1 / 23
こうれん、どろあらしに出会う
しおりを挟む
ブウン、ブウン、と虫の羽音が聞こえる。いやな音だ。こうれんは顔をしかめてかばんの肩ひもをかけ直した。かばんの中からカラン、と音がした。空になったアルマイトの弁当箱だ。かばんの中で傾いているなとこうれんは思った。すぐにでも直したいけど、道端でやるわけにもいかない。
虫の羽音はただ音だけでなく、わずかに空気がふるえるのも感じる。羽音の振動に反応して、こうれんの肌もざわざわした。こうれんは虫がきらいだ。
虫だけではない。ここにはこうれんのきらいなものがいくらでもある。
こうれんは町で生まれて育った。町は清潔だった。でもここはちがう。
汚いものが、こうれんは大きらいだ。
昨日の雨で道がぐちゃぐちゃだ。ぬかるみに足をとられ、小虫が発生して飛びまわり、泥のいやな匂いがあちこちでする、雨の翌日はいっそう、こうれんのいやなものであふれかえる。
道の先に小虫の大群が黒いかたまりを作っている。(うわ。)とこうれんはいっそう眉をよせた。
そっちに気をとられていたので、背後にいる人間に気づかなかった。
ぐいっ、と、こうれんの腕が引かれた。
こうれんはぎょっとした。
「お前、やおの孫だな。少し前からここにいるだろう。三回見たことがある。」
しわがれた声に、こうれんはすごくいやな気持ちになって、振り返った。
やせた、背の低い、汚くて年とった男が一人、そこにいた。
田舎の人間はみんな、町に住む人たちに比べたら清潔感がない。着古した和服を着る者が多い。木綿がくたっとへたれているし色もあせているし、それに襟をだらりと開けていることもよくある。だけど、と、こうれんは考えた。
それにしたって限度があるだろ、そう思った。
目の前にいる男は、こうれんが11年生きて出会った中でいちばん汚かった。汚さの新記録、きっとこの先も破られない記録だろう。
半分くらい白い髪はあちこちまばらに禿げかかっており、目は血走ってむき出しの歯が黄色。服はこのへんの人間にしてはめずらしくシャツで、元々は白い開襟シャツだったと思うが、ずいぶん古いものらしくて茶色に変色している。それに袖が擦り切れてボタンがいくつか無くなっていた。こうれんは男が裸足なのに気づいて(うわっ。)と思った。ここの集落の者は大人も子どももたいてい、普段は草鞋だ。でも男はそれすら履いていない。
でも、だけど、足よりも、もっと汚いのは顔だ。
泥だらけ。
肌がまだらに見える。泥、肌、泥、肌。半分くらい泥だ、とこうれんは思った。そのためか、男から泥の匂いがする。雨の翌日の道とおなじにおい。
こうれんはこの男の名前を知っている。この集落で評判の男。祖父母からも、同級生からも、この男に近づくな、話をするなと言われている。
こうれんはみんなから聞いた男の名前を小声でつぶやいた。
「どろあらし。」
「うるさい!」
男がいきなり大声を出したのでこうれんはびっくりした。手を振りはらおうとしたけれど、男の手がこうれんの腕を強くつかんで離さない。
「いまこの子どもと話すところだ!だまっていろ!」
あれ、とこうれんは思った。どうも男がどなりつけたのは、こうれんではないだれかのようだ。こうれんはあたりを見回したが。そばにはだれもいなかった。
どろあらしの目がぎょろりと動いて、こうれんをにらんだ。
「やおの孫、お前の家に竹ぼうきがあるか?」
「ある。」
反射的にこうれんは答えた。祖父母や同級生の制止の言葉はしっかり覚えているが、それでもとっさに返事をしてしまった。なぜなら聞かれたのがほうきのことだったからだ。
「ぼくが毎日使っている。ほうきだけじゃない、ぞうきんだってタワシだって使っている。毎日きれいにしているんだ。」
こうれんはつい、胸をはって答えた。
どろあらしがフン、と鼻をならした。
「お前、そうじが好きか。ならちょうどいい。やおの孫、お前これからそうじの道具を持って大岩のところへ行け。」
「えっ? 大岩?」
「ああそうだ、大岩だ。知っているか?」
こうれんが返事をするより早く、どろあらしがこうれんの腕をさらにぐいっと引っぱって歩き出した。
「こっちだ。教えてやる。」
「ちょっと、痛い。はなせよ、ねえ、はなせ!」
こうれんがわめいても、どろあらしはおかまいなしだ。こうれんをぐいぐい引っぱってすごい速さで歩く。こうれんは足がもつれそうになった。
(転んだら汚れる!)
そう思ってなんとか踏みとどまった。その後は腕をふりほどくのを後回しにして、どろあらしの歩調に合わせて急いで歩いた。転んで泥だらけになるくらいなら男についていく方が一千倍マシだと思った。
二人はあぜ道を進み、やがて少しだけ広い道へ出た。こうれんはこの道を知っている。駅のある小さな町からこの集落に通じる一本道だ。汽車に乗る者はみんなこの道を通って駅へ向かう。こうれんは逆で大きな町から汽車に乗って駅で降りて、この道を通って祖父母の家にやって来たのだ。
道の左右に田んぼが広がる。カエルの鳴き声がひびく。それに、こうれんのきらいな虫の羽音も。途中で三回ほど二人は小虫の群れにつっこんだ。こうれん一人だけなら絶対によけて通るが、どろあらしは平気で突っ切った。こうれんも否応なくついていく。そのうち田んぼが途切れて草むらになり、竹やぶが現れ、さらに歩くと雑木林が現れた。木かげで少し暗くなり、ところどころでこもれ日が二人の肌にあたってそのときだけ明るさと温度が変わる。木のにおいがむわっと鼻につく。
やがて雑木林がとだえた。どろあらしが足を止めた。
「ここだ。」
どろあらしが見上げた先を、こうれんも見た。そしてつぶやいた。
「これ、岩?」
「そうだ。大岩だ。」
「ぼくは丘かと思った。」
ただし丘と呼ばれる一般的な地形の持つなだらかさは、そこにはない。切り立った、高いーー。
「たしかに岩かも。」
こうれんはうなずいた。どろあらしが大岩に近づき、岩肌に手でふれた。どろあらしに引きずられて、こうれんもすぐそばに寄った。そして顔をしかめた。こうれんはここへ来てから顔をしかめてばかりいる。
「苔だらけだ。」
「キノコもある。」
「食べられるの?」
「腹を下すとか、一日中ずっとしゃっくりが出るとか、変な夢を見る。それを気にしなければ食える。」
「毒じゃないか!」
「あと、まずい。」
そういうのは食べられるといわないだろう、とこうれんは思った。
どろあらしのあごがぐいっと上がり、視線が大岩のてっぺんに向いた。つられてこうれんもおなじようにした。
てっぺんのあたりは木々が生えている。やっぱり岩には見えないな、とこうれんは思った。
どろあらしの、こうれんの腕をつかんでいるのと反対の手がずいっと伸びた。やせているし、あちこち垢だらけで、こうれんの目にはその腕は枯れ木みたいに見えた。というか垢のついた腕をこうれんは初めて見た。垢って見たら垢だってわかるんだな、と、こうれんは変なところで感心した。とにかくその汚い腕の先、人差し指が大岩のてっぺんのあたりを指した。
「あそこは日当たりがいい。」
「それが何?」
「だが、一箇所、普段は日の当たらない場所がある。当たるのは年に一度、夏至の日だけだ。そしてこの大岩のその場所に日が当たるのは、今度の夏至、つまり1週間後で百回目だ。」
「うん。」
つい、こうれんは素直にうなずいた。どろあらしの声が奇妙におごそかだったからだ。それにこうれんの父が暦や天体の話をすることを好み、一緒に暮らした頃にこうれんにこういう話をときどき聞かせたことも影響したかもしれない。
どろあらしについてこうれんは、みんなから聞いていたよりは、まともな人間かもしれないと思った。話す言葉が意外にもしっかりと筋道の立った説明だったからだ。
次の瞬間までは。
どろあらしが言った。
「こうじゃくだいらんが来る。」
「え?」
「こうじゃくだいらんだ。」
「は? こうじゃく、何?」
「こうじゃくだいらん。」
虫の羽音はただ音だけでなく、わずかに空気がふるえるのも感じる。羽音の振動に反応して、こうれんの肌もざわざわした。こうれんは虫がきらいだ。
虫だけではない。ここにはこうれんのきらいなものがいくらでもある。
こうれんは町で生まれて育った。町は清潔だった。でもここはちがう。
汚いものが、こうれんは大きらいだ。
昨日の雨で道がぐちゃぐちゃだ。ぬかるみに足をとられ、小虫が発生して飛びまわり、泥のいやな匂いがあちこちでする、雨の翌日はいっそう、こうれんのいやなものであふれかえる。
道の先に小虫の大群が黒いかたまりを作っている。(うわ。)とこうれんはいっそう眉をよせた。
そっちに気をとられていたので、背後にいる人間に気づかなかった。
ぐいっ、と、こうれんの腕が引かれた。
こうれんはぎょっとした。
「お前、やおの孫だな。少し前からここにいるだろう。三回見たことがある。」
しわがれた声に、こうれんはすごくいやな気持ちになって、振り返った。
やせた、背の低い、汚くて年とった男が一人、そこにいた。
田舎の人間はみんな、町に住む人たちに比べたら清潔感がない。着古した和服を着る者が多い。木綿がくたっとへたれているし色もあせているし、それに襟をだらりと開けていることもよくある。だけど、と、こうれんは考えた。
それにしたって限度があるだろ、そう思った。
目の前にいる男は、こうれんが11年生きて出会った中でいちばん汚かった。汚さの新記録、きっとこの先も破られない記録だろう。
半分くらい白い髪はあちこちまばらに禿げかかっており、目は血走ってむき出しの歯が黄色。服はこのへんの人間にしてはめずらしくシャツで、元々は白い開襟シャツだったと思うが、ずいぶん古いものらしくて茶色に変色している。それに袖が擦り切れてボタンがいくつか無くなっていた。こうれんは男が裸足なのに気づいて(うわっ。)と思った。ここの集落の者は大人も子どももたいてい、普段は草鞋だ。でも男はそれすら履いていない。
でも、だけど、足よりも、もっと汚いのは顔だ。
泥だらけ。
肌がまだらに見える。泥、肌、泥、肌。半分くらい泥だ、とこうれんは思った。そのためか、男から泥の匂いがする。雨の翌日の道とおなじにおい。
こうれんはこの男の名前を知っている。この集落で評判の男。祖父母からも、同級生からも、この男に近づくな、話をするなと言われている。
こうれんはみんなから聞いた男の名前を小声でつぶやいた。
「どろあらし。」
「うるさい!」
男がいきなり大声を出したのでこうれんはびっくりした。手を振りはらおうとしたけれど、男の手がこうれんの腕を強くつかんで離さない。
「いまこの子どもと話すところだ!だまっていろ!」
あれ、とこうれんは思った。どうも男がどなりつけたのは、こうれんではないだれかのようだ。こうれんはあたりを見回したが。そばにはだれもいなかった。
どろあらしの目がぎょろりと動いて、こうれんをにらんだ。
「やおの孫、お前の家に竹ぼうきがあるか?」
「ある。」
反射的にこうれんは答えた。祖父母や同級生の制止の言葉はしっかり覚えているが、それでもとっさに返事をしてしまった。なぜなら聞かれたのがほうきのことだったからだ。
「ぼくが毎日使っている。ほうきだけじゃない、ぞうきんだってタワシだって使っている。毎日きれいにしているんだ。」
こうれんはつい、胸をはって答えた。
どろあらしがフン、と鼻をならした。
「お前、そうじが好きか。ならちょうどいい。やおの孫、お前これからそうじの道具を持って大岩のところへ行け。」
「えっ? 大岩?」
「ああそうだ、大岩だ。知っているか?」
こうれんが返事をするより早く、どろあらしがこうれんの腕をさらにぐいっと引っぱって歩き出した。
「こっちだ。教えてやる。」
「ちょっと、痛い。はなせよ、ねえ、はなせ!」
こうれんがわめいても、どろあらしはおかまいなしだ。こうれんをぐいぐい引っぱってすごい速さで歩く。こうれんは足がもつれそうになった。
(転んだら汚れる!)
そう思ってなんとか踏みとどまった。その後は腕をふりほどくのを後回しにして、どろあらしの歩調に合わせて急いで歩いた。転んで泥だらけになるくらいなら男についていく方が一千倍マシだと思った。
二人はあぜ道を進み、やがて少しだけ広い道へ出た。こうれんはこの道を知っている。駅のある小さな町からこの集落に通じる一本道だ。汽車に乗る者はみんなこの道を通って駅へ向かう。こうれんは逆で大きな町から汽車に乗って駅で降りて、この道を通って祖父母の家にやって来たのだ。
道の左右に田んぼが広がる。カエルの鳴き声がひびく。それに、こうれんのきらいな虫の羽音も。途中で三回ほど二人は小虫の群れにつっこんだ。こうれん一人だけなら絶対によけて通るが、どろあらしは平気で突っ切った。こうれんも否応なくついていく。そのうち田んぼが途切れて草むらになり、竹やぶが現れ、さらに歩くと雑木林が現れた。木かげで少し暗くなり、ところどころでこもれ日が二人の肌にあたってそのときだけ明るさと温度が変わる。木のにおいがむわっと鼻につく。
やがて雑木林がとだえた。どろあらしが足を止めた。
「ここだ。」
どろあらしが見上げた先を、こうれんも見た。そしてつぶやいた。
「これ、岩?」
「そうだ。大岩だ。」
「ぼくは丘かと思った。」
ただし丘と呼ばれる一般的な地形の持つなだらかさは、そこにはない。切り立った、高いーー。
「たしかに岩かも。」
こうれんはうなずいた。どろあらしが大岩に近づき、岩肌に手でふれた。どろあらしに引きずられて、こうれんもすぐそばに寄った。そして顔をしかめた。こうれんはここへ来てから顔をしかめてばかりいる。
「苔だらけだ。」
「キノコもある。」
「食べられるの?」
「腹を下すとか、一日中ずっとしゃっくりが出るとか、変な夢を見る。それを気にしなければ食える。」
「毒じゃないか!」
「あと、まずい。」
そういうのは食べられるといわないだろう、とこうれんは思った。
どろあらしのあごがぐいっと上がり、視線が大岩のてっぺんに向いた。つられてこうれんもおなじようにした。
てっぺんのあたりは木々が生えている。やっぱり岩には見えないな、とこうれんは思った。
どろあらしの、こうれんの腕をつかんでいるのと反対の手がずいっと伸びた。やせているし、あちこち垢だらけで、こうれんの目にはその腕は枯れ木みたいに見えた。というか垢のついた腕をこうれんは初めて見た。垢って見たら垢だってわかるんだな、と、こうれんは変なところで感心した。とにかくその汚い腕の先、人差し指が大岩のてっぺんのあたりを指した。
「あそこは日当たりがいい。」
「それが何?」
「だが、一箇所、普段は日の当たらない場所がある。当たるのは年に一度、夏至の日だけだ。そしてこの大岩のその場所に日が当たるのは、今度の夏至、つまり1週間後で百回目だ。」
「うん。」
つい、こうれんは素直にうなずいた。どろあらしの声が奇妙におごそかだったからだ。それにこうれんの父が暦や天体の話をすることを好み、一緒に暮らした頃にこうれんにこういう話をときどき聞かせたことも影響したかもしれない。
どろあらしについてこうれんは、みんなから聞いていたよりは、まともな人間かもしれないと思った。話す言葉が意外にもしっかりと筋道の立った説明だったからだ。
次の瞬間までは。
どろあらしが言った。
「こうじゃくだいらんが来る。」
「え?」
「こうじゃくだいらんだ。」
「は? こうじゃく、何?」
「こうじゃくだいらん。」
0
あなたにおすすめの小説
独占欲強めの最強な不良さん、溺愛は盲目なほど。
猫菜こん
児童書・童話
小さな頃から、巻き込まれで絡まれ体質の私。
中学生になって、もう巻き込まれないようにひっそり暮らそう!
そう意気込んでいたのに……。
「可愛すぎる。もっと抱きしめさせてくれ。」
私、最強の不良さんに見初められちゃったみたいです。
巻き込まれ体質の不憫な中学生
ふわふわしているけど、しっかりした芯の持ち主
咲城和凜(さきしろかりん)
×
圧倒的な力とセンスを持つ、負け知らずの最強不良
和凜以外に容赦がない
天狼絆那(てんろうきずな)
些細な事だったのに、どうしてか私にくっつくイケメンさん。
彼曰く、私に一目惚れしたらしく……?
「おい、俺の和凜に何しやがる。」
「お前が無事なら、もうそれでいい……っ。」
「この世に存在している言葉だけじゃ表せないくらい、愛している。」
王道で溺愛、甘すぎる恋物語。
最強不良さんの溺愛は、独占的で盲目的。
左左左右右左左 ~いらないモノ、売ります~
菱沼あゆ
児童書・童話
菜乃たちの通う中学校にはあるウワサがあった。
『しとしとと雨が降る十三日の金曜日。
旧校舎の地下にヒミツの購買部があらわれる』
大富豪で負けた菜乃は、ひとりで旧校舎の地下に下りるはめになるが――。
少年騎士
克全
児童書・童話
「第1回きずな児童書大賞参加作」ポーウィス王国という辺境の小国には、12歳になるとダンジョンか魔境で一定の強さになるまで自分を鍛えなければいけないと言う全国民に対する法律があった。周囲の小国群の中で生き残るため、小国を狙う大国から自国を守るために作られた法律、義務だった。領地持ち騎士家の嫡男ハリー・グリフィスも、その義務に従い1人王都にあるダンジョンに向かって村をでた。だが、両親祖父母の計らいで平民の幼馴染2人も一緒に12歳の義務に同行する事になった。将来救国の英雄となるハリーの物語が始まった。
大人で子供な師匠のことを、つい甘やかす僕がいる。
takemot
児童書・童話
薬草を採りに入った森で、魔獣に襲われた僕。そんな僕を助けてくれたのは、一人の女性。胸のあたりまである長い白銀色の髪。ルビーのように綺麗な赤い瞳。身にまとうのは、真っ黒なローブ。彼女は、僕にいきなりこう尋ねました。
「シチュー作れる?」
…………へ?
彼女の正体は、『森の魔女』。
誰もが崇拝したくなるような魔女。とんでもない力を持っている魔女。魔獣がわんさか生息する森を牛耳っている魔女。
そんな噂を聞いて、目を輝かせていた時代が僕にもありました。
どういうわけか、僕は彼女の弟子になったのですが……。
「うう。早くして。お腹がすいて死にそうなんだよ」
「あ、さっきよりミルク多めで!」
「今日はダラダラするって決めてたから!」
はあ……。師匠、もっとしっかりしてくださいよ。
子供っぽい師匠。そんな師匠に、今日も僕は振り回されっぱなし。
でも時折、大人っぽい師匠がそこにいて……。
師匠と弟子がおりなす不思議な物語。師匠が子供っぽい理由とは。そして、大人っぽい師匠の壮絶な過去とは。
表紙のイラストは大崎あむさん(https://twitter.com/oosakiamu)からいただきました。
野良犬ぽちの冒険
KAORUwithAI
児童書・童話
――ぼくの名前、まだおぼえてる?
ぽちは、むかし だれかに かわいがられていた犬。
だけど、ひっこしの日に うっかり わすれられてしまって、
気がついたら、ひとりぼっちの「のらいぬ」に なっていた。
やさしい人もいれば、こわい人もいる。
あめの日も、さむい夜も、ぽちは がんばって生きていく。
それでも、ぽちは 思っている。
──また だれかが「ぽち」ってよんでくれる日が、くるんじゃないかって。
すこし さみしくて、すこし あたたかい、
のらいぬ・ぽちの ぼうけんが はじまります。
ナナの初めてのお料理
いぬぬっこ
児童書・童話
ナナは七歳の女の子。
ある日、ナナはお母さんが仕事から帰ってくるのを待っていました。
けれど、お母さんが帰ってくる前に、ナナのお腹はペコペコになってしまいました。
もう我慢できそうにありません。
だというのに、冷蔵庫の中には、すぐ食べれるものがありません。
ーーそうだ、お母さんのマネをして、自分で作ろう!
ナナは、初めて自分一人で料理をすることを決めたのでした。
これは、ある日のナナのお留守番の様子です。
今、この瞬間を走りゆく
佐々森りろ
児童書・童話
【第2回きずな児童書大賞 奨励賞】
皆様読んでくださり、応援、投票ありがとうございました!
小学校五年生の涼暮ミナは、父の知り合いの詩人・松風洋さんの住む東北に夏休みを利用して東京からやってきた。同い年の洋さんの孫のキカと、その友達ハヅキとアオイと仲良くなる。洋さんが初めて書いた物語を読ませてもらったミナは、みんなでその小説の通りに街を巡り、その中でそれぞれが抱いている見えない未来への不安や、過去の悲しみ、現実の自分と向き合っていく。
「時あかり、青嵐が吹いたら、一気に走り出せ」
合言葉を言いながら、もう使われていない古い鉄橋の上を走り抜ける覚悟を決めるが──
ひと夏の冒険ファンタジー
まぼろしのミッドナイトスクール
木野もくば
児童書・童話
深夜0時ちょうどに突然あらわれる不思議な学校。そこには、不思議な先生と生徒たちがいました。飼い猫との最後に後悔がある青年……。深い森の中で道に迷う少女……。人間に恋をした水の神さま……。それぞれの道に迷い、そして誰かと誰かの想いがつながったとき、暗闇の空に光る星くずの方から学校のチャイムが鳴り響いてくるのでした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる