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ささらに返事をするより先に、こうれんは進んだ。ささらがいるのとは反対の方向へ。こうれんの背の高さほどの木と木をかき分け、大岩の上から壁面を見おろした。
てっぺんに立つのがささらなら見おろしたのが北側で、その先はゆるやかな丘で中腹は大根畑、もっと上には別の雑木林が広がっていること、つまり頭の中にある集落の地図と照らし合わせながら見おろしただろう。残念ながらこうれんはそれらのことを知らないまま、ただ単に下を見おろした。
ぶらっと顔に熱が当たった。こうれんは思わず手で顔をかばった。
ひときわ大きなゆれがこうれんをおそった。こうれんは大急ぎで膝をついた。バランスをくずして倒れるより先に腰の位置を下げた。
次の瞬間。
どおーーーんっ、と、大きな音とも振動ともつかない衝撃が、こうれんの体をつき上げた。こうれんはそれでも必死で壁面を見つめた。
(あそこだ。)
なぜかそう思った。そしてそれは正解だった。
壁面からなにかが噴きだした。はじめは苔や土がブシュウッと水平に飛んでいった。長年の間に積もった汚れだ。人間でいえば垢みたいなものだ。そのあとすぐ本体が現れた。真っ黒でこげたにおいのかたまりが、ブワリと勢いよく空中に飛び出した。
バチバチッとはじけるような音がする。はじめこうれんはその音がどういう意味を持つのかわからなかった。が、すぐに気がついた。煙が上がってきたからだ。
(草が燃えているぞ!)
こうれんはぎょっとした。黒いものは長く伸びたあとすぐにうずまきのように、あるいは蛇がとぐろを巻くように、ぐるりと丸まった。その場の気温が上昇をはじめた。黒いものが丸くまとまるにつれてどんどん暑くなっていく。女の子の声がこうれんの耳に飛びこんだ。ささらの声だと気づいてこうれんはハッとした。声はさっきまでささらのいたはずの位置とちがう場所から聞こえた。こうれんは黒いものの右側を見た。ささらが立っている。あそこまで走ったのだ。こうれんは叫んだ。
「危ない! 離れて!」
ささらが後ずさりした。
丸くなった黒いものが上昇をはじめた。こうれんは肌にチリチリした感覚をおぼえた。とても暑い日に外を歩くときのようだった。黒いものはこうれんと同じくらいの高さに達するとあっという間に超えた。どんどん高くなる。そいつが上昇するにつれて肌のチリチリもおさまった。
(大変だ。)と、こうれんは思った。これはたしかに夏至の日のことなんか考えている場合ではない。
こうれんはもう一回下を向いた。どうにかしてここから降りなくちゃと思った。すぐにこうれんは、あの黒いものが噴きでたところが、にょきっと突きでていることに気づいた。わずかな時間の間に岩のかたちが変わったのだ。
(1m半くらい。)
と、こうれんは足元からそこまでの高さを目で測った。その位置は大岩のてっぺんから地面までのちょうど中間くらい。
こうれんは熊手を放り投げた。熊手はあっという間に落下して地面にぶつかった。次にこうれんは大岩のてっぺんの縁に手をつき、大岩の一部に体をくっつけながら、足を下ろした。足がかりになるものは特になかった。すぐにこうれんの体は大岩のてっぺんからぶら下がる格好になった。でもそれは一瞬のこと。
こうれんは両手を離した。
「あっ、こうれん!」
ささらの声があたりにひびいた。(20cm!)とこうれんは頭の中でとなえた。前の学校で身体測定をしたのが4月、こうれんの身長はそのとき130cmだった。あのでっぱりまで20cmだけ落下すれば届くのだ。
すぐにこうれんの足に体の重みがかかった。両足がでっぱった岩に着地した。岩は固くて足の裏に強い衝撃がかかった。岩場はせまかった。左足のかかとがはみ出して空中を踏んだ。こうれんは考える間もなくしゃがみこんでたったいま着地した岩のでっぱりに手をついた。そしてそれを手がかりにしてもう一度体を下ろした。ぶらり、と垂れさがった直後に2度目の落下をした。あとで思いだしてもずいぶん不恰好だった。飛びおりるというよりは落ちるというのが正確だ。それでもなんとか、こうれんは地面に着地した。
こうれんはハアッと息を吐きだした。上から下までひどく時間をかけたような気分だったが、実際にはあっという間の出来事だ。
「大丈夫? けがは?」
こうれんのそばにささらがいた。こうれんはうなずいた。
「平気。」
本当のことをいえば足の裏がジンジン熱っぽいし自分のやったことに体も頭もびっくりしているけれど、でもそれどころではないと思った。こうれんは飛びおりるために飛びおりたのではなかった。
「こうれん、さっきの黒いの、いやな感じだった。」
ささらが言った。こうれんはささらを見た。ささらが眉を寄せて上空を見あげた。こうれんもそうした。
「あれ、いなくなっちゃった。」
「あっちのほうへ飛んでいった。」
ささらが指さした。大岩から背を向ける格好になって、2人はささらの指さす方角を見た。だけどあの黒いものはどこにも見えなかった。。ささらがつぶやいた。
「もしかして今度は黒い雨が降るのかな。」
それはこうれんも考えた。こうれんはたずねた。たずねる相手はこうれんのそばにいるはずだ。
「黒い雨が降る?」
『雨とは限らない。』
声が応じた。こうれんは「うん。」と短く言った。ささらはこうれんが誰と会話しているかすぐに気づいたようだ。
「声?」
「そう。雨とは限らないって。」
こうれんは手短に伝えながら、熊手を探しすぐに見つけて拾いあげると、大岩をにらみつけながら歩きだした。ささらがすぐに追いついてきた。
「こうれん、あの黒いのを追いかける?」
「この岩をきれいにする。いま探してる。」
「なにを?」
「あの黒いやつが入る場所。あのね、昨日の赤いの、あれもここから出てきたと思うよ。あんなわけのわからないものが他に出てきた場所を思いつかないよ。さっきの黒いのを見ちゃったら、余計にそう思った。」
「うん。」
ささらもうなずいた。
「でもこうれん、それなら、あの黒いのは出てきたところへ戻るんじゃないの?」
「ちがうと思う。声が言ってた。後戻りはないんだ。」
『その通り。きみはわかってきたようだ。』
声が言った。ほめられたのかもしれないけれど、こうれんはうれしくなかった。それどころではないのだという気持ちが大きくなる一方だ。その気持ちに急かされるようにして、こうれんは足を進めた。
大岩のまわりを三分の一周したところで、こうれんは足を止めた。
「ここ、かなあ。」
こうれんは壁面の一箇所にふれた。なんとなく、なんとなくだが、他とはちがうように感じる。こうれんが触れたのは地面から1mほどの高さだった。
こうれんはすぐに熊手を突きさした。
ささらの声が背後から聞こえた。
「こうれん。」
「急いだほうがいいと思うんだ、なんとなく。」
「その場所? たしかに?」
「なんとなく。絶対とはいえないけど、なんとなく。」
こうれんだって自信はない。言葉通り、なんとなく。でも泥を顔にぬりたくられて以来この「なんとなく」がどんどん増えていく。感じる通りに動くと、なにかが発生する。だから今度もそうする、とこうれんは決めた。
(急がなくちゃ。)
そう思う。なんとなく。あの黒いものはいやな感じがする。
ささらが言った。
「こうれん、うちから道具を探して持ってくる。熊手か、使えそうなら鍬。うちまで往復しても石で作業するより早いと思う。」
「うん、ありがとう、ささら。」
ささらが余計なことを言わないのがありがたかった。無駄口がないのは元々のささらの性格だろう。でも同時に、こうれんの言葉をまっすぐ受け入れて信じているのもあるのだろう。この状況ではとても心強かった。
ささらの足音が遠ざかっても、こうれんは手を動かした。さっきのようなそのへんの石に比べたら熊手は扱いやすかった。短くても柄があるだけでずいぶんちがう。また、そこは大岩の北西側で、午前中にささらと2人で土や苔をはがした場所よりも湿っていた。岩にこびりついた土は重いかわりに、壁面から一度にはがれる面積が広い。ぼろり、ぼろり、とはがれて短い時間で岩肌が姿を見せはじめた。作業の成果があらわれても、こうれんは気が急いたままだった。
手を動かしながら、こうれんはたずねた。
「あの黒いやつはなに?」
『きみのわかる範囲でいえば、あれは種になる。』
声が答えた。答えを聞いてもわかるどころか、むしろいっそう謎が深まるところが、いかにも声らしかった。
「なんの種?」
『こうじゃくだいらんの。』
こうれんは手を止めそうになった。一瞬だけ。それからあわててもう何度目になるかわからない(急がなくちゃ。)という言葉を心のなかでとなえて手に力をこめた。
でも口は別に動いた。
「種、ってことはさっきの黒いやつ、それとこうじゃくだいらんは、植物なの?」
てっぺんに立つのがささらなら見おろしたのが北側で、その先はゆるやかな丘で中腹は大根畑、もっと上には別の雑木林が広がっていること、つまり頭の中にある集落の地図と照らし合わせながら見おろしただろう。残念ながらこうれんはそれらのことを知らないまま、ただ単に下を見おろした。
ぶらっと顔に熱が当たった。こうれんは思わず手で顔をかばった。
ひときわ大きなゆれがこうれんをおそった。こうれんは大急ぎで膝をついた。バランスをくずして倒れるより先に腰の位置を下げた。
次の瞬間。
どおーーーんっ、と、大きな音とも振動ともつかない衝撃が、こうれんの体をつき上げた。こうれんはそれでも必死で壁面を見つめた。
(あそこだ。)
なぜかそう思った。そしてそれは正解だった。
壁面からなにかが噴きだした。はじめは苔や土がブシュウッと水平に飛んでいった。長年の間に積もった汚れだ。人間でいえば垢みたいなものだ。そのあとすぐ本体が現れた。真っ黒でこげたにおいのかたまりが、ブワリと勢いよく空中に飛び出した。
バチバチッとはじけるような音がする。はじめこうれんはその音がどういう意味を持つのかわからなかった。が、すぐに気がついた。煙が上がってきたからだ。
(草が燃えているぞ!)
こうれんはぎょっとした。黒いものは長く伸びたあとすぐにうずまきのように、あるいは蛇がとぐろを巻くように、ぐるりと丸まった。その場の気温が上昇をはじめた。黒いものが丸くまとまるにつれてどんどん暑くなっていく。女の子の声がこうれんの耳に飛びこんだ。ささらの声だと気づいてこうれんはハッとした。声はさっきまでささらのいたはずの位置とちがう場所から聞こえた。こうれんは黒いものの右側を見た。ささらが立っている。あそこまで走ったのだ。こうれんは叫んだ。
「危ない! 離れて!」
ささらが後ずさりした。
丸くなった黒いものが上昇をはじめた。こうれんは肌にチリチリした感覚をおぼえた。とても暑い日に外を歩くときのようだった。黒いものはこうれんと同じくらいの高さに達するとあっという間に超えた。どんどん高くなる。そいつが上昇するにつれて肌のチリチリもおさまった。
(大変だ。)と、こうれんは思った。これはたしかに夏至の日のことなんか考えている場合ではない。
こうれんはもう一回下を向いた。どうにかしてここから降りなくちゃと思った。すぐにこうれんは、あの黒いものが噴きでたところが、にょきっと突きでていることに気づいた。わずかな時間の間に岩のかたちが変わったのだ。
(1m半くらい。)
と、こうれんは足元からそこまでの高さを目で測った。その位置は大岩のてっぺんから地面までのちょうど中間くらい。
こうれんは熊手を放り投げた。熊手はあっという間に落下して地面にぶつかった。次にこうれんは大岩のてっぺんの縁に手をつき、大岩の一部に体をくっつけながら、足を下ろした。足がかりになるものは特になかった。すぐにこうれんの体は大岩のてっぺんからぶら下がる格好になった。でもそれは一瞬のこと。
こうれんは両手を離した。
「あっ、こうれん!」
ささらの声があたりにひびいた。(20cm!)とこうれんは頭の中でとなえた。前の学校で身体測定をしたのが4月、こうれんの身長はそのとき130cmだった。あのでっぱりまで20cmだけ落下すれば届くのだ。
すぐにこうれんの足に体の重みがかかった。両足がでっぱった岩に着地した。岩は固くて足の裏に強い衝撃がかかった。岩場はせまかった。左足のかかとがはみ出して空中を踏んだ。こうれんは考える間もなくしゃがみこんでたったいま着地した岩のでっぱりに手をついた。そしてそれを手がかりにしてもう一度体を下ろした。ぶらり、と垂れさがった直後に2度目の落下をした。あとで思いだしてもずいぶん不恰好だった。飛びおりるというよりは落ちるというのが正確だ。それでもなんとか、こうれんは地面に着地した。
こうれんはハアッと息を吐きだした。上から下までひどく時間をかけたような気分だったが、実際にはあっという間の出来事だ。
「大丈夫? けがは?」
こうれんのそばにささらがいた。こうれんはうなずいた。
「平気。」
本当のことをいえば足の裏がジンジン熱っぽいし自分のやったことに体も頭もびっくりしているけれど、でもそれどころではないと思った。こうれんは飛びおりるために飛びおりたのではなかった。
「こうれん、さっきの黒いの、いやな感じだった。」
ささらが言った。こうれんはささらを見た。ささらが眉を寄せて上空を見あげた。こうれんもそうした。
「あれ、いなくなっちゃった。」
「あっちのほうへ飛んでいった。」
ささらが指さした。大岩から背を向ける格好になって、2人はささらの指さす方角を見た。だけどあの黒いものはどこにも見えなかった。。ささらがつぶやいた。
「もしかして今度は黒い雨が降るのかな。」
それはこうれんも考えた。こうれんはたずねた。たずねる相手はこうれんのそばにいるはずだ。
「黒い雨が降る?」
『雨とは限らない。』
声が応じた。こうれんは「うん。」と短く言った。ささらはこうれんが誰と会話しているかすぐに気づいたようだ。
「声?」
「そう。雨とは限らないって。」
こうれんは手短に伝えながら、熊手を探しすぐに見つけて拾いあげると、大岩をにらみつけながら歩きだした。ささらがすぐに追いついてきた。
「こうれん、あの黒いのを追いかける?」
「この岩をきれいにする。いま探してる。」
「なにを?」
「あの黒いやつが入る場所。あのね、昨日の赤いの、あれもここから出てきたと思うよ。あんなわけのわからないものが他に出てきた場所を思いつかないよ。さっきの黒いのを見ちゃったら、余計にそう思った。」
「うん。」
ささらもうなずいた。
「でもこうれん、それなら、あの黒いのは出てきたところへ戻るんじゃないの?」
「ちがうと思う。声が言ってた。後戻りはないんだ。」
『その通り。きみはわかってきたようだ。』
声が言った。ほめられたのかもしれないけれど、こうれんはうれしくなかった。それどころではないのだという気持ちが大きくなる一方だ。その気持ちに急かされるようにして、こうれんは足を進めた。
大岩のまわりを三分の一周したところで、こうれんは足を止めた。
「ここ、かなあ。」
こうれんは壁面の一箇所にふれた。なんとなく、なんとなくだが、他とはちがうように感じる。こうれんが触れたのは地面から1mほどの高さだった。
こうれんはすぐに熊手を突きさした。
ささらの声が背後から聞こえた。
「こうれん。」
「急いだほうがいいと思うんだ、なんとなく。」
「その場所? たしかに?」
「なんとなく。絶対とはいえないけど、なんとなく。」
こうれんだって自信はない。言葉通り、なんとなく。でも泥を顔にぬりたくられて以来この「なんとなく」がどんどん増えていく。感じる通りに動くと、なにかが発生する。だから今度もそうする、とこうれんは決めた。
(急がなくちゃ。)
そう思う。なんとなく。あの黒いものはいやな感じがする。
ささらが言った。
「こうれん、うちから道具を探して持ってくる。熊手か、使えそうなら鍬。うちまで往復しても石で作業するより早いと思う。」
「うん、ありがとう、ささら。」
ささらが余計なことを言わないのがありがたかった。無駄口がないのは元々のささらの性格だろう。でも同時に、こうれんの言葉をまっすぐ受け入れて信じているのもあるのだろう。この状況ではとても心強かった。
ささらの足音が遠ざかっても、こうれんは手を動かした。さっきのようなそのへんの石に比べたら熊手は扱いやすかった。短くても柄があるだけでずいぶんちがう。また、そこは大岩の北西側で、午前中にささらと2人で土や苔をはがした場所よりも湿っていた。岩にこびりついた土は重いかわりに、壁面から一度にはがれる面積が広い。ぼろり、ぼろり、とはがれて短い時間で岩肌が姿を見せはじめた。作業の成果があらわれても、こうれんは気が急いたままだった。
手を動かしながら、こうれんはたずねた。
「あの黒いやつはなに?」
『きみのわかる範囲でいえば、あれは種になる。』
声が答えた。答えを聞いてもわかるどころか、むしろいっそう謎が深まるところが、いかにも声らしかった。
「なんの種?」
『こうじゃくだいらんの。』
こうれんは手を止めそうになった。一瞬だけ。それからあわててもう何度目になるかわからない(急がなくちゃ。)という言葉を心のなかでとなえて手に力をこめた。
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