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「アダイブ・シエル!?」
天界の力だけでも手強かったのに、冥界でペルセポネー、ヘカテーの血を吸い、更におぞましいほど強くなったアダイブ・シエル。
「や、奴がスイーツ街に!? エリザさん!? みんなが危ない!?」
シューは記憶を失っていた間に温かい思い出をくれた人々や街の風景を思い心配する。そういえば、スイーツ街の修道院には、かつて魔物の襲来を受けた時にスイーツ村を救った天使の石像があったような。その天使の石像は、エクレアさんがモチーフだった。
「あんな奴に襲われたら、街が壊滅してしまう!? 早く人間界に戻らなければ!?」
「安心しろ。人間界には私が送り届けてやる。」
「ありがとうございます。ハーデースさん。」
シューはハーデースに地上に送り届けてもらうことになった。
「ただしエクレア少年。何があっても地上に出るまで、後ろを振り返るな。振り返ったら冥界から出られなくなるぞ。オルペウスのように。」
「オルペウス?」
「私が説明しましょう。」
シューはオルペウスを知らなかったのでペルセポネーが説明してくれる。
「オルペウスは毒蛇に噛まれて死んだ妻エウリュディケーを取り戻すために冥界にやって来ました。カローンもケロベロスも倒し、私とハーデースの目に現れ美しい竪琴を奏で私たちは感動したので、妻のエウリュディケーを連れて帰ることを許した。」
「いい話ですね。」
シューは話を聞いてハーデースとペルセポネーを優しい夫婦だと思った。
「でも本題はここからよ。」
「え?」
「私たちはオルペウスの妻に対する愛情を確かめるために、地上に出るまで、後ろから付いて歩く妻を見るなと条件をつけた。そしてオルペウスは妻を信じ切れずに不安に負けて、振り返ってしまい、オルペウスは最愛の妻を地上に連れて帰ることができなかったの。」
「・・・。」
悲しい話を聞いて、少し考え込むシュー。
「僕は大丈夫です。だってエクレアさんとは、いつも一緒だから。」
シューは修道士の優しい微笑みを見せる。
「ハッハッハ! そうだな、エクレア少年なら大丈夫だ。行って模造品を消してこい。」
「はい。」
シューは決意を新たに地上に向かう。
「これが地上に続く道だ。」
ハーデースが地上への階段を作ってくれる。
「行ってきます。」
「お礼のジャンボ冥界エクレアは焼きあがったら、地上に届けよう。」
「気をつけて帰ってね。」
「ありがとうございます。ハーデースさん。ペルセポネーさん。」
別れの挨拶を交わして、シューは地上に続く階段を登り始める。
「僕は後ろを振り返らない! アダイブ・シエルを倒して、みんなを助けるんだ!」
シューは全力疾走で階段を駆け上がっていく。
「もっと人間の血が吸いたいな。」
地上では冥界の力を手に入れパワーアップしたアダイブ・シエルが魔物の軍勢を引き連れ、次々と人間の住む街や村を襲っていた。
「ガガガガガ。」
魔物はガイコツからオオカミまで、目玉の化け物など様々な種類がいた。
「ん!? 今度の街は見覚えがある。シューのいた街か。」
アダイブ・シエルも立ち寄ったことのある街であった。そしてシューと初めて出会ったのであった。
「だが、シューは私が奈落に落とした。もう会うことも無い。せめてもの手向けだ。生まれ育った街を血の一滴も残らないように滅ぼしてやろう。」
アダイブ・シエルの魔の手がスイーツ街に迫る。
「ギャアアアアア!?」
スイーツ街の人々は魔物が攻めてくると慌て叫びパニック状態であった。
「シュークリームさん!? 大変です!? 大変なんです!?」
街の兵隊フェルナンデスが修道院まで、シューを呼びにやって来た。
「出たな! 邪魔者!」
エリザがいた。それに街の人々も。魔物の大軍が襲って来ると聞いて避難しに教会にやって来ていた。
「シュークリームさん!? どこですか!? 一大事なんですよ!?」
フェルナンデスはエリザや避難している人々を気にもせず、シューを探し続けている。
「相変わらず、うるさいわね! シューはいないわよ。」
「なんだって!?」
ここで初めてフェルナンデスはエリザに気づく。
「シューは旅に出たわよ。だから、シューを探しても無駄よ。」
「そ、そんな!? トイレに行って来ると嘘を吐いて逃げて来たのに、頼みのシュークリームさんがいないなんて!?」
「やっぱり逃げて来たのね。」
街を守る兵隊のフェルナンデスは職務放棄して逃げて来たことに、エリザは予想通りで呆れる。
「それにしてもシュークリームさんのことを悪魔だの、死神のいる教会だの、嫌味を言っていた人々が教会に集まっているとは滑稽ですな。」
状況の悪いフェルナンデスは話を変えようと必死である。
「みんな怖いのよ。魔物が大軍で攻めてきたら助からないことを知っているから。神にでもすがりたいのよ。」
いつも元気に毒を吐いているエリザだが、寂しそうな表情で窓の外の空の遠くを見つめる。
「シュー・・・あなたはどこにいるの?」
エリザは、もうシューに会えないかもしれない、いや、もうシューに会うことは無いと覚悟する。
「キャアアア!?」
その時だった。修道院の子供たちが窓の外に何かを見て悲鳴をあげる。
「火だ!? 火の手が上がったぞ!?」
「魔物だ!? ついに魔物が攻撃してきたんだ!?」
「もう私たちは殺されるんだわ!? いやー!?」
避難してきたスイーツ街の人々も街に魔物が攻めてきたことを推測し、恐怖で絶望しそうになる。
「ガガガガガ!」
魔物たちの進行が早く街は火の海になっていく。
「ギャア!?」
強力な魔物の大軍の前では街の護衛兵など役には立たなかった。
「教会にも魔物が出たぞ!? うわあ!?」
遂に魔物の群れが修道院の敷地になだれ込んできた。
「ギャア!?」
魔物が人々を殺しながらエリザたちが隠れている教会の扉を開ける。
「リザードマン!?」
教会に現れたのは剣を持ったトカゲ人間の魔物であった。
「フェルナンデス!? あなた兵士なんでしょ!? 死んできなさい!」
エリザはフェルナンデスにリザードマンと戦うように言う。
「あ、足が竦んで動けません!?」
「この役立たず!」
フェルナンデスはビビって固まっていた。
「ガガガガガ!」
「キャア!? 怖いよ!? ウエエエエン!?」
リザードマンが修道院の子供たちに狙いを定め突進し、子供たちは泣き叫ぶ。
「ガガガガガ!」
リザードマンが子供相手に剣を振り上げる。
「危ない!?」
子供たちをかばおうとエリザが飛び込む。
「キャアアア!」
エリザはリザードマンの剣で斬られてしまう。
「シュー、あなたに会いたかった・・・。」
斬られたエリザは床に倒れ込む。
つづく。
天界の力だけでも手強かったのに、冥界でペルセポネー、ヘカテーの血を吸い、更におぞましいほど強くなったアダイブ・シエル。
「や、奴がスイーツ街に!? エリザさん!? みんなが危ない!?」
シューは記憶を失っていた間に温かい思い出をくれた人々や街の風景を思い心配する。そういえば、スイーツ街の修道院には、かつて魔物の襲来を受けた時にスイーツ村を救った天使の石像があったような。その天使の石像は、エクレアさんがモチーフだった。
「あんな奴に襲われたら、街が壊滅してしまう!? 早く人間界に戻らなければ!?」
「安心しろ。人間界には私が送り届けてやる。」
「ありがとうございます。ハーデースさん。」
シューはハーデースに地上に送り届けてもらうことになった。
「ただしエクレア少年。何があっても地上に出るまで、後ろを振り返るな。振り返ったら冥界から出られなくなるぞ。オルペウスのように。」
「オルペウス?」
「私が説明しましょう。」
シューはオルペウスを知らなかったのでペルセポネーが説明してくれる。
「オルペウスは毒蛇に噛まれて死んだ妻エウリュディケーを取り戻すために冥界にやって来ました。カローンもケロベロスも倒し、私とハーデースの目に現れ美しい竪琴を奏で私たちは感動したので、妻のエウリュディケーを連れて帰ることを許した。」
「いい話ですね。」
シューは話を聞いてハーデースとペルセポネーを優しい夫婦だと思った。
「でも本題はここからよ。」
「え?」
「私たちはオルペウスの妻に対する愛情を確かめるために、地上に出るまで、後ろから付いて歩く妻を見るなと条件をつけた。そしてオルペウスは妻を信じ切れずに不安に負けて、振り返ってしまい、オルペウスは最愛の妻を地上に連れて帰ることができなかったの。」
「・・・。」
悲しい話を聞いて、少し考え込むシュー。
「僕は大丈夫です。だってエクレアさんとは、いつも一緒だから。」
シューは修道士の優しい微笑みを見せる。
「ハッハッハ! そうだな、エクレア少年なら大丈夫だ。行って模造品を消してこい。」
「はい。」
シューは決意を新たに地上に向かう。
「これが地上に続く道だ。」
ハーデースが地上への階段を作ってくれる。
「行ってきます。」
「お礼のジャンボ冥界エクレアは焼きあがったら、地上に届けよう。」
「気をつけて帰ってね。」
「ありがとうございます。ハーデースさん。ペルセポネーさん。」
別れの挨拶を交わして、シューは地上に続く階段を登り始める。
「僕は後ろを振り返らない! アダイブ・シエルを倒して、みんなを助けるんだ!」
シューは全力疾走で階段を駆け上がっていく。
「もっと人間の血が吸いたいな。」
地上では冥界の力を手に入れパワーアップしたアダイブ・シエルが魔物の軍勢を引き連れ、次々と人間の住む街や村を襲っていた。
「ガガガガガ。」
魔物はガイコツからオオカミまで、目玉の化け物など様々な種類がいた。
「ん!? 今度の街は見覚えがある。シューのいた街か。」
アダイブ・シエルも立ち寄ったことのある街であった。そしてシューと初めて出会ったのであった。
「だが、シューは私が奈落に落とした。もう会うことも無い。せめてもの手向けだ。生まれ育った街を血の一滴も残らないように滅ぼしてやろう。」
アダイブ・シエルの魔の手がスイーツ街に迫る。
「ギャアアアアア!?」
スイーツ街の人々は魔物が攻めてくると慌て叫びパニック状態であった。
「シュークリームさん!? 大変です!? 大変なんです!?」
街の兵隊フェルナンデスが修道院まで、シューを呼びにやって来た。
「出たな! 邪魔者!」
エリザがいた。それに街の人々も。魔物の大軍が襲って来ると聞いて避難しに教会にやって来ていた。
「シュークリームさん!? どこですか!? 一大事なんですよ!?」
フェルナンデスはエリザや避難している人々を気にもせず、シューを探し続けている。
「相変わらず、うるさいわね! シューはいないわよ。」
「なんだって!?」
ここで初めてフェルナンデスはエリザに気づく。
「シューは旅に出たわよ。だから、シューを探しても無駄よ。」
「そ、そんな!? トイレに行って来ると嘘を吐いて逃げて来たのに、頼みのシュークリームさんがいないなんて!?」
「やっぱり逃げて来たのね。」
街を守る兵隊のフェルナンデスは職務放棄して逃げて来たことに、エリザは予想通りで呆れる。
「それにしてもシュークリームさんのことを悪魔だの、死神のいる教会だの、嫌味を言っていた人々が教会に集まっているとは滑稽ですな。」
状況の悪いフェルナンデスは話を変えようと必死である。
「みんな怖いのよ。魔物が大軍で攻めてきたら助からないことを知っているから。神にでもすがりたいのよ。」
いつも元気に毒を吐いているエリザだが、寂しそうな表情で窓の外の空の遠くを見つめる。
「シュー・・・あなたはどこにいるの?」
エリザは、もうシューに会えないかもしれない、いや、もうシューに会うことは無いと覚悟する。
「キャアアア!?」
その時だった。修道院の子供たちが窓の外に何かを見て悲鳴をあげる。
「火だ!? 火の手が上がったぞ!?」
「魔物だ!? ついに魔物が攻撃してきたんだ!?」
「もう私たちは殺されるんだわ!? いやー!?」
避難してきたスイーツ街の人々も街に魔物が攻めてきたことを推測し、恐怖で絶望しそうになる。
「ガガガガガ!」
魔物たちの進行が早く街は火の海になっていく。
「ギャア!?」
強力な魔物の大軍の前では街の護衛兵など役には立たなかった。
「教会にも魔物が出たぞ!? うわあ!?」
遂に魔物の群れが修道院の敷地になだれ込んできた。
「ギャア!?」
魔物が人々を殺しながらエリザたちが隠れている教会の扉を開ける。
「リザードマン!?」
教会に現れたのは剣を持ったトカゲ人間の魔物であった。
「フェルナンデス!? あなた兵士なんでしょ!? 死んできなさい!」
エリザはフェルナンデスにリザードマンと戦うように言う。
「あ、足が竦んで動けません!?」
「この役立たず!」
フェルナンデスはビビって固まっていた。
「ガガガガガ!」
「キャア!? 怖いよ!? ウエエエエン!?」
リザードマンが修道院の子供たちに狙いを定め突進し、子供たちは泣き叫ぶ。
「ガガガガガ!」
リザードマンが子供相手に剣を振り上げる。
「危ない!?」
子供たちをかばおうとエリザが飛び込む。
「キャアアア!」
エリザはリザードマンの剣で斬られてしまう。
「シュー、あなたに会いたかった・・・。」
斬られたエリザは床に倒れ込む。
つづく。
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