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62話
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「北野が悪くないって分かっていても、北野と陽子が話している姿を見ると嫉妬しちゃってイライラしちゃって。陽子に怒られても感情を抑えきれなくて。陽子と一緒にいても北野のことばかり陽子は話して。それが寂しかった」
自分の気持ちを静かに話す愛理は少しだけ悲しげな表情を浮かべていた。
初めて見る愛理の別の顔に真希の感情が追い付かない。
それぐらいギャップが大きかった。
「陽子があたし以外の人と話すとモヤモヤするの」
「それ、結構ヤバいだろ。私が牧野だったら間違いなく桐島のこと嫌ってるぞ」
「えっ……マジ」
「マジだ」
どうやら愛理は自分の異常に気づいていなかったらしい。
さすがにそれはヤバいだろう。
まだ付き合っているわけでもないただの幼馴染が、自分と違う人に話しているだけで嫉妬するのは友達がいない真希ですら異常だと分かる。
真希が違う人に話すたびに、好意を寄せている幼馴染が嫉妬したり妨害していたらドン引きだし幼馴染の縁を切る。
「よく考えてみろ。もし牧野が桐島が他の人と話すたびに嫉妬したり妨害したり機嫌を悪くしてたら嫌だろ」
「……確かに嫌だわ」
真希が愛理と陽子を逆転させて説明すると、愛理もその異常性に気づいたらしく物凄くショックを受けていた。
「それに桐島が牧野が好きなことはもちろん、牧野だって桐島のことが好きだろ。両想いなんだから牧野が私に話しかけたぐらいで嫉妬なんてしなくても良いだろ」
「両想いじゃないよ。これはあたしの片思い。陽子は多分あたしに恋愛感情なんてないと思うよ。だから陽子が北野と笑顔で話したり、二人でいる時に北野の話ばかりされると嫌で嫉妬していた」
てっきり二人は両想いだと思い込んでいた真希は少しずつ自分の考えが勘違いだったことに気づいていく。
確かに陽子は愛理のことを慕っている。
陽子の好意は『友愛』であい『恋愛』ではない。
「なんか複雑だな。牧野も桐島もお互いが好きなはずなのに、その好きのベクトルが違うなんて」
「そうなの。あたしと陽子は好き同士なのに、あたしと陽子の好きは違う。あぁー、自分の好きが伝わらなくてモヤモヤするー」
「だからそれで当たるなよ。もう懲り懲りだからな」
「それは……本当にごめん。次は気を付ける」
愛理も自分の好きと陽子の好きは違うことには気づいているらしく、それが通じ合わなくてモヤモヤしている。
そのモヤモヤに巻き込まれる人間のことも考えてほしい。
その指摘を真希がすると、愛理も反省しているらしくションボリする。
「あっ、ごめん電話だ。……陽子からだ。ヤバい、昇降口で待ち合わせしてたんだ。ごめんね北野、行かなくちゃ」
どうやら陽子と待ち合わせをしていたらしく、愛理がなかなか来ないから心配して電話をしてきたのだろう。
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初めて見る愛理の別の顔に真希の感情が追い付かない。
それぐらいギャップが大きかった。
「陽子があたし以外の人と話すとモヤモヤするの」
「それ、結構ヤバいだろ。私が牧野だったら間違いなく桐島のこと嫌ってるぞ」
「えっ……マジ」
「マジだ」
どうやら愛理は自分の異常に気づいていなかったらしい。
さすがにそれはヤバいだろう。
まだ付き合っているわけでもないただの幼馴染が、自分と違う人に話しているだけで嫉妬するのは友達がいない真希ですら異常だと分かる。
真希が違う人に話すたびに、好意を寄せている幼馴染が嫉妬したり妨害していたらドン引きだし幼馴染の縁を切る。
「よく考えてみろ。もし牧野が桐島が他の人と話すたびに嫉妬したり妨害したり機嫌を悪くしてたら嫌だろ」
「……確かに嫌だわ」
真希が愛理と陽子を逆転させて説明すると、愛理もその異常性に気づいたらしく物凄くショックを受けていた。
「それに桐島が牧野が好きなことはもちろん、牧野だって桐島のことが好きだろ。両想いなんだから牧野が私に話しかけたぐらいで嫉妬なんてしなくても良いだろ」
「両想いじゃないよ。これはあたしの片思い。陽子は多分あたしに恋愛感情なんてないと思うよ。だから陽子が北野と笑顔で話したり、二人でいる時に北野の話ばかりされると嫌で嫉妬していた」
てっきり二人は両想いだと思い込んでいた真希は少しずつ自分の考えが勘違いだったことに気づいていく。
確かに陽子は愛理のことを慕っている。
陽子の好意は『友愛』であい『恋愛』ではない。
「なんか複雑だな。牧野も桐島もお互いが好きなはずなのに、その好きのベクトルが違うなんて」
「そうなの。あたしと陽子は好き同士なのに、あたしと陽子の好きは違う。あぁー、自分の好きが伝わらなくてモヤモヤするー」
「だからそれで当たるなよ。もう懲り懲りだからな」
「それは……本当にごめん。次は気を付ける」
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