剣物語

渋谷かな

文字の大きさ
64 / 78

燃やし尽くせない愛

しおりを挟む
「いくぞ! カエン! でしゃばったことを後悔するがいい! これが俺の最大の必殺技! ダーク&ダークだ!」
「なんだ!? 私の中から闇が生まれてくる!? うわあああー!?」
「落ちろ! 暗黒の世界に!」
 カエンは、クライの必殺技で闇に呑み込まれてしまった。

「ここは? どこだ?」
 カエンは闇の世界に閉じ込められていた。
「闇の世界よ。」
「その声は・・・フェニックス!」
 闇の世界に閉じ込められたカエンの前に、フェニックスの少女が現れる。
「また会えたわね。カエン。」
「ああ、私は約束を守る男だから。」
 見つめ合うカエンとフェニックス。二人の間には、信頼のような愛情が芽生えていた。
「カエン。炎を出してみて。」
「分かった。ファイヤー・フレイム。んん!? なぜだ!? 炎が出ない!?」
 闇の世界では、カエンは炎が出せなかった。
「この世界は、闇の剣騎士クライが作り出した闇の世界。炎だけでなく、光や水も出すことはできない閉鎖された暗黒空間です。」
「なら、どうすればいい!? 私は、この闇から抜け出し、世界の平和のために邪悪なる者を倒さなければいけない。教えてくれ! フェニックス! どうすれば、この闇の世界から脱出できるのか!?」
「炎を出せないのなら、生み出せばいいのです。愛を。」
 寄り添い惹かれ合うカエンとフェニックスは、闇の世界で新しい炎を生み出す。

「城の中に入った救世主様を追うとするか。」
 クライは、カエンを倒し、イビル・キャッスルに入った救世主様の後を追おうとする。
「どこへ行く? 勝負は、まだ終わっていないぞ!」
「なんだと!?」
 カエンが闇を焼き尽くし、その炎の中から現れた。
「なんだ!? そのナイト・ソード・アーマーは!?」
「これは炎の精霊サラマンダーの剣騎士の鎧だ。」
「サラマンダーだと!?」
 闇の中から現れたカエンは、炎の精霊サラマンダーの剣騎士の鎧を装着していた。
「クライ! おまえの闇がどれだけ深くても、私の炎を燃やし尽くすことはできないのだ!」
「なんだと!? この闇損ないが!? もう一度、闇の世界に落としてやる!」
「もう、おまえの闇は見切った。私には通用しないぞ。」
「出まかせを言うな! ちょっとソード・ナイト・アーマーが格上げになったぐらいで調子に乗るな!」
「いいだろう。この世界は剣が全て。剣が最強。剣で勝負をつけてやる!」
「望むところだ!」
 カエンとクライは、剣を構え必殺技の構えに入る。
「燃えろ! 炎の蜥蜴! サラマンダー・ソード・スラッシュ!」
「目覚めることのない闇に落ちろ! ダーク・ソード・スラッシュ!」
 炎と闇の必殺の一撃がぶつかり合う。
「ダメだ!? クライの闇に押されてしまう!?」
「何が炎の精霊だ! 私の闇を燃やしきる程ではないわ!」
「カエン。」
 その時、カエンにはフェニックスの声が聞こえる。
「フェニックス。」
「あなたと私の炎は、決して消えることは無いから。」
「うおおおおおー!!!」
 フェニックスに励まされたカエンの剣気が燃え盛っていく。 
「カエンのソード・フォースが上昇していく!? バカな!? カエンのどこに、これだけの剣気があるというのだ!?」
「燃えろ! 私の炎! 全ての闇を燃やし尽くせ! 邪悪なる者を倒すために!」
「このカエンの炎は・・・フェニックス!? フェニックスだと!? ギャアアアー!?」
 クライには炎の中に不死鳥フェニックスを見た。カエンの炎がクライの闇を焼き尽くし、闇の剣騎士を倒した。
「少し、疲れたな。」
 そのまま力尽きたカエンは深い眠りについた。
「眠りなさい。カエン。そして不死鳥の様に目覚めるのです。」
 カエンを見守るフェニックスであった。
 つづく。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

はじめまして、私の知らない婚約者様

有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。 見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。 けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。 ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。 けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。 この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。 悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに? ※他サイトにも掲載しています。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

【完結】あなたに知られたくなかった

ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。 5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。 そんなセレナに起きた奇跡とは?

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

【1話完結】あなたの恋人は毎夜わたしのベッドで寝てますよ。

ariya
ファンタジー
ソフィア・ラテットは、婚約者アレックスから疎まれていた。 彼の傍らには、いつも愛らしい恋人リリアンヌ。 婚約者の立場として注意しても、アレックスは聞く耳を持たない。 そして迎えた学園卒業パーティー。 ソフィアは公衆の面前で婚約破棄を言い渡される。 ガッツポーズを決めるリリアンヌ。 そのままアレックスに飛び込むかと思いきや―― 彼女が抱きついた先は、ソフィアだった。

処理中です...