この恋、腐れ縁でした。

氷室ユリ

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第四章 不屈の精神を養え

31.二人のキズナ(1)

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 満開になった桜が散り始めた頃、そのエアメールは届いた。
 差出人は、新堂さんがモロッコのカサブランカに長期滞在中に知り合った研究者。その人は法擦れ擦れの際どい研究をしているらしい。

 彼が日本を離れていたあの時。私にとっては結構つらい時期だ。それはマキ教授に出会った年、つまり父義男が死んだ年でもある。メンタル的に絶不調だった私は、ヘマをして撃たれ死ぬところだったのだから!
 帰国した新堂さんが、そんな私を連れて再びカサブランカへ。異国の地で気分転換させようとしてくれたのだ。そこで半年くらい静養した。

「モロッコかぁ、懐かしい!なら、またそっちに行くの?」
 アフリカ大陸の中では比較的安全な国だが、外国人観光客が強盗や窃盗に遭う頻度はかなり高い。ボディガードは必要だ。
「いや。今は南フランスで研究をしているらしい。そっちに来いと書いてある」
 再び手紙に目を通して彼が答えた。
「いいんじゃない?行ってあげれば。頼ってくれてるんだから」
 迷っている様子の彼に勧めるも、「しかし、受ければ当分帰れないぞ。しかも、ほとんど金にならない仕事だ!」

 引っかかっているのはそこか……。見つからないようにため息を吐く。

 気を取り直してこう言ってみる。「あなたが心配なのは私の事でしょ?」
「ああ。大いに心配だな」
「一緒に行ければ一番いいんだけどね……」
 パートタイムの仕事はまだ続けている。辞めようとした矢先に二人一度に辞めしまったため、一気に人員不足となった。お陰で勤務日数を増やされてしまい、びっしり詰まっているのだ。

「今回は場所的に考えてガードは必要ない。むしろ……」彼が言葉を切る。
「それも市街地じゃなくて山の方だって?紛争地帯でもないし、治安も悪くなさそうだし。あ、でも熊対策は必要かもね!そうすると私はお邪魔かぁ~」
 素直に頷くのは気が引けるのか、彼が微妙な顔で黙り込んでいる。
「私の体調も全然問題ないし、行って来ていいよ」再度プッシュする。

 しばらく悩んでいたようだが、ようやく彼が受け入れた。

「何かあったら貴島に連絡しろ。ヤツには説明しとくから」
「ええ、そうする。じゃあ決定ね!私の事は心配しないで、研究に没頭して!」
「俺が担当するのは外科的処置だがね」
「あっそ。どっちでもいいけど頑張って!」


 新堂さんと離れて暮らすのはいつぶりだろう。ひと月はかかるとの話で、こんなに長期間一人になるのは久しぶりだ。

 本当はついて行きたかった。仕事など放り出して!
「……な~んてね。ダメダメ!お荷物になりたくないし?」
 前回は私を一人にして行くのかと迫ったが、あれはボディガードを受け入れてもらうため。寂しいなんて子供染みた感情で困らせるのは、絶対に避けたい。

 寂しさを紛らわすため、家では外す事になっているサファイアリングをずっと着けて過ごす。
「禁止してる人がいないんだし、いいよね?」そうリングに問えば、ブルーの煌めきが一層強まった気がした。我が相棒のように、宝石にも意思があるのかもしれない?


 彼が南フランスへと発った夜、早速貴島さんが連絡をくれた。

『もしもし、朝霧か。新堂から聞いてる。何かあったら遠慮なく言えよ?』
「わざわざありがとう、貴島さん」
『なあ、何ならウチに来ないか?新堂が帰るまで……』こんな誘いのセリフはどこか控えめでこの人らしい。
「その必要はないわ。それに今仕事休めないのよ。そっちからはとても通勤できないし」
『そうか……』心から残念そうな声だ。

「それに、そんなご迷惑はかけられないわ!」
『全然、迷惑なんかじゃないんだがな。むしろまなみが……』
 後ろで騒がしい声が聞こえて、魂胆が見えた。「さては、私にお守りを押し付けたかった訳ね?」

『アハハ……!それより、様子を見に行きたいんだが、いつがいい?』
 本心を隠すように加えられた言葉に、あっさり断りを入れる。「いいよ、そんなの」
『そうも行かん。新堂からのお達しでな。何とか時間作ってくれないか』
「でも別に、今のところ調子悪くないし」
 それでも、と貴島さんは引かない。

「分かった。悪いわね、来てもらうなんて。それじゃ……日曜の夜から火曜の午前まで空いてるから、都合のいい時にお願い」仕方なく応じた。
『分かったよ。おい、まなみ!喧しいぞ、何を騒いでるんだ?』
「ふふっ、あなたも大変ね」
『そうなんだよ……年頃の娘は何考えてるのかさっぱりでな!じゃ、月曜の朝にでも行くよ。その前にも、具合悪くなったらいつでも呼んでくれ』

「ええそうする、ありがとう」
 私が答えると慌しく電話は切れた。
 まなみは、ひと月私と一緒に暮らせるとでも期待したのだろう。あっさり断った事に癇癪を起こしていたようだ。
「ゴメンね、まなみ」

 そして一人寝室へ入る。元々私達の就寝時間は別々だから、隣りのベッドが殻なのはいつもの事だ。
 唯一、堂々と就寝前の一服ができるというもの!やたらと頻繁に様子を見に来るので、まんまと喫煙が見つかってしまうのだ。

「それにしても酷い雨!」
 新堂さんが日本を発った途端に、天気予報の週間天気から晴れマークが消えた。そして初っ端から激しい雨が降っている。
「新堂さんって晴れ男だったの?明日も雨かぁ。会社行くの面倒になるじゃないっ」


 こうして彼不在の日が三日ほど過ぎた昼。天候は今日も雨。
 新堂さんから国際電話がかかってきた。勤務日だったが、ちょうど昼休憩中だったので受ける事ができた。こんな配慮には大いに感謝だが……。

「もう。新堂さんったら、気、遣いすぎ!私に電話するために五時起きなんて?」
 こちらが昼なら向こうは早朝。私のために睡眠時間を削っている事を知り、居た堪れなくなってすぐに電話を切ってしまった。
 携帯を片手にオフィスへ続く廊下を歩いていると、心なしかクラクラしている。

「あれ……何だか眩暈がしてるような……」
 最近感じる事のなかったこの症状。主治医が不在になった途端に現れるとは。


 何とかやり過ごして、四日連続勤務最終日を無事にやり遂げた。
 帰宅して寛いでいるのだが、話し相手もなくどうにもつまらない。さらには疲労感までが襲ってくる始末。
「こんなデスクワークで疲れるはずなんてないのに……。きっと連日の雨のせいね。まあ、飲んだら気も晴れるって!」

 入浴後、寝巻きに着替えて大好きな赤ワインを堪能するうち、段々治まってきた。
 調子に乗って二本目を開ける。
 こんなに飲んでしまっていいのか?明日は朝から貴島さんが来る事をすっかり忘れている私なのだった。



 夢うつつで玄関チャイムの音を聞いている。
 一度目、二度目、三度目が鳴らされてようやく目が覚めるも、身動きができない。

『お~い、朝霧、いるんだろ?貴島だが!』
『ユイ~っ、開けてよ~!』

 辛うじて首を動かし、声のする窓の外を見やる。
「もう朝……。ようやく雨、上がったみたいね」
 予定通り貴島さんがやって来たようだ。どうしても行くと聞かない(想像)まなみを引き連れて!一向に現れない私にムッとしてドアを叩くまなみの姿が目に浮かぶ。

 ドンドンという鈍い音の中、まなみの声が微かに聞こえる。
『ね~先生……、もしかしてユイ、いないんじゃないの?』
『そんな訳ないだろ、ちゃんとアポ取ってるんだ。緊急事態って事もある、いいよな?』

 玄関ドアに鍵が差し込まれた音が聞こえて、ドキリとする。
 緊急用という事でここの合鍵を渡されていたようだ。

「入るぞ~!」
 施錠が外されて、貴島さんの声が静まり返った室内に響いた。
「ユーイ!」
「あっ、おい、待てまなみ!」
 待ち切れずに入って来たらしいまなみの足音は、リビングに向かって行った。

「どこにいるんだ?朝霧!返事くらいしろよ」
「ここ~。寝室で~す……」
 一応声を張っているのだが、おかしな格好のためにか細い声しか出ない。
「朝霧?」寝室の前で声がする。

 勢い良くドアが開き、真っ先に顔を出したのはまなみだった。
「見~つけた!まだ寝てるの?お寝坊さんね」
 貴島さんも近づいてきて、うつ伏せで寝ている私の顔を覗き込んだ。
「おい朝霧、どうかしたのか?」
「貴島、さん……。いらっしゃい、お出迎えできなくてごめんなさいね」

 おかしな角度で首が曲がっている私を見下ろして、目を瞬いている。
「お前、何てカッコしてんだ?いつからそんな体勢で……!その上酒クサいぞ?」
「目が覚めたら、眩暈が……酷くて……この体勢から、動けないの」

 慎重に抱き起こされるも、グルグルと回る視界が私の平衡感覚を麻痺させる。

「ダメ!仰向けにしないで……眩暈が……っ」
「ああ、分かってる。少し辛抱しろ、今薬を打ってやるから」
「うっ!気持ち悪い……っ」急に吐き気が襲ってきて、貴島さんにしがみ付く。
「ちょっと待てったら!まなみ、至急洗面器持って来い!」
「え~っ、待って待って、どこにあるのよ!」

 廊下をバタバタと駆け回るまなみの足音を聞きながら、吐き気に耐え続ける。

「おい、これ外すぞ」
 貴島さんが見ていたのは、右手薬指に嵌められたリングだった。
「え?……ヤダ!何でよ」
「手が浮腫んでる。指の血流が滞るぞ?」私の訴えなど当然却下か。引き抜こうと指を掛けるも、すでに浮腫んでいて抜けそうもない。
「痛いよ、貴島さん、いいからそのままで……ううっ!もうダメ、吐くっ」

 またも激しい吐き気が襲い、右手を強引に奪還。両手で口元を覆った。
 こんな私の状態を見て諦めたのか、持参したカバンを漁り必要な物を取り出すと、手際良く私の腕に点滴針を差し込んだ。

「ううっ!」顔をしかめる私。
「悪いな、新堂みたいに注射が上手くなくて?」
 こんなコメントに注射嫌いの私が何の反応も示さない事に驚いている様子。今はそんな余裕はないんです!
 私の心を読んだように貴島さんが言った。「そんなに辛かったなら呼べよ!」

「だって、起きたらこうなってたんだもん!」
「これじゃ、その吐き気は二日酔いか眩暈のせいか判別できん。とにかく、しばらく様子を見よう。落ち着いたら有無を言わさず俺の所に連れて行くぞ。いいな?」
「有無を言わさないんでしょ?私に決定権ないじゃない。……頼むわ」
「全く減らず口を叩きやがる!素直に返事しろよ」

 そこへようやく洗面器を抱えたまなみが現れた。
「ユイ、吐いていいよ!」


 しばらくして薬が効いたらしく、ようやく仰向けになる事ができた。
「あ~、首が痛くなっちゃった」
「あんな格好で長時間いたら、誰でもそうなる。……ったく呆れるぜ。なあまなみ?」
「まなみと一緒に暮らす事を拒否したバツね~!」
「辛口ね……。誰に似たのかしら?」
 私の視線をあえて反らす貴島さん。

「ところでまなみ、学校は?今年から中学生だっけ」今日は月曜だ。
「そうだよっ!何と何と~!創立記念日でお休みなのです!ユイん家に一度来てみたかったの!やっと願いが叶ったわぁ」朝からこのテンションは凄い。
「どうしても行くと聞かないんだ。学校が休みじゃ連れて来るしかないだろ?」
「思った通りだったわ」

「騒々しくて済まんね……」申し訳なさそうに言う貴島さん。
「ううん。まなみ見てると元気出るし。来てくれてありがとね、まなみ」
 私のこんな一言に、まなみのテンションがさらに上がったのは言うまでもない。


 こうして私は、結局貴島邸にお邪魔する事となった。

 移動を終えて、貴島邸の居間にて一息ついているところだ。
「しばらくこっちにいろよ」貴島さんに続いてまなみも「いてよ!」と訴える。
「そうしたいんだけど……」
「何だ。そんなに仕事、忙しいのか?」

 詳しく説明する気にもなれず黙っていると、貴島さんが言った。「ま!お前の仕事に口を出す気はないがね」
 この言葉に、まなみが目を瞬いて私達を交互に見ている。
 余計な事を言い出される前に口を開く。「貴島さんのそういうところ、好きよ」

 例え私が殺しの依頼を受けても、この人は何も意見しないだろう。なんせこちらの世界に入りたいと言っていたくらいだ。同じ医者でも新堂さんとは違う。
 けれど、そんな事は口が裂けてもまなみには言えない。悪の道を踏み止まってくれた貴島さんのためにも。

「でも、せめて今晩だけは泊まって行けよな?」
「ええ。そうさせてもらう」
 明日の午前までは自由になる。明日は遅番なのだ。

「しかし、こんな事なら昨日の晩に行けば良かったなぁ」
「あらどうして?眩暈が酷くなったのは今朝からよ」
「過度の飲酒を止められただろ!」
「そんなに飲んでないってば!」
「もしや、酔って新堂のいない寂しさを紛らそうとしたか?」
「っ、バッカじゃない?そんな訳ない、寂しいなんて子供じゃあるまいし?」

 断言しておきながら貴島さんの目を見られない。だってそれはある意味事実だ。けれど今の私にはこれがある!奪われかけたサファイアリングを見下ろした。
 まなみの目がそこに向く。「あれ?ユイ、それ前にしてたのと違くない?」

「うん。前のは……失くしちゃって!新しいの買ってくれたんだ、綺麗でしょ」
「えっ、サイズお直し中って言ってたのに?ユイはいいなぁ~……」横の貴島さんにそれとなく視線を走らせた後、私の隣りに移動してリングに顔を近づける。
「でもユイ、赤が好きって言ってなかった?」私を見上げて首を傾げる。

 新堂さんに、赤と青どちらがいいかと聞かれた事を思い出す。その時はまだ、宝石の事とは思っていなかった。赤と言っていたら、これはルビーだったのか。
 考え事の最中も、まなみはずっと私を見ていたらしい。
「ねえユイってば」と答えを急かされる。
「赤がいいって言うのはクルマだけ!ブルーサファイアはね、幸せを運んでくれるのよ?」こう伝えて話を収めた。

「まなみ、そういうのは大人になったらな。今は必要ない」貴島さんが言い放つ。
 それで宝石箱を買ってあげたのか。あれに何が入れられているのかは、未だ謎のままなのだが。

「何にせよ、新堂の言った通りだな。見に行って正解だ」と高らかに断言される。こうなる事は想定内という事か?ああ……恥ずかしい!
「ねえ、そんな事より!この事、新堂さんには黙っててよね?」
「酒飲んで、眩暈起こしてブッ倒れてたなんて知ったら、新堂のヤツ怒るだろうなぁ」
「っ!ブッ倒れてなんてない!」

 貴島さんはため息をついた後、静かに言った。
「黙ってる訳には行かないよ。逐一チェックの電話が入るんだ。それに内緒にしてても、どうせそのうちバレるぞ?」
「……それでもいいの、今だけで。今は仕事の邪魔したくないのよ、お願い」
 私を心配して仕事に手が付かなくなったりしたら、何の意味もない。

「参ったなぁ。隠し事は苦手でね!バレたら言っちまうからな?」
「その時は仕方ないわ。でも極力バレないように、ね?」
「この借り、高く付くぜ?」
「朝霧ユイにできる事なら、何でもします!」

 その夜、早速彼から連絡が入ったようだったが、上手く誤魔化してくれた模様。
「感謝するわ、貴島さん!」


 そして一日はあっという間に過ぎて、火曜の朝。中学の制服姿を披露したまなみを玄関先で見送るところなのだが……。

「制服似合ってるわ!行ってらっしゃい。車に気をつけてね」
「ユイ、私早く帰って来るからさ!今日も一緒に晩ご飯作ろ?」
「だから、今夜は来れないってば」
 昼からの勤務なら、早めに出ればここからでも通えるのでこちらに泊まったが、勤務後にここまで来るのは無謀というもの!
 まなみには昨夜も説明したはずだが。都合の悪い事は忘れてしまうのか?

「何で帰れないの?ヘリコプターがあるじゃない!ひとっ飛びで来れるでしょ」
 こんな言い分に、とうとう貴島さんが割って入った。
「おいおいまなみ、無茶言うな。朝霧はまだ眩暈に襲われる可能性がある。乗り物の操縦は医者として許可できない」
「ね~……さすがにこの状況でヘリを飛ばす自信は、私にもないわ」

 私のこのコメントに安堵した様子の貴島さん。一人まなみだけが不満げだ。

「イヤイヤ~!帰って来て、ユイィ……」私に縋り付いて訴えてくる。
 あまりに可愛くて強く拒絶できず。「困ったわね……また金曜に来るから。ね?」
「ホントに?」上目遣いで聞かれ「うん、本当よ。約束する」笑顔で答えた。
「それなら分かったわ」ようやく納得してくれた。

 この後まなみは、元気良く登校して行った。

「やれやれ全く、まなみのヤツめ!いらん知恵付けやがって?何がヘリだよ。済まんな朝霧。お前に無理させたら意味がなくなる」
「無理はしないから大丈夫。可愛いじゃない!それより、新堂さんに黙っててくれてありがとう」
「……ああ。いいさ」

 それから私も昼に会社へと向かった。

「アクアラインの鉄道路線があれば、どんなに良かった事か!」
 千葉の貴島邸から神奈川の会社までの鉄道距離は、それはもううんざりするほどなのだった。


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