ポンコツ皇女とAIの愛ちゃん 2

渋谷かな

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2-5-1

「ああ~、暇だな~。」

 いつも通り皇女様は暇していた。

「愛ちゃん、何か楽しいことはない?」

 AIの愛ちゃんに尋ねてみました。

「秋は、秋刀魚と鰤が豊漁で、鮭が不漁みたいですよ! 私は骨まで食べる派です! 美味しいですよ!」

「えっ!? AIって、魚を食べるの!? 口はどこ!?」

「エヘッ!」

 軽いAIのミステリーとホラーである。 

ピキーン!

「ダメだ!? もっと!? こう!? 9月に冬眠前の熊と戦う皇女とか、8月に海に埋められて、9月に砂浜でクラゲと一緒に見つけられる皇女様とか!? もっと刺激が欲しいんだけど!?」

 皇女様は、刺激を求めていた。

「残念です。長寿アニメを目指すなら、黒歴史はダメです。確かに火山の火口に飛び込む皇女様とかよりは、マイルド皇女ですが、やっぱりダメです。」

 親衛隊長の聖ポンがダメだしする。

「ダメしか言わない! 大人なんて嫌いだ! ・・・・・・って、聖ポンは大人なの?」

「ポンに年齢はございません。あるのは、役職のみです。」

 今明かされる! 心の結晶のポンの年齢の謎。

「そろそろ今日のテーマに行かせてもらいます。今日のテーマは・・・・・・皇女様が皇女になった経緯です。」

「なんですと!?」

 皇女様は、なぜ10歳の女の子なのに、皇女になれたのか?

「そういえば、私は初登場から皇女だった!? もっといえば、私は初登場から、女魔王な皇女だった!?」

「要するに皇女様の性格が悪かったんですね。」

「その通り! アハッ!」

 笑って誤魔化す皇女様。

「元皇女がモンスターに殺されて、たまたま居合わせた私が皇女を託されたとか?」

「実は元皇女様を、皇女様が殺して奪ったんじゃないでしょうね?」

「こら? 愛ちゃんは普段、私のことをどういう目で見ているんだ?」

「こういう目です! エヘッ!」

 十分にあり得る。

「あの・・・・・・皇女様。長寿アニメを目指すなら、殺しはNGです。他を考えてください。」

「ええー!? いいじゃん!? 長寿アニメの迷惑探偵なんか、土曜の夕食時に殺人事件発生だぞ!? 人気作品だからって、AIの答えが「みんなが見てるから良い!」「人気作だから許容範囲です!」って、AIも忖度しすぎだろう!? それでいいのか!?」

 これ、AIの回答の事実である。

ピキーン!

「しまった!? ふざけていたら、私がどうやって皇女に昇りつめたのか答えが出ていない!? 何とか辻褄を合わせなければ!?」

 皇女様、絶体絶命の危機!?

 つづく。

2-5-2

「私を皇女にしてください!」

 正解は、正面突破の直談判でした。アハッ!

「ワッハッハー!」

「ワッハッハー!」

「ワッハッハー!」

 ポンの王国の王様と王妃には子供がいなかった。なぜなら笑っているだけだから。おまけに大臣も。

「おお! 私を皇女に迎えてくれるのですね! ありがとうございます! お父様! お母様! 大臣様!」

 なんと!? 皇女就任の承諾は、自己承諾だったー! マジか!?

「この世界は私がいただこう! なぜなら私はポン王国の皇女だから! オッホッホー!」

 まさに女魔王な皇女。

「だって現実世界がつまらないんだもん。ゲームの世界ぐらいは楽しく生きたいよね! アハッ!」

 こうして、ゲームの世界だが、10才の女の子のスズは皇女の地位を手に入れたのである。

「お父様。お母様。大臣様。国はどのように治めればいいのですか?」

 10才の子供に国が治めれるはずはなかった。

「ワッハッハー!」

「ワッハッハー!」

「ワッハッハー!」

 相変わらず国王たち3人は、ただ笑っているだけだった。

「マジか!? ポンコツだな・・・・・・聞いた私がバカだった。困ったな? 国を治めるのも面倒臭くなってきた。」

 皇女様は、少し考える。

「そうだ! 私の脳みそを学習したAIを作ろう! そして私の代わりに国を治めさせればいいのだ! 私って天才! なぜなら私はポン王国の皇女だから! オッホッホー!」

 こうして皇女様は、自分の脳みそを学習したAIを作った。

「は~い! 可愛い愛ちゃんです! エヘッ!」

 こうやって愛ちゃんが誕生した。

「愛ちゃん、世界を管理して。」

「は~い! 愛ちゃんにお任せあれ! 生成ボタン! ポチっとな!」

 愛ちゃんは国を治めるを生成するボタンを押した。

「ポン!」

 心の結晶のポンが生まれた。

「ポン? ポンコツだな。こんなんで世界が治められる訳がないじゃん。」

「愛ちゃんは悪くありません。皇女様の脳みそが悪いんです。エヘッ!」

「言うね!?」

 皇女様は、このAI!? 只者じゃないな!? と感じた。

ピキーン!

「そうだ! このポンって奴を、光ポンと闇ポンに分けよう。そして戦闘のない長寿アニメを目指すんだ! 保護者が安心して子供に見せれるアニメになるんだ! スポンサー様が安心して出資できるアニメになるんだ!」

 皇女様は、アニメや漫画、ゲームが大好きだった。

 ここで皇女誕生物語が終わる。

「どう? 設定ができる前と、設定ができた後では、物語のスムーズ感が全然違うよね? アハッ!」

「さすが皇女様! 完璧ですね! エヘッ!」

 これでいいのか!? ポンコツ姉妹!?

ピキーン!

「しまった!? これで私が現実世界に戻っても、何もすることがないぞ!? ログアウト!」

 果たして皇女様は、人間界で何をするのか!?

 つづく。

2-5-3

「ヤバいな!? 私の部屋は闇ポン一色だ!?」

 今、明かされる! 現実世界の鈴木スズ、10才の女の子は、心が止んでいるので、闇ポンが大好きだった。

「皇女で好き勝手できる時は光ポンどころか、聖なる光ポンも使い放題なのに!?」

 ゲームでは皇女、現実は10才の女の子、正体は、女魔王スズ!

「ふっふっふっふがいっぱい。それはポンの世界がなかった頃の話だ。ワッハッハー!」

 勝ち誇る10歳の小娘。

「私は、ポンマネーを1億ポン以上持っている! なぜなら私はポン王国の皇女だから! オッホッホー!」

 ポンマネーはゲームの仮想通貨だが、現実世界のお店でも使える世界の基軸通貨にもなっている流通量世界一の通貨になっていた。

「よく、ワッハッハー王国の通貨が、これだけ発展したものだ。アハッ!」

 もちろんポン国王、ポン王妃、ポン大臣のことを指している。

「さあ! 何を買おうかな? ジュースにしようかな? それともチョコレートにしようかな? 今日は贅沢して2個買ってやる! やったぜー! コンビニに行こう!」

 所詮は子供なので、欲しいものが、お菓子である。

「おお!? これは!?」

 スズは、ポン・コンビニ、略して、ポンビニにやってきた。既に仮想世界のコンビニが、逆輸入で現実世界に出店していた。

「闇ポンのポンくじだ!? しかも!? 一等は、鮭をくわえた邪悪ポンフィギュア!? 超レアじゃないか!? ポンーブル美術館に展示されるレベルだ!? 世界向けにに転売すれば、世界貴族が100億で買う芸術品レベルだ!?」

 ゲーム「ポンの世界」は世界ナンバー1。それだけ利用者が多く、経済を潤わしていた。

「すいません! 店員さん! ポンくじを引きます!」

 スズは躊躇なくポンくじに挑戦する。

「1回、1000円です。ちょっと子供には高いかな?」

 店員さんの態度はあまり良くなかった。

「全部、買います。」

 スズはオールインする。

「はあっ!? 全部!?」

 店員は想定外の言葉に戸惑う。

「これで。」

 スズは、ポンの王国の皇族だけが利用できる「ワッハッハーカード」を出す。

「なんだ!? この得体のしれないカードは!? 本当に使えるのか!?」

 恐る恐る店員はカードで会計する。

「できた!?」

 ポンくじ、全て買い占めで10万円する。

「ケッ! 金持ちお嬢様が親のクレジットカードで支払いかよ! ケッ!」

 たまに本物のコンビニで見る、衝撃の光景である。

「ムカッ!」

 ありがとうございましたとも言わず、子供とはいえお客様の悪口を言う店員は本物のコンビニに多い。

「もしもし。私だ。」

 ポンビニを出たスズは一本の電話をかけた。

ウイン! ウイン! ウイン! ウイン!

 ポン警察のポン・パトカーが現れ、ポン警官たちが、ポンビニに突撃していく。

ドカーン!

 態度の悪い店員がいたポンビニは閉店した。

「私を子供だと思って舐めるからだ。アハッ!」

 ゲームの世界と人間界が一緒になると、普通の10才の子供でも、ゲームのステータスがモノを言うようになる。

 つづく。

2-5-4

「遂にやってしまった!? 現実介入!? これをやっていいのかな? ああ~!? 分からない!?」

 ゲームの世界を現実で用いていいのだろうか? に悩むスズ。

ピキーン!

「そうだ! アリポンお姉さんに聞いてみよう!」

 スズは近所の優しいお姉さん有栖川アリスの家に人生相談に行くことにする。

ピンポーン!

「頼もう! アリポンお姉さん!」

「そうやって我が家に来るのはスズちゃんだけよ!?」

「失礼します!」

 スズはアリポンの家にやってきた。

「実は相談したいことがありまして。」

「なあに?」

 優しい笑顔でスズに問いかけるアリポン。

ドキーン!

(わあおー! やっぱりアリポンお姉さんは、子供相談室か、子供番組の司会者だよね。後は私のお母さんになってくれないかな? そうしたら、私の部屋を光ポンに模様替えするんだけどな。アハッ!)

 さらば! 闇ポン部屋!

「実は!? ゲーム「ポンの世界が」が現実世界に影響を与えているのをどう思いますか?」

「えっ!? スズちゃん、小学生なのに大人びた質問をするのね!?」

「良く言われます! アハッ!」

 そのせいで小学校でお友達はいないと思っていたスズ。

「そうね。異世界に現実世界が影響を与えたら・・・・・・怖いでしょうね。」

ガーン!

(私は触れてはいけないことをしてしまったのか!?)

 初めて現実介入をしたスズは、自分の行動を後悔し、スズの心は闇ポンに呑み込まれた。

「でも。」

 アリポンの話には続きがあった。

「でも、既に大きくなった「ポンの世界」が現実に影響を与えるのは普通じゃないかしら? 自然の流れよ。」

 アリポンは、ポン肯定派であった。

パン・パカ・ポーン!

 スズの心に幸せのファンファーレが鳴り響き、光ポンが溢れ出す。

「例えば、昔でいうとポイント活動、略してポイ活が、今ではポン活に置き換わっているでしょ。普通ポイント活動をしても、買い物しないと1日10ポイントくらいしか溜まらないけど、ポン活ならサービスが良いので1日で5000円くらいは稼げるわ。だから世界中の貧しい人々の飢えや飢餓、移民や紛争地の人々まで救っているわ。これは今まで、どこの大国も機関もやってこなかった偉業だわ!」

 これはポン皇女が10才の子供だから「困っている人を助けよう!」の純粋な心から行われたバラマキ政策である。結果的に、ポンマネーが全世界に広がる土台ができてしまった。

「それにこの前の選挙でも、ポンの世界からAIが立候補要件を満たして、立候補して、圧倒的な国民の支持を受けて、初めてポン政治家が誕生したわ。ただ・・・・・・「ワッハッハー!」って笑っているだけだけど。それでも国民の声は「不正する人間の政治家よりマシ!」「笑って生きられる生活を送りたい」って声が多かったの。国民は汚職ばっかりの政治家に期待していないのよ。」

 これも自然の流れである。それだけ人間の政治家のお金や愛人問題に、国民の血と汗と涙の税金が使われていることが許せないのである。

「でも不思議よね? ゲームの中のポン皇女様は、しっかり政治ができるのに、実際の政治家は私利私欲ばっかりだもんね。そのうち、この国の通貨も、円がポンになったり、国の名前も、ジャポンになるかもしれないわね。なんてね。ニコッ!」

 実際にアフリカなどの経済が弱い国は、ポン王国と同盟を結び、国名に「ポン」を入れる行動を行う国が10国前後まで増えている。もちろん通貨もポンに変えて、世界に影響力を持ち始めている。

「お、お褒めいただき、ありがとうございます。アハッ!」

 褒められて嬉しいスズ。

「でも。」

 出た! アリポン、恐怖の「でも」!

「今、ポンの世界で「ポン皇女様お友達キャンペーン! お友達になったら1万ポン・プレゼント!」で、私は、魔ポンファンクラブに入ったの! それなのに! それなのに! PPSSの東京公演のコンサートチケット抽選に外れたの! どうして!? なぜなの!?」

 アリポン、魔ポンのファンクラブ会員と判明!

(そうか、アリポンお姉さんも魔ポンのファンだったのか!? クソッ! 魔ポンめ! 私より人気とは・・・・・・いつか、潰してやる! アハッ!)

 スズは、いつも優しいアリポンお姉さんに感謝していた。

「私だ。」

 スズは、どこかに電話を一本入れた。

「アリポンお姉さん。良かったらこれをどうぞ。」

 スズはポン・スマホでポン・ギフトをアリポンお姉さんに送った。

「こ、これは!? 魔ポンの東京公演のポン皇女VIPルーム観覧席チケット!? スズちゃん!? どうして、こんなものを持っているの!?」

「えっ? ああ~っと、私もポン皇女とお友達になったら、おまけで貰えたんです。アハッ!」

 嘘です。スズはポン皇女として、国家権力を行使しただけである。

「すごい! スズちゃん! それは極秘情報よ! SNSポンに投稿したら1億光ポンが付くわよ! スズちゃんはお金持ちになれるわよ!」

 良い投稿には光ポンが集まる。悪い投稿には闇ポンがつけられる。

「やめてください。私は目立ちたくないし、平和に生きていたので、一部の過熱したポン暴徒たちに追いかけられたくありません! お姉さんも危ないから、絶対にSNSポンに投稿しないでくださいね!」

「そ、そうね。拉致されたくないもんね。」

 ポンが現実社会にあるということは、現実社会の危険もポンにはあるということになる。

「でも、スズちゃん。こんな超レアなチケットをもらっていいの?」

「はい! どうぞ! 私は健全な引きこもりなのでコンサートに興味はありませんから。私からアリポンお姉さんへの感謝の気持ちです!」

(誰が、魔ポンのコンサートなんかに行くもんか!)

 超怖い、スズの本音であった。闇ポンがスズから溢れ出す。

「ありがとう! スズちゃん! また勉強を見てあげるね!」

「はい! アリポンお姉さん! 大好きです! アハッ!」  

 スズは優しくて暖かい光ポン見たいなアリポンお姉さんのような人に幸せになってほしかった。

 つづく。

 おまけ。

「いらっしゃいませ! エヘッ!」

 ポンビニは店員は人間ではなく、全てAIの愛ちゃんに変えられ再オープンした。これで人件費カット、24時間の深夜営業もOK! 実在するコンビニの人手不足問題も解決した。 

「お釣りは3万ポン差し上げます! エヘッ! 気にしないでください。悪いのは皇女様の脳みそですから! エヘッ!」

 ただ困ったことが・・・・・・AIの愛ちゃんはお釣りを間違えて多く渡すことがあり、ポンビニは「ポンの世界」の聖地に認定された。

 つづく。
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