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夕月の復讐
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音雨との幸せな日々を送っていると思っていた。
一緒に食事をし、外に出て街を歩き、お酒を飲んで語り合う。そんな幸せな日々はずっと続いてくれるのかな…夕月が去って一ヶ月が経ち、ほとんどの人が忘れている頃だろう。早く結婚しないと元に戻れないのかも…!
「お久しぶり。新蘭。元気だった?」
後ろを振り向くと、腕を組んで立っている夕月だった。
「何の目的でここに?あなたは追い出された身だよ?死罪になってもいいの?」
ふっと笑って、
「構わない。」
と言った。その笑顔には、恨みや憎しみに満ちていた。
きっと誰もいないこの時間を狙ったんだ。音雨は、
この時間はいつも話し合っている。葉葉は、服を畳んでしまっているこの時間を…
「それより何でここに?」
大体はわかるけど、死罪になってまですること?
「あんたには分かるはず無いわ。良い?私はここであんたを殺す!そして音雨の妻となる!」
「どうやって⁉︎」
夕月はフッと笑って、
「さぁね。じゃあまた。」
やっぱり元の世界にも…音雨とも…全部解決出来ないかも…
葉葉が明るい笑顔で戻ってきた。葉葉の笑顔を見るだけで幸せになれる。
「新蘭様、お話しが…」
なんだろう…辞めるとか?
「えっと内容は?」
葉葉が唾を飲み込む。
「その…私の母上が病気で寝込んでおりまして、
一度、様子を見に行きたくて…でも、そうしたら
お仕えする方がいなくなるし…」
つうっと涙が流れていた。
そっか…葉葉は妹と弟がいたけど、殺されて葉葉しかいないんだ…
「私なんて気にしなくていいの。お母さんに会いに行ってあげて。そして、元気になられたら帰ってきて。」
「ありがとうございます!」
~
葉葉がいなくなってから1週間か…特に何も起きなかったのが1番辛いんだな。夕月は何もしてこないし…はぁ。ん?こんなとこに蜘蛛が…最近掃除してこなかったからかな。掃除するか。
そっと手を伸ばした瞬間…
「痛っ!」
蜘蛛に噛まれるなんて。そういえば朝の蜘蛛って良いんだっけ。じゃあほっとこ。
~昼頃~
昼ごはん食べる気も起きないし、布団で寝転がっててもダメだな!外に出て久しぶりに、つっ!何これ…
頭がクラクラする。それに、手が真っ赤…病気?
でも、もう動けない…
スタスタスタ…
足音、誰か来てくれたんだ…助けて…
「あの音雲様、音雨様が」
「あぁ。分かった今行く。」
えっ…嘘…どうしたら自力で動くしか…うっ!前が見えない。どうしたら…
「おい!新蘭!大丈夫か⁉︎」
誰…あぁ…音雲か。やっぱり音雨は助けてくれない。
でもこのまま死ぬのかな。死にたくないな。
お母さんにも、反抗期で謝ったことが1度もなかったのにな。謝りたいそして大好きだと伝えたい…
薄れゆく意識の中で音雲が私を呼ぶ声が聞こえた。
~夕月ver.~
どうして私がこんな目に遭わなくちゃいけないのよ!
絶対に新蘭を辛い目に合わせてやる!
「いい?新蘭が寝ている間に毒蜘蛛を放つのよ。」
あとは結果を待つだけ。フッ。これで誰が助けるかによって、恋愛事情も変わってくるわね。
でも…音雨の見る目は興味はないけど、優しくしたいという目だった。私は、どうすれば良かったのかしら。確かに音雲が大好きだった。でも日に日に、私には興味を示さなくなった。ある日新蘭という人が来た時、音雨も音雲も温かい目で見つめていた。
武術が出来る新蘭は、音雲と武術の稽古をして、それを音雨が見て嫉妬して…羨ましかった。
音雲ver.
音雨と新蘭がいるのを見ると、羨ましく感じた。
料理を作ったり、勉学を教えているのを見ると自分は夕月としていることに違和感を覚えるようになった。
確かに新蘭達も外に出かける。でも、夕月は俺が話し合ったり本を読んだらしているときでも、外に出掛けたいという。そんな夕月とは一緒にいたいと思わなくなった…ある日、新蘭が武術の稽古をして欲しいと頼んできた時は奇跡だと思った。それを見て嫉妬する
音雨に優しく声をかける新蘭、俺もそんなふうになりたかった。夕月は、音雨に話しかけるようになった。
確かに顔が似ているからってそんなこと良いのか…
新蘭は自分で違いを見せつけ、音雨に信じてもらった。夕月は、追放されたが、たぶん戻ってくるだろうな。新蘭に会っても良いだろうか。武術の稽古をしようと話しかければ…
「音雲様。音雨様が…」
「なんだ。」
「えっと…やっぱりなんでもありません。」
なんなんだ。新蘭に会いに行こう。扉を開けると新蘭が倒れていた。
「大丈夫かおい!新蘭!」
~end~
一緒に食事をし、外に出て街を歩き、お酒を飲んで語り合う。そんな幸せな日々はずっと続いてくれるのかな…夕月が去って一ヶ月が経ち、ほとんどの人が忘れている頃だろう。早く結婚しないと元に戻れないのかも…!
「お久しぶり。新蘭。元気だった?」
後ろを振り向くと、腕を組んで立っている夕月だった。
「何の目的でここに?あなたは追い出された身だよ?死罪になってもいいの?」
ふっと笑って、
「構わない。」
と言った。その笑顔には、恨みや憎しみに満ちていた。
きっと誰もいないこの時間を狙ったんだ。音雨は、
この時間はいつも話し合っている。葉葉は、服を畳んでしまっているこの時間を…
「それより何でここに?」
大体はわかるけど、死罪になってまですること?
「あんたには分かるはず無いわ。良い?私はここであんたを殺す!そして音雨の妻となる!」
「どうやって⁉︎」
夕月はフッと笑って、
「さぁね。じゃあまた。」
やっぱり元の世界にも…音雨とも…全部解決出来ないかも…
葉葉が明るい笑顔で戻ってきた。葉葉の笑顔を見るだけで幸せになれる。
「新蘭様、お話しが…」
なんだろう…辞めるとか?
「えっと内容は?」
葉葉が唾を飲み込む。
「その…私の母上が病気で寝込んでおりまして、
一度、様子を見に行きたくて…でも、そうしたら
お仕えする方がいなくなるし…」
つうっと涙が流れていた。
そっか…葉葉は妹と弟がいたけど、殺されて葉葉しかいないんだ…
「私なんて気にしなくていいの。お母さんに会いに行ってあげて。そして、元気になられたら帰ってきて。」
「ありがとうございます!」
~
葉葉がいなくなってから1週間か…特に何も起きなかったのが1番辛いんだな。夕月は何もしてこないし…はぁ。ん?こんなとこに蜘蛛が…最近掃除してこなかったからかな。掃除するか。
そっと手を伸ばした瞬間…
「痛っ!」
蜘蛛に噛まれるなんて。そういえば朝の蜘蛛って良いんだっけ。じゃあほっとこ。
~昼頃~
昼ごはん食べる気も起きないし、布団で寝転がっててもダメだな!外に出て久しぶりに、つっ!何これ…
頭がクラクラする。それに、手が真っ赤…病気?
でも、もう動けない…
スタスタスタ…
足音、誰か来てくれたんだ…助けて…
「あの音雲様、音雨様が」
「あぁ。分かった今行く。」
えっ…嘘…どうしたら自力で動くしか…うっ!前が見えない。どうしたら…
「おい!新蘭!大丈夫か⁉︎」
誰…あぁ…音雲か。やっぱり音雨は助けてくれない。
でもこのまま死ぬのかな。死にたくないな。
お母さんにも、反抗期で謝ったことが1度もなかったのにな。謝りたいそして大好きだと伝えたい…
薄れゆく意識の中で音雲が私を呼ぶ声が聞こえた。
~夕月ver.~
どうして私がこんな目に遭わなくちゃいけないのよ!
絶対に新蘭を辛い目に合わせてやる!
「いい?新蘭が寝ている間に毒蜘蛛を放つのよ。」
あとは結果を待つだけ。フッ。これで誰が助けるかによって、恋愛事情も変わってくるわね。
でも…音雨の見る目は興味はないけど、優しくしたいという目だった。私は、どうすれば良かったのかしら。確かに音雲が大好きだった。でも日に日に、私には興味を示さなくなった。ある日新蘭という人が来た時、音雨も音雲も温かい目で見つめていた。
武術が出来る新蘭は、音雲と武術の稽古をして、それを音雨が見て嫉妬して…羨ましかった。
音雲ver.
音雨と新蘭がいるのを見ると、羨ましく感じた。
料理を作ったり、勉学を教えているのを見ると自分は夕月としていることに違和感を覚えるようになった。
確かに新蘭達も外に出かける。でも、夕月は俺が話し合ったり本を読んだらしているときでも、外に出掛けたいという。そんな夕月とは一緒にいたいと思わなくなった…ある日、新蘭が武術の稽古をして欲しいと頼んできた時は奇跡だと思った。それを見て嫉妬する
音雨に優しく声をかける新蘭、俺もそんなふうになりたかった。夕月は、音雨に話しかけるようになった。
確かに顔が似ているからってそんなこと良いのか…
新蘭は自分で違いを見せつけ、音雨に信じてもらった。夕月は、追放されたが、たぶん戻ってくるだろうな。新蘭に会っても良いだろうか。武術の稽古をしようと話しかければ…
「音雲様。音雨様が…」
「なんだ。」
「えっと…やっぱりなんでもありません。」
なんなんだ。新蘭に会いに行こう。扉を開けると新蘭が倒れていた。
「大丈夫かおい!新蘭!」
~end~
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