ESF 楽しい・サイ・ファン

渋谷かな

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「酷い惨状だな。」
「はい。これも全てライト・レフト兄弟という悪党の仕業です。」
「そうです。もう少しでセーラお嬢様も危ない所でした。」
「そうか、許せないな。ライト・レフト兄弟。」
「速やかに悪党を一掃しましょう!」
「そうです! そうです!」
「気持ちは分かるが、その前に町の復興に尽力するのが、私の親衛隊の務めだと思うのだが、親衛隊隊長はどう思う?」
「はは。私の考えが浅はかでした。カトリーヌ・ねこぴょん様の言う通りです。困っている人々を助けるのが先です。すぐに困っている人々の救済と壊れた町の復興に隊を編成して当たります。バッキー、よろしく。」
「はい、お嬢様。」

こうしてカトリーヌ・ねこぴょん様親衛隊は町の復興に尽力するのだった。

「全部、おまえたちが壊したくせに。」
「私たちの飯はまだか!? お腹空いた・・・。」

俺とくまぴょんは奴隷犬らしく、嘆いていた。

「そろそろ、いいんじゃないか?」
「私も、新しい者を生み出そうと思っていた。」
「カトリーヌ・ねこぴょん・・・少しは強くなっただろう。」
「そうだな。魔王のゾンビと魔王の口を倒して得た経験値でレベル20越え。こんな始めの冒険地帯では敵なしの強さだろう。」
「問題は、親衛隊が大きくなっていくのか、小さくなっていくのかだな。」
「サンの町のライト・レフト兄弟の猛攻で約25人戦死。隊員数が125人に低下。親衛隊のレベルも平均5くらいかな? それに比べライト・レフト兄弟の兵士は平均8はある手練れ。総数も200人と、相手の方が多い。劣勢だな。」
「ここで俺たちは、はしごを外す。カトリーヌ・ねこぴょん1人でどうやって、戦うかな。ニヤ。」
「おもしろい見世物が見れる。見物してから去るか?」
「俺は、そこまで悪趣味じゃない。先に領地を占領した者の方が有利なのは当然だ。それを攻略してこそ、カトリーヌ・ねこぴょん様だ。ははは。」
「十分、悪趣味だ。」
「仕方が無いだろう? すべては神の悪戯なのだから。」
「違う。神の手の平で踊っているのだ。」
「どっちでもいいよ。」
「そだね。」

俺とくまぴょんは仲良しさ。俺たちは奴隷犬、奴隷ミジンコをやめて、新たな旅に旅だった。その後のカトリーヌ・ねこぴょん様ご一行がどうなったのかは知らない。

「我々はライトレフト兄弟のアジトに総攻撃をかける! みんな! 私について来い!」
「おお!」
「カトリーヌ・ねこぴょん様が行くなら、私たちも行きます!」
「カトリーヌ・ねこぴょん様は連戦連勝だ!」
「カトリーヌ・ねこぴょん様! 万歳!」

カトリーヌ・ねこぴょん様親衛隊の兵士は、これまでのカトリーヌ・ねこぴょん様の強さを目の当たりにして、絶対の信頼をしていた。カトリーヌ・ねこぴょん様は兵士の憧れであり、希望であった。

「セーラ。」
「はい。カトリーヌ・ねこぴょん様。」
「ライト・レフト兄弟のアジトを攻撃する。奴隷犬を呼んできてくれないか?」
「かしこまりました。」

しかし、奴隷犬こと、俺とくまぴょんはいなかった。

「大変です!? 事件です!? カトリーヌ・ねこぴょん様!?」
「どうした? 騒がしい。」
「奴隷犬がいません!? 2匹ともいないのです!?」
「なんだと!?」

これまで俺のサイコロと、くまぴょんの祈りで勝ってきたカトリーヌ・ねこぴょん様。今頃、俺たちの有難みを実感しているだろう。

「敵襲!? 敵襲です!?」

その時、兵士が慌てた様子で駆け足でやって来た。

「どうした?」
「敵襲です!? ライト・レフト兄弟が奇襲を仕掛けてきました!?」
「なんだと!?」

相手の方が一枚上手だった。こちらが攻めようとして、先に敵に攻められた。カトリーヌ・ねこぴょん様親衛隊は、敵襲を予想していなかったので油断していた。

「ギャア!?」
「ウワア!?」
「火を放て! 殺せ! 殺せ!」
「この町はライト・レフト兄弟の縄張りだ! よそ者がでかい顔してるんじゃないぞ!」

無数の死体が転がった。不意を突かれたカトリーヌ・ねこぴょん様親衛隊は蹂躙された。ライト・レフト兄弟の先制攻撃だけで親衛隊の兵士の半分を失った。

「助けて下さい!? カトリーヌ・ねこぴょん様!?」
「そうだ!? 我々には英雄!? カトリーヌ・ねこぴょん様がいるじゃないか!?」
「カトリーヌ・ねこぴょん様!? いつものように倒してください!?」

絶望の中で親衛隊の兵士は、カトリーヌ・ねこぴょん様に絶対の信頼をしている。兵士たちのカトリーヌ・ねこぴょん様を見る目を見る、カトリーヌ・ねこぴょん様の表情は曇っていた。

「わ、私が戦おう!」
「おお! カトリーヌ・ねこぴょん様が立ち上がったぞ!」
「ライト・レフト兄弟! これでおまえたちも終わりだ!」
「カトリーヌ・ねこぴょん様! 万歳!」

カトリーヌ・ねこぴょん様が立ち上がったことで、カトリーヌ・ねこぴょん様親衛隊の兵士たちの士気が回復した。

「炎の剣! でや! とう! たあ!」

カトリーヌ・ねこぴょん様は剣に炎を宿し、圧倒的な力でライト・レフト兄弟の兵士を3人倒した。

「あれが敵の大将か? 女ではないか?」
「剣の腕はさすがだ。だが・・・こちらの兵力は3倍以上。数で押せば、俺たちの勝ちだ! いけ! 野郎ども!」
「おお!」
「狙うは敵の女魔法剣士だ!」
「生け捕りにしろ!」

ライト・レフト兄弟の言う通りだった。俺とくまぴょんのいない、カトリーヌ・ねこぴょん様など、ただの女と言っても過言ではない。

「どうしたんだ!? いつものカトリーヌ・ねこぴょん様じゃない!?」
「カトリーヌ・ねこぴょん様!? 極大魔法をぶっ放してくださいよ!?」
「まさか!? 我々を見捨てるのですか!?」
「カトリーヌ・ねこぴょん様!?」
「ギャア!?」
「ウワア!?」

親衛隊の兵士も気づいた。自分たちの総大将、カトリーヌ・ねこぴょん様がいつもと違うことに。次第に希望は絶望へと姿を変えていく。

「ここまでだな。カトリーヌ・ねこぴょん様。」
「ちゃっかり私たちは高みの見物してるんだな。」
「惜しいな。ねこぴょんが親衛隊など作らないで、俺たちとパーティーを組んで冒険してくれれば、何の問題も無かったのに・・・。」
「それいいな。今度、想像する時は、何も知らない奴にしよう。ねこぴょんのように強い力を与えると、自分は英雄だ、自分は偉いのだ、と調子に乗るからな。」
「行こうか。勝負の着いた戦場など、見ても悲惨な後処理しかない。」
「そだね。」

俺とくまぴょんは、カトリーヌ・ねこぴょん様の元を去って行った。

つづく。
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