柊瑞希は青春コンプレックス

黒姫百合

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89話

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「みんな買い被りすぎだよ。あたし、そんなにコミュ力高くないし」

 舞は苦笑いを浮かべながら謙遜する。
 舞のことを知っている瑞希はそれが謙遜ではなくただの事実だと言うことを知っている。

「それにあたしが椿ちゃんと仲直りできたのはサポート部のおかげだし……あっ」

 舞が話している途中に名案を浮かんだと言わんばかりに突然大きな声を上げる。
 その声の大きさに瑞希だけでなく、教室にいた生徒のほとんどが舞に注目する。
 教室にいるクラスメイトの注目の的になった舞は、恥ずかしくなり顔を赤らめさせる。

「そうだよ。これをサポート部に相談依頼を出せば良いんだよ」

 椿たちはまだ分かっておらず、頭の上にクエスチョンマークを浮かべている横で舞は一人テンションが上がっている。
 この時点で瑞希も舞がなにを企んでいるのかある程度想像ができた。
 多分舞は、なぜ撫子が瑞希を避けているのかというお悩みをサポート部に解決してもらおうと考えているのだ。
 そもそも撫子になぜ瑞希を避けているのか正面から聞いても答えてくれる可能性は限りなくゼロに近い。
 でもサポート部に来た依頼だったら撫子も無下にあしらうことはできない。
 まだ一ヵ月も経っていない関係だが、撫子が責任感の強い女の子だということは知っている。
 例え正面から聞いても答えてくれないことでも、サポート部としての依頼としてなら聞いてくれる可能性は高くなる。

「どういうこと?あたしたちに分かるように説明しなさいよ」
「こんなことも分からないなんて馬鹿よね」
「今、馬鹿と言ったわね柊。少し面貸せや」
「まぁーまぁー椿、落ち着いて。柊も煽らないの」

 理解力が乏しい椿を馬鹿にしたら、予想通り椿は激情し噛みついてきた。
 それを見た帆波がすぐに仲裁に入り、瑞希が注意される。

「ごめんね椿ちゃん」

 舞は理解できなかったことを自分の言葉足らずだということを謝罪して、椿たちに説明する。
 舞の説明は分かりやすいもので、あの椿でも理解することができた。
 そんなことを言うとまた椿と喧嘩してしまうので、今度は黙っておくことにした。
 ちなみに、舞が椿たちに説明した内容は瑞希が考えたものと同じだった。

「なるほどね。良い案かもしれないわね」
「これなら白鳥も話を聞いてくれると思うよ」
「ナイスアイディアじゃん舞。これなら行けるよ」

 椿たちも舞が考えた作戦が名案だと思っているのか口々に舞のことを褒めたたえる。
 当の本人は満更でもない表情を浮かべている。

「ねぇ、瑞希ちゃん」

 不意に舞が瑞希の名前を呼ぶ。
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