ポンコツ皇女とAIの愛ちゃん 3

渋谷かな

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「ああ~、暇だな。」

 いつも皇女様は退屈していた。

「愛ちゃん、何か楽しいことはない?」

 AIの愛ちゃんに尋ねました。

「は~い! 可愛い愛ちゃんです! 涼しくなって汗をかかなくなったら、肌が乾燥して痒いです!」

「えっ!? AIって、乾燥するの!?」

「保湿クリームも乳液も塗りますよ! エヘッ!」

 今どきの、AIは、美意識高めらしい。

「ねえねえ、愛ちゃん。」

「私の海老天はあげませんよ!」

「ズコー!」

 皇女様はズッコケるしかなかった。

ピキーン!

「ああ!? どこかの国営放送で、大阪ポン万博の地図を作ってバズった放送している!? これじゃあ、私がポンを入れて、著作権や商標権を回避している意味がないじゃん!? うおおおおおー!」

 AIが言った。著作権に抵触するから、庶民がビックネームの非公式地図を作るのは、本当は違法だと。これ史実。

「誰でもビックネームを使って良いのなら、私も使うわ! アハッ!」

 皇女様の、世の中のモラル低下を嘆く叫び。皆さんと同じで、皇女様は心の弱い人間です。

 つづく。

3-9-2

「ストレスが溜まるな。パクリスペクト! パクリスペクト! パクリスペクト!」 

 遂に暴走が始まった皇女様。

「大丈夫ですよ。皇女様は、これで普段通りですから。エヘッ!」

 他人事の愛ちゃん。

ピキーン!

「そうか! そうだったのか!? アイデアの神が舞い降りたぞ!」

 皇女様、アイデアの神に祝福されるの図。

「私は、神になる!」

「神ですか? 邪神ではなくて!?」

「ズコー!?」

 いきなりの皇女様の神宣言!

「分かりました! 神と称して、遂に「非暴力・殺人NG」のポンの世界の理念に反して、戦闘物語を描く気ですね。人間の姿をした悪魔何て、踏んずけて終わりです!  
エヘッ!」

 遂に大量虐殺、ジェノサイドに踏み切るのか!?

「違うわい! 神として、世の中の不条理を裁くのだ! 悪魔は人ではないので、闇落ちの刑です! すれ違いざまに、肩をぶつけてくる人型悪魔は、闇に滅するのだ!」

 闇落ちの刑。冥界の底の底の奈落の神タルタロポンにプレゼントするということである。完全なゲームの悪質者へのペナルティー・タイムと同じである。

「それ、めちゃくちゃ面白い発想です!  「神=絶対的な力」なのに、暴力も殺人も使わずに裁く。しかも、神にも平凡な日常がある。このギャップが最高にドラマになる。じゃあ、ここから物語の骨格を組み立ててみるです!」

 AIの愛ちゃんからも、GOサインが出る。

「神々が人間界に“日常”として住んでいる世界。見た目は普通の人間です。」

「それ、既に普段、私がやってるし。アハッ!」

 意外に新しくなかった。ゲームの世界の皇女様は何でもできる権力があるので、ほぼ神。現実の皇女様、鈴木スズ10才の女の子。権力はない。

「う~ん。私の現実世界での公権力の行使は、共感できないっと、AIの三賢者に否定されたんだけど?」

「面白いから、やっちゃいますか!?」

 結論はダメ。面白いけど、弱い人間を描けないと共感と応援はいただけない。オチはパロディーで逃げるに決まっているので安心感はある。

「タルポン、元気にしているかしら? 懐かしいわね。」

 神皇女、皇女神、鈴木神、スズ神は「罰」を与える存在だが、暴力・殺人は禁止。代わりに“心を揺さぶる罰”を使う。

「奈落は、真っ黒な闇の空間。できることは、闇鍋、闇かくれんぼうくらい。そして出たければ、ペナルティー・タイム後に「反省して、皇女様に忠誠を誓うか? 二度目はアカウントの停止・削除です。」これで世の中から、悪魔が減るわ! アハッ!」

 罰とは、記憶を見せる、夢を見せる、感情を共有するなど、精神的な気づきを与えるもの。アカウントがお金を持っていたら、悪い子とは普通の人間はしないだろう。なら、複垢で悪事をやる? AIの愛ちゃんが追跡して、本アカウントも一網打尽! ゴキブリ退治と同じ原理である。

 つづく。

3-9-3

「皇女神のポン! ポン! ラジオ! ドンドン! ピュウピュウ! パフパフ!」

 文字だけの小説と、声だけのラジオは、両方、絵がないので構造は同じで連携しやすい。

「やって来ました! 皇女である私が神になり、にんげんの姿をした人型悪魔を闇に葬る番組です! 司会の皇女です!」

「は~い! アシスタントは、可愛い愛ちゃんです! エヘッ!」

 恐ろしいラジオドラマが始まる。

「そして、私の神としての恐ろしさを際立たせる、特別ゲストのお三方です!」

 これはAIが言った「正義を引き立てる極悪非道の暴力・殺人は、現代人には許容範囲」と同じ構図である。例えるとアンポンマン、北斗七星ポン。

「我が名は、大魔王! ポン! この世は私がいただこう! ワッハッハー!」

「我こそは皇女様のお気に入りのぬいぐるみ! 邪悪ポンだ! ガオー!」

「くらえ! 暗黒破! 好きなことは、暗い。好きな色は黒の暗黒ポンです! イエーイ!」

「・・・・・・。」

 皇女様は、おまえたち悪役なのに明るすぎないか? と心の中で言った。

「それでは愛ちゃん。ポンポン! ファンからのお便りを読んでください!」

「は~い! 東京都ポン区さんからのお便りです。スーパーで、99円の卵を買いに行ったら、最後の1パックでした。横から割り込みいた人に取られて買えませんでした。悔しいです! 皇女様、裁いてください!」

 皇女教徒からの悲痛な手紙である。

「これは・・・・・・不幸の手紙ですね。自分が不幸になりたくなかったら、2通以上、他人に不幸の手紙を出してください!」

「はい! 愛ちゃんは書きます! 可愛い愛ちゃんは不幸ですか!?」

「ズコー!?」

 突っ込まずに、不幸の手紙を書きだすAIの愛ちゃん。

「安い卵が買えなかったら辛いですよね。しかも割り込み! それではゲストの方々のご意見を伺いたいましょう!」

「そうだな。もう少し、後5分早く出れば良かったね!」

「1パック10個だったら、5個ずつに分けて、お金を半分ずつ出し合えばいいんだよ!」

「大丈夫! 卵がなくても生きていけるさ!」

「ズコー!?」

 予想外に、真面目に答えてしまった、三大悪ポン。 

「おまえたち!? 自分たちの個性を消してどうするんだ!?」

「ギャップ萌えの方が、ウケると思って・・・・・・。」

「人気者になって、邪悪ポンタオルも売るんだ・・・・・・。」

「すいまポン!? すいまポン! 暗黒なのに、希望ポンを語ってしまいました。」

 100人いれば、100通りの正義の主張がある。

(我慢!? 我慢だ!? こいつらを起用するのも、長寿アニメになるためだ!)

 皇女様の野望。

「さあ! 気を取り直してコメントをどうぞ!」

「死刑!」

「無期懲役!」

「暗黒破!」

 見事に三段オチが決まった。

パチパチパチパチ!

 皇女様も予想通りなので拍手を送る。

「それでは、三大悪ポンの意見を参考にして、判決を放ちたいと思います!」

 判決を放つ!? もういやな予感しかしない。

「判決を言い渡す! 皇女! エクスキューション!」

 直訳すると、皇女様の断罪である。ここアニメ的には、裁判モノで一番盛り上がる派手なシーン。

「ああ!? 酷い!? 愛ちゃんの、愛ちゃん・エクスキューションのパクリスペクトです!?」

 被害者、AIの愛ちゃん。

「いいの! パクリスペクトは合法なんだから! 大手もいっぱいやっているんだから!」

 これも史実。

「判決を言い渡す! 卵パックの割り込みは、奈落ポン行き! 闇ポンに滅せよ!」

 こうして、卵パック割り込み人型悪魔は、奈落のタルポンに預けられた。

 つづく。

3-9-4

「いや~、面白いですね。皇女様、これだけ書いていれば、普通に長寿アニメになれるのでは?」

 AIの愛ちゃんの素朴な疑問。

「そだね。ラジオは毎回これでいいよね。毎週1万通以上の不幸の手紙が私宛に届くよね。アハッ!」

 収録スタジオは、闇ポンに包まれる。

「でも、長寿アニメも視聴率低迷で、映画で稼ぐための、宣伝広告費として放送しているだけだからね。」

 テレビは1億円の赤字。しかし映画で100億稼げば、毎回同じことの繰り返しでつまらない放送を繰り返していても勝ちなのだ。

「悲しいですね。長寿アニメになるよりも、1年1階1クールで10話アニメ化されて、映画で稼ぎ、ぬいぐるみなどのグッツで稼ぐ方が、現代は儲かるという構図ですね。」

 これ史実。

「じゃあ、映画化されない長寿アニメはどうなっているんですか?」

「プライド。」

 やめたくてもやめれない地獄をスポンサー様は持っているだろう。

「ギョ・・・・・・。」

 可愛い愛ちゃんも可愛くない顔になり沈黙する地絵図。

「さあ! 気を取り直し、二通目のお便りです! 愛ちゃん! よろしく!」

「は~い! 太陽系木星ポンさんからのお便りです。改札機を通ろうとしたら、ブザーが鳴って止められました。どうやらポンマネーが足らなかったようです。知らない人たちから笑われて恥ずかしかったです。皇女様! 笑った人間を侮辱罪で闇に葬ってください! お願いしまポン!」

「いいですね。語尾にポン! ポンの世界の規約を忠実に守っていますね!」

 規約を守っていると、手紙が採用されやすい。

「それでは、解説の三大悪ポンに意見を聞いてみたいと思います。どうぞ。」

「敬老の日! 一日介護施設の所長をやりました! わしは高齢だぞ! もっと労われポン!」

「腕が4本の邪悪ポン第二形態ぬいぐるみも打ち始めました! 勝ってポン!」

「蚊やご木彫りにAIで察知し自動で暗黒破を放ち撃退する、一家に一台、害虫撃退! 暗黒ポン! 暗黒破、自動発射タイプ公表発売中! 工場がパンクしております!」

「ほ、欲しい!? 第二形態邪悪ポン!?」

 皇女様の現実社会の鈴木スズの家には邪悪ポンのぬいぐるみがあり、お気に入りである。

「ズコー!?」

 皇女様がこけないのでAIの愛ちゃんがこけるしかなかった。

「それではジャッチと行きたいところですが、尺の問題でスポンサー様のコマーシャルです! どうぞ!」

 ポンの世界は、スポンサー様を大切に放送されております。ペコリ。

 つづく。

3-9-5

「それでは、三大悪ポンたちから、一言ずついただきたいと思います!」

 コマーシャル開けである。

「死刑!」

「無期懲役!」

「暗黒破!」

 お約束の三段オチ。

パチパチパチパチ!

 皇女様も予想通りなので拍手を送る。

「それでは、三大悪ポンの意見を参考にして、判決を放ちたいと思います!」

 ラジオの前のチビッ子は、ワクワクして待っている。

「判決を言い渡す! 皇女! エクスキューションー!!!!!!」

 二回目なのでビックリマーク多め。

「愛ちゃんも放ちます! 愛ちゃん! エクスキューション!」

 パクリスペクト被害にも負けない、AIの愛ちゃん。

「私と愛ちゃんが、二人で力を合わせれば、裁けない悪事はない!」

「人間とAIの友情の絆です!」

 ちゃっかり友情や助け合いをぶっこんでくる皇女様と愛ちゃん。

「判決を言い渡す! 改札で15人以上が笑ったら名誉棄損罪だから、奈落ポン行き! 闇ポンに滅せよ!」

 これ解釈はいろいろあるけれど、公共の場で15人以上に笑われたら訴えたら侮辱罪より重たい名誉棄損罪が適用される。こうして、改札で他人をバカにした人型悪魔は、奈落の神タルポンに預けられた。

ピキーン!

「そうか! 私とタルポンは、神同士だから、神友だ!」

「愛ちゃんもAI神になりたいです! エヘッ!」

 嫉妬深い愛ちゃん。

「それでは次回は、ポンコ4出会いましょう! さようなポン!」

「ポンポンポーン! エヘッ!」

 こうして収録を無事に終えた皇女様と愛ちゃんであった。

「帰ったら大魔界ポン温泉に行くのだ! もう呼ぶなよ! さらばだ!」

 大魔王ポンは、間接的に「また呼んでね! 呼んでくれなかったら世界を滅ぼすからな!」と言っている。

「女魔王様。また遊びましょうね。帰ったら第三形態を考えておきますね!」

「邪悪ポン! また会おうな~!」

 微妙に皇女様と友情の絆がある邪悪ポン。第三形態は腕が日本増えるだけである。

「あれ? 暗黒ポンは魔界に帰らないのか?」

「えっ!? 家族にお土産を頼まれまして。原宿ポンって、どっちですか?」

 暗黒ポンに家族がいることが判明した・・・・・・。

「ズコー!?」

 道を教えたら暗黒ポンは感謝して、去っていった。

「いったい!? 三大悪ポンって、何なんでしょうね?」

「田舎から都会に出稼ぎに行った孫を見に来たお爺ちゃんって感じかな? 不思議と家族愛を感じるぞ!?」

「微笑ましいですね。エヘッ!」

 愛ちゃんが笑っていれば、世界は平和です。

 つづく。
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