やっと冒険に出られます2

渋谷かな

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ポーちゃんママと宿題

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「昨日もお父さんが帰ってこなかったね。」
「きっとお父さんとお母さんは離婚するのよ。」
 ポーちゃんとポンタは両親の不仲を心配する。
「こらこら。おまえらどこでそんな発想を覚えてくるんだ?」
 ポーちゃんママもタジタジである。
「学校!」
「どんな学校だよ!?」
「先生が生徒の体に障りまくったりする学校。」
「校長先生も女教師を触ってるよ。」
「わいせつ教師ばっかりかい!?」
 今時の日本の学校はそんな所である。
「つまらないことばかり言ってないで、おまえら! さっさと学校に行け!」
「は~い。」
 ポーちゃんママは子供たちをつまみ出す。
「これで子供たちは片付いた。後は風呂掃除だけだ。」
 主婦の朝は忙しいのであった。

「おはよう! みんな!」
「おはようございます! ボス!」
 ポーちゃんママがラダトム城の地下の研究所にやって来た。
「例のものはできた?」
「まだボスの防具は完成していませんよ。まだ製作中です。」
「だよね。それは分かっている。」
 ポーちゃんママの防具はまだ作っている最中であった。
「私が聞いているのは宿題の方だよ。」
「ギクッ!?」
 研究員たちはドギマギする。
「まさか!? 宿題を忘れたの!? 先生に言いつけてやる!?」
「や、やってますけど!? さすがに量が膨大過ぎて終わっていません!?」
「ならできた所まででいいよ。罰則なしで。」
「ありがとうございます! では中間報告という形で報告させてもらいます。ふう~。」
 肩を撫で下ろす研究員たち。
「宿題のジャンル分けをそのまま名前に使用するという件ですが、出来なくはないと思われます。」
「ほうほう。」
 ポーちゃんママの研究員たちへの宿題は名前問題を解決するべく、そのまま名前にしてしまおうというものであった。
「ですが、データ量が大容量になってしまい、それを全て管理できるかが心配です。」
「詰め込み教育は頭がパンクしちゃうんだよね。神に書いて整理するか、クラウドにするかかな。どの道、データベースの整理は必要になり最大の案件だね。」
 ポーちゃんママも研究員たちに無理難題を言わないのは作業が大変なのを分かっているからである。
「それでも何もしなければ何も生まれないし、何かを始めるのは勇気もいるけどがんばってやるしかない。」
「さすが! ボス!」
 ポーちゃんママのカリスマ性は高い。
「はい。じゃあ、研究員さん1人1ジャンルね。がんばってね。よろしく。」
「は~い。」
 ポーちゃんママは次々と担当を決めていく。

「できました!」
 研究員Aが自分のジャンルを整理し終えた。
「早い! いいね! さすがだね!」
 ポーちゃんママも上機嫌。
「見せて。」
「はい。ジャンルは惑星です。」
 これはこの前のゴットカードで利用した惑星である。

惑星、プラネット
水星、マーキュリー
金聖、ヴィーナス
地球、アース
火星、マーズ
木星、ジュピター
土星、サターン
天王星、ウラヌス
海王星、ネプチューン
冥王星、プルート

「これは利用歴もあり名前とスキルの属性とあり、楽なタイプのジャンルです。」
「そうだね。これだけでも面白い物語ができそうだ。なんかセーラー月みたい。アハッ!」
 ポーちゃんママも満足。
「ボス。こういうのはゲームの運営会社がやるものではないのですか?」
「うちの旦那が無能なんだ。はあ・・・・・・。」
 ポーちゃんパパが優秀であればポーちゃんママは研究作業をしなくてもよい。これは遺伝子研究であろうが、ゲーム開発であろうが同じである。

「できました! ジャンルは12星座である。」
 研究員Bが声を上げる。
「でかした! 褒美を与えるぞ!」
 ポーちゃんママも大喜び。

12宮
牡羊座 アリエス
牡牛座 タウラス
双子座 ジェミニ
蟹座  キャンサー
獅子座 レオ
乙女座 バルゴ
天秤座 ライブラ
蠍座  スコーピオン
射手座 サジタリアス
山羊座 カプリコン
水瓶座 アクエリアス
魚座  ピスケス

「これは定番ですね。それでも即席ラーメンで12人のキャラクターが手に入るのは美味しいですね。」
「気分は聖闘士星子だね。アハッ!」
 細かく考えるのをやめたポーちゃんママは突き進む。

ピキーン!

 その時、ポーちゃんママは何か閃いた。
「惑星と12宮を戦わせればいいんだ! きっと面白い戦いになるぞ!」
「早速、クローンを作ってみましょう。」
 研究員たちは惑星と12宮のクローンの培養に取り掛かった。

「できました! 旧暦の月!」
「偉い! よくやった!」
 研究員Cがジャンル旧暦の月を完成させた。

旧暦
1月 睦月
2月 如月
3月 弥生
4月 卯月
5月 皐月
6月 水無月
7月 文月
8月 葉月
9月 長月
10月 神無月
11月 霜月
12月 師走

「これも和名か何か忍者で使ったようなデータですね。」
「全部ミックスして侍忍者にした記憶があるような。アハッ!」 
 ほとんどのゲームをポーちゃんママはプレイしている。

「できました! 月の英語読み!」
 研究員Dがジャンル月の英語読みを完成させた。
「でかした! よくできました!」
 ポーちゃんママは大喜び。
 
1月 ジャニュアリー
2月 フェブラリー
3月 マーチ
4月 エイプリル
5月 メイ
6月 ジュン
7月 ジュライ
8月 オーガスト
9月 セプテンバー
10月 オクトーバー
11月 ノーベンバー
12月 ディッセンバー

「こいつらに全て「ナイト」の名前を付ければ完成ですね。」
「もしかしたら全ジャンルを一まとめにすることで名前問題が解決できるかもしれない! どんどんサンプルのクローンを作ってちょうだい!」
 ポーちゃんママは期待で胸がワクワクしてきた。

「できました! 誕生石です!」
「よくできました!」
 研究員Eが誕生石を完成させた。

誕生石
1月 ガーネット
2月 アメシスト
3月 アクアマリン
4月 ダイヤモンド
5月 エメラルド
6月 パール
7月 ルビー
8月 ペリドット
9月 サファイア
10月 オパール
11月 トパーズ
12月 ターコイズ

「例えば、ガーネット・ナイト。何となく使えそう。スライム・ナイトよりは。」
「こういったものでキャラクター数を増やして、全てのキャラクターにエピソードをつけるしかない。」
 ポーちゃんママは楽な名前の付け方を見つけたかに思える。

「とりあえず、こんなもんか。次は悪役の勢力でも考えるとするか。」
 実際は悪役の方が分けるのが難しい。
 つづく。
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