剣物語

渋谷かな

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影たち

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「カエン、ウスイ、ヒムロ、ハヤテ、ミヤゲ。おまえたちの死は無駄にはしない。必ず俺が姫を助け出してみせる。」
 救世主様は、姫の元にあと一歩という所にたどり着く。
「うわああああああー!?」
 一人の剣騎士が吹き飛ばされる。向かいには四人の剣騎士がいる。
「こ、これは!? おい!? 大丈夫か!?」
「あなたは救世主様!? 私は姫を守る剣騎士の一人、雷の剣騎士シデン。逃げろ! 逃げるんだ!」
「へっへっへ。新手の登場だぜ。」
「あれは救世主と呼ばれている剣騎士だ。」
「今度は俺に戦わせろよ。」
「おまえたちは何者なんだ!?」
「無の剣騎士、ナッシングのナクス。」
「魔の剣騎士、デビルのクロマ。」
「終の剣騎士、エンドのシュウ。」
「毒の剣騎士、ポイズンのソコナ。」
「我々は、あのお方にお仕えする剣騎士だ。」
 現れたのは、あのお方の配下の剣騎士4人だった。
「おまえたち卑怯だぞ! 四人で一人をいたぶるなんて、騎士道精神はないのか!?」
「ち、違う。」
「なに?」
「私は、たった一人の剣騎士に負けたんだ。」
「なんだって!?」
「逃げろ!? 救世主様!? こいつらには勝てない!?」
「逃がす訳ないだろう。」
「今度は俺に戦わせろ。」
「いや、俺が戦う。」
「どうでもいいが、死にぞこないが、まだ戦うつもりだぞ。」
 雷の剣騎士シデンが、最後の力を降りしきって戦おうとする。
「見てるがいい。救世主様。そしてあいつらの強さを理解したなら、逃げろ! 唸れ! 稲妻! 光れ! 雷鳴! サンダ―・アタック!」
 シデンが雷で相手を攻撃する。
「全てを無に。オール・ナッシング!」
 無の剣騎士ナクスは、雷を全てを無くす力によって発生した無に吸い込まれて消えてしまう。
「雷が消えた!? なんだ!? 今の何も存在しない所から現れたものは!?」
「あれは無だ。無の前には、どんな攻撃も通用しないんだ。」
「そして、あなたの絶望に悪魔が忍び寄る、と。デビル・ロア!」
「ギャア!?」
「シデンに何をした!?」
「我々にビビって心に隙が見えたので、ちょっと洗脳しただけですよ。これでもう、こいつは動けないので、我々に反抗しようとは思わないでしょう。ケッケッケ。」
「なんだって!?」
「そして俺の一撃は、生きとし生ける者に終わりをもたらす。最後の一撃! ラスト・ブロー!」
「グワア!?」 
 終の剣騎士シュウの終の剣が、シデンの体を突き刺す。
「これで終わりだ。次は救世主、おまえの番だ。」
「しっかりしてください。シュウ。もう、ここには敵の剣騎士はいませんよ。」
「なに!? これは!? いったい!?」
 シュウが周囲を見渡しても、救世主様と雷の剣騎士シデンの姿は無かった。
「何者かが、我々四人に幻覚を見せたのでしょう。」
「バカな!? 我々四人に同時に幻を見せるなどできるものか!?」
「これが救世主の力なのか、それとも他に強大な力を持つ者がいるのかは分かりませんが、雷の剣騎士に俺の毒に侵してあるので、そお遠くには逃げることはできないでしょう。」
「ここは敵地だ。油断するなということだ。」
 あのお方の四人の剣騎士たちは気を引き締めるのだった。

「ここは!?」
 救世主様は、気がつけば、城の中にいた。
「姫!?」
「・・・・・・。」
 救世主様は、姫との再会を果たすのだった。
 つづく。
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