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家族の最後
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「ただいま! お母さん! おやつは何? アハッ!」
真理亜は自宅に帰ってきた。
「シーン。」
しかし返事はない。
「あれ? 誰もいないのかな? お父さん? お母さん?」
特に気にせずに家の中に入っていく真理亜。
「お父さん!? お母さん!?」
両親は苦しそうに家のリビングで倒れていた。
「どうしたのいったい!? 何があったのよ!?」
「私たちはウイルスに感染してしまったみたいだ・・・・・・バタッ。」
「真理亜、無事で良かった・・・・・・楓を頼んだわよ・・・・・・バタッ。」
両親は動かなくなった。
「え? 嘘? お父さん!? お母さん!? 何とか言ってよ!? な、なんなのよ!? ウイルスって!? あれは中国の話でしょ!? みんなでオリンピックの開会式に行くって言ったじゃない!?」
真理亜は両親を揺するが返事をしない。両親は新型ロナウイルスに感染して、ただの屍になってしまった。
「イヤー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
両親を亡くした娘の悲鳴が家の中に響き渡る。力を失くし呆然と座り込む真理亜。
「お、おかえりなさい・・・・・・お姉ちゃん。」
妹の楓がフラフラながらも退避していた自分の部屋から、真理亜の悲鳴を聞きつけてリビングにやって来た。
「楓!?」
楓を見つめて、正気を取り戻す真理亜。
「まさか!? あんたもウイルスに感染しているの!?」
「分かんない・・・・・・でも体がポカポカしてフラフラする・・・・・・バタッ。」
目の前でウイルスに感染していると見られる妹が倒れ、慌てて妹に駆け寄る姉。姉は妹の手をしっかり握る。
「楓!? 大丈夫!?」
「お姉ちゃん・・・・・・楓、死ぬの?」
「え?」
「お姉ちゃん・・・・・・死にたくないよ。」
「な、何を言っているのよ! 楓は死なないわよ!」
「本当?」
「本当よ! お姉ちゃんが言っているんだから本当よ! アハッ!」
「真理亜おねえちゃん・・・・・・大好き・・・・・・バタッ。」
ニッコリ笑って妹は気を失った。
「楓? 楓? 嘘でしょ? 起きなさいよ? 楓!? 嫌よ!? 誰か楓を! 妹を助けてー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
妹を助けたいという真理亜の悲痛な叫び声。
「キャア!? 何!? 体が熱い!? 体から熱が噴き出してくる!? まさか!? 私もウイルスに感染したの!?」
感染者の妹に触れていた濃厚接触として、遂に真理亜もウイルスに感染した。
「ダメ! まだ私は死ねない! 妹を! 楓を助けるんだー!!!!!!!!!」
その時、人の思いは奇跡を起こす。
つづく。
真理亜は自宅に帰ってきた。
「シーン。」
しかし返事はない。
「あれ? 誰もいないのかな? お父さん? お母さん?」
特に気にせずに家の中に入っていく真理亜。
「お父さん!? お母さん!?」
両親は苦しそうに家のリビングで倒れていた。
「どうしたのいったい!? 何があったのよ!?」
「私たちはウイルスに感染してしまったみたいだ・・・・・・バタッ。」
「真理亜、無事で良かった・・・・・・楓を頼んだわよ・・・・・・バタッ。」
両親は動かなくなった。
「え? 嘘? お父さん!? お母さん!? 何とか言ってよ!? な、なんなのよ!? ウイルスって!? あれは中国の話でしょ!? みんなでオリンピックの開会式に行くって言ったじゃない!?」
真理亜は両親を揺するが返事をしない。両親は新型ロナウイルスに感染して、ただの屍になってしまった。
「イヤー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
両親を亡くした娘の悲鳴が家の中に響き渡る。力を失くし呆然と座り込む真理亜。
「お、おかえりなさい・・・・・・お姉ちゃん。」
妹の楓がフラフラながらも退避していた自分の部屋から、真理亜の悲鳴を聞きつけてリビングにやって来た。
「楓!?」
楓を見つめて、正気を取り戻す真理亜。
「まさか!? あんたもウイルスに感染しているの!?」
「分かんない・・・・・・でも体がポカポカしてフラフラする・・・・・・バタッ。」
目の前でウイルスに感染していると見られる妹が倒れ、慌てて妹に駆け寄る姉。姉は妹の手をしっかり握る。
「楓!? 大丈夫!?」
「お姉ちゃん・・・・・・楓、死ぬの?」
「え?」
「お姉ちゃん・・・・・・死にたくないよ。」
「な、何を言っているのよ! 楓は死なないわよ!」
「本当?」
「本当よ! お姉ちゃんが言っているんだから本当よ! アハッ!」
「真理亜おねえちゃん・・・・・・大好き・・・・・・バタッ。」
ニッコリ笑って妹は気を失った。
「楓? 楓? 嘘でしょ? 起きなさいよ? 楓!? 嫌よ!? 誰か楓を! 妹を助けてー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
妹を助けたいという真理亜の悲痛な叫び声。
「キャア!? 何!? 体が熱い!? 体から熱が噴き出してくる!? まさか!? 私もウイルスに感染したの!?」
感染者の妹に触れていた濃厚接触として、遂に真理亜もウイルスに感染した。
「ダメ! まだ私は死ねない! 妹を! 楓を助けるんだー!!!!!!!!!」
その時、人の思いは奇跡を起こす。
つづく。
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