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【仇】隠シ通路ノ三悪人
④
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――午後八時。
椎葉桜子は不穏な気持ちを隠せないでいた。
昼少し前、隠し通路の探索に出かけた犬神零が、未だに戻らないのだ。
昼食の後、亀乃の手伝いを口実に、桜子は本宅の増築部分、家人の自室のある区画に向かった。そこは、十四郎の部屋を始めに、カタツムリのように渦を巻いた廊下があり、その一番奥が梅子の部屋になっていた。
桜子は廊下の周囲を観察しながら確信した。
……何かがおかしい。
庭に向いて大きな窓のある風呂場があるのだ。それなのに梅子の部屋だけ、カタツムリの最奥に押し込まれ、隠すように窓がない。
廊下の突き当りの横にある扉の前に出された、昼食のお膳を回収しつつ、桜子はその扉を眺める。――可憐な装飾がされた白い扉は、お伽話にでも出てくるような雰囲気だ。この向こうで、ドレス姿の梅子は、一体何を考えているのか。
……それを早く零に伝えたいと、桜子は亀乃の手伝いをしつつ、ずっと零を待っていたのだ。
日が落ち始めた頃から、さすがにおかしいとは思い始めたものの、百々目はじめ捜査陣は慌ただしく動き回っているし、「帰るまで内緒にしてくれ」という約束もある。もう少し待ってみようと思いながら夕食を済ませたのだが、やはり、このままではまずいだろう。桜子は捜査本部の扉を叩いた。
そこでは、百々目と赤松が何やら話し込んでいた。百々目は桜子に気付くとすぐ、
「午後から探偵殿を見ないようだが」
と顔を上げた。桜子は彼の向かいのソファーに腰を下ろした。
「そうなのよ。昼前にね、隠し通路を探しに行くって出てったっきり、戻らないのよ」
「隠し通路?」
百々目と赤松は顔を見合わせる。そして、百々目は桜子に鋭い目を向けた。
「それはどこにあると?」
「多分、裏山の城跡から、善浄寺に繋がってるんじゃないかって」
「出掛けたのは?」
「炊事場に行った時、ちょうどお昼だったから、十一時五十分くらいかしら」
百々目は時計を見た。
「八時間以上経過している。どうしてもっと早く言わなかったのですか」
「だって、警部さんを驚かせたいから内緒にしといてって……」
百々目は立ち上がった。
「気になります。私は善浄寺へ様子を見に行きます。赤松警部補は、申し訳ないですが、裏山の捜索をお願いできますか?」
「承知しました」
――同じ頃。
久芳春子は、丸井勝太と待ち合わせをしている学校裏へたどり着いた。
「頭が痛いから、早く休むわ」
と両親に告げ、自室に戻った春子は、昼間まるいやで買ったワンピースに着替え、手荷物を手提げ鞄に押し込み、麦わら帽子で顔を隠して裏口を出た。そして、居間の両親に悟られないよう、慎重に境内を進み、石段を駆け下りた。
丸井勝太は既に待っていた。彼の横には、ハイヤーにもたれた柴田の姿もある。
ここは、学校に通う学童しか通らない道だ。学校が終わった日暮れ以降は、全く人通りがない。増してや、今は夏休みである。……多摩荘のサチコたちが不審な男に声を掛けられたというのも、この場所であった。
春子は勝太の前に立ち、彼の目を真っ直ぐ見つめてこう言った。
「勝ちゃん、やっぱり駆け落ちは良くないわ」
――春子は、彼の母である丸井セツとの会談で、大きく心を動かされたのだ。その事を彼に告げる。
「私、あなたの事も大好きだけど、あなたのお母様も大好きになったの。だから、駆け落ちなんて事をして、お母様に悲しい思いをさせたくないの。正々堂々、あなたのお嫁さんになりたいの」
「……それがいいと思うぜ、俺も」
柴田は毛バタキでハイヤーの屋根を拭きながら、春子の話を聞いていた。
「生活ってのは、そう生易しいモンじゃない。二人だけの生活と聞くと、甘い誘惑はあるけどな、やっぱり、両親に認められた仲ってのが、一番幸せだと思うぜ」
「だから、勝ちゃん。私、両親を説得する。何がなんでも。……もしかしたら、何かやましい事があるのかもしれない。けど、全部打ち明けて貰うわ。全部スッキリして、償うところは償ってから、あなたとのお付き合いを認めて貰うわ。……お願い」
勝太は春子の手を取った。
「分かったよ。さすが春ちゃんだ。僕、惚れ直したよ。僕も一緒に、住職とお庫裡様を説得するよ」
「ありがとう、勝ちゃん」
「やれやれ、お熱いねぇ」
柴田は眩しそうに目を遠くに向けた。……その時、水川銀座の通りを一台のオート三輪が走って行くのを目にした。――多分、水川産業のものだろうが、こんな時間にどこに行くのだ? 柴田は不審に思ったが、すぐに若い二人に目を戻した。
「じゃあ、俺が善浄寺に送ってやるよ」
桜子は、百々目が運転する警察車両の助手席に座っていた。後部座席には、警官が二人控えている。
「あの人、随分変わっていますね。思った事があったら後先を考えない。無鉄砲ですよ」
「そうそう。時々頭が切れるんじゃ、ってところもあるんだけど、基本、馬鹿ね」
つづら折れを下る。……とその先の月原山道を、一台のハイヤーが通り抜けて行くのが見えた。百々目は眉を寄せた。
「おや? こんな時間に誰でしょうか」
「この先っていったら、善浄寺しかないわよね」
「もしくは、もっと奥の月原洞窟ですが、こんな時間には通常、考えられません」
突き当たりを左に折れる。自然とハイヤーの後に続く形になる。気付かれないよう、百々目は距離を取ってそれを追う。……すると、ハイヤーは善浄寺の手前で停車した。そして、ライトを消す。だが、誰も降りてくる気配はない。
「……怪しいです。観察しましょう」
百々目はライトを消し、ハイヤーから離れた位置に静かに車を停めた。
「何をしてるのかしら?」
息を殺して低く呟く桜子はドキドキした。まるで、スパイ映画の尾行シーンのようである。
「ハイヤーの前方に、オート三輪が停まっています。何かを待っているのでしょうか?」
百々目は目を細くして、じっと観察している。
しばらくすると、動きがあった。男が二人、カンテラ片手に石段を下りて来たのだ。……何か大きな荷物を担いでいるようだ。
「…………」
男たちは、オート三輪の荷台に荷物を投げ入れると、月原山道を北へ向かって走り出した。――その後を、ハイヤーがライトも点けずについて行く。明らかに、尾行している。
「我々も行ってみましょう」
百々目はそう言うと、ゆっくりとアクセルを踏んだ。
ハイヤーの車内では、勝太と春子が落ち着かない様子だった。対して、柴田はニヤニヤとハンドルを握っている。
「こりゃスパイ映画みたいだな。ワクワクするぜ」
――善浄寺に着いた時、石段の下に不審なオート三輪が停まっていたのだ。この村にオート三輪は何台もない。恐らく、先程学校裏で見たやつだ。……何かある。柴田の発案で、三人はその顛末を見届ける事にしたのだった。
月原山道は緩やかにカーブしながら、月原川の上流へと向かう。オート三輪は柴田のハイヤーには気付いていない様子で、ガタガタ道を軽い動きで進んでいく。
そして、今は使われていない石灰採掘場の跡地へと入って行った。そこからは、三人はハイヤーを降り、足音を忍ばせて中に向かったのだが……。
採掘場の大きな穴の手前で、オート三輪は止まった。そして、荷台の荷物を運び出す。――人だ! むしろに包まれてはいるものの、その形から、三人は気付いた。
「どどどうしよう。これはまずいよ」
勝太が慌てた。
「助けに行かないと」
「いや待て。相手はがたいのいい男二人だ。その辺に転がってるシャベルででも攻撃されたら、ひとたまりもないぞ」
「それに、むしろの中の人、生きてるとは限らないわ」
こういう場合、最も冷静なのは女性である場合が多々ある。春子の言葉に、勝太と柴田はギョッと顔を見合わせた。
二人の男は、むしろを引き摺るように穴に向かう。そして、それを投げ込もうとした時――。
「止まれ! 止まらなければ撃つぞ!」
声と同時に、眩しいライトが二人の男を照らした。ハイヤーの三人は同時に振り返る。
――そこには、三つ揃いで身を固めた男が、二人の警官を従え、拳銃を手にしている姿があった。……百々目である。
それには男たちも対抗できない。彼らは荷物を地面に置き、両手を上げた。
椎葉桜子は不穏な気持ちを隠せないでいた。
昼少し前、隠し通路の探索に出かけた犬神零が、未だに戻らないのだ。
昼食の後、亀乃の手伝いを口実に、桜子は本宅の増築部分、家人の自室のある区画に向かった。そこは、十四郎の部屋を始めに、カタツムリのように渦を巻いた廊下があり、その一番奥が梅子の部屋になっていた。
桜子は廊下の周囲を観察しながら確信した。
……何かがおかしい。
庭に向いて大きな窓のある風呂場があるのだ。それなのに梅子の部屋だけ、カタツムリの最奥に押し込まれ、隠すように窓がない。
廊下の突き当りの横にある扉の前に出された、昼食のお膳を回収しつつ、桜子はその扉を眺める。――可憐な装飾がされた白い扉は、お伽話にでも出てくるような雰囲気だ。この向こうで、ドレス姿の梅子は、一体何を考えているのか。
……それを早く零に伝えたいと、桜子は亀乃の手伝いをしつつ、ずっと零を待っていたのだ。
日が落ち始めた頃から、さすがにおかしいとは思い始めたものの、百々目はじめ捜査陣は慌ただしく動き回っているし、「帰るまで内緒にしてくれ」という約束もある。もう少し待ってみようと思いながら夕食を済ませたのだが、やはり、このままではまずいだろう。桜子は捜査本部の扉を叩いた。
そこでは、百々目と赤松が何やら話し込んでいた。百々目は桜子に気付くとすぐ、
「午後から探偵殿を見ないようだが」
と顔を上げた。桜子は彼の向かいのソファーに腰を下ろした。
「そうなのよ。昼前にね、隠し通路を探しに行くって出てったっきり、戻らないのよ」
「隠し通路?」
百々目と赤松は顔を見合わせる。そして、百々目は桜子に鋭い目を向けた。
「それはどこにあると?」
「多分、裏山の城跡から、善浄寺に繋がってるんじゃないかって」
「出掛けたのは?」
「炊事場に行った時、ちょうどお昼だったから、十一時五十分くらいかしら」
百々目は時計を見た。
「八時間以上経過している。どうしてもっと早く言わなかったのですか」
「だって、警部さんを驚かせたいから内緒にしといてって……」
百々目は立ち上がった。
「気になります。私は善浄寺へ様子を見に行きます。赤松警部補は、申し訳ないですが、裏山の捜索をお願いできますか?」
「承知しました」
――同じ頃。
久芳春子は、丸井勝太と待ち合わせをしている学校裏へたどり着いた。
「頭が痛いから、早く休むわ」
と両親に告げ、自室に戻った春子は、昼間まるいやで買ったワンピースに着替え、手荷物を手提げ鞄に押し込み、麦わら帽子で顔を隠して裏口を出た。そして、居間の両親に悟られないよう、慎重に境内を進み、石段を駆け下りた。
丸井勝太は既に待っていた。彼の横には、ハイヤーにもたれた柴田の姿もある。
ここは、学校に通う学童しか通らない道だ。学校が終わった日暮れ以降は、全く人通りがない。増してや、今は夏休みである。……多摩荘のサチコたちが不審な男に声を掛けられたというのも、この場所であった。
春子は勝太の前に立ち、彼の目を真っ直ぐ見つめてこう言った。
「勝ちゃん、やっぱり駆け落ちは良くないわ」
――春子は、彼の母である丸井セツとの会談で、大きく心を動かされたのだ。その事を彼に告げる。
「私、あなたの事も大好きだけど、あなたのお母様も大好きになったの。だから、駆け落ちなんて事をして、お母様に悲しい思いをさせたくないの。正々堂々、あなたのお嫁さんになりたいの」
「……それがいいと思うぜ、俺も」
柴田は毛バタキでハイヤーの屋根を拭きながら、春子の話を聞いていた。
「生活ってのは、そう生易しいモンじゃない。二人だけの生活と聞くと、甘い誘惑はあるけどな、やっぱり、両親に認められた仲ってのが、一番幸せだと思うぜ」
「だから、勝ちゃん。私、両親を説得する。何がなんでも。……もしかしたら、何かやましい事があるのかもしれない。けど、全部打ち明けて貰うわ。全部スッキリして、償うところは償ってから、あなたとのお付き合いを認めて貰うわ。……お願い」
勝太は春子の手を取った。
「分かったよ。さすが春ちゃんだ。僕、惚れ直したよ。僕も一緒に、住職とお庫裡様を説得するよ」
「ありがとう、勝ちゃん」
「やれやれ、お熱いねぇ」
柴田は眩しそうに目を遠くに向けた。……その時、水川銀座の通りを一台のオート三輪が走って行くのを目にした。――多分、水川産業のものだろうが、こんな時間にどこに行くのだ? 柴田は不審に思ったが、すぐに若い二人に目を戻した。
「じゃあ、俺が善浄寺に送ってやるよ」
桜子は、百々目が運転する警察車両の助手席に座っていた。後部座席には、警官が二人控えている。
「あの人、随分変わっていますね。思った事があったら後先を考えない。無鉄砲ですよ」
「そうそう。時々頭が切れるんじゃ、ってところもあるんだけど、基本、馬鹿ね」
つづら折れを下る。……とその先の月原山道を、一台のハイヤーが通り抜けて行くのが見えた。百々目は眉を寄せた。
「おや? こんな時間に誰でしょうか」
「この先っていったら、善浄寺しかないわよね」
「もしくは、もっと奥の月原洞窟ですが、こんな時間には通常、考えられません」
突き当たりを左に折れる。自然とハイヤーの後に続く形になる。気付かれないよう、百々目は距離を取ってそれを追う。……すると、ハイヤーは善浄寺の手前で停車した。そして、ライトを消す。だが、誰も降りてくる気配はない。
「……怪しいです。観察しましょう」
百々目はライトを消し、ハイヤーから離れた位置に静かに車を停めた。
「何をしてるのかしら?」
息を殺して低く呟く桜子はドキドキした。まるで、スパイ映画の尾行シーンのようである。
「ハイヤーの前方に、オート三輪が停まっています。何かを待っているのでしょうか?」
百々目は目を細くして、じっと観察している。
しばらくすると、動きがあった。男が二人、カンテラ片手に石段を下りて来たのだ。……何か大きな荷物を担いでいるようだ。
「…………」
男たちは、オート三輪の荷台に荷物を投げ入れると、月原山道を北へ向かって走り出した。――その後を、ハイヤーがライトも点けずについて行く。明らかに、尾行している。
「我々も行ってみましょう」
百々目はそう言うと、ゆっくりとアクセルを踏んだ。
ハイヤーの車内では、勝太と春子が落ち着かない様子だった。対して、柴田はニヤニヤとハンドルを握っている。
「こりゃスパイ映画みたいだな。ワクワクするぜ」
――善浄寺に着いた時、石段の下に不審なオート三輪が停まっていたのだ。この村にオート三輪は何台もない。恐らく、先程学校裏で見たやつだ。……何かある。柴田の発案で、三人はその顛末を見届ける事にしたのだった。
月原山道は緩やかにカーブしながら、月原川の上流へと向かう。オート三輪は柴田のハイヤーには気付いていない様子で、ガタガタ道を軽い動きで進んでいく。
そして、今は使われていない石灰採掘場の跡地へと入って行った。そこからは、三人はハイヤーを降り、足音を忍ばせて中に向かったのだが……。
採掘場の大きな穴の手前で、オート三輪は止まった。そして、荷台の荷物を運び出す。――人だ! むしろに包まれてはいるものの、その形から、三人は気付いた。
「どどどうしよう。これはまずいよ」
勝太が慌てた。
「助けに行かないと」
「いや待て。相手はがたいのいい男二人だ。その辺に転がってるシャベルででも攻撃されたら、ひとたまりもないぞ」
「それに、むしろの中の人、生きてるとは限らないわ」
こういう場合、最も冷静なのは女性である場合が多々ある。春子の言葉に、勝太と柴田はギョッと顔を見合わせた。
二人の男は、むしろを引き摺るように穴に向かう。そして、それを投げ込もうとした時――。
「止まれ! 止まらなければ撃つぞ!」
声と同時に、眩しいライトが二人の男を照らした。ハイヤーの三人は同時に振り返る。
――そこには、三つ揃いで身を固めた男が、二人の警官を従え、拳銃を手にしている姿があった。……百々目である。
それには男たちも対抗できない。彼らは荷物を地面に置き、両手を上げた。
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