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第二十六話
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その夜。22時。
ゆりはそっと寮を抜け出して、れいこと約束した教会へとやって来た。
恐る恐る教会の扉をギィ・・・という重い音共に開く。
暗闇の中、月光でステンドグラスが輝く。今日はいつもよりその輝きは増しているように思う。
その中でれいこは待っていた。彼女は祭壇の蝋燭に火を灯す。
「夜の教会もいいものでしょう?」
「犬飼さん・・・?教えて、ここで何をするの?」
れいこはステンドグラスの光に包まれて天使の笑顔で、ゆりに手を差し伸べた。
「言ったでしょ?これからの私たちのことを誓い合うの。」
「誓・・・う・・・?」
れいこはにこりと微笑む。
そして自分の制服のリボンをほどくとそのまま脱ごうとした。ゆりは驚いてそれを制止しようとする。
「どうしたの!?犬飼さん!こんなところで!!」
「貴女も脱いで?」
「え・・・?」
ゆりは何が何だか分からないし、彼女のしたいことが見えてこない。
「どういうこと・・・?」
「鈍い子。私、貴女とは全て見せ合う関係になりたいの。私は綺麗なの。誰よりも。そして貴女も。私たちは全てを見せ合う綺麗な関係になるの。最も美しく綺麗な関係。それを誓い合うのよ。嫌かしら?」
大体れいこの言うことが見えてきた。
その理屈は正しくないようで正しい。
れいこと自分はすべて見せ合う関係。心も身体も。
彼女の言うこととすることはいつも崇高だ。それに感動を覚えゆりは震える。
怖くはない。嫌なわけがない。
「・・・貴女に見せるわ。貴女だけに。私と貴女のこれからを誓い合うために。」
「貴女なら分かってくれると思った。」
そして、二人は制服を脱ぎ捨てると祭壇の元で向かい合う。
れいこはまだ少し震えるゆりの唇を指でそっとなぞる。そしてそのまま彼女の唇を食んだ。
優しく、そして激しく。混じる吐息は天使のうた。
額と額を重ねる。手と手を繋ぐ。胸と胸を合わせる。足と足を絡める。
そして、また何度も口づける。
「貴女と私、神様に誓ったのよ。私たちはただの人間なわけがないの。選ばれた天使なのよ。」
「犬飼さん、私とても嬉しいわ。貴女とこうやって誓い合えて。私たちは誰よりも綺麗で清らかな関係ね。誰にも邪魔はさせないわ。」
「当り前よ。」
「私、いつか犬飼さんが悪魔に酷い目に合うようなことがあったら、絶対に助けに行くわ。犬飼さんが悪魔にならないように助けに行く。私を貴女が救ってくれたように。」
「馬鹿ね、私はそんな悪魔になんて出会わないし、悪魔に堕ちるつもりもないわ。」
れいことゆりは笑いあって手を繋いだ。
そして、れいこは自分の制服を手繰り寄せて、なにやら出してきた。
そしてそれを、ゆりに差し出す。
「綺麗・・・。」
そこには銀色に光るロザリオがあった。
そしてそれは二つある。
「あげる。」
「え・・・?」
「これ、貴女にあげる。私と同じものよ。貴女と私がこれからもずっと一緒っていう証。綺麗だという証。」
ゆりは涙を流しながら受け取るとそれにキスをした。
「ありがとう、嬉しい!!犬飼さん!!」
「れいこでいいわ。私、名前なんて許した子にしか呼ばせないの。特別な子にしか呼ばせないの。貴女なら許してあげる。貴女もゆりって呼んでいい?」
ゆりは何度も頷く。
「ゆり、私と貴女はずっと一緒。」
「れいこ、私はずっと貴女のそばにいるわ。」
そうして、れいことゆりはもう一度唇を重ねた。
月が光る聖なる夜に。
ゆりはそっと寮を抜け出して、れいこと約束した教会へとやって来た。
恐る恐る教会の扉をギィ・・・という重い音共に開く。
暗闇の中、月光でステンドグラスが輝く。今日はいつもよりその輝きは増しているように思う。
その中でれいこは待っていた。彼女は祭壇の蝋燭に火を灯す。
「夜の教会もいいものでしょう?」
「犬飼さん・・・?教えて、ここで何をするの?」
れいこはステンドグラスの光に包まれて天使の笑顔で、ゆりに手を差し伸べた。
「言ったでしょ?これからの私たちのことを誓い合うの。」
「誓・・・う・・・?」
れいこはにこりと微笑む。
そして自分の制服のリボンをほどくとそのまま脱ごうとした。ゆりは驚いてそれを制止しようとする。
「どうしたの!?犬飼さん!こんなところで!!」
「貴女も脱いで?」
「え・・・?」
ゆりは何が何だか分からないし、彼女のしたいことが見えてこない。
「どういうこと・・・?」
「鈍い子。私、貴女とは全て見せ合う関係になりたいの。私は綺麗なの。誰よりも。そして貴女も。私たちは全てを見せ合う綺麗な関係になるの。最も美しく綺麗な関係。それを誓い合うのよ。嫌かしら?」
大体れいこの言うことが見えてきた。
その理屈は正しくないようで正しい。
れいこと自分はすべて見せ合う関係。心も身体も。
彼女の言うこととすることはいつも崇高だ。それに感動を覚えゆりは震える。
怖くはない。嫌なわけがない。
「・・・貴女に見せるわ。貴女だけに。私と貴女のこれからを誓い合うために。」
「貴女なら分かってくれると思った。」
そして、二人は制服を脱ぎ捨てると祭壇の元で向かい合う。
れいこはまだ少し震えるゆりの唇を指でそっとなぞる。そしてそのまま彼女の唇を食んだ。
優しく、そして激しく。混じる吐息は天使のうた。
額と額を重ねる。手と手を繋ぐ。胸と胸を合わせる。足と足を絡める。
そして、また何度も口づける。
「貴女と私、神様に誓ったのよ。私たちはただの人間なわけがないの。選ばれた天使なのよ。」
「犬飼さん、私とても嬉しいわ。貴女とこうやって誓い合えて。私たちは誰よりも綺麗で清らかな関係ね。誰にも邪魔はさせないわ。」
「当り前よ。」
「私、いつか犬飼さんが悪魔に酷い目に合うようなことがあったら、絶対に助けに行くわ。犬飼さんが悪魔にならないように助けに行く。私を貴女が救ってくれたように。」
「馬鹿ね、私はそんな悪魔になんて出会わないし、悪魔に堕ちるつもりもないわ。」
れいことゆりは笑いあって手を繋いだ。
そして、れいこは自分の制服を手繰り寄せて、なにやら出してきた。
そしてそれを、ゆりに差し出す。
「綺麗・・・。」
そこには銀色に光るロザリオがあった。
そしてそれは二つある。
「あげる。」
「え・・・?」
「これ、貴女にあげる。私と同じものよ。貴女と私がこれからもずっと一緒っていう証。綺麗だという証。」
ゆりは涙を流しながら受け取るとそれにキスをした。
「ありがとう、嬉しい!!犬飼さん!!」
「れいこでいいわ。私、名前なんて許した子にしか呼ばせないの。特別な子にしか呼ばせないの。貴女なら許してあげる。貴女もゆりって呼んでいい?」
ゆりは何度も頷く。
「ゆり、私と貴女はずっと一緒。」
「れいこ、私はずっと貴女のそばにいるわ。」
そうして、れいことゆりはもう一度唇を重ねた。
月が光る聖なる夜に。
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