少年少女剣客隊

渋谷かな

文字の大きさ
22 / 53

15の災い。その6

しおりを挟む
「ねえねえ、ペリー。」
「なに? ちいちゃん。」
「神隠し、虐殺、巨人、ゾンビ、カラスの糞。この中で1番の災いは何?」
「う~ん。カラスの糞かな。」
「そだね。ということは、これからは普通の残酷な災いより、少しライトな災いの方が面白いのね。」
「ゴキブリの大量発生とか、ご飯が無くなってしまうとか、やめて下さい。」
「ご飯が無くなったら楓ちゃんが死んでしまう!?」
「バカなことを申すな! いかに我がご先祖様が天才でも、そのようなゴキブリの大量発生や食糧危機などするはずがないでござる! ワッハッハー!」
「ゴキゴキ。」
 その時だった。江戸の街はゴキブリの大群に襲われた。
「ギャアアア!? 乙女の天敵!? いでよ! 海竜様と火竜様の使い!」
「だから、いきなり呼ばないでよ!? ステーキも食べられないじゃない!?」
「どうした!? 青春でも見つかったか!?」
「ゴキブリを見つけました。」
「ゴキブリ? な、な、ギャアアア!?」
「動く黒いダイヤ!?」
「ゴキブリが、そんなにいいものか!? 海ちゃん、火ちゃん、早く駆除してよ!」
「火加減強めのウェルダンで! ゴキブリステーキの出来上がり! 海竜破!」
「どうして海ちゃんが、私の決めゼリフを言うんだよ。火竜破!」
 竜の使いの2人がゴキブリを攻撃して駆除していく。
「カラスの糞の時のようなヘマはしない! 教会の倉庫から持ってきました。ガトリングガン。連射! スタート!」
 ダダダダダダダダダッと、ペリーのガトリングガンがゴキブリに向けて火を噴く。
「ペリー、あんたの家は教会よね?」
「それが何か?」
「次から次へと、大砲だの、ミサイルだの出てくるけど、お父さんの職業は何?」
「神父。私のお父さんは、今日も神の教えを優しく人々に広めているのです。」
「嘘つき。完全に武器の密売人だろう。」
 ペリーの父親ザビエル。彼のことは災いシリーズが始まって、余計に謎になった。
「楓の蛍光線、発射! あれ? 出ない?」
「楓ちゃん!? 蛍たちがゴキブリに触れたくないと、飛び立つのを拒否している!?」
「そんなことあるの!? 蛍さんたちの弱点が、ゴキブリだったなんて!?」
 楓は驚愕の事実に恐怖を覚えるのであった。
「軟弱者どもめ! この徳川第16代将軍の僕にかかれば、ゴキブリも避けて通るわ! ワッハッハー!」
 これは家々が徳川家の末裔だから、ご先祖様たちから攻撃されないという、特権である。
「ゴキブリが出たくらいで、ガタガタ騒ぐな!」
「桜先生!?」
「だって、私の体は霊体だから、ゴキブリには触れられないもの。」
「でも、体の中を通り抜けしますよ?」
「それは嫌かも。まあ、いいや。席に着け。」
「それはいいのか。」
 子供たちが騒いでいると、桜先生が教室にやって来た。
「もうすぐゴキブリの大群が寺子屋に到着します。自己責任で逃げましょう。それでは、さようなら。」
「桜先生、さようなら。って、それでも、教師か!?」
「だって、ゴキブリ怖いんだもの!?」
 桜先生は一目散に寺子屋から逃げ出した。かわいい生徒たちを残して。
「お困りのようで。」
 その時、1人の男が現れた。
「ご先祖様!?」
「その通り。私は徳川15将軍の一人、第13代将軍、徳川家定である。」
「ご先祖様! いくら15の災いとしても、カラスの糞に続いて、ゴキブリの大群とは、やることがせこ過ぎます!? 見損ないましたぞ!?」
「見損なうな! あれは私が起こした災いではない!」
「なんですと!?」
「ゴキブリの大量発生は、どこかの定食屋が残飯を不法投棄して、それをゴキブリが食べて大繁殖しただけだ!」
 もちろん犯人は、桜先生の友達の癒し女おみっちゃんの働く、ろくろ首の女将さんが営む定食屋である。
「その証拠に見せてやろう。6つ目の災い。明治の街を焼き尽くす! 江戸の業火を!」
 家定は街に火を放った。江戸の街は炎に包まれた。
「ゴキー!?」
 そしてゴキブリの大群も燃やされた。
「家々。それでは、さらばだ! ワッハッハー!」
 家定は寺子屋から去って行った。
「カッコイイ! 僕もご先祖様みたいになりたい! ワッハッハー!」
 家々にとって、ご先祖様は江戸の街を守った英雄であった。
「ゴキブリから助かった!」
「でも、すごい家事だったのね。長屋が全て燃えちゃった。」
「これで明治の近代建築物が新たに建つね。」
 江戸の災いは、明治の新しい日本を作るために役に立った。
 つづく。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

与兵衛長屋つれあい帖 お江戸ふたり暮らし

かずえ
歴史・時代
旧題:ふたり暮らし 長屋シリーズ一作目。 第八回歴史・時代小説大賞で優秀短編賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。 十歳のみつは、十日前に一人親の母を亡くしたばかり。幸い、母の蓄えがあり、自分の裁縫の腕の良さもあって、何とか今まで通り長屋で暮らしていけそうだ。 頼まれた繕い物を届けた帰り、くすんだ着物で座り込んでいる男の子を拾う。 一人で寂しかったみつは、拾った男の子と二人で暮らし始めた。

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある

柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった 王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。 リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。 「わかりました。あなたには、がっかりです」 微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

対米戦、準備せよ!

湖灯
歴史・時代
大本営から特命を受けてサイパン島に視察に訪れた柏原総一郎大尉は、絶体絶命の危機に過去に移動する。 そして21世紀からタイムリーㇷ゚して過去の世界にやって来た、柳生義正と結城薫出会う。 3人は協力して悲惨な負け方をした太平洋戦争に勝つために様々な施策を試みる。 小説家になろうで、先行配信中!

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

処理中です...