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第三十二話
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それから、すみれはなおの言いなりになっていた。
すみれは、なおのことは好きだ。なぜなら何度も助けてくれる。だから大好きだ。
しかし、なぜか最近それが疑問に思ってくる。
なおがすみれをキスする度、激しく抱く度。
その度に彼女は執拗にすみれに言うのだ。
「すみれ、何も考えないで。私が言うこと以外は何もしないで。貴女は馬鹿なの。自分の考えたことをするなんて決して許さない。」
そして、洗脳されたように思うのだ。
私は馬鹿だから許されないのだわ。
と。
最初はそのまま従っていた。だが、冷静になればなるほどそれは疑問に満ちてくる。
その言葉に嫌悪感すら覚えてくる。
そして、その度に思い出すのはれいこの言葉と笑顔。
自分に微笑んでくれるれいこ。
優しくしてくれるれいこ。
何でも許してくれたれいこ。
何より、誰よりも綺麗なれいこ。
「私、最後にれいこさんになんて言ったけ。」
思い出したくないはずなのに、すみれは一生懸命にその時の記憶を呼び戻す。
「そっか・・・私、綺麗なれいこさんなんていないって言ったんだっけ。悪魔って言ったんだっけ。」
すみれは鏡で自分の顔と手を見る。
自分にそんなことが言える権利があるのだろうか。
すみれは思い出す。れいことの日々を。
一緒にケーキを食べたわ。
一緒に書類を運んでくれたわ。
お部屋に入ってれいこさんの香りに包まれたの。
制服も貸してくださったのよ。
髪を乾かしてくれたの。
馬鹿な私によ!?
私、全てそれをれいこさんに許されていたのね。
それなのに私はれいこさんを許さなかったのね。
「私、どうしてれいこさんに酷いこと言ったのだろう。私の方が酷いことをしたのだわ。」
れいこさん、あの時ずっと私になんて言ってたっけ。
そうか、一緒に踊りましょうって。
言ってたのね。
「すみれ、何を考えているの?」
なおがじっと睨んで恐ろしい声で言ったのですみれは、ハッとして現実に戻る。
「え・・・?な、何も・・・。」
「考えないで。許さない。踊るなんてもう二度と考えないで。」
れいこさん、あの時ずっと私になんて言ってたっけ。
どれだけ酷いことをされたか。どれだけ彼女に裏切られたか。
しかしなぜかすみれの頭の中には、れいこの笑顔と言葉だけが鮮明に残っていた。
すみれは、なおのことは好きだ。なぜなら何度も助けてくれる。だから大好きだ。
しかし、なぜか最近それが疑問に思ってくる。
なおがすみれをキスする度、激しく抱く度。
その度に彼女は執拗にすみれに言うのだ。
「すみれ、何も考えないで。私が言うこと以外は何もしないで。貴女は馬鹿なの。自分の考えたことをするなんて決して許さない。」
そして、洗脳されたように思うのだ。
私は馬鹿だから許されないのだわ。
と。
最初はそのまま従っていた。だが、冷静になればなるほどそれは疑問に満ちてくる。
その言葉に嫌悪感すら覚えてくる。
そして、その度に思い出すのはれいこの言葉と笑顔。
自分に微笑んでくれるれいこ。
優しくしてくれるれいこ。
何でも許してくれたれいこ。
何より、誰よりも綺麗なれいこ。
「私、最後にれいこさんになんて言ったけ。」
思い出したくないはずなのに、すみれは一生懸命にその時の記憶を呼び戻す。
「そっか・・・私、綺麗なれいこさんなんていないって言ったんだっけ。悪魔って言ったんだっけ。」
すみれは鏡で自分の顔と手を見る。
自分にそんなことが言える権利があるのだろうか。
すみれは思い出す。れいことの日々を。
一緒にケーキを食べたわ。
一緒に書類を運んでくれたわ。
お部屋に入ってれいこさんの香りに包まれたの。
制服も貸してくださったのよ。
髪を乾かしてくれたの。
馬鹿な私によ!?
私、全てそれをれいこさんに許されていたのね。
それなのに私はれいこさんを許さなかったのね。
「私、どうしてれいこさんに酷いこと言ったのだろう。私の方が酷いことをしたのだわ。」
れいこさん、あの時ずっと私になんて言ってたっけ。
そうか、一緒に踊りましょうって。
言ってたのね。
「すみれ、何を考えているの?」
なおがじっと睨んで恐ろしい声で言ったのですみれは、ハッとして現実に戻る。
「え・・・?な、何も・・・。」
「考えないで。許さない。踊るなんてもう二度と考えないで。」
れいこさん、あの時ずっと私になんて言ってたっけ。
どれだけ酷いことをされたか。どれだけ彼女に裏切られたか。
しかしなぜかすみれの頭の中には、れいこの笑顔と言葉だけが鮮明に残っていた。
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