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第七十七話
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「良かったな葵。中村さんと仲直りができて」
「うん。ありがとね瞳。瞳のおかげで優ちゃんと仲直りができたわ」
「……優ちゃん?」
「今、楠先輩、中村のこと優ちゃんって呼びましたよね」
「私も聞いた。いつの間にそんなに親しくなったんですか」
葵が優のことを『優ちゃん』と呼んだ瞬間、瞳は自分の耳を疑い、愛音と実乃里が質問責めをする。
「仲直りした後よ。私たち友達だから名前で呼ぼうって私から提案したのよ」
葵は簡潔に名前呼びになった経緯を話す。
「楠先輩だけズルいです。中村、あたしも優って呼んで良い? あたしのことも愛音って呼んで良いから。優のことは友達だと思ってるから」
「私も優ちゃんって呼びたい。私も実乃里って呼んで」
「二人とも良いよ。これからよろしくね愛音ちゃん。実乃里ちゃん」
愛音と実乃里の申し出は優としても願ったり叶ったりだった。
優自身もいつか愛音や実乃里のことを名前呼びをしたいと思っていたが、そのタイミングが分からなかった。
さん付けからちゃん付けになっただけで、前よりも親しみやすくなった気がする。
「瞳は優ちゃんのこと名前で呼ばないの?」
「別に苗字のままで良いだろ。逆にあたしが中村さんのことを名前で呼んだら中村さんが困惑するだろ」
「そうかな~?」
一年生が呼び方で盛り上がっている中、葵と瞳がなにか話していたが、盛り上がっていたせいでなにを話していたかは分からなかった。
「そう言えば今日提出の化学のプリント解けた? 結構難しかったよね」
「難しかったからあたし白紙だわ。実乃里、少し回答見せて。四割ぐらい回答埋まってないと内申点下がるから」
「自分で解かないと自分の力にならないよ。自分で解きなさい」
「……化学のプリント……あっ、忘れてた」
実乃里と愛音の会話で思い出したが、今日は化学のプリントの提出日だった。
葵と色々あったせいですっかり忘れていた。
「珍しいね優が忘れ物するなんて」
「確かにそうだね。愛音ちゃんと違って優ちゃんが忘れものするなんて」
「そこ、あたしをいじる必要あった?」
愛音も実乃里も優が忘れ物をしたことに驚いていた。
「任せて優ちゃん。私がすぐに持ってきてあげるわ」
「いやでも葵先輩。もう五分もないですよ。それに歩いて片道十分もかかるんですから。もう間に合わないですよ」
「五分もあれば大丈夫よ。三分で戻ってくるから鍵を貸してちょうだい」
「……分かりました。お願いします。でも無理はしないでくださいね」
「大丈夫よ。先輩の私に任せてちょうだい」
優のピンチを聞きつけた葵が、取りに戻ると言っているがそれはさすがに不可能だろう。
優の寮から学校まで片道十分はある。
約片道八百メートル、往復一・六キロあるということだ。
それに葵はスカートでローファーである。
普通に人間が走って戻ってこれる距離ではない。
「うん。ありがとね瞳。瞳のおかげで優ちゃんと仲直りができたわ」
「……優ちゃん?」
「今、楠先輩、中村のこと優ちゃんって呼びましたよね」
「私も聞いた。いつの間にそんなに親しくなったんですか」
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「仲直りした後よ。私たち友達だから名前で呼ぼうって私から提案したのよ」
葵は簡潔に名前呼びになった経緯を話す。
「楠先輩だけズルいです。中村、あたしも優って呼んで良い? あたしのことも愛音って呼んで良いから。優のことは友達だと思ってるから」
「私も優ちゃんって呼びたい。私も実乃里って呼んで」
「二人とも良いよ。これからよろしくね愛音ちゃん。実乃里ちゃん」
愛音と実乃里の申し出は優としても願ったり叶ったりだった。
優自身もいつか愛音や実乃里のことを名前呼びをしたいと思っていたが、そのタイミングが分からなかった。
さん付けからちゃん付けになっただけで、前よりも親しみやすくなった気がする。
「瞳は優ちゃんのこと名前で呼ばないの?」
「別に苗字のままで良いだろ。逆にあたしが中村さんのことを名前で呼んだら中村さんが困惑するだろ」
「そうかな~?」
一年生が呼び方で盛り上がっている中、葵と瞳がなにか話していたが、盛り上がっていたせいでなにを話していたかは分からなかった。
「そう言えば今日提出の化学のプリント解けた? 結構難しかったよね」
「難しかったからあたし白紙だわ。実乃里、少し回答見せて。四割ぐらい回答埋まってないと内申点下がるから」
「自分で解かないと自分の力にならないよ。自分で解きなさい」
「……化学のプリント……あっ、忘れてた」
実乃里と愛音の会話で思い出したが、今日は化学のプリントの提出日だった。
葵と色々あったせいですっかり忘れていた。
「珍しいね優が忘れ物するなんて」
「確かにそうだね。愛音ちゃんと違って優ちゃんが忘れものするなんて」
「そこ、あたしをいじる必要あった?」
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「任せて優ちゃん。私がすぐに持ってきてあげるわ」
「いやでも葵先輩。もう五分もないですよ。それに歩いて片道十分もかかるんですから。もう間に合わないですよ」
「五分もあれば大丈夫よ。三分で戻ってくるから鍵を貸してちょうだい」
「……分かりました。お願いします。でも無理はしないでくださいね」
「大丈夫よ。先輩の私に任せてちょうだい」
優のピンチを聞きつけた葵が、取りに戻ると言っているがそれはさすがに不可能だろう。
優の寮から学校まで片道十分はある。
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