剣物語

渋谷かな

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冷たい愛

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「バカな!? 確かにヒムロは無にしたはず!? どうして奴の声が聞こえてくるだ!?」
 存在を無にした氷の剣騎士ヒムロの声が聞こえてくることに、無の剣騎士ナクスは戸惑うのであった。
「例え、おまえの能力が全てを無にできる能力であっても、この氷の結晶一つ一つが私だ。私の氷の全てを無にすることは、誰にもできないのだ。」
 そして氷の結晶は一つにまとまり人の姿を形成し、ヒムロが姿を現わす。
「なんだ!? そのソード・ナイト・アーマーは!? さっきまでのヒムロの凍気の倍!? いや!? それ以上の凍気だ!?」
「これは氷狼フェンリルの剣騎士の鎧だ。もうおまえに勝ち目はない。ナクス、おまえに勝ちは無いのだ。」
「何を!?」
 氷狼フェンリルの剣騎士の鎧を身にまとったヒムロから常に吹雪が吹雪いている。
「全てを無にしてきた、おまえには分かるまい。人は何も無い所から、新しいものを生み出していくんだ。愛の様にな!」
 ヒムロは、フェンリルの剣を構え、必殺技を放つ体制に入る。
「何だ!? ヒムロの後ろに複数の女の影が見える!?」
 ナクスの目に見えたのは、ヒムロを愛情で支える雪の女王スノークイーン、氷の女王アイスクイーン、地獄の女王ヘルクイーンの三位一体の姿である。
「無くせるものなら無くしてみろ! 無くすものを凍らせる一撃! フェンリル・ソード・スラッシュ!」
「たかが氷なんかに負けてたまるか!? 邪悪剣騎士に負けは許されないのだ! ナッシング・ソード・スラッシュ!」
 ヒムロとナクスの必殺技がぶつかり合う。
「私は約束したんだ! この世界を平和にして、雪女の元に帰ると! うおおおおおー!」
「バカな!? 無が!? 俺の無が!? ギャアアアー!?」
 全てを無に消し去るナクスを、氷狼フェンリルの剣騎士の鎧を身にまとったヒムロの氷の剣気と、愛という無から新しいものを生み出した力が、無の剣騎士ナクをス倒す。
「私の勝ちだ。まったく冷たい愛だ。」
 ヒムロは、ナクスを倒したので、救世主様の後を追おうとする。
「ク・・・クソッ・・・邪悪な剣騎士に・・・敗北は・・・許されない。」
 ナクスは虫の息だが辛うじて生きていた。
「ヒムロ・・・フェンリルの剣騎士の鎧に守られた・・・おまえの存在を消すことはできないのだろう・・・だが、おまえの闘志だけは・・・無くさせてもらう! ファイト・ナッシング。」
 最後の力を振り絞りナクスが、ヒムロの背後から襲い掛かる。
「なんだ!? 急に体に力が入らない!? う、う!?」
 ヒムロは地面に倒れ込み意識を失う。
「これで俺も無になれる。」
 ナクスも力尽きて意識を失った。
「どうして? 男って、倒れるまで戦うんだろう?」
 ヒムロとナクスが倒れ戦いが終わった所に、一人の剣騎士が現れるのだった。
 つづく。
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