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第一章 幸せのシンボルが呼び寄せたもの
仮想世界(2)
しおりを挟む「ああ、何て暑さなの!」仕事から帰って第一声で嘆く。
「お帰り。今日は各地で四十度に達したそうだ」
「先生はずっとご在宅だったの?」
涼しい顔で予想通りの答えが返ってくる。「今日はね」
「それ正解!この湿気といい……まるで熱帯地方の気候だわ」
近年、夏の異常な暑さは酷くなる一方だ。連日の熱帯夜続きで夜も冷房が欠かせない。電気代や電力不足も気にかかるが、下手な節電は熱中症による命の危険を招き兼ねない。
それでも私は忍耐強くありたい。心頭滅却すれば、火もまた涼し?
「なあ、週末はどっちが休みだ?」
私の仕事はシフト制で、土日もどちらか出勤する。「今週は日曜だけど、それが?」
「海水浴にでも行こうと思って」
「まさか、カリブ海にでも行く気?」
神崎社長に張り合うつもりかも!そこまで負けず嫌いとは。
「……イヤか?」
「向こうの日差しは輪をかけて凄そう……日焼けはもうイヤ!」
「たまには日光浴も必要だぞ。骨や筋肉の強化にね。……ってユイ、今、日焼けはもう嫌だと言ったが、最近日焼けした事あったのか?」
この真夏でも、私の肌は抜けるように白い。
「え……、それはだから、海外で何度か強い日差しを浴びた事あるから……」
「例えば?」
「エジプトとか、後は……」
まだある気がするのだが、それがどこか分からない。かなり長期間滞在した場所だ。
考え込む私に気を遣ったのか、彼が話を進めた。
「今の日焼け止めは画期的だぞ」
「日光浴ならここでだってできるわ」考えるのをやめて、次なる話題に答える。
「それじゃ面白くないだろ?」
どこか悪戯っ子のような顔の彼に言う。「あなたは泳ぎたいの?それとも私のビキニ姿を見たいの?」
「両方かな」
この人でもこんなジョークを言うのだと感心しながらも、難色を示す。
「水着はあまり気が進まないわ」
「なぜだ?心配する必要は全くないと思うが」私を上から下まで眺め回すと、ニヤリと笑って彼が言った。
「スタイルの話じゃないの」
「それはそれは!」
彼は冷やかそうとしているようだが、こちらとしては真面目な話だ。
「あまりに無防備すぎるでしょ。布一枚って!」
「拳銃の隠し場所に困る、とか言うんじゃないだろうな?」
「ご名答!」分かっているならば話は早い。
彼が笑みを消して頭を振った。「もういいよ」
マズい、また口論になる!慌てて話題を振る。「プライベートビーチに連れてってくれるなら考えるわ」
「プライベートビーチか、よし。どこかいい場所見つけておけ。そこを買い占めてやる」
「大きく出たわね……。でも素敵よ、デキる男は違うわ!」
やっぱり神崎さんに張り合っているではないか。そう思いながらも持ち上げた。
不意に彼が言う。「ついでだから、ずっと聞きたかった事、聞いてもいいか」
「どうぞ。何?」次の言葉をワクワクしながら待つ。一体何が知りたいのかと。
「マルチリンガルになる秘訣は?」
「う~ん。それはキハラ師匠に聞いてほしいかなぁ」
私は英語を筆頭に仏、独、伊、露の五ヶ国語を習得している。それができたのは師匠キハラのお陰だ。勉強嫌いの私が、なぜこんな偉業を成し遂げられたのか?
「先生だってできるんじゃない?」海外からも依頼が来るほどならばできるのだろうと予想した訳だ。
「俺はそこまでマルチではない」
その後、英語とフランス語、ロシア語ができると打ち明けられた。予想的中だ。
「十分マルチだと思うけど!それに私、話せるってだけで検定とか受けたら確実に落ちるレベルよ?」実際、高校時代の英語のテストは、自慢じゃないが赤点ギリギリ。
「社会では検定なんて無意味だ。話が通じれば十分だろ」
「じゃ、次だ。ヘリの操縦はいつ覚えたんだ?」
「え?もういいの?えっと、高校時代かな」
それにしても、付き合っていたという割りに今さらな質問ばかりだ。
不思議に思いつつ答えると、彼が目を丸くしている。
「驚くのはまだ早いと思うわよ?」
「もしや、ワインと煙草も高校時代って言うんじゃないだろうね?」
「それ、先生は知らないんだ」学生時代からの主治医と聞いたような……。ん?
ここで何かがおかしいと思うのだが、考えが纏まらない。
「そんな事までは知らん」
どこか不機嫌な様子の彼に、取りあえず考え事を中断して話を進める。
「高校一年の夏季休暇にアメリカに半月ほど滞在して、ヘリも覚えたしライフルやマシンガンも撃ったわ。キツかったな~あの遠征は!」それはもちろん我が敬愛するキハラ師匠監修の元でだ。
「女子高生にマシンガンとは……!俺と出会った後にできるようになった訳ではなかったんだな」
「まあね。もちろんそれらの技術力向上には、その後の実地経験が必須だけど」
ここでまたも考え込む。
「ちょっと待って、やっぱりおかしいわ。先生と出会ったのって……あのカーチェイスでしょ?」
これを受けて彼が言う。「ああ……そうだった」そして続ける。「その事だが済まない、あの話はだな……」
「私、高校時代に赤のBMなんて乗ってなかったわ。運転は普通にできたけど」
「そうなのか?そこは予想外だが、悪かった!安易にあんな話を受け入れてしまって。こんなに早く事が発覚するとは思わなかった」
彼は事実ではない過去を認めてしまった事を詫びた。
やはりあれは私の仮想だった。高校生がカーチェイスなどできる訳がないのだから?よくよく考えれば全く矛盾だらけだ。
打ち明けられた話によると、あの日彼は転寝をしていて夢を見たそうだ。それはとてもリアリティのある夢を。それが何と、私の考えたストーリーと全く同じものだったとか!
「それってどういう事?凄い偶然ね!」
「そうなんだ。だから思わずその話なら知ってると言ってしまった。本当に悪かった。騙したようなものだな」
「ううん、そういう事なら許してあげる。だって不思議じゃない?あの出来事は本当にただの夢なの?何かありそう」
「ないよ。そんな事実は、俺の知る限りではない」
「断言するのね」言い切る彼が気に入らない。負けずに彼も言い返してくる。「ああ。俺は記憶を失くしていないからな」
「でも、新堂先生の記憶が正しいかは証明できない」
「疑うのか?言っておくが、俺は催眠術は使えないぞ」
この言い方はつまり、別の誰かは使えるという事か。それができるとしたら第一候補は間違いなくマキ教授だ。
この件はまた追及するとして、私は腕を組んで再び夢について考える。
「私が言ったセリフまで、あなたは知っていたのよ?」
「そうだな」
「あのセリフ、前に私が言った事はない?別のシチュエーションでも」
「ないな」
「なら、私があなたの夢の中に入り込んだのかも!」
「ああ……それなら、たまにあるかな」
冗談で言ったはずが、意外な彼の反応に驚く。「えっ?」
「いつでも夢で追いつめられていると、おまえが現れて俺を助けてくれるんだ」
「私って、夢でもあなたのボディガードしてるのね!」
「夢でもボディガード、現実でもそうだと?」
「そう、そう思う……。私はあなたを守りたいって。ずっと思ってるから……」
「それは、俺の事を思い出したって事なのか?」
こんな質問に答えられる訳がない!それでも私は繰り返す。「あなたの事は私が守る、って言ったわ……」
これに対しつめ寄る彼。「いつだ?」
眉をしかめて必死に考えるけれど、細切れの記憶が繋がらない。仕舞いにはリビングテーブルに突っ伏した。
「おい、大丈夫か?無茶をさせすぎた。もういい、無理に思い出さなくていいから!」
「ううっ……、ここまで、あなたの黒い影が見えてるんだけど、掴めそうで掴まらないのよ」手を前に持って来て位置を示しながら言う。
「黒い影、ね……」
「謎が多い方が魅力的とか言ってたでしょ~」顔を少しだけ上げて彼を見る。
彼は立ち上がると、私の横に移動して上体を起こしてくれた。
「俺が言った事、一言一句覚えててくれて嬉しいよ」
「どういたしまして。これでも記憶力はいい方なので?」
「そうだよな。分かってるよ……」どこか悲しそうに呟いている。
そんな彼に右拳を握ってパンチを繰り出した。もし彼の強さが本物ならば、こんな状況でも対処できるだろうと、加減はしていない。
案の定、私の右手は彼の大きな手によって受け止められた。
掴まれた右手が捻られた時、激痛が走る。「ううっ、痛……っ!」
「そんなに強く捻ってないぞ。大袈裟だろ!」
確かに軽く掴んだのだろう、彼は心底不思議に思っている様子だ。
「まただわ……」
「また?」
「もうひと月以上経つのに、まだ治らないの。この右手!どうなってるのよ」
「痛むのは例の場所だったのか。見せてみろ」彼が体ごと私の方を向いて言う。
「ひびはもう治ったはずだが……」
親指の付け根下の窪みを押されて悲鳴を上げる。「イッタぁ~い!!」
「これ、痛むのか」しつこく押してくる。
「だから痛いってば!」右手を奪還して訴える。
私の様子を見てため息をつく先生。「今度は捻挫でもしたか。何か固い物を殴ったりした?」
「いいえ。痛いから右手では殴りません!」
「どこか高い場所から落ちて、右手で体を支えたりは?」
「いいえ」私はどこからも落ちません!
ここ最近の私は大人しいものだ。何しろ外出といえば例のパート先の会社までだし、買物に行っても、リング狙いも含めトラブルに巻き込まれる事もなかった。
「いつもしてるトレーニングの内容、教えてくれ」
「軽いスクワットよ。射撃は左だし。それが?」
「さっき、またって言ったろ?いつも痛みを感じてるって事だよな」
「そう」
「もっと早く言えよ!」
先日のカーチェイスの時、右手で体を支えた時は激痛が走った。
他にも腕立ての際も痛むし、お風呂掃除でも痛い。言ったら右手を使う時ほぼ痛む。
「痛いのに、無理にその動きを続けてないか?」
片手で何かをするのは不便だ。使わないようにする方が無理だ!目だけでそう訴えたが、正確には伝わらなかった。
私の目を見て彼はこう読み取った。「してるんだな」
「だって」
「だってじゃない。だから痛めたんだ。骨折箇所は筋が硬くなる。あまり無理し過ぎると厄介な状態になるぞ?」
「片手が使えないって不便なのよ!」
「利き手が使えなかったあの時よりもマシだろ?」
こんな事をサラリと言った彼に疑問が湧く。
「私、左手をケガした事なんてないけど」
「……ああ、そうだった。とにかくだ!今後は絶対に痛みを伴う動作は厳禁だ。分かったな?」私の右手首に湿布を貼りながら、強い口調で言う。
「それってつまり、右手を使うなって事になるけど!」
「そうだ。無理をしていたら、いつまでも治らないぞ」
手首を擦りながら、ため息をついた。
「右腕が鈍る、とでも言いたそうだな」
「そうよ!」良く分かったじゃない?
「治ってから鍛え直すんだな」
「いつ治るの?」
「さあな。半年後か、一年後か。おまえ次第だ」
「そんなに?!」
こんな事になるならば黙っておけば良かった。
「今、言わなきゃ良かったって思っただろ」
「っ!そっ、そんな事思ってないわよ」
「顔に書いてあるぞ」意地悪な笑みを浮かべて言う。
ここまでお見通しとは恐れ入った。
さらなるお叱りの言葉が来ると予想して構えていたが、拍子抜けのセリフが彼の口から発せられた。
「……話してくれて感謝する。おまえは、体の不調をどうあっても俺に相談しようとしないから、困っていたんだ」
「どうして?あなたは私の主治医なんでしょ」
「そうなんだがね。昔から困った患者なんだ、君は」
彼の医者としての腕を疑っているから?もしくは自分に不都合が生まれるから。
「この展開を考えるに、その気持ち、少し分かるわ」
制約される事を好まない者ならば誰だってそうだろう。
こんな事を思いながらも、無意識に右手で頬杖を付く。
「……痛っ」すでに右手を使ってしまっていた。
「おい!先が思いやられる。当分完治しそうもないな、残念ながら」
「そんなぁ~!何とかして、先生!」
「調子のいい事を言うな。おまえ次第だと言っただろ」
こんな雑談を交わしている間に、いつの間にか天候は急変していた。
雲行きが怪しい。この秋口にも関わらず夕立が来そうな気配だ。遠くの方ですでにゴロゴロという音が聞こえている。
彼がテラスから空を見上げる。私も立ち上がってそちらに様子を見に行く。
「何だか暗くなって来たな」
どす黒い雲からあの光を想像して、思わず彼にしがみ付く。「雷、キライ……っ!」
「ん?何だ、苦手なのか」私を見下ろして言う。
その時、タイミング良く空に稲光が走り、庭を一瞬照らした。
「イヤぁ~っ!!」
「これで季節が一歩進むな。夏の雷と違って、秋の稲妻は大人しいんだぞ?」
「暢気な事言ってる場合じゃないわ!」しがみ付いたまま訴える。結構必死だ。
「落ち着けって。ただの放電現象だろ。家の中にいれば安全だ」
「先生、こうなったら地下にシェルター作って!」
「……それはまた大袈裟な」
「それから、全壁面を最新式の防弾防音仕様にしなきゃ!」
「防弾?それ、間違ってないか」
彼の言葉などすでに聞こえていない。私の要求はさらにエスカレートする。
「最近の弾丸は強力だから、昔の防弾ガラスじゃ簡単に貫通するわ。最新よ、サ、イ、シ、ン!」
「だから弾丸っていうのは……」
「いいの!この際、雷も爆弾も一緒よ」
「出たな、過激発言」
「早速改修工事よ!」
「だがユイ、どんなに大金を積んだって、今のあれには間に合わないぞ」
再び光が走った。大粒の激しい雨が降り始める。
「きゃー!」
「意外だな……。可愛いとこあるじゃないか?」
しがみ付く私を抱きしめて言う。「今は、ここに避難していればいい」
私の頭を自分の懐に押し付け、彼の手に両耳を塞がれる。右手を庇いつつされるがままになりながら思う。ここの居心地はなかなか悪くないかも、と。
「……まあ、これはこれで、いいかも」
これでは完全に甘ったれの子供だが(!)、これが案外落ち着くのだ。
「気に入ってくれたか?」
「でも、鳴り止むまであなたは何もできないわよ?」胸に埋めた顔を少し上げて彼を見上げる。
「それもいいね。望むところだ」私を見下ろして彼が答えた。
「ふふっ!言ったわね?じゃあ絶対に離してあ~げないっ!」
いつの間にか私に笑顔が戻っていた。
外は、秋雷に伴う激しい雨が降り始めていた。
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