剣物語

渋谷かな

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新たな剣

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「キャッハッハ! 剣が折れているだと? 最強のオリハルコンの剣が折れるとは思えねえ。おまえパチモンのオリハルコンの鎧を着て、喜んでるんじゃないぞ。」
「え!? いや!? この鎧は、本物のオリハルコンの鎧なんだ!?」
「まあ、いい。おまえを殺した後に、良くできたオリハルコンの鎧の偽物として、質屋にでも売ってやるよ。」
「クソッ。」
 剣が折れているのに、どうやって、こいつと戦えばいいんだ!?
「いくぞ! パチもの! でやあー!」
「うわあ!?」
「おら! おら! おら! おら!」
 火油が火の剣で僕に襲いかかってくる。僕は避けるだけで精一杯である。せめて剣があれば。剣さえあれば、こんな奴に負けるはずないのに。
「なかなか逃げ足だけは早いな。なら、これならどうだ。火の剣騎士の必殺技、ファイア・ソード・スラッシュ!」
「ギャア!?」
 激しい火の斬撃が僕を襲う。僕は衝撃で吹き飛ばされる。
「ああ~、また殺してしまった。世の中には弱い奴が多過ぎるんだ。さあ、オリハルコンもどきの鎧を回収させてもらおう、か!?」
 僕を火の剣の一撃で殺したと思った火油が近づいてくる。しかし、予想外に生きている僕を見て戸惑う火油。
「う・・・うう・・・。危なかった。もしオリハルコンの鎧を身に着けていなかったら、今頃、死んでいただろう。」
「直撃だぞ!? バカな!? 俺の火の剣の攻撃を受けても、生きているというのか!?」
 傷一つ無いオリハルコンの鎧。さすが剣騎士の最強のナイト・アーマーである。
「あいつに勝つためには剣が必要だ。俺の剣、新しい俺だけの剣が。」 
 僕は姫の言葉を思い出していた。
「良い剣、悪い剣。「純粋な剣」「純粋な心」「世界に平和をもたらす剣」「人々を笑顔にする剣」。逆に「邪悪な剣」「邪悪な心」「世界を暗闇で覆う剣」「人々を泣かす剣」剣には、色々な剣がある。」
「人は誰でも心に剣を持っている。選べ。戦うか、戦わないかは、自分で決めろ。」
 姫の言葉は、僕に力を与えてくれる。僕に戦う勇気を与えてくれる。僕の夢は、毎日、平凡に平和に暮らすことだ。そのために僕の平和を脅かす者は戦って倒さなければいけない。僕の心に新しい剣が生まれる。
「見える! 見えるぞ! 俺の心に剣がある!」
 諦めない僕の心の中に剣があるのが見える。僕は心の剣に手を伸ばし、剣を掴むと自分の心から引き抜いた。
「オリハルコンの鎧が変化していく!?」
 剣から放たれた輝きがオリハルコンの鎧を新しい鎧に変えていく。僕の夢を叶える新しい騎士の鎧、夢のナイト・アーマーに変化する。折れたオリハルコンの剣も新しい剣に生まれ変わった。
「これが俺の剣だ!」
 俺の手には俺の剣、夢の剣があった。
「新しい剣が!? いったいどこから!? まあ、そんなことはどうでもいい。こうなったら鎧の関節部部から体を切り刻んで殺してやる。」
「こい! 火油! 現実の世界ではいじめられても、ゲームの世界では俺は負けない! この世界では、俺の夢が最強なんだ!」
 平和を願う救世主の戦いが始まる。
 つづく。
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