79 / 131
第四章 不屈の精神を養え
38.訪れた試練(1)
しおりを挟む新堂さんと別々に暮らし始めてひと月と二週間。彼の携帯電話を届けに行った時に一度会って以来、ずっと門前払いされ続け……。
でもこの日、ついに会う事ができた!
「やあユイ。何度も来てくれてたのにごめんな」
「新堂さん、やっと会えたぁ……」
確かおみくじの待ち人という欄に、来る。と書いてあった。ついに来たのだ!
とはいえ、私の方も胃腸炎に罹ったり、奈緒や施設の元職員紺野さんに会いに行ったりと、何かと忙しくしていた訳で彼だけを責める事はできない。
「なあ……ユイ、何だか痩せたんじゃないか?ちゃんと食べてるのか」私の顔を見て問いかけてくる。
実際あまり食べてはいない。だがここは一つはぐらかそう。
「あなたこそ痩せたじゃない。本当に大丈夫なの?良くなってるのよね?」
だがこれに対する答えはなかった。
おまけに、誘導尋問が最高に上手い彼にまたしても誘導されてしまう。
「今回は最低の年末年始だったな。申し訳ない」
こんな痛ましげな表情の彼を前に、文句が言える訳がない。
「そうでもないよ。一人になって、新堂さんの有り難みを日々実感してる。増々好きになったわ!」この言葉は強がりなどではなく本心だ。
この時、彼が何か言いかけたように見えた。けれど何も言葉を発する事はなく、ただただ酷く疲れている様子。
「新堂さん、私に、何かできる事はない……?」思わず泣きそうになってしまう。
何だか様子がおかしい。全然良くなっているように見えない。
「そう心配するな。そんなに精神的に負荷を掛けると、また甲状腺疾患が再発するぞ?病は気からって言うだろ」
「だって……っ!」
そして彼はそんな事を言った後、目を閉じてしまった。
元気になっている事を期待していたのに……。青い顔で横たわる彼を見つめる。
その腕には二本も点滴が入っている。チラリと薬剤を確認するが、聞いた事もない薬剤名が並んでいるばかりでさっぱりだ。
足音が近づいて、部屋に貴島さんが顔を出した。
「貴島さん!これはどういう事?」
「まあまあ……そう大声出すなよ。お前の言いたい事は分かってる。もう限界だ、これ以上隠せない。いいよな、新堂」眠りに就いてしまった彼に、貴島さんが言った。
やっぱり何か隠していたのだ。
「向こうで話そう」
病室を出てリビングへと向かう。
先に部屋にいたまなみが首を傾げている。「あれ、どうしたの?二人とも、そんな辛気クサい顔して!」
「おいまなみ、タバコ買って来てくれ」
「え~っ!今ぁ?せ~っかくユイが来てるのに?」遊びたい!と続ける。
「悪いな。今欲しいんだ、今すぐに!」
まなみはブツブツ言った後、渋々出て行った。
まなみにも言えない事なのか……。私の不安はいよいよピークに達した。
「とにかく座れ」
促されソファに腰を下ろす。向かい合う私達の間に流れる空気は、どこまでも重い。
「いいか朝霧。病み上がりのところに、追い討ちをかけるようで悪いんだが……落ち着いて聞いてくれ」
「そんなに改まって、何なのよ……」とても嫌な予感がした。
久しぶりに動悸を感じる。心臓が激しい鼓動を打ち鳴らす。
「新堂は、AMLだ。それも難治性のM0型」
「ちょっと待って、何?そのエー、エム、エル、何とか型って」
「最未分化型急性骨髄性白血病だ」
それはとても長い病名で、最後の部分だけが頭に残った。白血病。
「白血、病……っ?ウソよ!」両手で口元を覆って繰り返す。嘘に決まっている!と。
「嘘じゃない。疲労だなんて騙してて済まなかった。本人からの、たっての希望でな。病名を伏せていたんだ」
目の前が真っ白になった。彼の具合の悪そうな顔が、この白血病と言う恐ろしい病気と重なる。
「そん……っ…な!何で新堂さんなの?その疑いがあったのは私なのに……っ」
「疑いって?」
今年の年末年始に行った草津旅行で、急に息切れや鼻血の症状が出た私は、彼に白血病の疑いをかけられていた。
そしてあの時、新堂さんは自分が身代わりになると言った。もう私を苦しませたくないからと。けれど……そんな事はあり得ない!
「ねえ、でも助かるんでしょ?移植すればいいのよ!私、血液型も同じだからきっと型も一致するはずよ。……ねえ、貴島さん?」不安に耐え切れずにまくし立てる。
一方貴島さんは冷静だった。「赤血球の型は必ずしも一致する必要はない。白血球のHLA型さえ合えばな」
「なら、私のそれ調べて!」
貴島さんは私をじっと見つめるばかりだ。やがて医者の顔となり、現状を淡々と説明し始めた。
「やっとの事で説得して、今は化学療法を試してる。お前も聞いた事があるかもしれんが、この治療はかなりキツイ。そのせいで、お前に会えない日も何度かあった訳だ。悪かったな」
「……そんなに、苦しんでたのね。私に会えないくらいに。ああ、新堂さん!」
涙を堪えて必死で目を開く。気持ちを奮い立たせろ、私も冷静になるのだ。
「大体、疲労がそんなに長引くのはおかしいだろ」
「そんなの始めから信じてなかったわ。それで、効果は出てるの?」
貴島さんはただ首を横に振るだけ。そして続ける。「新堂は、お前からの骨髄提供を望んでいない」
この言葉を受けて、私の型が彼と一致する事を悟った。
貴島さんが少しだけ申し訳なさそうに言う。「勝手に調べさせてもらった」
「構わないわ。でも、どうして新堂さんは私を……」拒絶するのか。
「医者の立場から言わせてもらえば、確かにそれは納得できる。例えば……」
私を一通り眺めて、再び目を合わせる。
「もしかして、ウイルス性胃腸炎に罹ったから?あれはもう治ったわ!」
「そうじゃない。ドナーの体重は患者の体重の八十パーセントが必要だ。お前はいくつある?」
「え、体重?……多分、四十五キロくらいかな、あ……でも最近食べてないからもっと少ないかも」呟くように答える。体重など好き好んで宣言したくはない。
「新堂は六十三キロだ。まあ、今は大分減っている事を見込んでも……」
「四十七キロ以上は必要って事?」瞬時に暗算して答えを求める。
何て皮肉な!体重が増えてほしいと思ったのは生まれて初めてだ。
「他にもある。お前には自己免疫疾患が潜んでる。病気療養中の者。最高血圧八十九以下の者。輸血の経験がある者……」まだまだ出てきそうな勢いだ。
「あれはもう何年も再発してないわ!それに血圧だってそんなに低くない。輸血は彼としかしていない。体重だって二、三キロくらいすぐに増やせる。問題ない!」
「ああ、俺も同意見だ」
思ってもいない返事に疑問を感じながらも訴える。「だったら!」
「だが新堂の意見はそうじゃない。ヤツはひたすら拒否し続けてる!」ずっと冷静だった貴島さんが声を荒げた。
「なぜ?なぜそこまで拒絶するのよ……っ」拳を握り締めて声を振り絞る。
「お前に負担を掛けたくないとさ」
「負担?そんな事気にしてるの……バカよっ!」自分の命が懸かっているのに?
「確かに負担はゼロじゃない。体だけじゃないぞ、精神的負荷で免疫疾患が再発する可能性だってある。それに心拍異常だってな。ヤツはそれが心配なのさ」
極限に興奮し続ける私に、貴島さんが横に移動して私の手首を掴んだ。どうやら脈を測っているようだ。
「何してるのよ」
「ちょっと気になってな」
「何がよっ!離してっ」私はそれを振り払った。
今は私の事などどうでもいい。そんな場合じゃないだろうが?
「脈が速い。今、動悸を感じてるだろ」
「だったら何?こんな死亡宣告みたいな事されて、ドキドキしない人なんている?そんな事より今は彼の話でしょ」
「ははっ!だってお前に何かあったら、俺が新堂に殺されるんだぞ?」
おどけてそんな事を言う貴島さんのお陰で、ようやく一呼吸置く事ができた。
「ごめんなさい……最初に落ち着いて聞けって言われたのにね」
「いや。お前の言う通りだ。朝霧の反応は当然さ。ここで冷静なのは張本人だけだ」
「やっぱり?だと思った。あの人らしいわ……!」
私達にやっと笑みが戻った。束の間の、だが。
「もう一つの可能性で言えば……、血縁者の方が成功率は高い」
兄弟間で型が一致している場合は、死亡率も免疫拒否反応率も減るそうだ。
「朝霧、少し前にヤツの血縁者を調べるとか言ってたが……」貴島さんが聞いてくる。
「本人は何も知らないみたいだし、残念ながら難航してる。でも、もう少し時間があれば、両親の事なら何か分かるかも!」
「いや……もう時間はないんだ。それに両親が見つかったとして、高齢者にはその資格は与えられない。もちろん患者側も五十五を過ぎれば移植は対象外だ」
そうだ。例え両親を突き止めたとしても、年齢は相当行っていると思われる。少なくとも七十代かそれ以上……。
「だからやっぱり私しかいない。そうよ、私達は遠いどこかで血が繋がってるはず」
血液型が同じだと知ったあの時から、私はこの人との強い因縁(!)のようなものを感じていた。他人とは思えないくらいに。
その因縁でこの人を助ける事ができるのなら望むところだ。
「それは同意だ!もしかして兄妹か何かだったりしてなぁ?」
何を思ってか笑いながらこんなコメントを吐く貴島さん。
これにはさすがに否定させてもらう。「兄妹であっては困るけどね!」
「それはさて置き。どう考えても私しかいないわ」
「そうなんだが……」
「新堂さんが納得してないって?いいじゃない、強行突破と行きましょうよ!」
「その前に朝霧、お前の方を詳しく調べなきゃならん」
型の一致だけではないらしい。実際私の体は、過去の怪しげな闇新薬の治験のせいで問題があるのかもしれない。
途端に不安が襲ってくる。
「どうしよう貴島さん、私……ドナーになれないかもしれない。そしたら彼はどうなるの?どうなるの……っ」
ついに私の目に涙が溢れ出した。ここまで我慢してきたがもう限界だ。
「落ち着けって!大丈夫だ、心配するな。この貴島総一郎に任せろ。これでも新堂からの信頼は得ているつもりだからな」
こう宣言した自信たっぷりの顔が、今はとても頼もしかった。
その日から、私も貴島邸に泊まる事となった。もちろん新堂さんには内緒だ。何が何でも、私の体をドナーとして最適な状態にしてもらわなければ。
「朝霧。そうと決まれば、酒もタバコも当分禁止だ。いいな?」
「当然だわ。分かってる」ここのところやりたい放題だったからちょうどいい。
あまりにあっさり答えた私に驚いていた貴島さんだが、「その心意気、気に入った!よぉ~し。俺も禁煙、付き合うぞ」と声を張り上げる。
「あら!言ったわね~?絶対よ?」
「ああ。男に二言はない」
たった今まなみに煙草を買いに行かせている事を、すっかり忘れているソウ先生。
「まなみはこの事……」途中まで口にして貴島さんを見る。
「まだ話してない。俺が話しとくよ」こう言われ、「あまり深刻に話さないでね?」と注文を付けた。
「ああ分かってる。朝霧がしばらく家にいるって知ったら、良く考えもせずに手放しで喜ぶだけさ」
それからすぐにまなみは帰宅。彼女の部屋から言い合う声が響いたかと思えば、バタバタと廊下を走る音に変わる。
「ユイ~!!」
リビングにいた私にまなみが抱きついてきた。
「ちょっと……力、強いよ、まなみ!手加減してくれない?」いつまでも小さな子ではない。今の朝霧ユイは弱っている(精神的に!)のだから。
「嬉しいっ、ついに一緒に住める!いっぱい色々教えてね!師匠っ」
果たしてそんな暇があるかどうか……。「はいはい。こちらこそよろしくね」
その後、着替えなど必要な物を取りに一旦家に帰り、再び貴島邸へ戻ると、早速検査が始まった。
「時間はたっぷりあるけど、嫌な事はさっさと済ませたいから?」こうおどけたのだが、どうも様子がおかしい。「それがそうでもないんだ」
「どういう事?」
彼の状態はあまり良くないようだ。準備をする十分な時間がないと告げられる。
そこまでとは思わなかったので、さらにショックを受けてしまう。
「朝霧、今日の体調はどうだ?」
「まあまあよ」ハードなトレーニングもしていないし?肉体的な疲れは感じない。この心のダメージが問題ないならば。
「なら早速で悪いんだが、今日中に一回目の自己血採取をしたいんだ」
骨髄移植の際に多量の血液の元を抜いてしまうため、輸血が必要になるとの事。通常は半年くらいかけて、自らの血液をストックしておくのだそうだ。
「問題ないわ。時間がないなら一気に済ませましょう」
その昔、一度に限度を超える量の献血をした事がある。あのぐったり感は今も忘れないが、その程度ならば耐えられる。あの頃はともかく、今の私はそのままここで休んでいられるのだから。
「バカ野郎!そんな事できるかよ。成人女性が一回にできる献血の量ってのが決まってるんだ。それも次は最低四週間は空けないとできない」
「そんなのは一般論でしょ」
「おまえに例外が適用されるとは思えんがなぁ~」私を眺め回して言ってくる。
「だって、時間ないんでしょ!四週間も待ってられるの?」
考え込む貴島さん。結論をじっと待つ。
「しかしだな……。今の朝霧の体に負担をかけるのは避けたいんだよ」
「私なら平気よ。献血慣れてるし?ねぇってば!」最近はめっきりしていないけれど。
考え抜いた末に出された結論は……。「仕方ない、状況を見ながらギリギリまでやる。それでいいか?」
「腕の見せどころね、ソウ先生?」
こうしてすぐに準備に入り、ベッドに横たわる。
「気分悪くなったら、すぐに言えよ?」
「は~い」
「俺はちょっと新堂の様子を見て来る。すぐ戻る」
「ごゆっくり」
一人になり、着実に抜かれて行く自分の血液をぼんやりと見つめる。様々な事が頭に浮かんでは消えた。
そしていつの間にか眠っていたらしい。
「起きたか朝霧。そのまましばらく休んでろ。まなみに何でも言いつけろよ。何かあったら呼んでくれ」
「ありがと……」
久しぶりの献血は予想以上に堪えた。先ほどまでとは打って変わって、ぐったりとベッドに横たわる。
身も心も疲れ切ってしまえば、余計な事は考えなくて済むかも?
「それにしても……。あの頃は若かったんだなぁ。ちょっぴり誤算だったわ」
誰もいない部屋で呟いて、敗北感でいっぱいになる。
年には勝てない、とはまさにこの事か?
0
あなたにおすすめの小説
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
天使と狼
トウリン
恋愛
女癖の悪さに定評のある小児科医岩崎一美《いわさき かずよし》が勤める病棟に、ある日新人看護師、小宮山萌《こみやま もえ》がやってきた。肉食系医師と小動物系新米看護師。年齢も、生き方も、経験も、何もかもが違う。
そんな、交わるどころか永久に近寄ることすらないと思われた二人の距離は、次第に変化していき……。
傲慢な男は牙を抜かれ、孤独な娘は温かな住処を見つける。
そんな、物語。
三部作になっています。
雪の日に
藤谷 郁
恋愛
私には許嫁がいる。
親同士の約束で、生まれる前から決まっていた結婚相手。
大学卒業を控えた冬。
私は彼に会うため、雪の金沢へと旅立つ――
※作品の初出は2014年(平成26年)。鉄道・駅などの描写は当時のものです。
結婚する事に決めたから
KONAN
恋愛
私は既婚者です。
新たな職場で出会った彼女と結婚する為に、私がその時どう考え、どう行動したのかを書き記していきます。
まずは、離婚してから行動を起こします。
主な登場人物
東條なお
似ている芸能人
○原隼人さん
32歳既婚。
中学、高校はテニス部
電気工事の資格と実務経験あり。
車、バイク、船の免許を持っている。
現在、新聞販売店所長代理。
趣味はイカ釣り。
竹田みさき
似ている芸能人
○野芽衣さん
32歳未婚、シングルマザー
医療事務
息子1人
親分(大島)
似ている芸能人
○田新太さん
70代
施設の送迎運転手
板金屋(大倉)
似ている芸能人
○藤大樹さん
23歳
介護助手
理学療法士になる為、勉強中
よっしー課長
似ている芸能人
○倉涼子さん
施設医療事務課長
登山が趣味
o谷事務長
○重豊さん
施設医療事務事務長
腰痛持ち
池さん
似ている芸能人
○田あき子さん
居宅部門管理者
看護師
下山さん(ともさん)
似ている芸能人
○地真央さん
医療事務
息子と娘はテニス選手
t助
似ている芸能人
○ツオくん(アニメ)
施設医療事務事務長
o谷事務長異動後の事務長
ゆういちろう
似ている芸能人
○鹿央士さん
弟の同級生
中学テニス部
高校陸上部
大学帰宅部
髪の赤い看護師
似ている芸能人
○田來未さん
准看護師
ヤンキー
怖い
一億円の花嫁
藤谷 郁
恋愛
奈々子は家族の中の落ちこぼれ。
父親がすすめる縁談を断り切れず、望まぬ結婚をすることになった。
もうすぐ自由が無くなる。せめて最後に、思いきり贅沢な時間を過ごそう。
「きっと、素晴らしい旅になる」
ずっと憧れていた高級ホテルに到着し、わくわくする奈々子だが……
幸か不幸か!?
思いもよらぬ、運命の出会いが待っていた。
※エブリスタさまにも掲載
愛想笑いの課長は甘い俺様
吉生伊織
恋愛
社畜と罵られる
坂井 菜緒
×
愛想笑いが得意の俺様課長
堤 将暉
**********
「社畜の坂井さんはこんな仕事もできないのかなぁ~?」
「へぇ、社畜でも反抗心あるんだ」
あることがきっかけで社畜と罵られる日々。
私以外には愛想笑いをするのに、私には厳しい。
そんな課長を避けたいのに甘やかしてくるのはどうして?
自業自得じゃないですか?~前世の記憶持ち少女、キレる~
浅海 景
恋愛
前世の記憶があるジーナ。特に目立つこともなく平民として普通の生活を送るものの、本がない生活に不満を抱く。本を買うため前世知識を利用したことから、とある貴族の目に留まり貴族学園に通うことに。
本に釣られて入学したものの王子や侯爵令息に興味を持たれ、婚約者の座を狙う令嬢たちを敵に回す。本以外に興味のないジーナは、平穏な読書タイムを確保するために距離を取るが、とある事件をきっかけに最も大切なものを奪われることになり、キレたジーナは報復することを決めた。
※2024.8.5 番外編を2話追加しました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる