上 下
2 / 85

第2話

しおりを挟む
「絶対? 本当に? 絶対に解けない謎はない! 私が絶対法則をぶち壊す!」

この物語は、性格にクセのある女子高生探偵が登場するライトミステリーである。


「相変わらず独り言が多いわね。大丈夫? 鈴ちゃん。」
「つい・・・エヘ。」
「クスッ。おはよう。」
「おはよう! 南ちゃん。」

鈴木家のお隣さんの南野さん家の一人娘、南ちゃんである。偶然? それとも必然に鈴木鈴の友達は南野南ちゃんであった。南ちゃんのお父さんは歯医者さんだった。

「南ちゃん!? 将来、お父さんが事件に巻き込まれて失踪するから、あなたは歯医者さんになれない! 早くうちのお父さんの何でも屋に依頼して、神社にお祓いをしてもらいましょう!」
「もう、毎朝、不吉なことばかり言わないでよ。鈴の友達をやめちゃうぞ!?」
「ごめんごめん。つい・・・。」
「お父さんの何でも屋が大変なのは分かるけど、南のお父さんの歯医者が儲かってるからって嫉妬しないで。」
「はは~、南お嬢様。クスッ。」
「ワッハッハー! 鈴ちゃん、遅刻するから学校に行こう。」
「うん。南ちゃんと一緒に学校、楽しいな!」
「なにそれ。クスクスッ。」
「エヘヘ。」
「エヘヘ笑いはセクハラよ。」
「そうなの?」
「だってスケベオヤジみたいだもん。」
「そう? エヘヘって、気に入ってたんだけどな。残念。」
「鈴ちゃんって、おもしろいね。」
「やった! 南ちゃんに褒められた!」
「ハハハハハッ。」

鈴と南は仲良く学校に登校した。

しかし鈴の未来予知は当たっていた。将来、南ちゃんの両親が突然いなくなり、お家が貧乏になり、南ちゃんは極貧生活になり、お金持ちがお金でモノを言わせて入学する歯科大には入れず、仕方なしに専門学校に行くが、歯科治療ができる歯科衛生士ではなく、歯科治療のできない歯科助手を受講してしまい、その違いに気づくのは専門学校卒業後という、南ちゃんは箱入りのお嬢様だった。

つづく。
しおりを挟む

処理中です...