〇〇少女ワールド 5 夢は天下布武

渋谷かな

文字の大きさ
1 / 50

天下布武少女

しおりを挟む
「天下を取りなさい! 真理亜!」
 ある日お笑いの神、アハ神様が私に言いました。
「天下? ラーメン屋を買収しろというのですか!?」
「その通りで・・・・・・違うわい!? おまえ、そこまでアホなのか!?」
「だってアハ教徒ですから。アハッ!」
 笑って誤魔化す真理亜。
「いいですか! 私利私欲、既得権益で私腹を肥やす悪い物を倒し、弱くて困っている人が安心して暮らせる世の中を、あなたが作るのです!」
「でも、私なんかがどうやって!?」
「お友達を作りなさい。」
「お友達!?」
「あなた一人では何もできません。」
「ガーン! どうせ私はおバカですよ! トホホ・・・・・・。」
 ダメと言われて落ち込む真理亜。
「お友達をたくさん作って、助け合って世界を正しく導くのです!」
「分かりました! お友達をたくさん作って、天下を取ります!」
 こうして真理亜、お友達70億人キャンペーン実施中になる。
「頼みましたよ。あなたのご先祖様の御加護がありますよに。」
「アハッ!」
 こうして真理亜は夢の中で崇拝するアハ神様から天下取りの使命を受けるのであった。

「天下布武じゃ!」
 目が覚めた真理亜は布団から飛び起き第一声を高々に発する。
「その前に高校一年生にもなって、お漏らしするをやめてもらえる。お姉ちゃん。」
 冷ややかな妹の楓。
「なんですと!? 正にアハ神様に出会ったのは正夢だったんだ!?」
 お漏らしよりアハ神様を優先して現実逃避する真理亜。
「何を巫女みたいなことを言っているのよ? 我が一族は超能力者の一族で、シャーマンじゃないんだからね。」
「アハッ!」 
 楓は小学一年生だが難しい言葉を知っている良く出来た妹である。
「早く着替えないとお母さんに朝食抜きにされるわよ。」
「なんですと!? それは困る!? 一大事でござる!?」
 そしてアハ神様より大切な朝食。
「布団もベランダに干しておいてよ。」
 冷たい言葉を残して楓は去って行く。
「・・・・・・恥ずかしいから、水洗いしたことにしよう! アハッ!」
 前向きな真理亜であった。

「ねえねえ、お母さん。」
「なに? 真理亜。」
 なんとか朝食の時間に間に合った真理亜は母親に尋ねてみることにした。食卓には母のひばり、父の慎太郎、真理亜と楓がご飯を食べている。
「天下布武って、なに?」
「天下布武!?」
 真理亜の発言に朝食を食べる大神家に衝撃が走る。
「お姉ちゃん!? 意味も知らないで天下布武を言ってたの!?」
「うん。」
「真理亜から天下布武だなんて言葉が出るなんて!? 明日は雪ね。」
「わ~い! 雪だるま作るんだ!」
「真理亜は本当に素直で良い子だな。」
「だって、お父さんの子供だもん。アハッ!」
 おバカキャラは大概のことは気にしない。
「相変わらず真理亜は無敵ね。」
「いや~、それほどでも。」
「褒めてない!」
「アハッ!」
 笑って誤魔化す真理亜。
「天下布武とは天下を統一するということよ。日本の支配者になるということね。」
「おお! 支配者!」
 以上に反応する真理亜。
「私が日本の支配者になれば、お漏らししたことも怒られない! それどころか、「お漏らし!」だの「高校一年生にもなって」だの、私を辱めようとする者を針付け獄門の刑にすることもできる! なんて夢があるんだ! 天下布武!」
 自己保身に走る真理亜。
「やってやろうじゃないか! 天下布武!」
 真理亜の夢は天下布武に決まった。夢が決まったら後は実行するだけである。
「ギャアアアアアアー!? 真理亜!? お漏らししたのね!?」
 母のひばりが真理亜のお漏らしに気づいてしまった。
「ヒョエエエエエエー!? 許してください!? 私が悪うございました!?」
「許せるか! 高校一年生にもなって、お漏らしするとは何事だ!? ガオー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「アハッ!」
 吠える母のひばりに命乞いは通用しなかった。
「夢を叶える前にお姉ちゃんが市中引き回しの刑にならなきゃいいけどね。」
 姉の成仏を祈る妹であった。
「ゆ・・・・・・ゆ・・・・・・夢を叶えるのは難しいんだな。」
 夢の実現が簡単ではないことを実感する真理亜。
「お姉ちゃんがお漏らしするから悪いんでしょ。」
「アハッ!」
 災難は夢とは無関係であった。
 つづく。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

彼の巨大な体に覆われ、満たされ、貪られた——一晩中

桜井ベアトリクス
恋愛
妹を救出するため、一ヶ月かけて死の山脈を越え、影の沼地を泳ぎ、マンティコアとポーカー勝負までした私、ローズ。 やっと辿り着いた先で見たのは——フェイ王の膝の上で甘える妹の姿。 「助けなんていらないわよ?」 は? しかも運命の光が私と巨漢戦士マキシマスの間で光って、「お前は俺のものだ」宣言。 「片手だけなら……」そう妥協したのに、ワイン一杯で理性が飛んだ。 彼の心臓の音を聞いた瞬間、私から飛びついて、その夜、彼のベッドで戦士のものになった。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。

青春リフレクション

羽月咲羅
青春
16歳までしか生きられない――。 命の期限がある一条蒼月は未来も希望もなく、生きることを諦め、死ぬことを受け入れるしかできずにいた。 そんなある日、一人の少女に出会う。 彼女はいつも当たり前のように側にいて、次第に蒼月の心にも変化が現れる。 でも、その出会いは偶然じゃなく、必然だった…!? 胸きゅんありの切ない恋愛作品、の予定です!

短編【シークレットベビー】契約結婚の初夜の後でいきなり離縁されたのでお腹の子はひとりで立派に育てます 〜銀の仮面の侯爵と秘密の愛し子〜

美咲アリス
恋愛
レティシアは義母と妹からのいじめから逃げるために契約結婚をする。結婚相手は醜い傷跡を銀の仮面で隠した侯爵のクラウスだ。「どんなに恐ろしいお方かしら⋯⋯」震えながら初夜をむかえるがクラウスは想像以上に甘い初体験を与えてくれた。「私たち、うまくやっていけるかもしれないわ」小さな希望を持つレティシア。だけどなぜかいきなり離縁をされてしまって⋯⋯?

処理中です...