僕は冷徹な先輩に告白された

隻瞳

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7話 告白②×視線

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目の前で起きている状況が現実とは全く思えなかった。目の前にはこの学校でマドンナかつ男嫌いで有名な女性と正面から向き合いかつその娘からもし周りに人がいたとしたらすぐに気づかれる程の大きな声で告白された。

この事実に一番驚くのは一体誰だと言えるだろう?
怜人や伸之、真依を含める全校生徒でもない。
数週間前に転校してきたばかりの自分自身だ。
仮にこの事実を数週間前の自身に伝えることが出来たとしても、全く持って信じてもらえないだろう。

今、目にしているこの状況から分かることはただ一つだけ。普段の彼女は男子生徒に対して、非情かつ無愛想な態度で接し、告白された時のガードもかなり固いことから、男子生徒たちから恐れられているのは紛れもない事実だ。
しかし今は、そんな里奈彼女が・・・・・・



ーーーー他の誰よりも可愛いと思えた。



「え・・・あの、今なんて・・・?」

「・・・こんな私にこんなこと言われたら変かもしれないけど・・・山本くん、あなたが好きです!」

「いや、でも里奈先輩って普段から・・・」

「えぇ、あなたも知っている通り私は大の男嫌いで有名よ。でも本当は男子と関わることが苦手でどう接したらいいのか分からないだけで、それなのに告白アタックしてくる人は下心丸出しなのがほとんどなんだけど本当は優しく振りたいのにどうしても厳しく言っちゃうの・・・。でも直接関わっていないけれどあなただけは違った、普段から誰に対しても優しくしているし。それに賢人くんは・・・その、可愛いから・・・」

「!!」

里奈の顔は賢人はおろかこの学校の誰もが想像しても信じられないぐらいに真っ赤だったが、賢人もその言葉を聞いた瞬間里奈に負けないぐらいに真っ赤になった。

「き、急にそんな事言わんとって下さいよ・・・
こ、こっちまで恥ずかしなりますやん・・・」

流石の賢人も思わず素を出してしまった。
里奈は自分だけでなく賢人の方も平常心で無くなっててきていることに嬉しく感じた。

「実はね、あなたの顔を見た時ものすごく可愛いなと思って・・・それ以来、賢人くんのことを見つめているうちに、いつの間にか忘れられなくなって・・・」

(え?何?ずっと見てくれてたん・・・?)

両親が共働きで大きな職業しているため、あまり関わりが少なかったため、姉たち以外から快く見守られたことが無く見守ってくれていた人がいたと思うと、とても嬉しかった。

「僕もさ、可愛いって言われるのはあまり好きじゃないんですけど・・・その、自分のことを見ていてくれたのは、その気持ちが伝わった今でも、すごく嬉しいです。だから・・・・・・





こちらこそ、よろしくお願いします」

「・・・ほ、本当に?」

「こんなことで、嘘はつきませんよ」

里奈は涙が溢れた出る程に、嬉しかった。
もしかしたら、学校で悪い印象を持ったこんな自分に想いを告げられたところで酷く罵られてしまうのではないかと半分思っていたが、今目の前にいる彼はそんな残酷なことはしようとはせずしっかりと自身の想いを胸で受け止めてくれた。
それが何よりも嬉しかった。

「えっと、とりあえずお互いのLINE交換しておこうか?」

「あ、はい!・・・これ僕のアドレスです」

「ありがとう、私のも・・・」

「・・・ハイ!これでOKです」

「私も出来たわ」

想いが伝わり、賢人と里奈にとって思春期の一大イベントが大成功。そして一段落して徐々に落ち着きを取り戻していくと互いに思わず微かに笑ってしまった。
 

「「あっ・・・!」」


たった今ここに、男女ともに学年一有名な肩書きを持ったカップルが誕生したものの、二人ともこの後の行動・・に移らなければならないことに気づき、しばらく沈黙した。


「「・・・・・・」」


「あ、あの・・・これからどうしましょう?一緒に帰りましょうか?」

「う、うん・・・そうしましょうか」

「じ、じゃあ・・・失礼します!」


ーーーーギュッ。


「あっ・・・」

賢人は里奈の左手をしっかりと握り、指と指を絡ませた。
そして手を繋いだまま体育館裏から校門に出て、里奈をバス停まで送りがてらで一緒に帰ることにした。
学校を出た道中でも、二人は互いに隣にいる事を意識しながら、住宅街の中を歩いていく。

その一方で小柄な賢人と長身な里奈が肩を合わせてみるとその差は歴然というわけではなく、賢人の身長が162センチに対し、里奈の身長は173センチということで二人の身長の差はほぼ10センチ前後になる。
 
二人はバス停に着くまでの間、互いの小、中学生時代の思い出を語り合い、その話の中でも里奈にも意外な一面もあったことが分かり、やっぱりこの人はただの怖い人ではないんだなと賢人は改めて実感した。

(ふふっ、里奈先輩は本当に明るくて健気なんだなー)

(ぬぬぬ、この美しさに満ち溢れた笑顔を写真におさめておきたい・・・)


「「・・・?、あっ・・・・・・」」


里奈が赤い顔で横賢人の顔を悔しそうに眺めていると、偶然こちらを向いた賢人の緑色のと目が合い、二人とも一瞬で照れ隠ししながら視線を反らした。

「バ、バス停って結構遠いんだね・・・?」

「ご、ごめんなさいね?わざわざ一緒に来てもらって・・・?」

「ううん、大丈夫だから・・・」
 
先程目があったことを互いに話を反らして誤魔化し合った。こうして「人一倍分の勇気を貰えたので、告白する」という謎の第一宣言(?)を無事に果たし、見事里奈は賢人の彼女になったのであった。
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