36 / 91
36話
しおりを挟む
「なんか北野さん少し変わったよね。入学当初は刺々しかったのに今は少し柔らかくなった気がする」
「そうか? 変わってないと思うよ。それにまだ入学して二週間ぐらいしか経ってないだろ? それは牧野の気のせいだ」
「ううん、だって入学当初はもっと私に冷たかかったよ。でも最近少しずつ私とも話しもしてくれるし。少しずつだけど北野さんは変わったよ」
陽子は真希が少し雰囲気が柔らかくなったと熱弁しているが、まだ真希たちが高校に入学してから二週間程度して経っていない。
そんな短時間で人の性格は変わるだろうか。いや、変わらないだろう。
だがいくら真希が否定しても陽子が意見を変えることはなかった。
これ以上、こんなことで言い合っていても時間の無駄なので真希が折れることにした。
「っていうかなんで牧野は私に話しかけるんだ。牧野が言ったように刺々しくて冷たい私と話すよりも優しい桐谷と話している方が楽しいだろ? 自分で言うのもあれだがもし私が牧野だったらこんな奴と仲良くなりたいと思うどころか話したくもないけど」
仮に真希と陽子、どっちと友達になりたいかというアンケートを取ったら間違いなく陽子の圧勝だろう。
真希と比べ陽子は優しいし、コミュニケーション力もあり可愛いくて社交的だ。
それに比べて真希は愛想はないし、ひねくれているし忖度もしない。
自分で言って悲しいが真希と友達になるメリットがない。
なんのメリットもないのに、真希に話しかける陽子の考えが分からなかった。
「なんで私が北野さんに話しかける理由を話す前に一度謝らせてください。ごめんなさい」
「いや、いきなり謝られても困るんだが。それに牧野に謝られる理由がない」
なにについて謝罪されているのか分からない謝罪ほど迷惑な謝罪はない。
そもそも真希は陽子に謝罪されるようなことをされた覚えはない。
「えっ……あっ……そうだよね。いきなり謝られても困るよね」
陽子も先走りすぎたことに気づいたらしく、恥ずかしそうに俯いている。
その数秒後、顔を上げた陽子はなぜ真希に謝罪し、懲りずに真希に話しかける理由は話し始めた。
「私、北野さんが一人でいるのを見て寂しいと勘違いしていた。だから私が仲良くなって友達になろうとしたんだ」
「凄い大きなお世話でお節介だな」
「うん、自覚してる。私が北野さんに失礼なことをしてたということも気づけた。一人が好きなのに一人でいることを勝手に寂しいと決めつけて本当にごめんなさい」
陽子が真希に謝罪した理由、それは一人で教室にいる真希を寂しいと勘違いをしたことについてだった。
ひどいことを言ったかもしれないが、それは大きなお世話でしかなかった。
真希は昔から一人でいることが好きだったため、むしろ一人の方が快適だった。
陽子もそれを自覚し反省している。
「みんな一人でいるのは寂しいと勘違いしてた。私もそうだったから」
「確かに多くの人間は一人でいると孤独だと感じる人は多いからあながち勘違いではないと思う。私が例外的な人間なだけで」
「……ありがとう」
陽子の言う通り一人でいることに寂しいと感じる人の方が一人でいることが好きな人よりも割合は多いだろう。
だから陽子の言っていることは完全に間違っているわけではないと真希は思う。
そのフォローが嬉しかったのか、陽子は静かな声でお礼を言う。
「そうか? 変わってないと思うよ。それにまだ入学して二週間ぐらいしか経ってないだろ? それは牧野の気のせいだ」
「ううん、だって入学当初はもっと私に冷たかかったよ。でも最近少しずつ私とも話しもしてくれるし。少しずつだけど北野さんは変わったよ」
陽子は真希が少し雰囲気が柔らかくなったと熱弁しているが、まだ真希たちが高校に入学してから二週間程度して経っていない。
そんな短時間で人の性格は変わるだろうか。いや、変わらないだろう。
だがいくら真希が否定しても陽子が意見を変えることはなかった。
これ以上、こんなことで言い合っていても時間の無駄なので真希が折れることにした。
「っていうかなんで牧野は私に話しかけるんだ。牧野が言ったように刺々しくて冷たい私と話すよりも優しい桐谷と話している方が楽しいだろ? 自分で言うのもあれだがもし私が牧野だったらこんな奴と仲良くなりたいと思うどころか話したくもないけど」
仮に真希と陽子、どっちと友達になりたいかというアンケートを取ったら間違いなく陽子の圧勝だろう。
真希と比べ陽子は優しいし、コミュニケーション力もあり可愛いくて社交的だ。
それに比べて真希は愛想はないし、ひねくれているし忖度もしない。
自分で言って悲しいが真希と友達になるメリットがない。
なんのメリットもないのに、真希に話しかける陽子の考えが分からなかった。
「なんで私が北野さんに話しかける理由を話す前に一度謝らせてください。ごめんなさい」
「いや、いきなり謝られても困るんだが。それに牧野に謝られる理由がない」
なにについて謝罪されているのか分からない謝罪ほど迷惑な謝罪はない。
そもそも真希は陽子に謝罪されるようなことをされた覚えはない。
「えっ……あっ……そうだよね。いきなり謝られても困るよね」
陽子も先走りすぎたことに気づいたらしく、恥ずかしそうに俯いている。
その数秒後、顔を上げた陽子はなぜ真希に謝罪し、懲りずに真希に話しかける理由は話し始めた。
「私、北野さんが一人でいるのを見て寂しいと勘違いしていた。だから私が仲良くなって友達になろうとしたんだ」
「凄い大きなお世話でお節介だな」
「うん、自覚してる。私が北野さんに失礼なことをしてたということも気づけた。一人が好きなのに一人でいることを勝手に寂しいと決めつけて本当にごめんなさい」
陽子が真希に謝罪した理由、それは一人で教室にいる真希を寂しいと勘違いをしたことについてだった。
ひどいことを言ったかもしれないが、それは大きなお世話でしかなかった。
真希は昔から一人でいることが好きだったため、むしろ一人の方が快適だった。
陽子もそれを自覚し反省している。
「みんな一人でいるのは寂しいと勘違いしてた。私もそうだったから」
「確かに多くの人間は一人でいると孤独だと感じる人は多いからあながち勘違いではないと思う。私が例外的な人間なだけで」
「……ありがとう」
陽子の言う通り一人でいることに寂しいと感じる人の方が一人でいることが好きな人よりも割合は多いだろう。
だから陽子の言っていることは完全に間違っているわけではないと真希は思う。
そのフォローが嬉しかったのか、陽子は静かな声でお礼を言う。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
陰キャの俺、なぜか文芸部の白髪美少女とバスケ部の黒髪美少女に好かれてるっぽい。
沢田美
恋愛
この世の中には、勝者と敗者がいる。
――恋人がいて、青春を謳歌し、学校生活をカラフルに染める勝者。
そしてその反対側、モブのように生きる俺・高一賢聖(たかいちけんせい)。
高校入学初日、ぼっちを貫くつもりだった俺の前に、
“二人の女王”が現れた。
ひとりは――雪のように白い髪を持つ、文芸部の女神・瀬良由良(せらゆら)。
もうひとりは――バスケ部の全国エースにして完璧超人、不知火優花(しらぬいゆうか)。
陰キャ代表の俺が、なんでこの二人に関わることになるんだ!?
「文芸部、入らない?」
「由良先輩、また新入生をたぶらかしてる〜!」
平凡で静かな高校生活を夢見ていたのに――
気づけば俺の毎日は、ラブコメと混乱で埋め尽くされていた。
青春なんて関係ないと思ってた。
だけど、この春だけは違うらしい。
クラスメイトの王子様系女子をナンパから助けたら。
桜庭かなめ
恋愛
高校2年生の白石洋平のクラスには、藤原千弦という女子生徒がいる。千弦は美人でスタイルが良く、凛々しく落ち着いた雰囲気もあるため「王子様」と言われて人気が高い。千弦とは教室で挨拶したり、バイト先で接客したりする程度の関わりだった。
とある日の放課後。バイトから帰る洋平は、駅前で男2人にナンパされている千弦を見つける。普段は落ち着いている千弦が脚を震わせていることに気付き、洋平は千弦をナンパから助けた。そのときに洋平に見せた笑顔は普段みんなに見せる美しいものではなく、とても可愛らしいものだった。
ナンパから助けたことをきっかけに、洋平は千弦との関わりが増えていく。
お礼にと放課後にアイスを食べたり、昼休みに一緒にお昼ご飯を食べたり、お互いの家に遊びに行ったり。クラスメイトの王子様系女子との温かくて甘い青春ラブコメディ!
※特別編4が完結しました!(2026.2.22)
※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。
※お気に入り登録、いいね、感想などお待ちしております。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
**俺、東大院生の実験対象にされてた。**同居している美人家庭教師のやばい秘密
まさき
青春
俺は今、東大院生の実験対象になっている。
ある雨の夜、アパートの前にずぶ濡れの美女が立っていた。
「家庭教師です。住まわせてください」
突然すぎる申し出に困惑しながらも、なぜか断れなかった。
桐島咲楽、東大大学院生。成績は天才、料理は壊滅的、距離感はおかしい。毎日転ぶ、焦がす、なぜか距離が近い。そのくせ授業は鬼のように丁寧で、俺のことを誰よりもよく見ていた。
偏差値42だった俺の成績は、気づけば上がっていた。でも、それより気になることがある。
咲楽さんが、研究ノートに何かを書いている。「被験者」という文字が、見えた気がした。
距離が近いのは、データのためか。褒めてくれるのは、実験のためか。でも、あの顔は。あの声は。
「データじゃなくて、私がそう思っています」
嘘をついているような顔じゃなかった。
偏差値42の俺に、東大院生の美女が押しかけてきた。ドタバタな毎日の中で、俺の心臓が休まる暇がない。これはドキドキなのか、心配なのか。それとも、もう恋なのか。
不器用な天才と、鈍感な高校生の、やばい同居生活。
クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について
沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。
かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。
しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。
現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。
その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。
「今日から私、あなたのメイドになります!」
なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!?
謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける!
カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる