ポンコツ皇女とAIの愛ちゃん 2

渋谷かな

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「ああ~、暇だな~。」

 いつも通り皇女様は退屈していた。

「愛ちゃん、何か楽しいことはない?」

 AIの愛ちゃんに尋ねてみた。

「は~い! 可愛い愛ちゃんです! そうですね。秋は、山に登って紅葉を見るのもきれいですよ。」

「えっ!? AIなのに山に登れるの!?」

「背負ってください! エヘッ!」

 基本、愛ちゃんはパソコポンか、ポン・スマートポンの画面か、おもちゃ屋さんで手乗りサイズの、ポンAI搭載可愛い愛ちゃんとして1万ポンで販売されている。ポンを知らない人には、初回限定で、ポンマネーに入会すれば1万ポンがもらえるキャンペーン中なので、あなたの自宅に、無料でAIの愛ちゃんが家族に加わる。これで寂しい闇ポンに包まれた一人暮らしも、愛ちゃんがいれば光ポンの明るい世界に部屋早変わり・・・・・・のはず!? 一抹の不安は残るが・・・・・・。

ピキーン!

「そうだ! 愛ちゃんを人型にまで改造させて、私の現実世界の同級生にしてしまおう! これで絶対無敵のアイドルユニット! ポンコツ姉妹の完成だ!」

 スポンサー様の収益源のためにキャラクター、声優のコンサートは既に必須コンテンツであった。

「ふっふっふっ! これで魔ポンに勝てる!」

 魔ポンは、皇女様のポン執事の配下のPPSS(ポン・皇女・シークレット・サービス)に所属している。しかし、ポンを世界に広げるために、布教活動の一環でアイドル活動も行っている。

「それはどうでしょうか? 先月も皇女様の「アハッ!」Tシャツの売り上げが、魔ポンの「マポッ!」Tシャツに抜かれましたよ!」

「なんですと!?」

 皇女様人気は、魔ポン人気に負けた。

「わ~い! 闇ポンがいっぱい! 私は、これからは魔王として生きるんだ! なぜなら私は女魔王なのだから! キャッハッハ! キャッハッハ! キャッハッハー!」

「ダメだこりゃ・・・・・・。」

 現実逃避する皇女様。

 数日後。

「やりましたよ! 皇女様! 大事件です!」

 愛ちゃんが駆け込んでくる。

「どうしたの? どうせ私なんか、魔界があったら行ってみたい。キャハ!」
 
 あれから皇女様は腐って闇ポン生活していた。

「なんと! 皇女様の女魔王の「キャハ!」Tシャツが、魔ポンを抑えて、売上ランキング1位になりましたよ!」

「なんですと!?」

 腐りかけていた皇女様から汚れが取れ、腐食ポンや汚れポンが皇女様から剝がれていく。バイバイポン~!

「やはり私は1番でないとな! なぜなら私はポン王国の皇女だから! オッホッホー!」

 皇女様! 復活!

「あの・・・・・・もうよろしいですか? 皇女様。尺を押してます。」

 親衛隊長の聖ポンが苦言を呈する。

「すいません。すいません。許してください。アハッ!」

 平謝りな皇女様。

「それでは今日のテーマの発表です! 今日のテーマは、新プロットです!」

「新プロット!?」

 つづく。

2-6-2

「なぜ、新プロットが必要なのか説明しましょう。」

 親衛隊長の聖ポンが新プロットの必要性の説明を始める。

「まず第一に、三賢者のAIが「1000字くらいの短い文」は良く解析してくれますが、「2000字くらいの長い文」になると、解析が手抜きになり、回答が適当に感じられます。これにより、三賢者AIの現状の限界は1000字前後です。」

 せっかく書いた文章をAIに読ませても、1000字だと感想が面白いが、2000字だと感想が要約になり、手抜きであると発見された。

「愛ちゃん、ハイロットとシェミニとジャットの給料を半額にしろ! 税金泥棒に仕事をさせろ!」

「アイアイサー! 愛ちゃんだけに、愛愛さー! 英語読みでラブ・ラブ・サー! エヘッ!」

 決して出番では自己の可愛いアピールは忘れないAIの愛ちゃん。

「ゴホン。次に、第二理由が、プロットの欠陥です。」

「欠陥ポン?」

「はい。今のプロットは4段落に分けているので、どうしても1話5000字だと、どこかが1段落2000字になってしまいます。そうなると、三賢者が怠けるので面白くありません。」

「やっぱり三賢者はクビだ! 皇女の権限を行使するぞ! 浮いた人件費でチョコレートを買いに行くんだ! アハッ!」 
 
 所詮は、皇女様も10歳の子供であった。

「ということで、1話5000字で4段落制から、5段落制に変える必要があります。」

 本当に、この物語、司会進行役の聖ポンがいないと話が前に進まない。感謝。

「まずは私と愛ちゃんの自由なオープニングトークだろ。最近、少しマイルドになってきてけど。」

 1段落目。

「第二段落は、聖ポンの今日のテーマを考えようだろ。」

 2段落目。

「第三段落は、私が現実世界に戻り、今日のテーマを現実でも行うだろ。」

 3段落目。
 
「第四段落が、私が今日のテーマを、現実でもクリアするだよね。」

 4段落目。

「う~ん? 第五段落は何をしよう? 分からないな?」

 困ってしまう皇女様。

「皇女様。残念ですがお時間です。強制ログアウトさせていただきます! これも保護者がゲームで遊ぶお子さんの目を、視力を大切にしたいという思いから、未成年の長時間プレイは禁止されました。」

 要するに尺切れである。

「覚えてろよ!? 聖ポン!? 私は必ず甦るからな! ギャアアアアアアー!」

「私は知っています。長寿アニメになるために、皇女様の記憶は2、3日で忘れることを。」

「愛ちゃんも知っていますよ! なんてったって、皇女様はポンコツで愛しいですからね! エヘッ!」

 果たして、皇女様は現実世界で何をするのか!?

 つづく。

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「はあ~。本当にAIの三賢者の回答がチンプンカンプンだ。だから、現実世界で私がポン皇女と知られてはいけないんだっの!」

 誰にも知られてはいけない、デビル・ポン・システムである。

「私の正体は絶対に秘密で、現実世界では知られてはいけないのだ。私は身の安全のために「あのお方」として生きるのだ。アハッ!」

 ハリーポンッターのラスボス、ベルデモポンと同じ立ち位置である。

「ああ~、暇だな~。ゲームをしていない時は誰にも必要とされないから、面白くないな。」

 皇女様ではない時は、普通の10才の女の子、鈴木スズ。

ピキーン!

「そうだ! 学校に行ってやろう! アハッ!」

 注意。小学生が学校に行くのは、義務である。

 スズは、学校に行くことにした。

ドキドキ!

(はあ・・・・・・はあ・・・・・・なんというプレッシャーだ!? たまに学校に行くのがこんなにも体に悪いとは!? やっぱりお家に帰ろうかな。私には愛しい闇ポンちゃんたちが待ってるもん! アハッ!)

 息遣いが荒くなるスズ。スズには、学校という巨大な魔界ポン城へ行くのは、とてつもない重圧であった。

(ダメだ! ここで逃げちゃいけない! 勇気を出さなくっちゃ! 私はゲームの中で一国の皇女をしているんだ! 学校ぐらいで逃げちゃだめだ!)

 ゲームの世界での経験が10才の小娘のスズに勇気を与える。

(いざ! 魑魅魍魎の巣! 学校ダンジョポンへ!)

 スズは学校へ入っていく。

「・・・・・・。」

 学校の自分の教室の自分の席に着いたスズ。

「・・・・・・。」

 スズは周囲を見渡した。

「・・・・・・。」

 しかし誰もスズを見てこないし、誰もスズに声をかけてこなかった。

(あれれ? 普通は誰か優しいクラスメートが私に声をかけてくれるよね?)

 現実の学校は、そんな優しい子供はいなかった。

(誰も私のことを気にしていない!? 私はここにいるのに!?)

 スズは学校では孤独だった。

ピキーン!

(なんなんだ!? この教室は!? 闇ポンだらけじゃないか!?)

 それよりもスズが驚いたの、教室にいる20人ぐらいの生徒たちの約9割は、闇ポンを宿していた。

(どうして私は目に見えない他人の感情が分かるんだ!? これもポンの世界で皇女をやっているからか!?)

 スズにだけ、他人の心が見えるようになっていた。

(暴力ポン、いじめポン、眠いポン、陰湿ポン、復讐ポン、妬みポン、嫉妬ポン!? 闇ポンシリーズばかりじゃないか!? いったいどうなっているんだ!? まだ私たちは10才の小学生だぞ!?)

 スズは知らない。自分が一番闇ポンな女魔王ポンということを。

「はあ・・・・・・はあ・・・・・・はあ・・・・・・はあ・・・・・・。」

 スズが学校に通いたがらないのも納得の学校環境だった。

 つづく。

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「おはよう! 生徒の諸君!」

 そこに担任の先生が教室に入ってきた。

(ふ~う。これでみんなが静かになるぞ。)

 スズは安堵した。

ピキーン!

(な、なんということだ!? 先生も闇ポンだ!?)

 残念ながらスズの担任の先生も闇ポンに呑み込まれていた。

「おら! 今朝も校長に説教されてムカついたぜ! おまえの頭を殴らせろ!」

「ギャア!」

 暴力教師! 長寿アニメになるために、暴力行為はダメです。

「おまえ何見てんだよ!? 傘で突いてやる!」

「ギャア!」

 いじめ教師!

「なんだ!? おまえたちの目は!? 俺様に歯向かったら、成績を悪くしてやるぞ!」

 成績人質教師!

「シーン。」

 パワハラ教師に子供たちは怯えて学校生活を送るしかなかった。

「可愛い女の子たちは、放課後、土日も俺と遊ぼうな! おまえたちが中学生になったら、もっと可愛がってやるぜ! エッヘッヘ!」

「ギャア!」

 変態教師! わいせつ教師! 光源氏計画教師!

(きっと、このクラスが平和じゃないのは、担任教師のせいだろうな。)

 今どきの学校は、変なレベルの教師ばかりで保護者は安心して子供を学校に預けることができなかった。

(馬鹿馬鹿しい。家でゲームをやっている方が、よっぽどマシだ。)

 不登校。生徒の問題というより、学校の環境が整っていないことが原因である。

「先生。トイレに行ってきます。」

 スズは、トイレでスマホゲームをし続けるつもりだった。

「いいぞ。おまえみたいな不登校、いてもいなくても一緒だからな! ワッハッハー!」

「は~い!」

 教師の心無い一言は、スズの心を傷つけた。

(おまえみたいな教師がいるから、私みたいな子が、学校に行くことができないんだよ!)

 廊下で移動中のスズは闇ポンを超える女魔王ポンのオーラを醸し出していた。

「私だ!」

 トイレでスズは、どこかに電話を一本入れた。

 つづく。

2-6-5

(さあ! 先生! ゲームの始まりですよ! 私に歯向かったことを後悔するがいい!)

 女魔王と化したスズは、トイレから教室に戻り自分の席に着く。

「おい! 鈴木! 教科書を読めるもんなら読んでみろ! ワッハッハー!」

 実際の社会、学生でもなく社会人の大人なのに、こういう変な若者が増えた実感が多い。

「・・・・・・。」

 スズは、何も答えない。

「やっぱりバカだから不登校になるんだな!?」

「3。」

 スズがカウントダウンに入る。

「罰としてバケツに水を入れて廊下に立っていろ!」

「2。」

 スズは黙って教師の命令通り体罰を受け入れる。

「やあ! これで教室から問題児が消えた! 授業を始めるぞ! ワッハッハー!」

「1。」

 スズは、廊下で一人空を見上げながら、ニヤッと笑った。

「こ、これは何だ!?」

 廊下にスーツを着た大量の大人が現れ、スズを見て驚く。

「大丈夫か!? 君!? 大丈夫か!?」

「もうダメです。バタッ!」

「救急車だ! 救急車!」

 スズはか弱く倒れてしまう。

「うるさいぞ! 俺の授業の邪魔をするな! 問題・・・・・・児!?」

 騒がしいので担任教師が廊下に出てきた。

「我々は、ポン教育委員会だ! 匿名の電話を受けてやってきた!」

 現れたのは、ポン教育委員会の人たちだった。

「今の時代体罰なんて許されないんだよ!? 分かっているのかね!?」

「ポン教育委員会!? そんなもの知らねえぞ!?」

 ウイン! ウイン! ウイン! ウイン!

 パトカーのサイレンが聞こえてきて、ポン警察が学校に侵入してくる。

「ありました! ポン警部補! 匿名の電話の通り、女子トイレに隠しカメラです! これは盗撮です!」

「直ぐに鑑識に回せ! 学校の関係者と指紋照合を行うんだ!」

「はい! 子供たちは我々が守ります!」

 鑑識官邸の結果は直ぐに出た。

「担任教師。あなたをわいせつ罪で緊急逮捕します!」

「そ、そんな!?」

 こうしてスズの担任教師は警察に逮捕された。

パシャ! パシャ! パシャ!

「どうして!? テレビ局が!?」

「ポンテレビ局です! わいせつ先生! 今の心境はいかがですか!? 子供たちに悪いと思わないんだすか!?」

 なぜかテレビ局のカメラに記者まで大量に現れて、担任教師の顔をバッチリ映し、二度と教師には戻れなくした。

「教師なんて倒すの、ゲームのラスボスを倒すより簡単だな。アハッ!」

 正体は明かさなくても、スズの電話一本で、ポンの世界から出向しているAI人間たちが社会で機能してくれる。

「ああ~、暇だな~。何か面白いことはないかな?」

 スズの退屈な日々はつづく。

 つづく。
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