13 / 50
1章妖精の愛し子
9.
しおりを挟む
「僕も居るからね、リリーフィア」
リリーフィアの前に立ちはだかりながらアロイが言う。
ティファニーはアロイのことを目にした途端、態度をころっと変えた。
「あら? なにこの妖精… 小さいのにイケメンだわ! しかも可愛い系とか…」
ティファニーはぶつぶつと何かを言いながらアロイに近づくと、ひょいっと抱き上げ頬擦りをした。
妖精は不思議なことに、系統は違えど必ず女は可愛い美人に、男はイケメンになると決まっている。
「ふ、ふん。 今回はこの妖精に免じて許してあげるけど次はないと思うことね」
そして今回、アロイはなんとティファニーの好きなタイプの的を得たのだ。
ティファニーはそのままアロイを連れてリリーフィアの部屋を去ろうとする。
だが大切な妖精の姫であるリリーフィアの敵にそんなことをされても嬉しくないアロイは、魔法を使ってティファニーの腕から抜け出した。
「んまぁ、なんで逃げるんですの?」
ティファニーはいかにも不思議そうにしてアロイをもう一度抱き上げようとする。
「僕はあなたの側にいたくありません。 ティファニー、知っていますか?」
アロイは出来るだけティファニーの神経を逆撫でしないようにしながら続ける。
「藍色は黒に近い色です。 なので藍の羽を持つ妖精は黒の羽を持つ妖精程ではありませんが戦うことが出来ます。 そして…」
アロイはそこで言葉を区切ると、目をキランッと光らせた。
「そして、藍の妖精は逃げ隠れすることに長けています。 よって、必然的に僕があなたに捕まることはない。 尚且つ、この力をフルで使えばあなたを殺すことも簡単でしょう。 僕はリリーフィアやその仲間に危害を加えなければあなたのことをどうでも良いと思っています。 どうします? それでも僕を、いや、妖精を自分のものにしようと思いますか?」
時と場合によってはティファニーを殺すと暗に伝えながらアロイは言い切った。
「ありょい? なんにも聞こえにゃいよ?」
途中から耳を塞がれていたリリーフィアは、アロイの手を避けようとしながらそう言う。
「もうちょっと待ってね」
一瞬手を避けてアロイは言うと、もう一度ティファニーを鋭い目で見た。
「わ、分かったわよ。 要はリリーフィアに手を出さなければ良いんでしょ?」
「物わかりが良くて何よりです」
アロイはにっこりと笑う。
だがその笑みはどこか黒く、アロイの言葉が本気だということを窺わせた。
「そ、それじゃあ私はもう行くわ。 妖精が守ってくれるからって良い気にならないことね、リリーフィア」
ティファニーはありきたりな捨て台詞を吐くと、部屋から出ていった。
リリーフィアの前に立ちはだかりながらアロイが言う。
ティファニーはアロイのことを目にした途端、態度をころっと変えた。
「あら? なにこの妖精… 小さいのにイケメンだわ! しかも可愛い系とか…」
ティファニーはぶつぶつと何かを言いながらアロイに近づくと、ひょいっと抱き上げ頬擦りをした。
妖精は不思議なことに、系統は違えど必ず女は可愛い美人に、男はイケメンになると決まっている。
「ふ、ふん。 今回はこの妖精に免じて許してあげるけど次はないと思うことね」
そして今回、アロイはなんとティファニーの好きなタイプの的を得たのだ。
ティファニーはそのままアロイを連れてリリーフィアの部屋を去ろうとする。
だが大切な妖精の姫であるリリーフィアの敵にそんなことをされても嬉しくないアロイは、魔法を使ってティファニーの腕から抜け出した。
「んまぁ、なんで逃げるんですの?」
ティファニーはいかにも不思議そうにしてアロイをもう一度抱き上げようとする。
「僕はあなたの側にいたくありません。 ティファニー、知っていますか?」
アロイは出来るだけティファニーの神経を逆撫でしないようにしながら続ける。
「藍色は黒に近い色です。 なので藍の羽を持つ妖精は黒の羽を持つ妖精程ではありませんが戦うことが出来ます。 そして…」
アロイはそこで言葉を区切ると、目をキランッと光らせた。
「そして、藍の妖精は逃げ隠れすることに長けています。 よって、必然的に僕があなたに捕まることはない。 尚且つ、この力をフルで使えばあなたを殺すことも簡単でしょう。 僕はリリーフィアやその仲間に危害を加えなければあなたのことをどうでも良いと思っています。 どうします? それでも僕を、いや、妖精を自分のものにしようと思いますか?」
時と場合によってはティファニーを殺すと暗に伝えながらアロイは言い切った。
「ありょい? なんにも聞こえにゃいよ?」
途中から耳を塞がれていたリリーフィアは、アロイの手を避けようとしながらそう言う。
「もうちょっと待ってね」
一瞬手を避けてアロイは言うと、もう一度ティファニーを鋭い目で見た。
「わ、分かったわよ。 要はリリーフィアに手を出さなければ良いんでしょ?」
「物わかりが良くて何よりです」
アロイはにっこりと笑う。
だがその笑みはどこか黒く、アロイの言葉が本気だということを窺わせた。
「そ、それじゃあ私はもう行くわ。 妖精が守ってくれるからって良い気にならないことね、リリーフィア」
ティファニーはありきたりな捨て台詞を吐くと、部屋から出ていった。
5
あなたにおすすめの小説
【第2部開始】ぬいぐるみばかり作っていたら実家を追い出された件〜だけど作ったぬいぐるみが意志を持ったので何も不自由してません〜
月森かれん
ファンタジー
中流貴族シーラ・カロンは、ある日勘当された。理由はぬいぐるみ作りしかしないから。
戸惑いながらも少量の荷物と作りかけのぬいぐるみ1つを持って家を出たシーラは1番近い町を目指すが、その日のうちに辿り着けず野宿をすることに。
暇だったので、ぬいぐるみを完成させようと意気込み、ついに夜更けに完成させる。
疲れから眠りこけていると聞き慣れない低い声。
なんと、ぬいぐるみが喋っていた。
しかもぬいぐるみには帰りたい場所があるようで……。
天真爛漫娘✕ワケアリぬいぐるみのドタバタ冒険ファンタジー。
※この作品は小説家になろう・ノベルアップ+にも掲載しています。
聖女になんかなりたくない! 聖女認定される前に…私はバックれたいと思います。
アノマロカリス
恋愛
この作品の大半はコメディです。
侯爵家に生まれた双子のリアナとリアラ。
姉のリアナは光り輝く金髪と青い瞳を持つ少女。
一方、妹のリアラは不吉の象徴と言われた漆黒の髪に赤い瞳を持つ少女。
両親は姉のリアナを可愛がり、妹のリアラには両親だけではなく使用人すらもぞんざいに扱われていた。
ここまでは良くある話だが、問題はこの先…
果たして物語はどう進んで行くのでしょうか?
転生皇女はフライパンで生き延びる
渡里あずま
恋愛
平民の母から生まれた皇女・クララベル。
使用人として生きてきた彼女だったが、蛮族との戦に勝利した辺境伯・ウィラードに下賜されることになった。
……だが、クララベルは五歳の時に思い出していた。
自分は家族に恵まれずに死んだ日本人で、ここはウィラードを主人公にした小説の世界だと。
そして自分は、父である皇帝の差し金でウィラードの弱みを握る為に殺され、小説冒頭で死体として登場するのだと。
「大丈夫。何回も、シミュレーションしてきたわ……絶対に、生き残る。そして本当に、辺境伯に嫁ぐわよ!」
※※※
死にかけて、辛い前世と殺されることを思い出した主人公が、生き延びて幸せになろうとする話。
※重複投稿作品※
聖女の紋章 転生?少女は女神の加護と前世の知識で無双する わたしは聖女ではありません。公爵令嬢です!
幸之丞
ファンタジー
2023/11/22~11/23 女性向けホットランキング1位
2023/11/24 10:00 ファンタジーランキング1位 ありがとうございます。
「うわ~ 私を捨てないでー!」
声を出して私を捨てようとする父さんに叫ぼうとしました・・・
でも私は意識がはっきりしているけれど、体はまだ、生れて1週間くらいしか経っていないので
「ばぶ ばぶうう ばぶ だああ」
くらいにしか聞こえていないのね?
と思っていたけど ササッと 捨てられてしまいました~
誰か拾って~
私は、陽菜。数ヶ月前まで、日本で女子高生をしていました。
将来の為に良い大学に入学しようと塾にいっています。
塾の帰り道、車の事故に巻き込まれて、気づいてみたら何故か新しいお母さんのお腹の中。隣には姉妹もいる。そう双子なの。
私達が生まれたその後、私は魔力が少ないから、伯爵の娘として恥ずかしいとかで、捨てられた・・・
↑ここ冒頭
けれども、公爵家に拾われた。ああ 良かった・・・
そしてこれから私は捨てられないように、前世の記憶を使って知識チートで家族のため、公爵領にする人のために領地を豊かにします。
「この子ちょっとおかしいこと言ってるぞ」 と言われても、必殺 「女神様のお告げです。昨夜夢にでてきました」で大丈夫。
だって私には、愛と豊穣の女神様に愛されている証、聖女の紋章があるのです。
この物語は、魔法と剣の世界で主人公のエルーシアは魔法チートと知識チートで領地を豊かにするためにスライムや古竜と仲良くなって、お力をちょっと借りたりもします。
果たして、エルーシアは捨てられた本当の理由を知ることが出来るのか?
さあ! 物語が始まります。
聖女追放 ~私が去ったあとは病で国は大変なことになっているでしょう~
白横町ねる
ファンタジー
聖女エリスは民の幸福を日々祈っていたが、ある日突然、王子から解任を告げられる。
王子の説得もままならないまま、国を追い出されてしまうエリス。
彼女は亡命のため、鞄一つで遠い隣国へ向かうのだった……。
#表紙絵は、もふ様に描いていただきました。
#エブリスタにて連載しました。
リリゼットの学園生活 〜 聖魔法?我が家では誰でも使えますよ?
あくの
ファンタジー
15になって領地の修道院から王立ディアーヌ学園、通称『学園』に通うことになったリリゼット。
加護細工の家系のドルバック伯爵家の娘として他家の令嬢達と交流開始するも世間知らずのリリゼットは令嬢との会話についていけない。
また姉と婚約者の破天荒な行動からリリゼットも同じなのかと学園の男子生徒が近寄ってくる。
長女気質のダンテス公爵家の長女リーゼはそんなリリゼットの危うさを危惧しており…。
リリゼットは楽しい学園生活を全うできるのか?!
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる