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「決着を着けてやる! アダイブ・シエル!」
「望むところよ! シュー! おまえの負けで勝負は既に着いているのだ!」
「ほざくな!」
シューとアダイブ・シエルは剣で何度も打ち合う。
「貴様如き人間が、神が創りしアダイブに戦いを挑むこと自体が間違いなのだ!」
「偉そうに! おまえは、そんなに偉いのか!」
「ああ、そうだ! 偉いね! 最高の神が生み出したのだから! アダイブは高貴な存在なのだ! 人間なんかと一緒にするな!」
シューとアダイブ・シエルの実力は互角。シューは天使エクレアと冥王ハーデースと奈落神タルタロスの血を吸い、アダイブ・シエルは自らの天使属性と冥界の女王ペルセポネーと死の女神ヘカテーの血を吸っているからだ。
「寄こせ! その剣を!」
「なに!?」
「その血に染まった吸血剣は、アダイブが持ってこそ相応しいというものだ!」
アダイブ・シエルはシューにブラッディソード・エクレアを渡せと言っている。
「誰が渡すものか! 僕は、いつでもエクレアさんと一緒だ!」
シューはアダイブ・シエルの要求を拒絶する。
「悪いが我々、アダイブも、そのブラッディソードを手に入れなければならない。これは俺の自己満足でも、物欲でもない。」
アダイブ・シエルはブラッディソード・エクレアが必要な物だと言う。
「どうしてアダイブにブラッディソードが必要なんだよ!?」
「正確に言えば、その剣が必要なのではなく、その剣に宿る魂に用事がある。」
「エクレアさんに!?」
アダイブの目的は、街を破壊することでもなく、人間を殺すことでもなく、シューの持つ深紅の剣ブラッディソード・エクレアであった。
「そうだ。その剣の中の魂さえ頂けば、ここから魔物を撤退させてやろう。どうだ? いい取引だろう。」
「断る! 誰がエクレアさんを渡すか! それに街も人々も、おまえを倒して、僕が救う!」
シューは少しも考えずに即答する。
「交渉決裂だな。シュー! 人間が神にでもなったつもりか!」
「おまえこそ、神のパシリのクセに!」
シューとアダイブ・シエルは再び剣をぶつかり合わす。
「パシリではない! 俺は神の使徒だ!」
「神なら何をしても許されるというのか!」
シューは人間として、アダイブ・シエルは神の使徒、天使としての立場でものを言っている。立場が違う2人の言葉はぶつかってばかりで、交わることはなく、剣と剣から火花を散らす。
「よく考えろ! おまえが子供の時に、何にも無い貧しい村に、なぜアダイブが魔物を引き連れて襲ってきたのかを。」
「ど、どういうことだ!?」
「我々は、逃げ出した天使の魂を捕まえに、神より遣わされたのだ。」
「逃げ出した天使!?」
アダイブ・シエルの言葉を聞いているシューには納得がいかなかった。
「何を言ってるんだ? 神の創造物も間違えることがあるんだな。エクレアさんは天界から地上のエクレアを見て、美味しそうだからと足を踏み外して、堕天使になったんだぞ。」
そして、お腹が空いたエクレアさんは、孤児院にお世話になり、その孤児院がエクレアさんの地道な募金活動で、今のスイーツ修道院にまで大きく成長した。修道院の出入り口には偉大なるエクレアさんの像が祀られている。
「ハッハッハ! なんだ!? その作り話は?」
アダイブ・シエルは大声でバカにしたように笑う。
「なにを!? 作り話じゃないぞ! 本当の話だ!」
シューはムキになって言い返す。
「おまえが見ていたものは、血を司る天使エクレアの魂だ。そして、その魂を回収して天界に連れ帰ることが、アダイブに与えられた最重要任務なのだ。」
今、明かされる吸血天使アダイブの真実。ある神に創られた新たな天使アダイブは、天界から逃げ出したエクレアの魂を探し回っていた。
「じゃあ、本物のエクレアさんはどこにいるって言うんだ?」
「天界だ。」
アダイブ・シエルはシューの知らないエクレアを知っている。
つづく。
「望むところよ! シュー! おまえの負けで勝負は既に着いているのだ!」
「ほざくな!」
シューとアダイブ・シエルは剣で何度も打ち合う。
「貴様如き人間が、神が創りしアダイブに戦いを挑むこと自体が間違いなのだ!」
「偉そうに! おまえは、そんなに偉いのか!」
「ああ、そうだ! 偉いね! 最高の神が生み出したのだから! アダイブは高貴な存在なのだ! 人間なんかと一緒にするな!」
シューとアダイブ・シエルの実力は互角。シューは天使エクレアと冥王ハーデースと奈落神タルタロスの血を吸い、アダイブ・シエルは自らの天使属性と冥界の女王ペルセポネーと死の女神ヘカテーの血を吸っているからだ。
「寄こせ! その剣を!」
「なに!?」
「その血に染まった吸血剣は、アダイブが持ってこそ相応しいというものだ!」
アダイブ・シエルはシューにブラッディソード・エクレアを渡せと言っている。
「誰が渡すものか! 僕は、いつでもエクレアさんと一緒だ!」
シューはアダイブ・シエルの要求を拒絶する。
「悪いが我々、アダイブも、そのブラッディソードを手に入れなければならない。これは俺の自己満足でも、物欲でもない。」
アダイブ・シエルはブラッディソード・エクレアが必要な物だと言う。
「どうしてアダイブにブラッディソードが必要なんだよ!?」
「正確に言えば、その剣が必要なのではなく、その剣に宿る魂に用事がある。」
「エクレアさんに!?」
アダイブの目的は、街を破壊することでもなく、人間を殺すことでもなく、シューの持つ深紅の剣ブラッディソード・エクレアであった。
「そうだ。その剣の中の魂さえ頂けば、ここから魔物を撤退させてやろう。どうだ? いい取引だろう。」
「断る! 誰がエクレアさんを渡すか! それに街も人々も、おまえを倒して、僕が救う!」
シューは少しも考えずに即答する。
「交渉決裂だな。シュー! 人間が神にでもなったつもりか!」
「おまえこそ、神のパシリのクセに!」
シューとアダイブ・シエルは再び剣をぶつかり合わす。
「パシリではない! 俺は神の使徒だ!」
「神なら何をしても許されるというのか!」
シューは人間として、アダイブ・シエルは神の使徒、天使としての立場でものを言っている。立場が違う2人の言葉はぶつかってばかりで、交わることはなく、剣と剣から火花を散らす。
「よく考えろ! おまえが子供の時に、何にも無い貧しい村に、なぜアダイブが魔物を引き連れて襲ってきたのかを。」
「ど、どういうことだ!?」
「我々は、逃げ出した天使の魂を捕まえに、神より遣わされたのだ。」
「逃げ出した天使!?」
アダイブ・シエルの言葉を聞いているシューには納得がいかなかった。
「何を言ってるんだ? 神の創造物も間違えることがあるんだな。エクレアさんは天界から地上のエクレアを見て、美味しそうだからと足を踏み外して、堕天使になったんだぞ。」
そして、お腹が空いたエクレアさんは、孤児院にお世話になり、その孤児院がエクレアさんの地道な募金活動で、今のスイーツ修道院にまで大きく成長した。修道院の出入り口には偉大なるエクレアさんの像が祀られている。
「ハッハッハ! なんだ!? その作り話は?」
アダイブ・シエルは大声でバカにしたように笑う。
「なにを!? 作り話じゃないぞ! 本当の話だ!」
シューはムキになって言い返す。
「おまえが見ていたものは、血を司る天使エクレアの魂だ。そして、その魂を回収して天界に連れ帰ることが、アダイブに与えられた最重要任務なのだ。」
今、明かされる吸血天使アダイブの真実。ある神に創られた新たな天使アダイブは、天界から逃げ出したエクレアの魂を探し回っていた。
「じゃあ、本物のエクレアさんはどこにいるって言うんだ?」
「天界だ。」
アダイブ・シエルはシューの知らないエクレアを知っている。
つづく。
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