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第一章 時の守り人篇
第8話 神と運命と現実と
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「さっきの大きな黒い影のようなものは迷える子羊と言ってね、自分で自分を殺した人の成れの果てだ。」
「自分で自分を…それってつまり……。」
「そう、自殺した人だ。彼らは生前の辛い記憶や苦しみを抱えながら、天国や地獄にさえも行けず、ずっと暗い無の世界をさまよい続けるんだ。そしてたまにここ、時の廻廊に辿り着く。そんな彼らを私が浄華して天国や来世に送り届けているのさ。」
淡々と語っているジョーカーだったが、その表情は少し物悲しく見えた。
「…自殺なんて良くないとは思うけど…どうして死んでまでそんな目に…。」
「さぁ、私にも分からない。神様ってやつがそういう仕組みを作ったのかもしれないね。」
「神様って…いるの……?」
「それも私には分からない。でも存在しているからこそ"神様"は世界中の人に認知されて、崇められているんじゃないかな。姿形や名前、性質は違えどね。」
神様。俺は正直に言っていないと思っている。神様なんて存在がいるのなら今頃人間は粛清されているだろう。…にも関わらず都合のいい時は神頼みなんて事をしたりするから俺は情けない奴だ。
「話を戻すけど、ストレイシープを浄華するのも、私の時の守り人としての役割の1つなんだ。」
「なるほど…あ、じゃああのストレイシープ…?が時の廻廊に迷い込んでくるもう一つのパターンってこと?」
「ご名答。と言いたいところだけど実は違うんだ、ストレイシープは君と同じく心に傷を持つ者だ。」
「あ、そっか…心に大きく傷を持って、生きる事の地獄よりも死ぬ事での解放を選んだ人だからか…。俺もああなるのかな…。」
ストレイシープ、黒い歪な姿の悲しい化け物。自分で自分を殺した人の成れの果て。俺も何度もスマホで「楽な死に方」とか「苦しくない自殺」とかで調べるような人間だ、生きるという地獄から逃げ出したら俺もあんな姿になるのだろう。
「生きる事の地獄よりも、死ぬ事での解放を選ぶ、か…。なかなかすごい例え方をするね。でも確かにその通りかもしれない。」
さっきまで俺を真っ直ぐ見つめていたジョーカーは目線をそらし、どこか遠くを見ていた。
「ジョーカー…?」
「いや、すまない。少し昔を思い出してね。」
「む、昔?」
「気にしないでくれ。とまぁ、ストレイシープに関しては話した通りだ。次はイズナについて話そうか。」
イズナ。さっきジョーカーのことを「パパ」と呼んでいた小さな女の子だ。
「イズナには家族と呼べるものが存在しないんだ。そして実は私はイズナの本当の父では無い。」
「家族が…存在しない…?後者は何となくそんな気がしてたけど。」
「あの子はとある名家の生まれでね、いわゆるお嬢様なんだ。元々はちゃんとお父さんやお母さんが居て、執事やメイドと一緒に暮らしていたらしいんだ。でもイズナが1歳の頃、ご両親が事故で崖から転落して亡くなってしまったんだ。」
「そんな…1歳の頃に両親を…。」
「その後は親戚の名家に引き取られたんだけど、そこの家の人がとても意地悪でね。…言わなくても何となく分かると思うけど、5歳になった今でもそこでいじめを受けているんだ。」
「あんな子供をいじめるなんて…っ。」
よくテレビで自分の子供を虐待して殺したというニュースを見るが、いい気はしない。他人の子供だからって傷つけるのも許せない。
「私も君と同意見だ、子供を傷つけるのは許せない。だからある日ここに迷い込んできたイズナの父親代わりになることにしたんだ。最近ようやく私のことを"パパ"と呼んでくれるようになってね、ちょっと照れるけど嬉しいものだな。」
真剣な顔からこぼれる少し照れた顔。
話していて思ったのだが、ジョーカーはかなり人間くさい思考の持ち主だ。
「でも私がイズナの本当の父親になることは出来ない。あの子の父親はたった1人なんだから。1歳だから両親の事なんて何も覚えてないだろうと、そう思うかもしれないけど、人は見て、聞いて、感じて記憶するものなんだ。本人は覚えていなくとも思い出せないだけなんだ。イズナの中ではちゃんとご両親は生きている。だから私は本当の父親には…なれない。」
「…そうかな。」
「え?」
「俺はそうは思わないよ。確かに記憶として血の繋がったご両親はずっと残り続けると思うし、ジョーカーとイズナちゃんの血が繋がってないのは確かだよ。でも、ジョーカーのことを本当のお父さんって判断するのはイズナちゃんなんじゃないかな。それはジョーカーが決めることじゃないと思う…。」
「士くん…。」
少し驚いた顔で俺の方を見るジョーカー。
我ながら行き過ぎたことを言ってしまった。
「あ、ご、ごめん…。あくまで俺の意見だから気にしないで!」
「ふふ、いや君の言う通りだと思う。決めるのはイズナだ、ありがとう士くん。」
ジョーカーは優しく微笑んで俺にお礼を言った。
時の廻廊の守り人ジョーカー。最初は掴み所の無さそうな変な人型の未確認生物。そんなふうに思っていたけど話しているうちに、"人間よりも人間らしい"そんなふうに感じてきた。
「時の流れというものは不思議なものだな、その時々の状況によって流れが変わっているように感じる。君と会ってまだ数時間ほどしか経っていないが、随分前からの知り合いのように感じるよ。」
「確かに…!短時間に色々ありすぎてすごい時間が経ったように……時間…。あぁ!?俺出勤途中だった!!完全に遅刻だ…こ、殺される…!!!」
出勤途中だったことを思い出し青ざめる。ただでさえ役立たずで給料泥棒状態の自分が遅刻、終わった。いや、クビにでもなった方が楽なのかもしれない。
「大丈夫だよ、士くん。時の廻廊は他とは時の流れが違うんだ、君がいた世界では1分も経っていないだろう。」
「えっ、そうなの?よかったぁぁぁ(よくない)……ならまだ此処に居れるってことか。寧ろ仕事行くくらいならずっと此処に居たい…。」
「もちろん好きなだけ居てくれて構わない。ただ時間というのは有限だ、いつか必ずその時はやってくる。それを踏まえてどう動くかは君次第だよ、士くん。」
いつか必ずその時はやってくる…。どんなに逃げて逃げて逃げまくっても、必ず嫌な事にはぶち当たる。そう言われたような気がした。
「…今から頑張って行ってくるよ…。どうせいつかは行かなきゃ行けないんだもんね。奨学金も家賃も光熱費も払わなきゃだし、お金稼がないと…。元来たゲートを通れば帰れるよね?」
俺はそのままクソみたいな現実に向かって、時の廻廊にはもう二度と来れないんだろうなぁ…とそんな絶望を抱きながら、とぼとぼと歩き始めた。
「待ってくれ士くん。確かに元来たところから帰れるよ、でもその前に君に渡したい物があるんだ。」
ジョーカーが俺を呼び止めながら駆け足で寄ってきた。
そしてさっきの刀「影切丸」と何かの"鍵"のようなものを渡してきた。
「これは…えっと、影切丸…と鍵……?ってか刀なんて持ち歩いてたら銃刀法違反だし!それに俺なんかが持ってても意味無いよ…剣術とか知らないし…。」
「君の言う通りだ、確かに君にはこの刀は必要ないかもしれない。でももうこの刀の持ち主は君なんだ。大丈夫、この刀は君の思う通りの姿になる。」
「お、思う通りの姿…?」
「そう、基本はこの日本刀のような形だが、君が望めば小さな木の棒にだって出来るし、ペンにだってできる。鞄に入れて置いても違和感ないようなものにでもね。」
半信半疑だったが、言われてみたとおりに刀に向かってペンになれと念じてみた。するとみるみるうちに影切丸は小さなボールペンに姿を変えた。
「す、すげえ……。」
「そうだろう?大事にしてあげてくれ。そしてそっちの鍵は"黄水晶の鍵"。それを持っていればいつでもここ、時の廻廊に来ることが出来る。要するに時の廻廊へワープ出来る鍵、ということだ。」
「え、じゃあ俺…またここに来てもいいってこと?」
「もちろんだ、私やサブローはいつでも君を待っている。私達は君の味方だよ。」
「ジョーカー…ありがとう……ありがとうっ…!」
社会人になってからはずっと独りだった。大人というものに仲間入りしたはずなのに、味方は一人もいなかった。働いてお金を稼ぐ、ということはそういう事なのだろうけど、それでも心の拠り所のようなものが欲しかった。
それが今、ようやく出来た。
「お礼なんていいよ。自分は1人じゃない、そう思っていてくれたら嬉しいよ。」
「ありがとう…ジョーカー……。俺、頑張って行ってくるよ。」
「あぁ、行ってらっしゃい。」
「行ってきます…。」
ジョーカーに挨拶をして、俺は元来たゲートの中をくぐって行った。
気がつくといつもの通勤路だった。時計を見ると、霧が深くなってきた時と大して変わらない時間だった。
「ほんとに時間が変わってない…さっきのは本当に異世界的なやつだったのか…。それとも夢…。あっ。」
夢かと思っていたが、鞄に入れておいたペン、ジョーカーにもらった黄水晶の鍵は確かに手元にあった。
「夢じゃなかったんだ…。」
数時間あった出来事が現実では数分も進んでいない。でもさっき体験してきたことも現実。
これからまた行きたくもない会社に行く。それもまた現実だけど、なぜだか少し足取りが軽い。
仕事が終わったらまた時の廻廊に行こう。ジョーカーやサブローに話を聞いてもらおう。
そのためにまた、現実を乗り越える。
「自分で自分を…それってつまり……。」
「そう、自殺した人だ。彼らは生前の辛い記憶や苦しみを抱えながら、天国や地獄にさえも行けず、ずっと暗い無の世界をさまよい続けるんだ。そしてたまにここ、時の廻廊に辿り着く。そんな彼らを私が浄華して天国や来世に送り届けているのさ。」
淡々と語っているジョーカーだったが、その表情は少し物悲しく見えた。
「…自殺なんて良くないとは思うけど…どうして死んでまでそんな目に…。」
「さぁ、私にも分からない。神様ってやつがそういう仕組みを作ったのかもしれないね。」
「神様って…いるの……?」
「それも私には分からない。でも存在しているからこそ"神様"は世界中の人に認知されて、崇められているんじゃないかな。姿形や名前、性質は違えどね。」
神様。俺は正直に言っていないと思っている。神様なんて存在がいるのなら今頃人間は粛清されているだろう。…にも関わらず都合のいい時は神頼みなんて事をしたりするから俺は情けない奴だ。
「話を戻すけど、ストレイシープを浄華するのも、私の時の守り人としての役割の1つなんだ。」
「なるほど…あ、じゃああのストレイシープ…?が時の廻廊に迷い込んでくるもう一つのパターンってこと?」
「ご名答。と言いたいところだけど実は違うんだ、ストレイシープは君と同じく心に傷を持つ者だ。」
「あ、そっか…心に大きく傷を持って、生きる事の地獄よりも死ぬ事での解放を選んだ人だからか…。俺もああなるのかな…。」
ストレイシープ、黒い歪な姿の悲しい化け物。自分で自分を殺した人の成れの果て。俺も何度もスマホで「楽な死に方」とか「苦しくない自殺」とかで調べるような人間だ、生きるという地獄から逃げ出したら俺もあんな姿になるのだろう。
「生きる事の地獄よりも、死ぬ事での解放を選ぶ、か…。なかなかすごい例え方をするね。でも確かにその通りかもしれない。」
さっきまで俺を真っ直ぐ見つめていたジョーカーは目線をそらし、どこか遠くを見ていた。
「ジョーカー…?」
「いや、すまない。少し昔を思い出してね。」
「む、昔?」
「気にしないでくれ。とまぁ、ストレイシープに関しては話した通りだ。次はイズナについて話そうか。」
イズナ。さっきジョーカーのことを「パパ」と呼んでいた小さな女の子だ。
「イズナには家族と呼べるものが存在しないんだ。そして実は私はイズナの本当の父では無い。」
「家族が…存在しない…?後者は何となくそんな気がしてたけど。」
「あの子はとある名家の生まれでね、いわゆるお嬢様なんだ。元々はちゃんとお父さんやお母さんが居て、執事やメイドと一緒に暮らしていたらしいんだ。でもイズナが1歳の頃、ご両親が事故で崖から転落して亡くなってしまったんだ。」
「そんな…1歳の頃に両親を…。」
「その後は親戚の名家に引き取られたんだけど、そこの家の人がとても意地悪でね。…言わなくても何となく分かると思うけど、5歳になった今でもそこでいじめを受けているんだ。」
「あんな子供をいじめるなんて…っ。」
よくテレビで自分の子供を虐待して殺したというニュースを見るが、いい気はしない。他人の子供だからって傷つけるのも許せない。
「私も君と同意見だ、子供を傷つけるのは許せない。だからある日ここに迷い込んできたイズナの父親代わりになることにしたんだ。最近ようやく私のことを"パパ"と呼んでくれるようになってね、ちょっと照れるけど嬉しいものだな。」
真剣な顔からこぼれる少し照れた顔。
話していて思ったのだが、ジョーカーはかなり人間くさい思考の持ち主だ。
「でも私がイズナの本当の父親になることは出来ない。あの子の父親はたった1人なんだから。1歳だから両親の事なんて何も覚えてないだろうと、そう思うかもしれないけど、人は見て、聞いて、感じて記憶するものなんだ。本人は覚えていなくとも思い出せないだけなんだ。イズナの中ではちゃんとご両親は生きている。だから私は本当の父親には…なれない。」
「…そうかな。」
「え?」
「俺はそうは思わないよ。確かに記憶として血の繋がったご両親はずっと残り続けると思うし、ジョーカーとイズナちゃんの血が繋がってないのは確かだよ。でも、ジョーカーのことを本当のお父さんって判断するのはイズナちゃんなんじゃないかな。それはジョーカーが決めることじゃないと思う…。」
「士くん…。」
少し驚いた顔で俺の方を見るジョーカー。
我ながら行き過ぎたことを言ってしまった。
「あ、ご、ごめん…。あくまで俺の意見だから気にしないで!」
「ふふ、いや君の言う通りだと思う。決めるのはイズナだ、ありがとう士くん。」
ジョーカーは優しく微笑んで俺にお礼を言った。
時の廻廊の守り人ジョーカー。最初は掴み所の無さそうな変な人型の未確認生物。そんなふうに思っていたけど話しているうちに、"人間よりも人間らしい"そんなふうに感じてきた。
「時の流れというものは不思議なものだな、その時々の状況によって流れが変わっているように感じる。君と会ってまだ数時間ほどしか経っていないが、随分前からの知り合いのように感じるよ。」
「確かに…!短時間に色々ありすぎてすごい時間が経ったように……時間…。あぁ!?俺出勤途中だった!!完全に遅刻だ…こ、殺される…!!!」
出勤途中だったことを思い出し青ざめる。ただでさえ役立たずで給料泥棒状態の自分が遅刻、終わった。いや、クビにでもなった方が楽なのかもしれない。
「大丈夫だよ、士くん。時の廻廊は他とは時の流れが違うんだ、君がいた世界では1分も経っていないだろう。」
「えっ、そうなの?よかったぁぁぁ(よくない)……ならまだ此処に居れるってことか。寧ろ仕事行くくらいならずっと此処に居たい…。」
「もちろん好きなだけ居てくれて構わない。ただ時間というのは有限だ、いつか必ずその時はやってくる。それを踏まえてどう動くかは君次第だよ、士くん。」
いつか必ずその時はやってくる…。どんなに逃げて逃げて逃げまくっても、必ず嫌な事にはぶち当たる。そう言われたような気がした。
「…今から頑張って行ってくるよ…。どうせいつかは行かなきゃ行けないんだもんね。奨学金も家賃も光熱費も払わなきゃだし、お金稼がないと…。元来たゲートを通れば帰れるよね?」
俺はそのままクソみたいな現実に向かって、時の廻廊にはもう二度と来れないんだろうなぁ…とそんな絶望を抱きながら、とぼとぼと歩き始めた。
「待ってくれ士くん。確かに元来たところから帰れるよ、でもその前に君に渡したい物があるんだ。」
ジョーカーが俺を呼び止めながら駆け足で寄ってきた。
そしてさっきの刀「影切丸」と何かの"鍵"のようなものを渡してきた。
「これは…えっと、影切丸…と鍵……?ってか刀なんて持ち歩いてたら銃刀法違反だし!それに俺なんかが持ってても意味無いよ…剣術とか知らないし…。」
「君の言う通りだ、確かに君にはこの刀は必要ないかもしれない。でももうこの刀の持ち主は君なんだ。大丈夫、この刀は君の思う通りの姿になる。」
「お、思う通りの姿…?」
「そう、基本はこの日本刀のような形だが、君が望めば小さな木の棒にだって出来るし、ペンにだってできる。鞄に入れて置いても違和感ないようなものにでもね。」
半信半疑だったが、言われてみたとおりに刀に向かってペンになれと念じてみた。するとみるみるうちに影切丸は小さなボールペンに姿を変えた。
「す、すげえ……。」
「そうだろう?大事にしてあげてくれ。そしてそっちの鍵は"黄水晶の鍵"。それを持っていればいつでもここ、時の廻廊に来ることが出来る。要するに時の廻廊へワープ出来る鍵、ということだ。」
「え、じゃあ俺…またここに来てもいいってこと?」
「もちろんだ、私やサブローはいつでも君を待っている。私達は君の味方だよ。」
「ジョーカー…ありがとう……ありがとうっ…!」
社会人になってからはずっと独りだった。大人というものに仲間入りしたはずなのに、味方は一人もいなかった。働いてお金を稼ぐ、ということはそういう事なのだろうけど、それでも心の拠り所のようなものが欲しかった。
それが今、ようやく出来た。
「お礼なんていいよ。自分は1人じゃない、そう思っていてくれたら嬉しいよ。」
「ありがとう…ジョーカー……。俺、頑張って行ってくるよ。」
「あぁ、行ってらっしゃい。」
「行ってきます…。」
ジョーカーに挨拶をして、俺は元来たゲートの中をくぐって行った。
気がつくといつもの通勤路だった。時計を見ると、霧が深くなってきた時と大して変わらない時間だった。
「ほんとに時間が変わってない…さっきのは本当に異世界的なやつだったのか…。それとも夢…。あっ。」
夢かと思っていたが、鞄に入れておいたペン、ジョーカーにもらった黄水晶の鍵は確かに手元にあった。
「夢じゃなかったんだ…。」
数時間あった出来事が現実では数分も進んでいない。でもさっき体験してきたことも現実。
これからまた行きたくもない会社に行く。それもまた現実だけど、なぜだか少し足取りが軽い。
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