汚れ無き純粋な瞳の平凡な日常。2 魔法少女育成編

渋谷かな

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次鋒、虹子

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 ここは魔法高校剣道東京大会の会場の日本武道館。
「シミとしわの無い生活って、最高! 見て! この肌の張り! 水をはじくのよ! 信じられない! もっと早くに若返りの薬を作っておくんだったわ。キャハハハハハ!」
 客席でミレミレはよっぽど嬉しかったのだろう。16才の自分に酔っていた。
「カメラ小僧たちは剣道の試合でも、盗撮やポロリ目的にやってくるんだな。まあ、私たちが美しいのは当然だがな。だって私はヒロイン勇者だから。」
 ほぼ5才位しか若返っていないメロメロの美貌は、そんなに変わらなかった。
「恋は見た目の美しさが全てなんですね。私も家に帰ったら恋たちにエステを受けさせます。きれいな恋にするんです。」
 コイコイの言っているのは恋ではなく、鯉の話である。
「私もドキ子さんみたいに、優しくてきれいな素敵な女性になれるかな?」
 まだ中学生の純粋なキコキコは、どこで道を踏み外したのか、ドキ子をリスペクトしている。
「あいつらは何しに来たんだ?」
「純粋に剣道の試合を見に来たようには思えないんだが。」
「関わらないのが一番だ。」
 魔法恵比寿高校の恵三姉妹は、ドキ子軍団の4人を不審者の様に見ている。
「決勝戦まで何試合あるんだっけ?」
「魔法高校剣道東京大会は、東京23区の23校のトーナメント制で、1回戦の突破が12チーム。1チームは奇数だから不戦勝だな。2回戦で6チーム。準々決勝で2チーム。準決勝で2チーム、で、決勝戦で優勝する高校が決まるというわけだ。」
「多いチームは5試合か。」
「少ないチームは3試合で優勝できる。ちょっと不平等だな。」
「どこの高校が1回戦免除かな?」
 恵三姉妹はトーナメント表を見る。
「ゲゲッ!? 渋谷高校!?」
「なんて悪運の強い連中だ。」
 魔法渋谷高校剣道部は、1回戦は戦わないで済んだ。
「司くん。恵、お寿司が食べたいな。」
「おいおい、俺に共食いさせる気かよ?」
「はははっ。本当だね。」
 海老原恵と寿司はイチャイチャしていた。
「でもお寿司だと恵も共食いだぞ。」
「どうして?」
「エビの握り寿司があるから。」
「あ、そっか。私の名字は海老原だった。」
「キャハハハハハ!」
 剣道会場でイチャイチャする珍しいカップルであった。
「ドカーン!!!」
 その時、日本武道館の壁に大きな穴が開いた。
「なんだ!?」
「怖い!? 司くん!?」
 どさくさに抱きしめ合う恵と司であった。
「ごめん。手元が狂ったわ。か弱い女の子に電子レンジは重たいのよね。」
 魔法世田谷高校と魔法新宿高校の次鋒戦。新宿高校剣道部員Aに向けて放った、虹子のマイクロウェーブ破が軌道を逸れて、日本武道館の壁に命中したのだった。
「ま、参りました。ヒエエエエエー!? 殺される!?」
「もう、お終いなの? 寂しいな。」
 新宿高校剣道部員Aは逃げ出した。
「それまで。魔法世田谷高校の勝ち。」
 審判が魔法世田谷高校の勝利を宣言する。
「わざと命中させないように魔法を撃つのって難しいのよね。」
「虹子、お疲れ様。」
「もうそろそろ降参するんじゃない? かなりビビってるし。」
 虹子は自軍に帰ってきた。チームメンバーが出迎える。
「ブルブル!? ガクガク!?」
 新宿高校剣道部員たちは、化け物を相手しているみたいに震えていた。
「聞いたことがある。昔、内乱の日本でお金持ちのお嬢様がヤクザやヤンキー、無職引きこもり、生活保護者に襲われて行方不明になり、商店街のパン屋さんに拾われたと。そして、そのお嬢様は優しいパン屋の夫婦には太陽の陽子と呼ばれ、パン屋の娘には嫉妬からいじめを受けて、雨子と呼ばれ、最終的に虹子に落ち着いたという話を。それが、あの青山虹子よ!」
「なんですって!?」
 恐るべし、魔法少女青山虹子。
 つづく。
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