最強の歯科助手、みなみちゃん4

渋谷かな

文字の大きさ
22 / 48

4-4

しおりを挟む
「久しぶりに第1話を読んだわ。」
美代先生は忙しい激務なので、過去作を読み返す暇がない。この物語は、基本的に作者の記憶力だけで書かれている。
「鴨葱の歌も懐かしいな。」
「歯からチョコキノコが生えているは、インパクトがありましたね。」
みなみちゃんも、もう過去作のことは、そんなに覚えていない。
「キュル。」
まだパンパンすら出ていなかった。
「やっぱり医者ものは、患者を変えれば適当でも物語が1話書けるのが楽でいいね。」
「そうですね。綾ちゃんなんか忘れてました。」
「細菌娘か、元気にしてるかな?」
「・・・。」
美代先生とみなみちゃんの顔が青ざめる。
「閉鎖だ!? みなみちゃん早く玄関を閉めて!?」
「はい!? 先生!?」
「どうして、うちには変な客しか来ないんだ!?」
それは、ラノベだから。また従業員が変な客と思っても、お客様であることには変わりない。ほぼ90%は変な人間がお金を落として売り上げは成り立っている。
「せ、先生・・・。」
「どうした!? みなみちゃん!?」
「て、手遅れです。」
美代歯科医院の入り口から、4人の女の子が入ってくる。
「最近娘!?」
「誰が細菌娘よ! 元々は私の話の番外編から生まれたくせに!」
アイデアやネ申とは、突然に降臨されるものであり、必然は無い。降臨されるために努力を重ねるしかない。
「なにを!? 野菜防衛隊は1で終わったが、みなみちゃんは今回で4までつづいているんだぞ!? すごいだろ!?」
美代先生も女子高生の細菌娘を相手にムキになって言い返す。
「ギギギギギ!」
目から光線を出して見つめ合う歯科医師と女子高生。
「で、綾ちゃんは何しに来たの? 学校はいいの?」
「いいのだ! 今は冬休み! 歯が痛いの。見てほしいのだ。」
細菌娘の女子高生の名前は綾ちゃん。
「毎日、冬休みのクセに。」
「なにを!? 三流歯科医師!」
「ギギギギギ!」
美代先生と綾は仲良しであった。
「はいはい。綾ちゃん、問診票を書いて。」
「はい。」
綾は問診票に名前を書く。
「綾野綾? 私の南野みなみと似た感じだね。」
「みなみちゃん、南野さんだったんだ。」
「綾ちゃんは、綾野さん。」
「キャハハハハ!」
妙な所で共鳴する仲良しな歯科助手と細菌娘。
「それにしても今日は友達3人は静かね。」
「作者が名前を忘れたんだって。」
過去作を読み返してこなければ。ただ10万字あるので、かなり時間がかかってしまう・・・。通勤・通学の合間に読んでほしい。

「第2話を読んだけど、まだ友達の名前が出てこないね。」
社会人は自由になる時間が少ないので、ネット小説でも、読むと書けない。書くと読めない悪循環である。どちらかに絞るとどちらかが死んでしまうのだ。厳しい・・・。
「美代先生、あと9万字あるから、そのうち出てきますよ。」
「9万字か・・・やだ。」
美代先生は読書など面倒臭いことは嫌いな、今時の30才前後の女性である。
「今回で6万字追加されるから、合計16万字の超大作になりますよ。」
「キュル。」
みなみちゃんとパンパンはいやらしそうな顔で笑いながら言う。
「16万字!? ・・・疲れた。綾ちゃんの相手はよろしくね。」
そういうと美代先生は休憩室に去って行く。仕事を従業員に丸投げする悪徳コンビニ店長ならぬ、歯科助手のみなみちゃんに丸投げする悪徳歯科医師なのだった。
「ガーン!? そんな!?」
「キュル!?」
パンダも思わず驚いた。
「まあ、いつものことです。」
「キュル。」
普段通りなので、みなみちゃんとパンパンは諦めている。一般の大人の社会人が上司、年上、先輩に思う理不尽だな~と共感していることだろう。
「それでは綾ちゃん、診察室にご案内します。」
「は~い。」
どこか楽しそうな、綾ちゃん。昔は嫌いだった歯医者さん。特にギギギギッという歯を削る音。
「歯医者さん楽しいな~。」
しかし今では美代先生とみなみちゃんとパンパンとも親しくなり、嫌いな歯医者さんが好きになっているのであった。
「美代先生は後でとっちめてやる!」
「キュル!」
会社でも嫌な人が休みでいないと、何も変わらないオフィスでも、今日は1日幸せを感じられ、スムーズに仕事が進み結果も良いのである。社会人として大人の対応、接し方ができない人は、周りの全員が辞めてほしいと思っている。

「はい、綾ちゃん。お口を開けて下さい。」
綾は診察室で診察台の上に座り、リクライニングのイスを倒され横になり、歯科助手のみなみちゃんが口の中を覗き込む。
「また虫歯ランドができてますね。」
虫歯ランドとは、綾の口の中にだけできる細菌のための夢の国である。年間入場細菌数は1兆以上である。
「では、治療を始めます。」
気が付けば字数が1900字なので割愛する。
「みなみ、いきます!」
この掛け声で治療が始まる。
「クリーニング波動砲!」
最強の歯科助手みなみちゃんの一瞬で歯を真っ白にする必殺技である。尺が無く苦しい時にアイデアとは生まれるものである。
「終わりましたよ。」
「わ~い! 真っ白! ありがとう! みなみちゃん!」
歯が痛くて暗い顔をしていた女子高生の女の子に笑顔が戻った。
「どういたしまして。」
「キュル。」
仕事にやりがいと充実感を感じる歯科助手とパンダ。

その後の美代先生。
「ない!? ない!? 私の買いだめしていたカップラーメンがない!?」
もちろん美代先生のカップラーメンはみなみちゃんが自宅に持ち帰ったのだった。

つづく。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

つまらない妃と呼ばれた日

柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。 舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。 さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。 リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。 ――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある

柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった 王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。 リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。 「わかりました。あなたには、がっかりです」 微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】

星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。 だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。 しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。 王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。 そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。 地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。 ⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。

婚約破棄の代償

nanahi
恋愛
「あの子を放って置けないんだ。ごめん。婚約はなかったことにしてほしい」 ある日突然、侯爵令嬢エバンジェリンは婚約者アダムスに一方的に婚約破棄される。破局に追い込んだのは婚約者の幼馴染メアリという平民の儚げな娘だった。 エバンジェリンを差し置いてアダムスとメアリはひと時の幸せに酔うが、婚約破棄の代償は想像以上に大きかった。

処理中です...