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4.第二界
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ぽかんとしていると目が合った。
「まひろくん、おでこどうしたの!?」
セーラー服の安藤さんに反応して体がびくっと震える。
しまった。ちょっとちびった。
「さっき向こうでこけたときに落ちてたガラスで切ったんだ。
おい、これ使え」
コウダの流れるような嘘と一緒に鞄から出されたタオルは、そのまま俺に渡された。
そんな光景を後目に『くつした』は悠々と立ち去っていく。
「押さえて。もうちょっと強めに。…病院だなこりゃ」
『ガラス』で切ったのは額だけではなかった。
見ると靴のつま先もちょっと切れている。靴下が見えた。
立てるかと言われるがまま立ち上がる。
股が気持ち悪いし恥ずかしい。
手首の紐はいつの間にか取ってくれていたようだ。
安藤さんにコウダが何か一言しているのが目に映った。
俺んちなのにコウダに連れて行ってもらう恰好でやっと玄関に上がり、引き出しの脇から保険証を、いつもの場所から買い物用の現金を引っ張り出す。
救急車? ほどではないから…。
多少もったいないタクシー代を買い物予算から払って病院へ。
しっかり傷口を押さえていたから出血は少なくて済んでいるようだが、それでも病院の救急窓口で多少目立っている。
平日の夜にところどころ赤いタオルで頭を押さえた子供と大人が来たらそりゃそうだ。
保護者の方ですかと聞かれると、コウダは叔父ですと答えた。
「いいの?」
気になってかろうじて言葉を紡ぐ。
そう、さっき安藤さんにもコウダは見られていた。
「その場しのぎができればいい」
後始末は俺持ちかよ。
「俺が『こっち』を出れば1日経たずに全員都合よく忘れてくれるから」
本当に都合がいい。
じゃあ俺は忘れないのはどういう理屈だ。
聞くために口を開く気力がない。
額は当然のように縫われた。跡が残るかどうか微妙なところとのこと。
痛かった。
切られたときは痛いと思わなかったのに。人間器用で現金なもんだ。
病院を出て家に帰るとさすがに薄暗くなってきていた。
「今日はゆっくり休め」
あの手引きにもそう書いてあったな。
真っ直ぐ向かった冷蔵庫から麦茶を次いで、グラスから一気に飲み干す。
汗やら血やらその他ちょびっとやら、水分が抜けた分喉カラカラ。
速攻で二杯目に突入。
ふぅ。
しかしとんだ遠足だった。
初回にして手引きに書いてあったやっちゃダメなことの結構な数を実践でやらかしたな。
「コウダ、ありがとう」
忠告をおとなしく聞き入れてたらだいぶ楽だったところもあったろう。
舐めプして最悪の展開になったのは100%俺のせいだった。
コウダがかぶりを振る。
「戦利品も持ってこれてないし」
おもむろにコウダが鞄をあさりだした。
取り出したのはあのバラ一輪。
学校の先生が指示棒を持ってもう一方の手でその先端を弄ぶのと同じように花に触れる。
そして手のひらにたたきつけるような動作をすると、茎がたわむことも花びらがバラバラになることもなく、硬くなった花はコウダの手のひらでとんとんと穏やかな音を立てた。
「プロを舐めるな」
ドヤ顔が決まってる。
ずっと隣にいたし、どこかのタイミングからはずっと手に持っていたはず。
全く気付いてなかった。
「それに」
一気に真顔に戻る。
「あとまだ最低4回はあるから」
それな。
思い出さないようにしてたのに。
「小指あるか」
左手を見る。
先っぽまである。
足元を見る。
影がある。俺の上半身は腕と脇の間のわずかな隙間もわかるくらいはっきりと蛍光灯の光を遮ってダイニングテーブルに俺の姿を映し出した。
コウダもそれを確認すると、水曜日の同じ時間にまた来ると会釈して玄関を出ていった。
出て行ったのを見送った玄関のその場所から動く気力が出ない。
安藤さんのいた猫スポットから家、病院と移動しているのだが、病院で縫われているところ以外の移動の記憶が曖昧だ。
まあいい。とにかく、1回目は終わったのだ。
立ち尽くして茫然としていると、安物の掛け時計が規則正しくちゃきっちゃきっと音を立てる。
秒針を動かすその音は、体の欲求をむくむくと膨らませた。
便所。
ちびっただけで出し損ねたのを放出すると、空いたところに何か入れたい気になってきた。
トイレを出てダイニングに一歩進むたびに気持ちが強くなる。
腹減った!
いつもの3割増しぐらいの空腹ぶりだ。
冷蔵庫、なんか、あったっけ。
明日、弁当、どうしよう。
ありものでチャーハンを作る気力が残っていることに、出来上がった皿を見て自分でビックリした。
いつもより量の多いチャーハンはカレーのスプーンから俺の口へするする吸いこまれた。
旨い。
よかった。
我ながら旨いとか思える現在があってよかった。
残りのチャーハンを弁当箱二つに詰める。
隙間は明日の朝出勤前の親父が――恐らくあのヨシイのミートボールときゅうりで――埋めてくれるだろう。
えっちらおっちら台所を片付け、のろのろと洗面台に向かう。
二階の部屋まで着替えを取りに行く気力がない。
いつもと違いめんどくさいって理由じゃない。シャワー浴びて上の部屋に上がったら明日まで下に降りることなく布団に沈み込むのが明白だからだ。
洗面台で額の白い脱脂綿をとると、髪の毛の付け根を挟んで縦にあの刀とよく似た形に湾曲した傷がある。
傷に沿って髪の毛も剃られたため、見たことない形でハゲた恰好だ。
かっこわりぃ。
首から下だけシャワーを浴びながら、この後しばらく傷が治るまで顔を洗うのが面倒になることに思い至ってげんなりする。
あ、これか。これが『げんなり』か。
あれ、でも『うんざり』でもいいのか?
いつぞやの国語の先生のわからない説明は、突然思い出した今日もやっぱりわからない。
もういいやどっちでも。
シャワーを浴びて脱脂綿をつけなおす。
ダイニングテーブルに病院の領収書と事情を書き置きをしたのが、その日まともに頭を働かせた最後の瞬間だった。
部屋に上がってジャージを着て布団に倒れこむ。
前回実績からこうなることを予想して、出かけるときに布団敷いといて大正解。
一応時間をキッズケータイの画面で見るとまだ20時半。
本当に時間たってないんだなーと思うのと、寝落ちするのは同時だったようだ。
親父が帰ってきたのにも気づかなかった。
「まひろくん、おでこどうしたの!?」
セーラー服の安藤さんに反応して体がびくっと震える。
しまった。ちょっとちびった。
「さっき向こうでこけたときに落ちてたガラスで切ったんだ。
おい、これ使え」
コウダの流れるような嘘と一緒に鞄から出されたタオルは、そのまま俺に渡された。
そんな光景を後目に『くつした』は悠々と立ち去っていく。
「押さえて。もうちょっと強めに。…病院だなこりゃ」
『ガラス』で切ったのは額だけではなかった。
見ると靴のつま先もちょっと切れている。靴下が見えた。
立てるかと言われるがまま立ち上がる。
股が気持ち悪いし恥ずかしい。
手首の紐はいつの間にか取ってくれていたようだ。
安藤さんにコウダが何か一言しているのが目に映った。
俺んちなのにコウダに連れて行ってもらう恰好でやっと玄関に上がり、引き出しの脇から保険証を、いつもの場所から買い物用の現金を引っ張り出す。
救急車? ほどではないから…。
多少もったいないタクシー代を買い物予算から払って病院へ。
しっかり傷口を押さえていたから出血は少なくて済んでいるようだが、それでも病院の救急窓口で多少目立っている。
平日の夜にところどころ赤いタオルで頭を押さえた子供と大人が来たらそりゃそうだ。
保護者の方ですかと聞かれると、コウダは叔父ですと答えた。
「いいの?」
気になってかろうじて言葉を紡ぐ。
そう、さっき安藤さんにもコウダは見られていた。
「その場しのぎができればいい」
後始末は俺持ちかよ。
「俺が『こっち』を出れば1日経たずに全員都合よく忘れてくれるから」
本当に都合がいい。
じゃあ俺は忘れないのはどういう理屈だ。
聞くために口を開く気力がない。
額は当然のように縫われた。跡が残るかどうか微妙なところとのこと。
痛かった。
切られたときは痛いと思わなかったのに。人間器用で現金なもんだ。
病院を出て家に帰るとさすがに薄暗くなってきていた。
「今日はゆっくり休め」
あの手引きにもそう書いてあったな。
真っ直ぐ向かった冷蔵庫から麦茶を次いで、グラスから一気に飲み干す。
汗やら血やらその他ちょびっとやら、水分が抜けた分喉カラカラ。
速攻で二杯目に突入。
ふぅ。
しかしとんだ遠足だった。
初回にして手引きに書いてあったやっちゃダメなことの結構な数を実践でやらかしたな。
「コウダ、ありがとう」
忠告をおとなしく聞き入れてたらだいぶ楽だったところもあったろう。
舐めプして最悪の展開になったのは100%俺のせいだった。
コウダがかぶりを振る。
「戦利品も持ってこれてないし」
おもむろにコウダが鞄をあさりだした。
取り出したのはあのバラ一輪。
学校の先生が指示棒を持ってもう一方の手でその先端を弄ぶのと同じように花に触れる。
そして手のひらにたたきつけるような動作をすると、茎がたわむことも花びらがバラバラになることもなく、硬くなった花はコウダの手のひらでとんとんと穏やかな音を立てた。
「プロを舐めるな」
ドヤ顔が決まってる。
ずっと隣にいたし、どこかのタイミングからはずっと手に持っていたはず。
全く気付いてなかった。
「それに」
一気に真顔に戻る。
「あとまだ最低4回はあるから」
それな。
思い出さないようにしてたのに。
「小指あるか」
左手を見る。
先っぽまである。
足元を見る。
影がある。俺の上半身は腕と脇の間のわずかな隙間もわかるくらいはっきりと蛍光灯の光を遮ってダイニングテーブルに俺の姿を映し出した。
コウダもそれを確認すると、水曜日の同じ時間にまた来ると会釈して玄関を出ていった。
出て行ったのを見送った玄関のその場所から動く気力が出ない。
安藤さんのいた猫スポットから家、病院と移動しているのだが、病院で縫われているところ以外の移動の記憶が曖昧だ。
まあいい。とにかく、1回目は終わったのだ。
立ち尽くして茫然としていると、安物の掛け時計が規則正しくちゃきっちゃきっと音を立てる。
秒針を動かすその音は、体の欲求をむくむくと膨らませた。
便所。
ちびっただけで出し損ねたのを放出すると、空いたところに何か入れたい気になってきた。
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腹減った!
いつもの3割増しぐらいの空腹ぶりだ。
冷蔵庫、なんか、あったっけ。
明日、弁当、どうしよう。
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いつもより量の多いチャーハンはカレーのスプーンから俺の口へするする吸いこまれた。
旨い。
よかった。
我ながら旨いとか思える現在があってよかった。
残りのチャーハンを弁当箱二つに詰める。
隙間は明日の朝出勤前の親父が――恐らくあのヨシイのミートボールときゅうりで――埋めてくれるだろう。
えっちらおっちら台所を片付け、のろのろと洗面台に向かう。
二階の部屋まで着替えを取りに行く気力がない。
いつもと違いめんどくさいって理由じゃない。シャワー浴びて上の部屋に上がったら明日まで下に降りることなく布団に沈み込むのが明白だからだ。
洗面台で額の白い脱脂綿をとると、髪の毛の付け根を挟んで縦にあの刀とよく似た形に湾曲した傷がある。
傷に沿って髪の毛も剃られたため、見たことない形でハゲた恰好だ。
かっこわりぃ。
首から下だけシャワーを浴びながら、この後しばらく傷が治るまで顔を洗うのが面倒になることに思い至ってげんなりする。
あ、これか。これが『げんなり』か。
あれ、でも『うんざり』でもいいのか?
いつぞやの国語の先生のわからない説明は、突然思い出した今日もやっぱりわからない。
もういいやどっちでも。
シャワーを浴びて脱脂綿をつけなおす。
ダイニングテーブルに病院の領収書と事情を書き置きをしたのが、その日まともに頭を働かせた最後の瞬間だった。
部屋に上がってジャージを着て布団に倒れこむ。
前回実績からこうなることを予想して、出かけるときに布団敷いといて大正解。
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親父が帰ってきたのにも気づかなかった。
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