柊瑞希は青春コンプレックス

黒姫百合

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91話

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 放課後になった。
 いや、放課後になってしまったと表現する方が正しいのかもしれない。
 瑞希と撫子の関係を舞がサポート部に依頼すると決めてから、瑞希は落ち着かない時間を過ごしていた。
 その後の授業もほとんど覚えておらず、今日一日どんな内容を教わったのか覚えていないぐらい緊張していた。
 ホームルームが終わり、撫子はすぐさま教室を出ようとする。

「待って、撫子ちゃん」

 すぐに教室を出ようとした撫子に舞が話しかける。

「どうしたの。金森さん」

 さすがに無視するほど撫子は人間が廃っていない。
 少し迷惑そうな表情を浮かべていたが、瑞希は気づいていたが舞は気づいていなそうだった。

「あたし、サポート部の依頼を受けたのっ」
「サポート部への依頼?」

 もちろんこれは舞からの依頼である。

「うん。だから撫子ちゃんと瑞希ちゃんにも聞いてもらいたいの」
「……」

 撫子は舞と瑞希を交互に見る。
 その目は明らかに困惑と言うか、気まずそうな目をしていた。

「……部活ならしょうがないわね。集合しましょう」

 いくら瑞希を避けているとはいえ、部活への依頼が来たら活動しなければならない。
 撫子は責任感の強い女の子だ。
 ここで公私を混同するようなことはしない。
 ようやくこれで撫子と話すセッティングができた。
 舞とアイコンタクトを送り合った瑞希は舞の近くによる。
 明らかに舞は戸惑った表情を浮かべてたが、それを気にしてはなにも始めることができないので無視する。
 ちなみに、椿たちは野球部の練習があるので教室にはいない。

「それでどんな依頼なのかしら」

 近くにあった机を勝手に突き合わせて部活を始める。

「それじゃ依頼内容を話すね」

 この中で依頼内容を知らない撫子が、どんな依頼を受けたのか説明するようにと催促する。
 その催促を受けた舞はゆっくりとした口調で話し始める。

「依頼主はあたしなんだけど、最近あたしの友達がある人に避けられてるみたいなの。その友達は避けられる理由も分からず悩んでる。避けている人もあたしの友達できっとなにか事情はるんだと思う。どうしたら二人は元の仲良しに戻れるかな?」

 依頼主が舞と言っている時点でなにも隠しきれていない。
 舞が『友達』とか『ある人』と言っても『ある人』である撫子が気づかないわけではない。

「なるほど、金森さんの依頼内容については理解したわ」

 あくまでも冷静に淡々と言葉を話す撫子。
 逆に冷静すぎて怖いぐらいだ。
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