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告白の返事は慎重に

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私は家に帰って制服から私服に着替え、輝介の家に向かった。
その時ふと思った。今日は誰が来るのだろうか。全員知らない人ばかりだったらどうしよう。全然気にしていなかったのだが、急に不安になってきた。

その不安は嬉しくもない大当たりだった。名前も知らないような人達が目の前に4人いる。しかも全員男。
私は後悔した。絶対私なんか邪魔じゃないか。

でも、そんな不安を悟ってくれたのか、私を快く遊びの中に入れてくれた。沢山ゲームをして沢山話しをしてて沢山お菓子を食べた。

その時、
「全員呼び捨てでいこう。」
と、輝介が言った。
だから私は輝介や男子達は全員呼び捨てだ。

元々私自身も異性とか気にしない性格だったから良かった。というか、異性に興味すら持っていなかった。

この日から私は輝介の家によく遊びに行くようになった。すごく楽しかった。時には毎日のように。時には女子が私だけの時もあった。



それから何ヶ月かたったある日。

「俺、美苗のこと好きだわ」

私は輝介に告白された。
突然の出来事だった。
本当に突然だった。

「あ、ありがとう...。」

私はすごく戸惑った。
だから、間抜けな声でこう言った。
まず、輝介をそう言う感情で見ていなかった。
私はすぐに結依那に相談する。

「ねえねえ。どうしよ。告られたんだけど。」
「え、誰に?」
「輝介に。」
「あー。やっぱりか。」
「え?驚かないの?」
「いやだってあんなに仲良かったしクラスの中ではもうできてるんじゃないかって噂になってたよ?」
「うっそ!全然気づかなかった!」

ほんとうにびっくりした。
しかも告白されたなんて初めての出来事だったからいまだに頭が追いつかない。

「んで、美苗はどうなの?」
「どうって...。そういう感情ないから振ろうかな...?」
「まじかーもったいな!」
「もったいないって?」
「美苗は鈍感だから気付いてないかもしれないけど、輝介って結構モテてるからね?明るくて面白いし。」
「そうなんだ。初耳だわ。」
「やっぱり鈍感だなー。今まで黙ってたけどほんとは私輝介のこと気になってたし。」
「私も思い切って輝介に告白してみよっかな。」

ドキッ。なんでだろう。何故か心が痛い。

「え?そうだったの?じゃあ私は輝介と結依那を応援するよ?」

また心が痛む。結依那には本音を言っているつもりなのに輝介は誰とも付き合って欲しくないと思ってしまう。振ろうとしてるのになにを考えているんだ自分は。
うーん。余計に分からんくなってきた。



次の日。
輝介は学校を休んだ。
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