柊瑞希は青春コンプレックス

黒姫百合

文字の大きさ
52 / 103

52話

しおりを挟む
「金森。私たちは異性なんだからすぐに抱き着くな」
「柊と意見が合うのは癪だけど、もう少し舞は女の子であることを自覚しなさい。すぐに異性に抱き着くなんて破廉恥よ」

 異性に抱き着かれて狼狽する瑞希と椿。
 二人とも男の娘であるため、異性のスキンシップになれていなかった。
 そのため、顔がほんのり赤く染まる。

「別に友達だからあたしは平気だよ」

 舞はなにが問題なのか分かっていない顔をしている。

「あたしは瑞希ちゃんも椿ちゃんも好きだけど、二人はあたしのこと嫌い?」

 ここで舞が二人に逆質問をしてきた。
 よく、自分のことが好きか、嫌いか質問できるなーと瑞希は思った。
 さすがにストレートに嫌いだとは言わないと思うが、この女の子は自分が嫌われているという可能性は考えていないのだろうか。

「「……別に嫌いではない」」

 正直言って舞は嫌いではなかった。もちろん、好きでもない。
 瑞希が答えたのと同時に椿の答えもかぶる。
 その瞬間、お互いが顔を見合わせて嫌な表情を浮かべる。
 よりによって椿と答えがかぶるなんて、一生の不覚である。

「凄い、はもったよ。やっぱり二人は仲良くなれるよ。絶対」

 ただ言葉がはもっただけで、舞は大喜びである。
 二人のことを抱きしめながらピョンピョン跳ねている。

「僕は舞に賛成かな。三人で話してた時、結構楽しかったもん」
「ちょ……帆波、いつの間にこの三人と仲良くなってるのよ。あたし、知らないんだけど」

 帆波が舞の援護射撃をすると、椿は帆波がこの三人といつの間にか仲良くなっていたことに焼きもちを焼いて驚いている。

「確かに陰キャのボッチって見下していたわ。でも、相手のことを知らないで見下すのも失礼だよね」
「その言い方の方が失礼だと思うは私だけかしら大村さん」

 失礼なことを言いながら馴れ馴れしく撫子に話しかける早織に、嫌悪感を隠そうともしない撫子。
 確かにこれは早織が失礼すぎる。

「これで問題解決だよね帆波ちゃん」
「うん、解決。よくよく考えれば単純だったねこの問題」
「陽キャたるもの、陰キャも知って陽キャべし。あたし、今格好良くなかった?」

 舞や帆波や早織の中ではこの問題は解決したらしく、ワイワイ喋っている。
 これで納得していないのが瑞希と椿である。
 一言で言うと不完全燃焼である。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

友達の妹が、入浴してる。

つきのはい
恋愛
 「交換してみない?」  冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。  それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。  鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。  冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。  そんなラブコメディです。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

私の推し(兄)が私のパンツを盗んでました!?

ミクリ21
恋愛
お兄ちゃん! それ私のパンツだから!?

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

処理中です...