少年少女剣客隊

渋谷かな

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お家へ帰ろう

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「家々の性で、酷い目に合ったわ。殺す。」
「本当に大砲でもぶち込んでやろうかしら。」
「お腹が空いた。もう動けない。」
 ちい、ペリー、楓たちは、江戸城から城下町に帰って来た。
「どうだ? 初めて見た江戸城は? 僕の午前ぞ様たちはすごいだろう! カッカッカ!」
「別に。」
「普通。」
「お腹空いた。」
「楓!」
「あ、桜お姉ちゃんと蛍ちゃんだ。」
 子供たちの前に、楓の保護者の姉、寺子屋の先生の桜と亭主の電気屋を営む蛍が現れた。
「あなたたち、もう暗いんだから早く、お家に帰りなさい。」
「桜お姉ちゃん、お腹空いた。」
「夜道は危ないから、先生がお家まで送ってあげましょう。」
「やったー! 先生と一緒だ!」
 桜と蛍は、子供たちをお家まで送ることにした。

「ここが僕の家でござる。」
「長屋!?」
「元将軍家のはずよね!?」
「しっかりご飯を食べないと大きくなれないよ。」
「長屋で悪いか!? 元って言うな!? 米くらいは食べてるわい!?」
 これが徳川16代将軍の家々のお家であった。
「みんな、家々くんも苦労しているのよ!? そっとしておきましょうね。それじゃあ、また明日、寺子屋でね。」
「はい。先生も気をつけて帰って下さい。」
 こうして家々と別れた一同は、次にペリーの家を目指して歩き出した。
「いい、みんな! 過去の栄光で男を選んじゃダメよ! やっぱり男は甲斐が一番よ! 稼ぎのいい男を選ぶのよ! それが女の幸せなんだから!」
「はい! ちいは桜先生のように幸せになりたいです!」
「家々みたいな落ち武者と結婚する女性が気の毒です!」
「桜お姉ちゃんは、蛍ちゃんと結婚して大成功だね!」
「そうよ。蛍はカッコイイし、元侍だし、なんたって、この江戸の電力は、蛍電気会社が独占販売してるんだから! ワッハッハー!」
 桜の結婚は、実業家として成功した蛍を選んで大成功だった。
「あ、家が見えてきました。」
「協会!?」
「そういえば、ペリーのお父さんは牧師さんよね。」
「そうよ。」
「あれ? 桜先生と蛍さん、どうしたんですか!?」
「あの二人は気にしないで。協会が怖いの。」
 桜は、妹が心配で現世にとどまっている幽霊。蛍は、蛍の集合体。楓が、昔の想い人のおみつ姫の生まれ変わりなので、楓の側にいる。桜と蛍は、神社や神を崇めるスポットには弱い。
「ペリー。おかえり。」
「お父さん。ただいま。」
「放課後に勉強を桜先生に教えてもらっていたら、遅くなってしまったの。」
「うそつき。」
 ペリーの父親が現れる。江戸の教会で宣教師をして、教会で神父さんの仕事をやっている。
「ペリーの父親のザビエルです。娘を送って下さってありがとうございます。良かったら西洋の紅茶などいかがですか? お菓子のクッキーもありますよ。」
「やったー! クッキー!」
「やめなさい!? 楓!? 今日は遅いので失礼します!? 帰るわよ!? 楓!?」
「うぎゃ!? クッキーが!? 楓のクッキー!?」
 桜と蛍は教会に近づくことなく、可及的速やかに挨拶をして去って行く。
「危なかった!? もう少しで成仏させられるところだった!?」
「たまに桜先生はおかしなことを言うわね。」
「だからお姉ちゃんは幽霊だって。」
「ちい!」
「あ、お兄ちゃんだ。」
 一人の男性が現れる。
「帰って来るのが遅いから心配したじゃないか。」
「ごめんなさい。勉強してたら遅くなったので桜先生たちに送ってもらっていたの。」
「すいません。俺はちいの兄のライです。いつも妹がお世話になっています。」
「寺子屋の教師の桜です。あれが旦那の蛍で、妹の楓です。」
「ワンワン。」
 その時、犬の鳴き声がすると子犬がいた。
「かわいいワンちゃんですね。」
「ハチっていうんです。ちいを送ってくれてありがとうございました。」
「それでは、さようなら。また明日ね。」
「桜先生、さようなら。」
 桜先生たちは帰って行った。
「ちい、桜先生って変わっているよね。」
「どうしたの? お兄ちゃん。」
「うちのペットのハチって死んでるだろ。普通の人には見えないんだけどな。」
「そういう時もあるよ。」
 ちいとライも、お家に帰って行った。
 つづく。
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