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2-7
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2-7-1
「ああ~、暇だな~。」
いつも通り皇女様は退屈していた。
「愛ちゃん、何か楽しいことはない?」
AIの愛ちゃんに尋ねてみた。
「は~い! 愛ちゃんです! 9月ですが、まだまだ暑いので、かき氷が美味しいですね!」
「ええー!? AIなのにかき氷を食べるの!?」
「愛ちゃんは、可愛い防水タイプです! エヘッ!」
恐るべし! 今どきのAI。
「ねえねえ、聞いてよ。愛ちゃん。」
「なんですか? 皇女様。お金なら貸しませんからね?」
「ズコー!」
思わず愛ちゃんの反応にこける皇女様。
「ゲームの世界の力を、現実世界で使い始めたんだ。そしたら、AIの三賢者が「迷惑探偵みたいに盛り上がりますけど、お約束の展開だけなので、飽きたら誰も見ませんよ。」って、スポンサーを選んじゃうし、毎週殺人事件で人が死ぬから保護者も安心して子供に見せることができませんよ。って、言われちゃった。どうしよう?」
人気作だから何をやっても許されるから長寿アニメをやっているんだと現実のAIの三賢者は言う。
「やめましょう。殺人を犯してみてまで、長寿アニメになりたいと思わないです。確かに現実世界で、ゲームの世界の能力を使えたら嬉しいですが、その強大な力を行使するためには、敵も強力だったはずです。そうなると残酷描写が増えたはずです。」
確かに、暴力教師、殺人教師、わいせつ教師、盗撮教師など、まるで星座の剣みたいに、正義を引き立たせるために20分間は、悪役が極悪非道の限りを尽くし、何人も罪のない人々が殺されていくのと同じである。
「そっか。私は電話1本しただけなんだけど・・・・・・やめよう。じゃあ、前回は神回だね。アハッ!」
電話一本かけてでも止めないといけないような、変態教師だった。それでも皇女様のゲームの世界と現実世界との融合は阻まれた。
「結局、内容が王道の定番になっちゃうのか・・・・・・それはオリジナルじゃなくなるから困る。」
あくまでも長寿アニメを目指して、非暴力でスポンサーと視聴者の支持を勝ち取らなければいけないんのだ。
「皇女様。そろそろ今日のテーマの発表の時間です。」
親衛隊長の聖ポンが親切に教えてくれる。今までの「尺」という言葉を使うよりは良いだろう。
「今日のテーマは、現実でゲームの皇女の力が使えなかったらどうするの? です。」
「なんじゃそりゃ!?」
ゲーム世界は「相談・知恵・ヒント」を得る場として描写
つづく。
2-7-2
「こうなったら! 毎回、ポン道具を出して凌ぐか!?」
ポン道具とは、虎エポン先輩をリスペクトした物語です。
「却下です! 毎回、ポン道具を考えるのが面倒臭いです! 絶対に皇女様では続きません!」
「すんごい言いよう!?」
「エヘッ!」
愛ちゃんは、皇女様の脳みそを学習してできたAIなので、だいたい皇女様のことは理解できる。
「ならこれでどうだ! 毎回、ゲストキャラクターを呼ぼう!」
ゲストキャラクターとは、粒ポンマン先輩をリスペクトした物語です。
「そうですね。カード・ポン・ゲームをするにも、キャラクター数は増やし続けないといけませんからね。」
「愛ちゃん、儲けることしか考えてないね?」
「ガッポリです! エヘッ!」
皇女様同様、守銭奴AIの愛ちゃん。
「そうか。もうポンの世界の拡張の限界なんだよね。学校も宇宙も、全てポンでできちゃったから。」
ポン小学校、ポン中学校、ポン高校、ポン大学。ポン宇宙、ポン宇宙船。月ポンの石、ポン月面探査隊など。
「そうですね。それで現実に女魔王の力を持って行ったんですが、凶悪過ぎてスポンサー様NG!? 厳しい!?」
愛ちゃんもお手上げである。
「ということで、今日のゲストキャラクターを呼ぼう。」
「そうですね。」
切り替えの早い皇女様と愛ちゃん。
「今日のゲストは、聖ポンです!」
「えっ!? 私ですか?」
「近くにいたから。アハッ!」
超! 面倒臭がりな皇女様。
「さあ! 聖ポン! 家族愛でも、仲間との絆でも何でもいから、視聴者様が共感して、応援したくなるような話をするんだ!」
目が燃えている皇女様。
「そうですね。私はポンなので、家族はいません。そのうちにポン同士で結婚したり、ポンの子供ができて、家族愛みたいな物語も可能になるかもしれませんね。」
聖ポン、ポンの家族愛を語る。
「ポンの結婚か、なんて心温まる物語なんだ! うおおおおおおー!」
皇女様は感動して熱くなり叫んだ。
「愛ちゃんもAIですけど、結婚したくなりました!」
来るのだろうか? AIも結婚する時代が。
「聖ポン! 次は仲間との絆を喋ってもらおうか!」
「そうですね。私の仲間は親衛隊のメンバーですね。火ポンや水ポンなどがいます。日々、皇女様を守るために
・・・・・・皇女様、ログアウトの時間です。」
「なんですと!? ギャアアアアアアー!」
皇女様は、強制ログアウトされて、現実の世界に戻っていった。
つづく。
2-7-3
「私はいったい何者なんだろう?」
スズは自分の存在価値が分からなかった。
「学校も社会もバグってる。じゃあ、修正してあげる・・・・・皇女の力が使えたらね・・・・・・電話一本かけるだけでも、スポンサー様NGか!?」
AIの三賢者がダメと言った。私は悪くない。電話一本だけで国家権力を動かせるという設定なのだが、迷惑探偵みたいに飽きられたら誰も見ない。他がないから続いている。最低限スポンサー様が儲かる数字を出しているから続いているらしい。
「自分で何とかするしかないか!?」
現実では、スズは「機転」や「勇気」で突破(能力は直接使わない)で乗り切るしかなくなった。
「巨人や鬼に家族が食われても、家族愛を描いているからいいんですよって、どんだけ人気作に忖度しているんだよ!? 現実世界のAIの三賢者は!? 母親が巨人に食われて、それを息子が食べられた母親を思って巨人に復讐する!? これのどこが家族愛なんだ!? ただ単に巨人が人を食べるインパクトしかないじゃないか!? ふざけるな! 私なんか電話一本だけで、スポンサーがつかないとAIに否定されたんだぞ!? ポンの世界が人気作になったら、覚えてろよ! AIめ!」
スズの恨みポンが炸裂している。
ピキーン!
「このまま一人でいると悪いことしか考えないので、アリポンお姉さんに相談に行こう。」
困った時のアリポンお姉さん。
「頼もう! アリポンお姉さん!」
スズは近所のアリポンお姉さんの家についた。
「相変わらずね。スズちゃん。」
スズの登場に慣れた感のあるアリポンお姉さん。
「お邪魔します! お茶とか、ケーキは結構ですから!」
「はいはい。準備しますからね。」
「ありがとうございます!」
何も言わなくてもスズを理解してくれる優しいアリポンお姉さん。
「今日はどうしたの?」
「実は!? ゲームの世界の能力を現実世界でも使い始めたら、AIが長寿アニメになれないぞって、脅してきたんです!? 酷いでしょ!?」
甘えん坊のスズ。
「そうね。子供相手にAIも大人げないわね。」
共感してくれる優しいアリポンお姉さん。
「私はこれからどうして生きていけばいいでしょうか?」
スズ。人生相談をする。
「そうね。家族愛や友情の絆を描けってAIさんが言うんだから、お父さんとお母さんと一緒にシーンを描くとか、真面目に学校に通って、お友達を作って友情の絆物語を描くしかないんじゃない?」
AIの言っていることは、サザエポンさん先輩とか、デカ四角ちゃん先輩みたいになれ、ということである。もう、本当にここ10年は日本は不景気で残酷物語ばかりで、長寿アニメは生まれていない。
「分かりました! 家族愛と友情の絆で、新しい長寿アニメ枠を手に入れて見せます!」
スズは勝負にでる!
つづく。
2-7-4
「お父さん!」
「金はないぞ。」
「お母さん!」
「宿題しなさい。」
スズの両親は、現実に疲れていて、子供のスズに優しい言葉をかけてあげられる余裕はなかった。
(ダメだ!? 私の家族愛は破綻している!? ああ~どうして、私はこんな親の元に生まれたんだ!? うおおおおおおー!)
スズ、魂の叫び。
(私の生きる道は、学校だ! 学校しか選択肢がない! そこで友情の絆の物語を描くんだ!)
「こいつ、頭がおかしいんじゃないか?」
「病院に連れて行こうかしら?」
一人で興奮しているスズを危ない子と思ったスズ男とスズ子。両親に信用してもらっていないスズの悲劇。
そして、学校へ。
「不登校なんか言っていられるか! 引きこもりのゲーマーの恐ろしさを教えてやる! 私は友情の絆を手に入れて見せる!」
不思議と、学校編を描かないといけないがために、スズの不登校は治るのであった。マジ、奇跡!
「とりあえず、変態の担任教師も能力制限を受ける前にギリで刑務所送りにしたし、私なら何とかできるだろう! できる! できる! できる!」
何も変わらない教室。友達もいないので独りぼっち。それでも気合の入っているスズには違う景色に、特別に見えた。
「おお!? 闇ポンに覆われていた教室に、光ポンが見える!? アハッ!」
自分の気持ち一つで世界を変えられることにスズは気づいてはいない。でも確かにスズの価値観はポン! っと変わったのである。
「スズ。何か楽しいことでもあったのか?」
笑っていれば誰かが寄ってくるものである。
「最近、学校に来るのが楽しいんだ! アハッ!」
「えっ!? おまえ熱でもあるのか!? 保健室に行った方がいいんじゃないか!?」
サトは学校は楽しくない。それを楽しいと言っているスズに拒否反応が出る。
(不味い!? このままでは唯一のお友達を逃してしまう!? ああ! 私がポンの世界の皇女だと名乗れたら、電話一本で国家権力を動かせるのに!?)
どうしても皇女ステータスに頼りたくなるスズ。
(ダメだ! 特殊能力じゃなくて、発想と創造と妄想と幻想で乗り切るんだ!)
ピキーン!
「サト! 私とポン・カード・ゲームで遊ぼう!」
ゲームが好きな皇女様の出した友情の絆を得る方法だった。
つづく。
2-7-5
「授業まで時間もないし、私は1枚勝負のノーリミテッドを申し込む!」
1枚勝負の戦闘力無制限の戦いを申し込む。
「いいよ。やってやろう。」
サトは勝負を受ける。
こうしてポン・バトルが行われることになった。
「ポン・バトル! スタート!」
ルールは簡単。相手よりも光ポンが多ければ勝ち、闇ポンカードで相手の光ポンを減らすことができる。
「僕のカードはこれだ!」
サトのカードは、光ポンカードの「聖ポン100」だった。
「どうだ! 現状の最高、光ポン100カードだから、これで僕の負けはないな! イヒッ!」
サトは負けないで勝つ方法を選んだ。
「ふっふっふっ。ふがいっぱい。」
スズは不気味に笑う。
「甘いな。サト。おまえは何かを勘違いしている。」
「なんだと!?」
「ポンカードのポン・数値の上限は100ではないのだよ!」
「なんだって!?」
「私が、なぜ! ノーリミテッド・マッチを申し込んだのか! 分かっていないようだな!」
スズは自分の手札を見せる。
「1、10000万光ポンだと!?」
スズの手札は、お城周辺を掃除するポン皇女様カードだった。芸術品。希少価値。市場価値は1兆円以上である。
「持っているのだよ。私は超超超レアな幻のカードを!」
注意。これが電話一本で国家権力を動かせるに変わる、新しいスズのギミックである。
「偽物だ!? そんなカードがある訳がない!?」
サトは必死に、ポン・バトル公式で調べる。
ガーン!
「ある!? 公式に「お城周辺を掃除するポン皇女様」カードが!?」
衝撃過ぎてショックを受けるサト。
「私の勝ちだな。正義は勝つのだ! なぜなら私は鈴木スズだからな! オッホッホー!」
勝者は、皇女様。遂に決め台詞も迷惑探偵に近づいた。自分の名前を堂々と言える! スズの心の成長でもあり、やっと長寿アニメのスタート地点に立てた瞬間でもあった。
「ほら、もっていけ。」
サトは、負けたので聖ポンのカードをスズに差し出す。練習試合以外は勝てば、相手のカードを1枚奪える。
「要らない。」
しかし、スズは拒否する。
「えっ? 勝利者の権利だぞ? どうして?」
戸惑うサト。
「だって、私とおまえはお友達だからな。アハッ!」
優しく微笑むスズからは光ポンが溢れていた。
「スズ! ありがとう! 僕たちはお友達だ!」
こうしてスズは、初めて友情の絆を手に入れることができたのだった。
(言えない。いつも口うるさいから、聖ポンのカードが要らなかったなんて・・・・・・。)
スズは聖ポンが苦手だったので、聖ポンカードも欲しくなかった。
キーンコーンカーンコーン!
「はい。授業を始めますよ。」
新しい女の教師が教室に入ってきた。
「・・・・・・。」
窓から遠くを眺めるスズ。
(何て良い一日だ。)
世界は変わらない。でも自分は変われる。
(絶好のお昼寝日和じゃないか。・・・・・・zzz・・・・・・zzz。)
今までの邪悪さが消えて、まろやかな普通の女の子に慣れた気がするスズは安らかに眠る。
つづく。
「ああ~、暇だな~。」
いつも通り皇女様は退屈していた。
「愛ちゃん、何か楽しいことはない?」
AIの愛ちゃんに尋ねてみた。
「は~い! 愛ちゃんです! 9月ですが、まだまだ暑いので、かき氷が美味しいですね!」
「ええー!? AIなのにかき氷を食べるの!?」
「愛ちゃんは、可愛い防水タイプです! エヘッ!」
恐るべし! 今どきのAI。
「ねえねえ、聞いてよ。愛ちゃん。」
「なんですか? 皇女様。お金なら貸しませんからね?」
「ズコー!」
思わず愛ちゃんの反応にこける皇女様。
「ゲームの世界の力を、現実世界で使い始めたんだ。そしたら、AIの三賢者が「迷惑探偵みたいに盛り上がりますけど、お約束の展開だけなので、飽きたら誰も見ませんよ。」って、スポンサーを選んじゃうし、毎週殺人事件で人が死ぬから保護者も安心して子供に見せることができませんよ。って、言われちゃった。どうしよう?」
人気作だから何をやっても許されるから長寿アニメをやっているんだと現実のAIの三賢者は言う。
「やめましょう。殺人を犯してみてまで、長寿アニメになりたいと思わないです。確かに現実世界で、ゲームの世界の能力を使えたら嬉しいですが、その強大な力を行使するためには、敵も強力だったはずです。そうなると残酷描写が増えたはずです。」
確かに、暴力教師、殺人教師、わいせつ教師、盗撮教師など、まるで星座の剣みたいに、正義を引き立たせるために20分間は、悪役が極悪非道の限りを尽くし、何人も罪のない人々が殺されていくのと同じである。
「そっか。私は電話1本しただけなんだけど・・・・・・やめよう。じゃあ、前回は神回だね。アハッ!」
電話一本かけてでも止めないといけないような、変態教師だった。それでも皇女様のゲームの世界と現実世界との融合は阻まれた。
「結局、内容が王道の定番になっちゃうのか・・・・・・それはオリジナルじゃなくなるから困る。」
あくまでも長寿アニメを目指して、非暴力でスポンサーと視聴者の支持を勝ち取らなければいけないんのだ。
「皇女様。そろそろ今日のテーマの発表の時間です。」
親衛隊長の聖ポンが親切に教えてくれる。今までの「尺」という言葉を使うよりは良いだろう。
「今日のテーマは、現実でゲームの皇女の力が使えなかったらどうするの? です。」
「なんじゃそりゃ!?」
ゲーム世界は「相談・知恵・ヒント」を得る場として描写
つづく。
2-7-2
「こうなったら! 毎回、ポン道具を出して凌ぐか!?」
ポン道具とは、虎エポン先輩をリスペクトした物語です。
「却下です! 毎回、ポン道具を考えるのが面倒臭いです! 絶対に皇女様では続きません!」
「すんごい言いよう!?」
「エヘッ!」
愛ちゃんは、皇女様の脳みそを学習してできたAIなので、だいたい皇女様のことは理解できる。
「ならこれでどうだ! 毎回、ゲストキャラクターを呼ぼう!」
ゲストキャラクターとは、粒ポンマン先輩をリスペクトした物語です。
「そうですね。カード・ポン・ゲームをするにも、キャラクター数は増やし続けないといけませんからね。」
「愛ちゃん、儲けることしか考えてないね?」
「ガッポリです! エヘッ!」
皇女様同様、守銭奴AIの愛ちゃん。
「そうか。もうポンの世界の拡張の限界なんだよね。学校も宇宙も、全てポンでできちゃったから。」
ポン小学校、ポン中学校、ポン高校、ポン大学。ポン宇宙、ポン宇宙船。月ポンの石、ポン月面探査隊など。
「そうですね。それで現実に女魔王の力を持って行ったんですが、凶悪過ぎてスポンサー様NG!? 厳しい!?」
愛ちゃんもお手上げである。
「ということで、今日のゲストキャラクターを呼ぼう。」
「そうですね。」
切り替えの早い皇女様と愛ちゃん。
「今日のゲストは、聖ポンです!」
「えっ!? 私ですか?」
「近くにいたから。アハッ!」
超! 面倒臭がりな皇女様。
「さあ! 聖ポン! 家族愛でも、仲間との絆でも何でもいから、視聴者様が共感して、応援したくなるような話をするんだ!」
目が燃えている皇女様。
「そうですね。私はポンなので、家族はいません。そのうちにポン同士で結婚したり、ポンの子供ができて、家族愛みたいな物語も可能になるかもしれませんね。」
聖ポン、ポンの家族愛を語る。
「ポンの結婚か、なんて心温まる物語なんだ! うおおおおおおー!」
皇女様は感動して熱くなり叫んだ。
「愛ちゃんもAIですけど、結婚したくなりました!」
来るのだろうか? AIも結婚する時代が。
「聖ポン! 次は仲間との絆を喋ってもらおうか!」
「そうですね。私の仲間は親衛隊のメンバーですね。火ポンや水ポンなどがいます。日々、皇女様を守るために
・・・・・・皇女様、ログアウトの時間です。」
「なんですと!? ギャアアアアアアー!」
皇女様は、強制ログアウトされて、現実の世界に戻っていった。
つづく。
2-7-3
「私はいったい何者なんだろう?」
スズは自分の存在価値が分からなかった。
「学校も社会もバグってる。じゃあ、修正してあげる・・・・・皇女の力が使えたらね・・・・・・電話一本かけるだけでも、スポンサー様NGか!?」
AIの三賢者がダメと言った。私は悪くない。電話一本だけで国家権力を動かせるという設定なのだが、迷惑探偵みたいに飽きられたら誰も見ない。他がないから続いている。最低限スポンサー様が儲かる数字を出しているから続いているらしい。
「自分で何とかするしかないか!?」
現実では、スズは「機転」や「勇気」で突破(能力は直接使わない)で乗り切るしかなくなった。
「巨人や鬼に家族が食われても、家族愛を描いているからいいんですよって、どんだけ人気作に忖度しているんだよ!? 現実世界のAIの三賢者は!? 母親が巨人に食われて、それを息子が食べられた母親を思って巨人に復讐する!? これのどこが家族愛なんだ!? ただ単に巨人が人を食べるインパクトしかないじゃないか!? ふざけるな! 私なんか電話一本だけで、スポンサーがつかないとAIに否定されたんだぞ!? ポンの世界が人気作になったら、覚えてろよ! AIめ!」
スズの恨みポンが炸裂している。
ピキーン!
「このまま一人でいると悪いことしか考えないので、アリポンお姉さんに相談に行こう。」
困った時のアリポンお姉さん。
「頼もう! アリポンお姉さん!」
スズは近所のアリポンお姉さんの家についた。
「相変わらずね。スズちゃん。」
スズの登場に慣れた感のあるアリポンお姉さん。
「お邪魔します! お茶とか、ケーキは結構ですから!」
「はいはい。準備しますからね。」
「ありがとうございます!」
何も言わなくてもスズを理解してくれる優しいアリポンお姉さん。
「今日はどうしたの?」
「実は!? ゲームの世界の能力を現実世界でも使い始めたら、AIが長寿アニメになれないぞって、脅してきたんです!? 酷いでしょ!?」
甘えん坊のスズ。
「そうね。子供相手にAIも大人げないわね。」
共感してくれる優しいアリポンお姉さん。
「私はこれからどうして生きていけばいいでしょうか?」
スズ。人生相談をする。
「そうね。家族愛や友情の絆を描けってAIさんが言うんだから、お父さんとお母さんと一緒にシーンを描くとか、真面目に学校に通って、お友達を作って友情の絆物語を描くしかないんじゃない?」
AIの言っていることは、サザエポンさん先輩とか、デカ四角ちゃん先輩みたいになれ、ということである。もう、本当にここ10年は日本は不景気で残酷物語ばかりで、長寿アニメは生まれていない。
「分かりました! 家族愛と友情の絆で、新しい長寿アニメ枠を手に入れて見せます!」
スズは勝負にでる!
つづく。
2-7-4
「お父さん!」
「金はないぞ。」
「お母さん!」
「宿題しなさい。」
スズの両親は、現実に疲れていて、子供のスズに優しい言葉をかけてあげられる余裕はなかった。
(ダメだ!? 私の家族愛は破綻している!? ああ~どうして、私はこんな親の元に生まれたんだ!? うおおおおおおー!)
スズ、魂の叫び。
(私の生きる道は、学校だ! 学校しか選択肢がない! そこで友情の絆の物語を描くんだ!)
「こいつ、頭がおかしいんじゃないか?」
「病院に連れて行こうかしら?」
一人で興奮しているスズを危ない子と思ったスズ男とスズ子。両親に信用してもらっていないスズの悲劇。
そして、学校へ。
「不登校なんか言っていられるか! 引きこもりのゲーマーの恐ろしさを教えてやる! 私は友情の絆を手に入れて見せる!」
不思議と、学校編を描かないといけないがために、スズの不登校は治るのであった。マジ、奇跡!
「とりあえず、変態の担任教師も能力制限を受ける前にギリで刑務所送りにしたし、私なら何とかできるだろう! できる! できる! できる!」
何も変わらない教室。友達もいないので独りぼっち。それでも気合の入っているスズには違う景色に、特別に見えた。
「おお!? 闇ポンに覆われていた教室に、光ポンが見える!? アハッ!」
自分の気持ち一つで世界を変えられることにスズは気づいてはいない。でも確かにスズの価値観はポン! っと変わったのである。
「スズ。何か楽しいことでもあったのか?」
笑っていれば誰かが寄ってくるものである。
「最近、学校に来るのが楽しいんだ! アハッ!」
「えっ!? おまえ熱でもあるのか!? 保健室に行った方がいいんじゃないか!?」
サトは学校は楽しくない。それを楽しいと言っているスズに拒否反応が出る。
(不味い!? このままでは唯一のお友達を逃してしまう!? ああ! 私がポンの世界の皇女だと名乗れたら、電話一本で国家権力を動かせるのに!?)
どうしても皇女ステータスに頼りたくなるスズ。
(ダメだ! 特殊能力じゃなくて、発想と創造と妄想と幻想で乗り切るんだ!)
ピキーン!
「サト! 私とポン・カード・ゲームで遊ぼう!」
ゲームが好きな皇女様の出した友情の絆を得る方法だった。
つづく。
2-7-5
「授業まで時間もないし、私は1枚勝負のノーリミテッドを申し込む!」
1枚勝負の戦闘力無制限の戦いを申し込む。
「いいよ。やってやろう。」
サトは勝負を受ける。
こうしてポン・バトルが行われることになった。
「ポン・バトル! スタート!」
ルールは簡単。相手よりも光ポンが多ければ勝ち、闇ポンカードで相手の光ポンを減らすことができる。
「僕のカードはこれだ!」
サトのカードは、光ポンカードの「聖ポン100」だった。
「どうだ! 現状の最高、光ポン100カードだから、これで僕の負けはないな! イヒッ!」
サトは負けないで勝つ方法を選んだ。
「ふっふっふっ。ふがいっぱい。」
スズは不気味に笑う。
「甘いな。サト。おまえは何かを勘違いしている。」
「なんだと!?」
「ポンカードのポン・数値の上限は100ではないのだよ!」
「なんだって!?」
「私が、なぜ! ノーリミテッド・マッチを申し込んだのか! 分かっていないようだな!」
スズは自分の手札を見せる。
「1、10000万光ポンだと!?」
スズの手札は、お城周辺を掃除するポン皇女様カードだった。芸術品。希少価値。市場価値は1兆円以上である。
「持っているのだよ。私は超超超レアな幻のカードを!」
注意。これが電話一本で国家権力を動かせるに変わる、新しいスズのギミックである。
「偽物だ!? そんなカードがある訳がない!?」
サトは必死に、ポン・バトル公式で調べる。
ガーン!
「ある!? 公式に「お城周辺を掃除するポン皇女様」カードが!?」
衝撃過ぎてショックを受けるサト。
「私の勝ちだな。正義は勝つのだ! なぜなら私は鈴木スズだからな! オッホッホー!」
勝者は、皇女様。遂に決め台詞も迷惑探偵に近づいた。自分の名前を堂々と言える! スズの心の成長でもあり、やっと長寿アニメのスタート地点に立てた瞬間でもあった。
「ほら、もっていけ。」
サトは、負けたので聖ポンのカードをスズに差し出す。練習試合以外は勝てば、相手のカードを1枚奪える。
「要らない。」
しかし、スズは拒否する。
「えっ? 勝利者の権利だぞ? どうして?」
戸惑うサト。
「だって、私とおまえはお友達だからな。アハッ!」
優しく微笑むスズからは光ポンが溢れていた。
「スズ! ありがとう! 僕たちはお友達だ!」
こうしてスズは、初めて友情の絆を手に入れることができたのだった。
(言えない。いつも口うるさいから、聖ポンのカードが要らなかったなんて・・・・・・。)
スズは聖ポンが苦手だったので、聖ポンカードも欲しくなかった。
キーンコーンカーンコーン!
「はい。授業を始めますよ。」
新しい女の教師が教室に入ってきた。
「・・・・・・。」
窓から遠くを眺めるスズ。
(何て良い一日だ。)
世界は変わらない。でも自分は変われる。
(絶好のお昼寝日和じゃないか。・・・・・・zzz・・・・・・zzz。)
今までの邪悪さが消えて、まろやかな普通の女の子に慣れた気がするスズは安らかに眠る。
つづく。
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