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「ふう~、逃げれたね。エクレアさん。」
孤児院まで逃げてきたシューとエクレア。
「・・・シュー、私を殺しなさい。」
エクレアは神妙な顔で、シューに自分を殺すように言うのであった。
「はあ!?」
シューはエクレアの言葉を聞き間違いかと思った。
「シュー、よく聞きなさい。」
「嫌だ! そんな変な話は聞きたくない!」
エクレアの自分を殺せという話をシューは聞きたくなかったので声を荒げた。
「聞きなさい!!!」
エクレアはシューを一喝する。
「!?」
シューはエクレアの大声にビクっとし動きを制する。
「あのアダイブという男は危険よ。どこか狂っている。それに私よりも上級天使の力を手に入れている・・・正直、天使の私では勝つことはできないでしょう。」
天使も縦社会である。上級天使にエクレア大好き天使では勝てないのだった。
「そ、そんな・・・。」
シューはエクレアの本心を聞いてガッカリ気落ちする。
「これでもいい。」
エクレアは孤児院の壁に飾ってある普通の剣を手に持ち、シューに差し出す。
「この剣で私を殺しなさい。」
エクレアの顔は無表情を装っていた。
「い、嫌だよ!? な、何を言っているんだよ!? エクレアさん!? いつもみたいにエクレアを食べて笑っていてよ!?」
自然とシューの目にも薄っすらと涙が浮かぶ。
「・・・私は神の血を司る天使。私を剣で刺して血を吸わせるの。そうすれば天使よりも遥かに強い、神の剣ができるはず。」
エクレアは、ただのエクレア好きの天使ではなかった。エクレアは、神の血を司る天使だった。
「シュー、あなたが倒すのよ!」
エクレアは同胞の天使が被害に合っている堕天使狩りのアダイブをシューに倒してほしかった。
「エクレアさん!? 無理だよ!? 僕はエクレアさんが大好きだよ!? 僕にエクレアさんを殺せるわけがない!?」
シューはエクレアのことを慕っていた。子供とシスターであっても好きな相手を殺すことなどできる訳もなかった。
「キャア!?」
「うわあ!?」
その時、孤児院の窓が何らかの衝撃で割れまくる。
「あいつの仕業ね!? シュー! 時間がない! 早く!」
「できない! できないよ!?」
シューは泣き叫ぶことしかできなかった。
「みんなを守るために・・・シュー、あなたを守りたいのよ。」
覚悟を決めたエクレアは剣をシューに握らせる。
「な、何を!? い、嫌だ!?」
シューは剣など握りたくなかった。
「シュー、楽しかったよ。・・・ゲフッ!?」
エクレアは笑顔でシューに持たせた剣に自ら体を貫かせ血を吐いた。
「え、エクレアさん!?」
シューの手からエクレアが剣で貫かれた感触が伝わってくる。
「あ・・・あなたは・・・生きて。私の血を吸って・・・。」
そう言うとエクレアの体はシューの視界から消え地面に崩れて倒れた。
「あ・・・う・・・あ・・・あ・・・うわああああああ!?」
シューは子供ながらに目の前で大好きな人の死を見ることになった。
「エクレアさん!? エクレアさん!? エクレアさん~!?」
何度、呼んでもエクレアは目を覚まさなかった。
「私のお墓には、エクレアを備えてね! いい! 毎日よ! 一日でも欠かしたら許さないからね!」
などとバラエティーを挟む余裕はなかった。
「う・・・う・・・。」
シューは横たわっているエクレアの側で泣き続けている。
「ドクン。」
どこかで心臓の鼓動のようなものが聞こえた。
「ドクン。」
それはシューのものでもなく、エクレアのものでもなかった。
「ドクン!」
剣だ。エクレアの体に刺さっている剣が生き始めたのだ。
「・・・う!?」
シューも剣の鼓動の響きを感じとり、剣を見つめる。
「赤に染まっていく!?」
普通の剣が、まるでエクレアの血を吸うように赤い色に変わっていく。
「シュー、この剣に大量の血を吸わせて。そうすれば私は生き返ることができるから。孤児院の子供たちを、村の人々を、この剣で世界を救って。」
まるでエクレアが言っているような情熱の赤い色に剣の色が変化していく。
「深紅の剣!?」
剣はエクレアの血を吸い赤い剣へと姿を変えた。
「エクレアさんの血を吸った剣・・・まるでブラッディソードだ。」
神の血を司る天使エクレアの血を吸った剣を、血を吸う剣のブラッディソードみたいだとシューは表現した。
「・・・この剣はエクレアさんなんだ。僕の大好きな大好きなエクレアさんなんだ。ハハッ、ハハッ。」
しかし、出来事の悲惨さからシューの精神は少しずつ壊れ始める。
「・・・僕があいつを殺す。」
シューはアダイブさえ現れなければ、大好きなエクレアさんは死なずに済んだと思った。
「エクレアさんが生き返るのなら、僕は血を集めるよ。」
シューはエクレアのために血を求める剣士になろうと決めた。
「行って来るよ、エクレアさん。」
シューは深紅の剣を持ち、死して横たわるエクレアに別れを告げる。
「あとで土に埋めてエクレアを備えるからね。少しだけ、少しだけ待っていてね。」
シューはやっと表情が緩んで少しだけ笑って、孤児院を後にする。
「見つけたぞ。」
孤児院の外には堕天使狩りのアダイブが待ち構えていた。
「アダイブ。」
シューの表情から笑顔が消える。
「天使と一緒にいたガキだな。言え。天使はどこにいる? そうすれば、おまえの命だけは助けてやろう。」
アダイブは約束を守る気はないのだが、天使を殺して血を啜り不老不死になりたいのだった。
「何を言っている? いるじゃないか、目の前に。」
シューは自分とアダイブしかいないのにエクレアも一緒にいるという。
「なに?」
アダイブには自分と子供の二人だけにしか思えない。
「エクレアさんは、ここに居る。」
シューは持っている深紅の剣をアダイブに向ける。
「はあ? どういうことだ? ・・・まさか!? その剣が赤いのは天使の血なのか!?」
アダイブは最悪の可能性を考えたどり着き驚く。
「エクレアさんは死んだよ・・・おまえを倒せってな!」
シューはアダイブに斬りかかろうと突進する。
「よ、よ、よくも! 俺様のモノを! 人間ごとき虫けらが! 許さん! 許さんぞ! 絶対に許さんぞ!!! 」
全身から黒いモノを醸し出しているアダイブは、シューに対して怒っていた。
「おまえがいなければエクレアさんは死なずに済んだんだ! おまえはいったい何者なんだよ!?」
「ガキごときが、俺様の不老不死の夢の邪魔をしおって! 絶対に許さんぞ! おまえを殺して、天使の血でできたブラッディソードを奪ってやる!」
「俺からエクレアさんを奪えるものなら奪ってみなよ!」
両者の剣での最初の一撃が入る。アダイブの方が力が強いように思われるのだが、エクレアの血でできた剣が非力なシューをサポートし、両者譲らずの互角だった。
「生意気なガキだ。子供のくせに大人の言うことが聞けないとは。親の顔が見てみたいぜ!」
「親がいたら孤児院にいないわい!」
「あ、そっか、それもそうだね。」
「納得すな!」
シューとアダイブの罵り合いも互角の様相だった。
「俺様が教育してやろう。神の光と炎に焼かれて死んでしまえ!」
アダイブは神の光と炎を出し、シューに目掛けて放つ。
「だ、ダメだ! 僕は死ぬのか?」
アダイブの攻撃にシューは一瞬で死を覚悟した。
「シュー!」
どこかから声がしたと思うと剣から血が噴き出し、シューと神の光と炎の間に血の盾のような壁を作り、アダイブの攻撃からシューを守る。
「血だと!? 血がガキを守るだと!?」
アダイブは絶対の自信を持つ神の光と炎の攻撃が効かなかったことに驚く。
「こ、これは!?」
シューも剣から血が湧き出すことに驚いて戸惑っている。
「シュー。」
またもシューに話しかける声がする。
「エクレアさん!? エクレアさんなの!?」
シューには聞き覚えのある声の主はエクレアだった。
「話は後よ! シュー、あなたのことは私が守るから。あなたはアダイブを倒しなさい!」
「はい!」
血が剣に戻ったシューはエクレアの声に促されるように、再びアダイブに突進する。
「ワッハッハー! いいぞ! 天使の血を吸った剣か! 欲しい! 欲しいぞ! 絶対に俺様のモノにしてやるぞ!」
アダイブも剣を構え、シューの突進に備える。
「死ね。」
「な!?」
一瞬だった。シューの姿が消えたかと思うと、アダイブの目の前に現れ、アダイブの首を切り落とす。
「エクレアさん、ごめんね。不味そうな血だ。」
シューはアダイブに勝利した。
つづく。
孤児院まで逃げてきたシューとエクレア。
「・・・シュー、私を殺しなさい。」
エクレアは神妙な顔で、シューに自分を殺すように言うのであった。
「はあ!?」
シューはエクレアの言葉を聞き間違いかと思った。
「シュー、よく聞きなさい。」
「嫌だ! そんな変な話は聞きたくない!」
エクレアの自分を殺せという話をシューは聞きたくなかったので声を荒げた。
「聞きなさい!!!」
エクレアはシューを一喝する。
「!?」
シューはエクレアの大声にビクっとし動きを制する。
「あのアダイブという男は危険よ。どこか狂っている。それに私よりも上級天使の力を手に入れている・・・正直、天使の私では勝つことはできないでしょう。」
天使も縦社会である。上級天使にエクレア大好き天使では勝てないのだった。
「そ、そんな・・・。」
シューはエクレアの本心を聞いてガッカリ気落ちする。
「これでもいい。」
エクレアは孤児院の壁に飾ってある普通の剣を手に持ち、シューに差し出す。
「この剣で私を殺しなさい。」
エクレアの顔は無表情を装っていた。
「い、嫌だよ!? な、何を言っているんだよ!? エクレアさん!? いつもみたいにエクレアを食べて笑っていてよ!?」
自然とシューの目にも薄っすらと涙が浮かぶ。
「・・・私は神の血を司る天使。私を剣で刺して血を吸わせるの。そうすれば天使よりも遥かに強い、神の剣ができるはず。」
エクレアは、ただのエクレア好きの天使ではなかった。エクレアは、神の血を司る天使だった。
「シュー、あなたが倒すのよ!」
エクレアは同胞の天使が被害に合っている堕天使狩りのアダイブをシューに倒してほしかった。
「エクレアさん!? 無理だよ!? 僕はエクレアさんが大好きだよ!? 僕にエクレアさんを殺せるわけがない!?」
シューはエクレアのことを慕っていた。子供とシスターであっても好きな相手を殺すことなどできる訳もなかった。
「キャア!?」
「うわあ!?」
その時、孤児院の窓が何らかの衝撃で割れまくる。
「あいつの仕業ね!? シュー! 時間がない! 早く!」
「できない! できないよ!?」
シューは泣き叫ぶことしかできなかった。
「みんなを守るために・・・シュー、あなたを守りたいのよ。」
覚悟を決めたエクレアは剣をシューに握らせる。
「な、何を!? い、嫌だ!?」
シューは剣など握りたくなかった。
「シュー、楽しかったよ。・・・ゲフッ!?」
エクレアは笑顔でシューに持たせた剣に自ら体を貫かせ血を吐いた。
「え、エクレアさん!?」
シューの手からエクレアが剣で貫かれた感触が伝わってくる。
「あ・・・あなたは・・・生きて。私の血を吸って・・・。」
そう言うとエクレアの体はシューの視界から消え地面に崩れて倒れた。
「あ・・・う・・・あ・・・あ・・・うわああああああ!?」
シューは子供ながらに目の前で大好きな人の死を見ることになった。
「エクレアさん!? エクレアさん!? エクレアさん~!?」
何度、呼んでもエクレアは目を覚まさなかった。
「私のお墓には、エクレアを備えてね! いい! 毎日よ! 一日でも欠かしたら許さないからね!」
などとバラエティーを挟む余裕はなかった。
「う・・・う・・・。」
シューは横たわっているエクレアの側で泣き続けている。
「ドクン。」
どこかで心臓の鼓動のようなものが聞こえた。
「ドクン。」
それはシューのものでもなく、エクレアのものでもなかった。
「ドクン!」
剣だ。エクレアの体に刺さっている剣が生き始めたのだ。
「・・・う!?」
シューも剣の鼓動の響きを感じとり、剣を見つめる。
「赤に染まっていく!?」
普通の剣が、まるでエクレアの血を吸うように赤い色に変わっていく。
「シュー、この剣に大量の血を吸わせて。そうすれば私は生き返ることができるから。孤児院の子供たちを、村の人々を、この剣で世界を救って。」
まるでエクレアが言っているような情熱の赤い色に剣の色が変化していく。
「深紅の剣!?」
剣はエクレアの血を吸い赤い剣へと姿を変えた。
「エクレアさんの血を吸った剣・・・まるでブラッディソードだ。」
神の血を司る天使エクレアの血を吸った剣を、血を吸う剣のブラッディソードみたいだとシューは表現した。
「・・・この剣はエクレアさんなんだ。僕の大好きな大好きなエクレアさんなんだ。ハハッ、ハハッ。」
しかし、出来事の悲惨さからシューの精神は少しずつ壊れ始める。
「・・・僕があいつを殺す。」
シューはアダイブさえ現れなければ、大好きなエクレアさんは死なずに済んだと思った。
「エクレアさんが生き返るのなら、僕は血を集めるよ。」
シューはエクレアのために血を求める剣士になろうと決めた。
「行って来るよ、エクレアさん。」
シューは深紅の剣を持ち、死して横たわるエクレアに別れを告げる。
「あとで土に埋めてエクレアを備えるからね。少しだけ、少しだけ待っていてね。」
シューはやっと表情が緩んで少しだけ笑って、孤児院を後にする。
「見つけたぞ。」
孤児院の外には堕天使狩りのアダイブが待ち構えていた。
「アダイブ。」
シューの表情から笑顔が消える。
「天使と一緒にいたガキだな。言え。天使はどこにいる? そうすれば、おまえの命だけは助けてやろう。」
アダイブは約束を守る気はないのだが、天使を殺して血を啜り不老不死になりたいのだった。
「何を言っている? いるじゃないか、目の前に。」
シューは自分とアダイブしかいないのにエクレアも一緒にいるという。
「なに?」
アダイブには自分と子供の二人だけにしか思えない。
「エクレアさんは、ここに居る。」
シューは持っている深紅の剣をアダイブに向ける。
「はあ? どういうことだ? ・・・まさか!? その剣が赤いのは天使の血なのか!?」
アダイブは最悪の可能性を考えたどり着き驚く。
「エクレアさんは死んだよ・・・おまえを倒せってな!」
シューはアダイブに斬りかかろうと突進する。
「よ、よ、よくも! 俺様のモノを! 人間ごとき虫けらが! 許さん! 許さんぞ! 絶対に許さんぞ!!! 」
全身から黒いモノを醸し出しているアダイブは、シューに対して怒っていた。
「おまえがいなければエクレアさんは死なずに済んだんだ! おまえはいったい何者なんだよ!?」
「ガキごときが、俺様の不老不死の夢の邪魔をしおって! 絶対に許さんぞ! おまえを殺して、天使の血でできたブラッディソードを奪ってやる!」
「俺からエクレアさんを奪えるものなら奪ってみなよ!」
両者の剣での最初の一撃が入る。アダイブの方が力が強いように思われるのだが、エクレアの血でできた剣が非力なシューをサポートし、両者譲らずの互角だった。
「生意気なガキだ。子供のくせに大人の言うことが聞けないとは。親の顔が見てみたいぜ!」
「親がいたら孤児院にいないわい!」
「あ、そっか、それもそうだね。」
「納得すな!」
シューとアダイブの罵り合いも互角の様相だった。
「俺様が教育してやろう。神の光と炎に焼かれて死んでしまえ!」
アダイブは神の光と炎を出し、シューに目掛けて放つ。
「だ、ダメだ! 僕は死ぬのか?」
アダイブの攻撃にシューは一瞬で死を覚悟した。
「シュー!」
どこかから声がしたと思うと剣から血が噴き出し、シューと神の光と炎の間に血の盾のような壁を作り、アダイブの攻撃からシューを守る。
「血だと!? 血がガキを守るだと!?」
アダイブは絶対の自信を持つ神の光と炎の攻撃が効かなかったことに驚く。
「こ、これは!?」
シューも剣から血が湧き出すことに驚いて戸惑っている。
「シュー。」
またもシューに話しかける声がする。
「エクレアさん!? エクレアさんなの!?」
シューには聞き覚えのある声の主はエクレアだった。
「話は後よ! シュー、あなたのことは私が守るから。あなたはアダイブを倒しなさい!」
「はい!」
血が剣に戻ったシューはエクレアの声に促されるように、再びアダイブに突進する。
「ワッハッハー! いいぞ! 天使の血を吸った剣か! 欲しい! 欲しいぞ! 絶対に俺様のモノにしてやるぞ!」
アダイブも剣を構え、シューの突進に備える。
「死ね。」
「な!?」
一瞬だった。シューの姿が消えたかと思うと、アダイブの目の前に現れ、アダイブの首を切り落とす。
「エクレアさん、ごめんね。不味そうな血だ。」
シューはアダイブに勝利した。
つづく。
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