汚れ無き純粋な瞳の平凡な日常。2 魔法少女育成編

渋谷かな

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第16魔法少女、マオ

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 ここは魔法高校剣道東京大会が行われている日本武道館。
「いや~虹子は強いな!」
「マイクロウェーブ破がある限り無敵ですね。」
 勝者には下手に出るマオと夜虎。
「あんたたち、性格が悪いとファンができないわよ。」
「ギク!?」
「グサ!?」
 虹子はマオと夜虎に釘を刺す。。
「その通り。人々は夢と希望がある所に集まって来るんだから。コロコロ相手によって態度を変えている姿を第3者は見ているからな。そんなことをやっているから謎の剣道部員AB扱いをされるんだ。」
「とどめや!? マリコがうちを殺そうとする!?」
「マリコ様!? ご慈悲を!? 同じ通行人の女の子じゃないですか!?」
 間リコの言葉にマオと夜虎は生命の危機を感じる。
「私は明日のパンの仕込みをしてくるわね。」
「虹子、勝ってくれてありがとう。」
 個人主義ではあるが、主将のリコと虹子には強者の仲間意識がある。
「中堅は、マオ、よろしく頼むわよ。」
「おお! 任せとけ! やっとうちの出番やで!」
 魔法世田谷高校の中堅は、川田マオ。決勝戦で、やっとの出番である。
「その前に、大好きなあんこを食べて、体力回復や! おいしいな~、あんこちゃん。」
 マオの好きな食べ物は、あんこ。常にあんこの缶詰か、あんこのチューブを持ち歩いている。
「なんか私と同じ扱われ方をしているのが、なんとなく分かってきましたよ。」
「分かってもらえて、嬉しいような。嬉しくない様な。」
 夜虎とマオは、主役であるが主役になり切れないキャラクターの扱いを受けてきた。
「まあ、ええわ。聞いてくれるか、うちの悲劇的生活を。」
 マオは自分のこれまでの人生を語り始めた。
「うちは普通の女子高生として平凡な日常を送っていた。ある時、ネットゲームをしていたらゲームの世界にタイムスリップ。その世界は異世界ファンタジーな世界で、うちは、そこで主のメイドとして生活することになったんや。」
「ゲームの世界に異世界転生は、ストーリーとしては普通ですね。」
 普通に実写ドラマ化されそうなレベルの普通の話を聞いている夜虎は、盛り上がらないマオの話に退屈している。
「あほ! 本題はここからや。」
「ほえ~?」
「ゲームの世界にはメイドのボスで、婦長という恐ろしい叔母はんがいて、わては偉い目にあう。この異世界の特徴は、異世界で習得したスキルは、現実世界でも使えるということや。」
「おお!? 夢のスキルじゃないですか!?」
 夜虎は、マオの話に夢やロマンを感じる。
「ちゃうちゃう! ちゃうで! うちは婦長に食器洗いやアイロンかけなど、つまらんスキルばっかり学ばされて、全くおもしろくなかった。」
「そうかな? 良い花嫁修業と思いますよ。」
「なんでゲームで花嫁修業をせなあかんねん!?」
 確かに変な恋愛小説になってしまう。
「ある日、婦長が持病のギックリ腰になってしまい、うちは婦長代理になった。婦長の代わりに恐竜と戦ったり、アルプスの山奥まで宅配ものを届けたり、うちは婦長代理として、毎日、全身傷だらけの日々を過ごしたんや。必死のパッチやで!」
「すごい! 婦長代理になれたんだ。良かったね。」
 夜虎は、マオの努力と苦労の話に感銘を受ける。
「でも、この話にはオチがあって、ゲームの世界で習得したスキルを現実世界で使えるように、ゲームの世界で得たダメージも、現実世界に引き継ぐということや。おかげでうちは入退院を繰り返す、不幸を呼ぶ女と世間から哀れる日常やで。可哀そうやろ?」
「オチをつけるのが関西人ポイね。」
「まあな。関西はお笑いの王国やからな。ワッハッハー! 今度2人で漫才コンテストに出ようや?」
「それは断る。」
 マオと夜虎は少しだけ仲良くなった。
 つづく。
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