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出た! 亥賊!
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「いらっしゃいませ!」
ここは江戸と東海道の抜け道の谷底の渋い谷。
「お茶とお団子ですね! ありがとうございます!」
そこにお茶とお団子を出す茶店が奇跡的にありました。
「女将さん! お茶とお団子をお願いします!」
茶店の看板娘のおみっちゃんは純粋で可愛く一生懸命に働く女の子でした。
「はいよ。」
女将さんと二人三脚で茶店を切り盛りしていました。
「おみっちゃんは元気がいいね。」
「よく言われます!」
「ワッハッハー! 面白い!」
「エヘッ!」
おみっちゃんは愛想がよいのでお客さんからも人気があった。
「私、将来は江戸に行って歌姫になりたいんです! 私の歌を聞いて多くの人に夢と希望を与えたいんです!」
おみっちゃんの夢は歌姫になることでした。
(そんなことしたら江戸の人々が死んじゃうよ。)
女将さんだけが知っていました。おみっちゃんがとても素晴らしい音痴だということを。
「戌賊さん。安らかに眠っておくれ。」
女将さんは自分の茶店で働くおみっちゃんの犠牲になった者たちのお墓を作って供養していた。
「この調子じゃあ、うちは茶店でなくお寺になっちゃうよ。」
おみっちゃんのおかげで死者のお墓が増えていく。
「将来は尼にでもなろうかね。坊さんって儲かるらしいからね。」
頭の中はお金のことでいっぱいの女将さん。
「はい! お茶とお団子です!」
「ありがとうよ。」
今日も茶店はたくさんのお客さんで儲かっていた。
「そうそう、この辺りは悪い奴が出るっていうから気を付けた方がいいよ。」
渋い谷には悪い人が出るらしい。
「それなら大丈夫ですよ。悪い人は谷神様に倒されたので平和になりましたよ。」
「そうなのかい? 悪い奴を倒すなんてすごい妖怪がいるんだね。」
「はい! 谷神様は大妖怪です! エヘッ!」
(谷神様はあんただよ。)
心の中でツッコみを入れる女将さんであった。
「この辺りは悪い人が多いから気を付けてね。」
「はい! ありがとうございました!」
お客さんは去っていく。
「おみっちゃん、お茶とお団子の準備ができたよ。」
「は~い! ただいま!」
今日も元気な働き者のおみっちゃんであった。
「俺たちは亥賊だ! お茶とお団子を頂こうか!」
茶店に悪い人が現れた。
「いらっしゃいませ! お茶とお団子ですね! ありがとうございます!」
普通にお客さんとしてやって来た。
「美味しい! お茶とお団子は美味しいな! ワッハッハー!」
悪い人は茶店のお団子を気にいって上機嫌だった。
「何かいいことでもあったんですか?」
おみっちゃんは素朴な疑問を尋ねてみた。
「戌賊が谷に住む大妖怪の谷神様に倒されたって聞いたんで、ライバルもいないし、これからガッポリ稼ぐぞ! ワッハッハー!」
「儲かったらたくさんお団子を買いに来てくださいね! エヘッ!」
ちゃっかりしているおみっちゃんは商売上手だった。
「そうだ! もしよかったら私が歌でも歌いましょうか?」
「おお! いいね! キャッハッハー!」
若くてカワイイ女が歌を歌うというので上機嫌な悪い人。
「私の歌を聞け! 一番、おっちゃん。歌は世界平和。ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ! ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ!」
おみっちゃんは極度の音痴でデスボイスの持ち主だった。
「ギャアアアアアアー!? 頭が壊れる!? 死ぬ!?」
おみっちゃんの歌声を聞いた悪い人が苦しがっている。
「ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガー! ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガー!」
気分よく歌を歌い続けるおみっちゃん。
「助けて!? 神様! 仏様!? バース様!? ギャアアアアアアー!」
悪い人は体内から破裂して爆発した。
(こいつの墓も作ってやるか。)
女将さんはおみっちゃんのデスボイスの犠牲者のお墓を作ってあげていた。
(亥賊はお金にお宝をたくさん持っているかな? エッヘッヘ!)
ちゃっかり死体から金目の物を着服して財を成している女将さんであった。
「ああ~気持ちよかった。」
おみっちゃんは歌を歌い終わった。
「あれ? 誰もいない? 帰っちゃったのかな?」
目の前にあるい人がいなくなっていた。
「そんなことはどうでもいいから、次の客さんが来る前に片付けておくれ。」
「は~い! お団子! お団子! 嬉しいな! エヘッ!」
何事もなかったかのように普段通り働き始めるおみっちゃんであった。
「平和っていいな! エヘッ!」
知らず知らずのうちに悪い人を退治して谷の治安を良くしたおみっちゃんであった。
「コンコン。」
そこに小狐がやって来た。
「コンコン。お団子を上げよう。」
おみっちゃんは小狐がコンコンと鳴くので名前をコンコンとしてペットとして飼うことにした。
「コン。」
「そうか。美味しいか。良かったね。コンコン。」
「コン・・・・・・。」
どこか油揚げが欲しそうなコンコンであった。コンコンが油揚げを食べれる日はやって来るのだろうか?
「コンコン。」
お茶とお団子を美味しそうに食べるコンコンであった。
つづく。
おまけ。
「私は江戸に行って、歌姫になる! 私は歌が好き! 私の歌声でみんなの心を癒してあげたい!」」
茶店のアルバイトのおみっちゃんの夢は時代劇のアイドルになることだった。
「そんなことをしたら江戸の人々が死んじゃうよ!?」
茶店の女将さんは心配していた。なぜなら・・・・・・。
「1番! おみっちゃん! 歌います! 曲は世界平和! ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ! ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ!」
おみっちゃんは極度の音痴でデスボイスの持ち主だったから。
時代劇救世主伝説 茶店の歌姫
「次コンの異世界ファンタジーでも考えるか?」
時代劇コンの内容はできたということにしておこう。
「江戸で歌姫を目指して旅に出る。」
しかし名探偵コナンの黒の組織のように終わりにたどり着かない。例えば江戸を通り過ぎてしまうとか、北海道や沖縄に行ってしまったとか? 女将さんが江戸の人々を救うために方向音痴
「江戸は何処に!?」
おみっちゃんは洗濯をしていて川に落ちて流される。
「ここはどこだ?」
周囲を見渡す。明らかに日本ではない。中世ヨーロッパ風の建築物たち。
「すいません。ここはどこですか?」
そこら辺にいるおばさんに聞いてみた。
「ここはヨーロッパだよ。」
「ヨーロッパ?」
おみっちゃんは異世界ファンタジーに流れ着いた。
「王子でラブコメ? 姫でお友達?」
ここらだ。ここらでストーリーを考えないといけない。時代劇では殿、殿下、姫か。
「偉い人が何か悪者に追われている?」
「困っている人は助けなくっちゃ!」
自ら災難に飛び込むおみっちゃん。
ピキーン!
その時、閃いた。
「王子とか、姫とか、ではなく、王子と姫の両方を登場させればいいのだ!」
問題解決!
「次は名前問題。」
今回はポルトガル・・・・・・いや、イギリス王国にしよう。
「女王がエリザベス。王子がチャールズ王。妻がカミラ。子供がウイリアム。妻がキャサリン。子供がジョージ、シャーロット、ルイ。他がヘンリー、妻がメーガン、子がアーチ―。敵がアンドルー、ベアトリス、ユージェニー。叔父がエドワード、妻ソフィー子がジェームズ、ルイーズ、叔母がアン。セーラ。」
住まいがバッキンガム宮殿。
ピキーン!
その時、閃いた。
「ダイアナにしよう。」
おみっちゃんとダイアナは幽霊同士だ。
「ファントム・ナイト。ダイアナ?」
でいいのかな?
「もちろんダイアナはカミラに暗殺された。」
「ヘンリー王子もメーガンに脅された。」
「他の皇室も次期国王の座を狙っている。」
これだけでも、かなり腹黒い物語になりそうだ。
「できた! 物語の概要!」
完璧!
「ここはどこだ?」
周りは日本ではない。時代劇ヨーロッパ風だった。
「誰もいない。こういう時は私の忍法で地元のお友達を呼び出してみよう。エヘッ!」
忍法。それは便利なモノである。魔法であり、スキルである。
「茶店流忍法! 寝苦露萬死ー!」
おみっちゃんの流派は茶店流。忍法は暴走族風な当て字。
「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーンだ!」
地元の女の幽霊が現れた。
「私は死んだはずなのに? どうしてここにいるの?」
地元の女の幽霊は状況が分かっていなかった。
「私が呼び出したのだ! ワッハッハー!」
「あなたは誰?」
幽霊は得体の知れないおみっちゃんを警戒している。
「私の名前はおみっちゃん! あなたは?」
「私はダイアナ。確かに私は死んだはず!? どうして私の姿が見えるの?」
ダイアナは死んで幽霊になっていた。
「それは!」
「それは?」
「私が幽霊だからです! エヘッ!」
そう、おみっちゃんは日本で有名なエヘ幽霊であった。
「お互い幽霊だから姿が見えるのは当たり前! エヘッ!」
「そうね。あなたはずる賢いネクロマンサーには見えないわ。」
「どういう意味ですか!?」
おみっちゃん、頭のネジが緩くて救われる。
「実は私は漂流者なのだ! ワッハッハー!」
「漂流者って、笑う所じゃないわよね。」
「ショボン・・・・・・。」
撃沈するおみっちゃん。
「カクカクシカジカで。」
「そういうことだったのね。」
おみっちゃんは川で洗濯をしていて大きな桃にぶつかって、気が付いたら、ここにたどり着いたらしい。
「許さんぞ! 桃太郎! 日本に帰ったら、息の根を止めてやる!」
復讐に燃えるおみっちゃん。
「で、ここはどこですか?」
「ここはイギリスよ。エヘッ!」
エヘ笑いは伝染する。
「そうなんだ。エヘッ! ・・・・・・なんですと!?」
笑って誤魔化しきれなかったエヘ幽霊。
「い、い、イギリス!? 私は日本からイギリスまで流されてきたというのか!? いくら私が幽霊だからって、そんなの無理があり過ぎだろうが!?」
おみっちゃんは幽霊で死んでいるので何でもありです。
「でも、まあいいや。おかげでダイアナとも出会えたからね。エヘッ!」
おみっちゃんはいつも明るく笑顔で前向きな性格である。
「おみっちゃん、あなたって面白い子ね。クスクス。」
「よく言われます。エヘッ!」
おみっちゃんとダイアナは心を通わせて仲良くなる。
「そうだ! 私の子供たち! ウイリアムとヘンリーが心配だわ!」
「ダイアナ!? あなた!? 子持ちの人妻なの!?」
実はダイアナは2人の子供の母親だったらしい。
「実は私はイギリス王国のプリンセスだったのです!」
「すごい! ダイアナ! あなたはロイヤル・ファミリーなのね!」
ダイアナは嫁いでイギリス王国の皇室に入ったらしい。
「ですが・・・・・・。」
急に暗い顔をするダイアナ。
「私は敵の魔の手にかかり暗殺されたのです!」
「なんだって!?」
ダイアナは生前に殺されたのだった。
「皇室の私は命を狙われて殺されてしまったのです。」
「そんな! 酷い!」
ダイアナに同情するおみっちゃん。
「誰がそんな酷いことをしたの? 犯人は分かっているの?」
「犯人は・・・・・・悪の組織パパラッチ!」
「パパラッチ!?」
ダイアナを殺したのは悪の組織パパラッチだった。
「悪の組織パパラッチは世界征服を試みる謎の悪の集団よ。」
「世界征服!?」
パパラッチの目的は世界征服である。
「それは大変だ! そんな奴を野放しにしていたら日本も攻撃されちゃう!」
「ですが、パパラッチを倒したくても私には何の力もありません。クスン。」
泣くことしかできないダイアナ。
「大丈夫! 任せなさい!」
「おみっちゃん?」
仁王立ちするおみっちゃん。
「ある時は茶店の看板娘。ある時は歌姫見習い。しかし、その正体は・・・・・・侍忍者なのだ!」
「侍忍者?」
そう、おみっちゃんは侍忍者であった。
「刀を振り回すのが侍。忍法を使うのが忍者。その両方を使いこなすのが侍忍者の私です! エヘッ!」
かなり無理した初期設定。
「剣振り回すのが騎士。魔法を使うのが魔法使い。その両方を使いこなすのが魔法騎士って感じかしら?」
「まあ、そんなものね。エヘッ!」
ゆるかわなおみっちゃんとダイアナ。
「今からダイアナ! あなたを立派な侍忍者に育てて見せるわ!」
おみっちゃんはダイアナを侍忍者に改造するつもりである。
「え!? どうして!? そんな展開に!?」
「息子さんたちを守りたいんでしょ?」
「守りたい!」
「力が無くて悪党に殺されたんでしょ?」
「はい。」
「じゃあ、強くなるしかない! 正しくても力が無ければ何も守れない。だから強くなって悪党を倒して守りたい者を守るのよ!」
おみっちゃんにしては珍しく良いことを言う。
「私! 強くなる! 強くなって息子たちを守るわ!」
ダイアナは強くなることを決意する。愛する者を守る為に。
「なら今から特訓と修行と勉強ね。エヘッ!」
「ええー!? 努力するの嫌だな。」
「何もしないでレベルが上がる訳ないじゃない。エヘッ!」
「もう、おみっちゃんったら、エヘッ! エヘッ! 笑ってエヘ幽霊なんだから。」
「よく言われます。エヘッ!」
こうしておみっちゃんはお友達になったイギリスの幽霊ダイアナを鍛えるのであった。
「ギャアアアアアアー!」
「ウギャアアアアアー!」
「ヒデブ!」
「アベシ!」
修行中のダイアナの悲鳴だけが木霊する。
つづく。
ここは江戸と東海道の抜け道の谷底の渋い谷。
「お茶とお団子ですね! ありがとうございます!」
そこにお茶とお団子を出す茶店が奇跡的にありました。
「女将さん! お茶とお団子をお願いします!」
茶店の看板娘のおみっちゃんは純粋で可愛く一生懸命に働く女の子でした。
「はいよ。」
女将さんと二人三脚で茶店を切り盛りしていました。
「おみっちゃんは元気がいいね。」
「よく言われます!」
「ワッハッハー! 面白い!」
「エヘッ!」
おみっちゃんは愛想がよいのでお客さんからも人気があった。
「私、将来は江戸に行って歌姫になりたいんです! 私の歌を聞いて多くの人に夢と希望を与えたいんです!」
おみっちゃんの夢は歌姫になることでした。
(そんなことしたら江戸の人々が死んじゃうよ。)
女将さんだけが知っていました。おみっちゃんがとても素晴らしい音痴だということを。
「戌賊さん。安らかに眠っておくれ。」
女将さんは自分の茶店で働くおみっちゃんの犠牲になった者たちのお墓を作って供養していた。
「この調子じゃあ、うちは茶店でなくお寺になっちゃうよ。」
おみっちゃんのおかげで死者のお墓が増えていく。
「将来は尼にでもなろうかね。坊さんって儲かるらしいからね。」
頭の中はお金のことでいっぱいの女将さん。
「はい! お茶とお団子です!」
「ありがとうよ。」
今日も茶店はたくさんのお客さんで儲かっていた。
「そうそう、この辺りは悪い奴が出るっていうから気を付けた方がいいよ。」
渋い谷には悪い人が出るらしい。
「それなら大丈夫ですよ。悪い人は谷神様に倒されたので平和になりましたよ。」
「そうなのかい? 悪い奴を倒すなんてすごい妖怪がいるんだね。」
「はい! 谷神様は大妖怪です! エヘッ!」
(谷神様はあんただよ。)
心の中でツッコみを入れる女将さんであった。
「この辺りは悪い人が多いから気を付けてね。」
「はい! ありがとうございました!」
お客さんは去っていく。
「おみっちゃん、お茶とお団子の準備ができたよ。」
「は~い! ただいま!」
今日も元気な働き者のおみっちゃんであった。
「俺たちは亥賊だ! お茶とお団子を頂こうか!」
茶店に悪い人が現れた。
「いらっしゃいませ! お茶とお団子ですね! ありがとうございます!」
普通にお客さんとしてやって来た。
「美味しい! お茶とお団子は美味しいな! ワッハッハー!」
悪い人は茶店のお団子を気にいって上機嫌だった。
「何かいいことでもあったんですか?」
おみっちゃんは素朴な疑問を尋ねてみた。
「戌賊が谷に住む大妖怪の谷神様に倒されたって聞いたんで、ライバルもいないし、これからガッポリ稼ぐぞ! ワッハッハー!」
「儲かったらたくさんお団子を買いに来てくださいね! エヘッ!」
ちゃっかりしているおみっちゃんは商売上手だった。
「そうだ! もしよかったら私が歌でも歌いましょうか?」
「おお! いいね! キャッハッハー!」
若くてカワイイ女が歌を歌うというので上機嫌な悪い人。
「私の歌を聞け! 一番、おっちゃん。歌は世界平和。ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ! ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ!」
おみっちゃんは極度の音痴でデスボイスの持ち主だった。
「ギャアアアアアアー!? 頭が壊れる!? 死ぬ!?」
おみっちゃんの歌声を聞いた悪い人が苦しがっている。
「ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガー! ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガー!」
気分よく歌を歌い続けるおみっちゃん。
「助けて!? 神様! 仏様!? バース様!? ギャアアアアアアー!」
悪い人は体内から破裂して爆発した。
(こいつの墓も作ってやるか。)
女将さんはおみっちゃんのデスボイスの犠牲者のお墓を作ってあげていた。
(亥賊はお金にお宝をたくさん持っているかな? エッヘッヘ!)
ちゃっかり死体から金目の物を着服して財を成している女将さんであった。
「ああ~気持ちよかった。」
おみっちゃんは歌を歌い終わった。
「あれ? 誰もいない? 帰っちゃったのかな?」
目の前にあるい人がいなくなっていた。
「そんなことはどうでもいいから、次の客さんが来る前に片付けておくれ。」
「は~い! お団子! お団子! 嬉しいな! エヘッ!」
何事もなかったかのように普段通り働き始めるおみっちゃんであった。
「平和っていいな! エヘッ!」
知らず知らずのうちに悪い人を退治して谷の治安を良くしたおみっちゃんであった。
「コンコン。」
そこに小狐がやって来た。
「コンコン。お団子を上げよう。」
おみっちゃんは小狐がコンコンと鳴くので名前をコンコンとしてペットとして飼うことにした。
「コン。」
「そうか。美味しいか。良かったね。コンコン。」
「コン・・・・・・。」
どこか油揚げが欲しそうなコンコンであった。コンコンが油揚げを食べれる日はやって来るのだろうか?
「コンコン。」
お茶とお団子を美味しそうに食べるコンコンであった。
つづく。
おまけ。
「私は江戸に行って、歌姫になる! 私は歌が好き! 私の歌声でみんなの心を癒してあげたい!」」
茶店のアルバイトのおみっちゃんの夢は時代劇のアイドルになることだった。
「そんなことをしたら江戸の人々が死んじゃうよ!?」
茶店の女将さんは心配していた。なぜなら・・・・・・。
「1番! おみっちゃん! 歌います! 曲は世界平和! ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ! ガガガガガガガガッガガガガガアッガガガガガガガガガガガガガッガガガガガガ!」
おみっちゃんは極度の音痴でデスボイスの持ち主だったから。
時代劇救世主伝説 茶店の歌姫
「次コンの異世界ファンタジーでも考えるか?」
時代劇コンの内容はできたということにしておこう。
「江戸で歌姫を目指して旅に出る。」
しかし名探偵コナンの黒の組織のように終わりにたどり着かない。例えば江戸を通り過ぎてしまうとか、北海道や沖縄に行ってしまったとか? 女将さんが江戸の人々を救うために方向音痴
「江戸は何処に!?」
おみっちゃんは洗濯をしていて川に落ちて流される。
「ここはどこだ?」
周囲を見渡す。明らかに日本ではない。中世ヨーロッパ風の建築物たち。
「すいません。ここはどこですか?」
そこら辺にいるおばさんに聞いてみた。
「ここはヨーロッパだよ。」
「ヨーロッパ?」
おみっちゃんは異世界ファンタジーに流れ着いた。
「王子でラブコメ? 姫でお友達?」
ここらだ。ここらでストーリーを考えないといけない。時代劇では殿、殿下、姫か。
「偉い人が何か悪者に追われている?」
「困っている人は助けなくっちゃ!」
自ら災難に飛び込むおみっちゃん。
ピキーン!
その時、閃いた。
「王子とか、姫とか、ではなく、王子と姫の両方を登場させればいいのだ!」
問題解決!
「次は名前問題。」
今回はポルトガル・・・・・・いや、イギリス王国にしよう。
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住まいがバッキンガム宮殿。
ピキーン!
その時、閃いた。
「ダイアナにしよう。」
おみっちゃんとダイアナは幽霊同士だ。
「ファントム・ナイト。ダイアナ?」
でいいのかな?
「もちろんダイアナはカミラに暗殺された。」
「ヘンリー王子もメーガンに脅された。」
「他の皇室も次期国王の座を狙っている。」
これだけでも、かなり腹黒い物語になりそうだ。
「できた! 物語の概要!」
完璧!
「ここはどこだ?」
周りは日本ではない。時代劇ヨーロッパ風だった。
「誰もいない。こういう時は私の忍法で地元のお友達を呼び出してみよう。エヘッ!」
忍法。それは便利なモノである。魔法であり、スキルである。
「茶店流忍法! 寝苦露萬死ー!」
おみっちゃんの流派は茶店流。忍法は暴走族風な当て字。
「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーンだ!」
地元の女の幽霊が現れた。
「私は死んだはずなのに? どうしてここにいるの?」
地元の女の幽霊は状況が分かっていなかった。
「私が呼び出したのだ! ワッハッハー!」
「あなたは誰?」
幽霊は得体の知れないおみっちゃんを警戒している。
「私の名前はおみっちゃん! あなたは?」
「私はダイアナ。確かに私は死んだはず!? どうして私の姿が見えるの?」
ダイアナは死んで幽霊になっていた。
「それは!」
「それは?」
「私が幽霊だからです! エヘッ!」
そう、おみっちゃんは日本で有名なエヘ幽霊であった。
「お互い幽霊だから姿が見えるのは当たり前! エヘッ!」
「そうね。あなたはずる賢いネクロマンサーには見えないわ。」
「どういう意味ですか!?」
おみっちゃん、頭のネジが緩くて救われる。
「実は私は漂流者なのだ! ワッハッハー!」
「漂流者って、笑う所じゃないわよね。」
「ショボン・・・・・・。」
撃沈するおみっちゃん。
「カクカクシカジカで。」
「そういうことだったのね。」
おみっちゃんは川で洗濯をしていて大きな桃にぶつかって、気が付いたら、ここにたどり着いたらしい。
「許さんぞ! 桃太郎! 日本に帰ったら、息の根を止めてやる!」
復讐に燃えるおみっちゃん。
「で、ここはどこですか?」
「ここはイギリスよ。エヘッ!」
エヘ笑いは伝染する。
「そうなんだ。エヘッ! ・・・・・・なんですと!?」
笑って誤魔化しきれなかったエヘ幽霊。
「い、い、イギリス!? 私は日本からイギリスまで流されてきたというのか!? いくら私が幽霊だからって、そんなの無理があり過ぎだろうが!?」
おみっちゃんは幽霊で死んでいるので何でもありです。
「でも、まあいいや。おかげでダイアナとも出会えたからね。エヘッ!」
おみっちゃんはいつも明るく笑顔で前向きな性格である。
「おみっちゃん、あなたって面白い子ね。クスクス。」
「よく言われます。エヘッ!」
おみっちゃんとダイアナは心を通わせて仲良くなる。
「そうだ! 私の子供たち! ウイリアムとヘンリーが心配だわ!」
「ダイアナ!? あなた!? 子持ちの人妻なの!?」
実はダイアナは2人の子供の母親だったらしい。
「実は私はイギリス王国のプリンセスだったのです!」
「すごい! ダイアナ! あなたはロイヤル・ファミリーなのね!」
ダイアナは嫁いでイギリス王国の皇室に入ったらしい。
「ですが・・・・・・。」
急に暗い顔をするダイアナ。
「私は敵の魔の手にかかり暗殺されたのです!」
「なんだって!?」
ダイアナは生前に殺されたのだった。
「皇室の私は命を狙われて殺されてしまったのです。」
「そんな! 酷い!」
ダイアナに同情するおみっちゃん。
「誰がそんな酷いことをしたの? 犯人は分かっているの?」
「犯人は・・・・・・悪の組織パパラッチ!」
「パパラッチ!?」
ダイアナを殺したのは悪の組織パパラッチだった。
「悪の組織パパラッチは世界征服を試みる謎の悪の集団よ。」
「世界征服!?」
パパラッチの目的は世界征服である。
「それは大変だ! そんな奴を野放しにしていたら日本も攻撃されちゃう!」
「ですが、パパラッチを倒したくても私には何の力もありません。クスン。」
泣くことしかできないダイアナ。
「大丈夫! 任せなさい!」
「おみっちゃん?」
仁王立ちするおみっちゃん。
「ある時は茶店の看板娘。ある時は歌姫見習い。しかし、その正体は・・・・・・侍忍者なのだ!」
「侍忍者?」
そう、おみっちゃんは侍忍者であった。
「刀を振り回すのが侍。忍法を使うのが忍者。その両方を使いこなすのが侍忍者の私です! エヘッ!」
かなり無理した初期設定。
「剣振り回すのが騎士。魔法を使うのが魔法使い。その両方を使いこなすのが魔法騎士って感じかしら?」
「まあ、そんなものね。エヘッ!」
ゆるかわなおみっちゃんとダイアナ。
「今からダイアナ! あなたを立派な侍忍者に育てて見せるわ!」
おみっちゃんはダイアナを侍忍者に改造するつもりである。
「え!? どうして!? そんな展開に!?」
「息子さんたちを守りたいんでしょ?」
「守りたい!」
「力が無くて悪党に殺されたんでしょ?」
「はい。」
「じゃあ、強くなるしかない! 正しくても力が無ければ何も守れない。だから強くなって悪党を倒して守りたい者を守るのよ!」
おみっちゃんにしては珍しく良いことを言う。
「私! 強くなる! 強くなって息子たちを守るわ!」
ダイアナは強くなることを決意する。愛する者を守る為に。
「なら今から特訓と修行と勉強ね。エヘッ!」
「ええー!? 努力するの嫌だな。」
「何もしないでレベルが上がる訳ないじゃない。エヘッ!」
「もう、おみっちゃんったら、エヘッ! エヘッ! 笑ってエヘ幽霊なんだから。」
「よく言われます。エヘッ!」
こうしておみっちゃんはお友達になったイギリスの幽霊ダイアナを鍛えるのであった。
「ギャアアアアアアー!」
「ウギャアアアアアー!」
「ヒデブ!」
「アベシ!」
修行中のダイアナの悲鳴だけが木霊する。
つづく。
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貧乏人が肩を寄せ合って暮らす聖天長屋に徳田新之丞と名乗る人品卑しからぬ若侍がいた。月のうち数日しか長屋にいないのだが、いる時には自ら竈で米を炊き七輪で魚を焼く小まめな男だった。
猿の内政官 ~天下統一のお助けのお助け~
橋本洋一
歴史・時代
この世が乱れ、国同士が戦う、戦国乱世。
記憶を失くした優しいだけの少年、雲之介(くものすけ)と元今川家の陪々臣(ばいばいしん)で浪人の木下藤吉郎が出会い、二人は尾張の大うつけ、織田信長の元へと足を運ぶ。織田家に仕官した雲之介はやがて内政の才を発揮し、二人の主君にとって無くてはならぬ存在へとなる。
これは、優しさを武器に二人の主君を天下人へと導いた少年の物語
※架空戦記です。史実で死ぬはずの人物が生存したり、歴史が早く進む可能性があります
四代目 豊臣秀勝
克全
歴史・時代
アルファポリス第5回歴史時代小説大賞参加作です。
読者賞を狙っていますので、アルファポリスで投票とお気に入り登録してくださると助かります。
史実で三木城合戦前後で夭折した木下与一郎が生き延びた。
秀吉の最年長の甥であり、秀長の嫡男・与一郎が生き延びた豊臣家が辿る歴史はどう言うモノになるのか。
小牧長久手で秀吉は勝てるのか?
朝日姫は徳川家康の嫁ぐのか?
朝鮮征伐は行われるのか?
秀頼は生まれるのか。
秀次が後継者に指名され切腹させられるのか?
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