるお方です。……私を雇ってくださる時も、他に候補の方がみえたんですけど、『松竹梅に鶴亀は縁起がいい』と言われて、私を選んでくださって」
「確かに縁起がいい名前ね」
「ですから、奥様にはご恩があるんです。覚えておられるかは分かりませんけど」
亀乃は微笑んだ。
「鶴代さんがお輿入れされた時に、お屋敷を増築したみたいね。表は和風建築なのに、裏は洋館になってるから、個性的よね」
「新宿のご実家が洋館なので、ベッドのお部屋をご希望で。……無理に付け足したから、あそこ、斜面になってるでしょ? 女性の皆様の寝室だけ、階段を上がって中二階になってるんです。ご家族が増えた時に改築されて、何度かお部屋の並びは変わってますけど」
「位置的に、百合園が綺麗なんじゃない?」
「はい、皆様のお部屋から良く見えます。お風呂なんて、窓から百合園が一望できて、贅沢な気分が味わえますよ」
「……でも、梅子さんの部屋には、窓がないのよね。それはどうして?」
「分かりません。設計の都合とかでしょうか」
そこでふと、桜子は聞いてみた。
「……もしかして、隠し通路なんかがあったりする?」
「……え?」
「隠し部屋があるんだし、隠し通路も……」
「ごめんなさい。知りません」
隠し部屋の事は、亀乃にとって辛い話題だったろう。亀乃の反応を見て、こんな話を出した事を、桜子は後悔した。
「こちらこそ、ごめんね……。」
《添付図・4》
――裏山に、隠し通路は存在した。
竹薮を縫って石垣沿いに進んで行くと、石垣の角に、先日見かけた赤茶けた板があった。近付いてみると、果たして錆びた鉄板だった。半畳ほどの大きさの鉄板が、石垣の角に斜めに置かれている。笹葉に半ば埋もれていた。
それには、溶接で取手が付けられていた。それもやはり錆びている。とはいえ、作りが明らかに近代のものだ。
零は取手に手を掛け、持ち上げてみた。それほど厚い板ではないため、下を覗ける程度に浮かせられた。
……そしてそこには、あったのだ。下へ向かう空間が。
「…………」
そこで零は、一旦戻って、警官なり百々目なりと連れ立って探索に行けば良かったのである。しかし、この時の彼は、理性よりも好奇心が勝っていた。
――この隠し通路がどこに向かっているのか。それを掴めば、この事件の様相は一気に変わる。
その功績の魅力などよりも、そうなった場合の事件の様相に、胸が踊る思いだった。深淵の闇が、彼を招いている気さえした。
そんな心境もあり、犬神零はただひとり、その隠し通路へ探検に行く事を決めたのである。
丸井家を囲む生垣から、久芳春子は声を掛けた。手入れ途中の農具を前に、呆然と考え事をしていた丸井勝太は、その声にハッと駆け寄った。
「春ちゃん! どうしたんだ?」
「あの変な探偵に、話を聞かれたの?」
勝太は神妙な顔でうなずいた。
「……駄目だわ、もうバレちゃう。――お父さんとお母さん、捕まっちゃうわ」
春子はその場に泣き崩れた。
勝太はチラリと縁側を振り返った。耳の遠い高祖父の宗右衛門は、黙々と竹籠を編んでいる。
「……どうしよう……どうしよう……」
そんな春子の両手を握りながら、勝太は心を決めた。
「――春ちゃん、駆け落ち、しよう」
これも前から考えていた。どうしても春子の両親を説得できない場合は、春子をこの村から連れ出そうと。
この狭い村で犯罪者になったりしたら、居場所などあろうはずがない。当事者には「罪を償う」という逃げ道がある。しかし、その家族に残された運命は……。そう考えれば、春子を村から連れ出す理由は、十二分にあった。
「東京に行こう。そんで、二人で暮らそう」
涙に濡れた目で、春子は勝太を見上げた。そして、静かにうなずいた。
「兄ちゃんの釣り仲間の柴田さん。あん人、陣屋様専属のハイヤー運転手だから、今は暇してるらしい。あん人に、東京まで運んでもらおう」
「うん」
春子が勝太の手を握り返す。
「……じゃあ、夜八時、学校の裏で」
「分かった」
春子はぎこちなく微笑むと、生垣の向こうに姿を消した。
久芳正善は、セメント御殿に水川夢子を訪ねた。
「資料館の普請の件で」と言うと、メイドは何の疑いもなく彼を通した。
夫の信一郎は、会社の一大事につき、あれからずっと会社に詰めたままだと言っていた。果たしてこの時も、小洒落た洋間には、夢子ひとりだった。
「……勘づかれたかもしれません」
正善は険しい顔で畏まる。
「そんな時に、普段と違う動きをするのは良くないわ」
夢子は冷静に紅茶を啜っている。……彼女は平日は毎日、浄善寺の説法を聞きに来る。しかし、土日は参拝客が多いため、寺には来ない。そのため、土曜日であるこの日は、正善が夢子を訪ねたのである。
「すみません。どうしたらいいか、分からなくなりまして」
「……気付いたのは、あのおかしな探偵だけかしら?」
「まるいやの勝太も、恐らく。しかし、春子と一緒になりたいばかりに、あいつは言わないと思います」
「なら……」
夢子はカップを置き、満面の笑みを浮かべた。
「埋めてしまいましょう」
さすがに正善は目を丸くした。
「そ、そんな事……!」
「大丈夫よ。うちは穴を掘るのが仕事なの。一人や二人、何て事はないわ。……昔から、月原洞窟では遭難者が多いじゃない。特に観光客は。――あなたたちは、何とかして、あの探偵を眠らせてちょうだい。いいわね?」
零と桜子は、百合園の東端にある東屋にいた。……例の不審者が身を投げた、あの場所だ。
丸井勝太と別れた後、山を眺めたいと零が言い出し、屋敷に戻ったのだ。
二畳ほどの、傘のような屋根に腰掛けが設えてあるだけの建物だが、それだけに、眺めが素晴らしい。
「……ここだけ見てると、事件が嘘のようです」
「本当に」
言いながらも、桜子は少し石垣から離れている。特に高い所が苦手という訳ではないのだが、柵も何もないため、石垣の下の崖に些か恐怖を覚える。
百合御殿のある山は、善浄寺のある山となだらかに繋がっている。ここから見ると北東の方角に、寺の石段が見える。
「……どうも気になるんですよね」
「勝太君の言葉でしょ? 彼は、何を見たのかしら」
「はい。――恐らく、資料館にいた時に、何かを見たんでしょう」
「何を?」
「…………」
零は立ち上がり、石段の上、小さく見える善浄寺の裏手に目を遣る。資料館の白い屋根が、木々の間にわずかに見えている。……その横には、ここからは見えないが、古い石塔があった、土台が納骨堂のように大きい……。
それから不意に、彼は百合園の奥、城跡のある裏山に顔を向けた。
「あそこから浄善寺だと、山の尾根を行けば、かなり近いですね」
「普通に行くと、つづら折れを下りて月原山道を上がって、また石段を上らなきゃならないけどね」
「……昔の城には、隠し通路がよく作られていたと聞きます。敵に攻められた時、城主一族だけでも逃げられるように」
「…………」
「ここも、そういうのがあったりしませんかね?」
「まさか……」
零は思い出していた。桜子と城跡に行った時にあった、錆びた鉄の板――。
「また、行ってみませんか?」
零が振り返ると、桜子は即答した。
「嫌」
「……ですよね……」
「蚊が凄いし迷うし落ちそうになるし、絶対嫌。行くならひとりで行って」
「……分かりましたよ。行ってきますよ」
桜子は目を丸くした。
「本気なの?」
零は城跡を眺めながら顎を撫でた。
「――もし隠し通路があれば、これまでの推理は全てひっくり返ります」
「そりゃそうだけど……」
「桜子さん、後はよろしく。私はこのまま行きますから」
零がスタスタと歩き出すから、桜子は慌てた。
「ちょっと、せめて警部さんにくらい報告しなくていいの?」
「大丈夫ですよ、すぐ戻ります。帰って来たら報告しますから。……あ、彼を驚かせたいので、帰るまで内緒にしておいてください」
そして零は、百合園を抜け、石垣の階段に向かったのだが……。
この判断が、彼を窮地に陥れたのである。
桜子は仕方なく、いつものように勝手口から亀乃の様子を見に行った。――配膳室の柱時計は、ちょうど十二時。彼女は昼食の支度を終え、主一家に配膳を終えたところだった。
「この頃、旦那様も梅子様も、ご自分のお部屋でお食事を取られます。色々あって、疲れておられるんだと思います」
亀乃は桜子の前に、手打ちのざるうどんを置いた。艶々としていて美味しそうだ。
「……あの、探偵さんは?」
「あー、いいのいいの。なんかひとりで調べたい事があるんだって」
「そうなんですか」
「私は頂くわ。ありがとう。……松子さんの様子はどう?」
「午前中は初江さんが、午後からは私が、お付き添いする事になりました。先程、お食事をお持ちしたんですけど、まだお布団から起き上がれないご様子でした」
「お気の毒ね……。何か力になれる事があったら、遠慮なく言ってね」
桜子はうどんを啜る。コシがあって喉越しが良く、非常に美味しい。しかも、つゆがまた絶品だ。
「ご一家が、バラバラになってしまいました。何とか奥様がお戻りになるまでに、事件が解決するといいんですけど」
「そうね。……鶴代様は、あなたにとってどんなお方なの?」
「純粋で、見ていて微笑ましくなるお方です。……私を雇ってくださる時も、他に候補の方がみえたんですけど、『松竹梅に鶴亀は縁起がいい』と言われて、私を選んでくださって」
「確かに縁起がいい名前ね」
「ですから、奥様にはご恩があるんです。覚えておられるかは分かりませんけど」
亀乃は微笑んだ。
「鶴代さんがお輿入れされた時に、お屋敷を増築したみたいね。表は和風建築なのに、裏は洋館になってるから、個性的よね」
「新宿のご実家が洋館なので、ベッドのお部屋をご希望で。……無理に付け足したから、あそこ、斜面になってるでしょ? 女性の皆様の寝室だけ、階段を上がって中二階になってるんです。ご家族が増えた時に改築されて、何度かお部屋の並びは変わってますけど」
「位置的に、百合園が綺麗なんじゃない?」
「はい、皆様のお部屋から良く見えます。お風呂なんて、窓から百合園が一望できて、贅沢な気分が味わえますよ」
「……でも、梅子さんの部屋には、窓がないのよね。それはどうして?」
「分かりません。設計の都合とかでしょうか」
そこでふと、桜子は聞いてみた。
「……もしかして、隠し通路なんかがあったりする?」
「……え?」
「隠し部屋があるんだし、隠し通路も……」
「ごめんなさい。知りません」
隠し部屋の事は、亀乃にとって辛い話題だったろう。亀乃の反応を見て、こんな話を出した事を、桜子は後悔した。
「こちらこそ、ごめんね……。」
《添付図・4》
――裏山に、隠し通路は存在した。
竹薮を縫って石垣沿いに進んで行くと、石垣の角に、先日見かけた赤茶けた板があった。近付いてみると、果たして錆びた鉄板だった。半畳ほどの大きさの鉄板が、石垣の角に斜めに置かれている。笹葉に半ば埋もれていた。
それには、溶接で取手が付けられていた。それもやはり錆びている。とはいえ、作りが明らかに近代のものだ。
零は取手に手を掛け、持ち上げてみた。それほど厚い板ではないため、下を覗ける程度に浮かせられた。
……そしてそこには、あったのだ。下へ向かう空間が。
「…………」
そこで零は、一旦戻って、警官なり百々目なりと連れ立って探索に行けば良かったのである。しかし、この時の彼は、理性よりも好奇心が勝っていた。
――この隠し通路がどこに向かっているのか。それを掴めば、この事件の様相は一気に変わる。
その功績の魅力などよりも、そうなった場合の事件の様相に、胸が踊る思いだった。深淵の闇が、彼を招いている気さえした。
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