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第三章 ダンジョン抜けても町まで遠く
甘ちゃんだのと言われても
しおりを挟む俺は影を蹴って空中へと躍り出た。エプリの所に繋がっていたボジョの触手はもう戻っている。このままセプトの所まで一直線だ。
「……!?」
そこでセプトが俺を視認する。ふっふっふ。だが遅かったな。もうこの飛翔は止められないぜ~っ!
この状況でセプトがやるとすれば影に潜って逃げるか影で迎撃するかだ。しかし迎撃しようにも、影の大半をさっき攻撃に回している。じゃあ後は実質逃げるって選択肢しかない。
セプトは俺の読み通り、身体を再び影の中に沈み込ませようとしている。じわじわ沈んでいくその様子は、見ようによっては底なし沼か何かに飲み込まれていくような不気味さがある。
だが残念。そう来るだろうって思ってたさっ! 俺はポケットの中から切り札を取り出す。……それは小さな布の袋だ。だが中に詰まっているのは危険物。銀貨十枚だ。
元々銭投げは硬貨を投げて攻撃する技だけど、硬貨一枚ずつというのは意外に投げづらい。かと言って一度に多く掴んで投げるとばらけてしまう。散弾のようにするならともかくピンポイントを狙うのは難しい。ならどうすれば良いか?
そこで考えたのが袋に詰めて投げる方法だ。これなら着弾の瞬間までばらけないし、まとめて炸裂するから威力も減衰しない。
銀貨一枚でも凶魔化バルガスの皮膚を抉った代物。それを十枚詰め込んだらどうなるか? 今見せてやるぜ。
「逃がすかあぁっ!」
俺はその危険物を空中でぶん投げた。……セプトの真上に向かって。
当然だろ? こんなもん人に当たったら痛いじゃすまないからねっ! 下手すりゃ木っ端微塵になっちゃう代物を投げられるかっての!
「金よ。弾けろっ!」
空高く舞い上がった布袋は月明かりをかき消す強い閃光と共に爆発する。爆風で周囲に漂っていた砂塵も吹き飛び、綺麗な夜空に上がったそれはちょっとした花火だ。一発一万円のお高い花火だけどな。
「これでも、食らええぇぇっ!」
硬貨をぶん投げたままの不格好な体勢だが、贅沢は言ってられない。殴り掛かるとも蹴りかかるとも言えない体勢。無理やりカッコ良く言えばフライングボディアタックである体当たりを敢行する。
下を見ると、セプトは砂塵が消えたのをこれ幸いと影に潜ろうとしていた。……だが、セプトはその途中で何かに驚いたように潜るのを止める。
潜れるものなら潜ってみろよ。さっきの数分の一に小さくなった影に潜れるのならな。
影は対象が光に照らされることで生み出される。今まで月明かりでセプトの影と周囲の影が繋がっていていたが、光源は月なのだから壊せない。
ならば一時的にでも良い。もっと強い光源を真上に出現させれば、他の影と切り離せるのではないか?
目論見は見事に当たった。まるでスポットライトのように、真上からの光によって一瞬セプトがくっきりと照らされる。
この時月明かりで伸びていた他の影は爆発の光で遮断されて入れず、潜れるのは自身の影のみ。だけど自分一人の影だけじゃまともに動く余裕もない。攻撃に回せる大きさもない。だからセプトは潜るのを一瞬躊躇した。
だけどそれは悪手だぜ。一瞬とは言えこの攻撃を避けることが出来れば、時間が経てばまた影が繋がったのだ。
だがこの戸惑いが勝負の明暗を分けた。俺は上からの爆風もものともせず……訂正する。ちょっと熱かったけど我慢してセプトの所に向けて突撃(という名の落下)をしていき、
「……かはっ!?」
影に潜れずに止まっていたセプトの身体をぶっ飛ばして影から引きずり出した。そのまま二人でもつれ合うようにしばらく転がって止まる。クッション代わりにさせてもらったが、人の命を狙っていたんだからこれくらい許せよ。
俺は素早く起き上がり、そのまま倒れているセプトの両腕をガッチリと掴む。こうすれば影に潜ろうとしても引き上げれる。
……しかし腕を掴んでいるのに反応が無いな。気を失っているのか? もしや打ちどころが悪かったか? エプリに甘いとか色々言われそうだけど、一応状態を確認しよう。
俺は予想より細いセプトの手首を片手で掴みながら、空いた手でフードを外す。
「……こういう所まで後任じゃなくても良いだろオイ」
戦っている時からそうじゃないかとは薄々思っていたさ。俺より小柄だし、さっき一瞬だけ聞こえたコイツの声はなんかそれっぽかったし、あともつれ合った時の感触も何というかその……柔らかかったし。
フードの下にあったのは、やっぱりというか女の子だった。
この世界はあれか? フードの少女は皆強いとかそんな法則でもあるの? 年は俺より少し下くらいで、濃い青色の髪のおかっぱ頭。前髪が目元を隠すように伸びていて表情は伺い知れない。しかし顔立ちは整っていて、まず間違いなく美少女だと感じさせる雰囲気があった。
おっと。悠長に見とれている場合じゃない。俺はセプトの口元に手をやって呼吸を確認。念の為に手首から脈も診る。……トクントクンと鼓動を感じて一安心だ。
以前妹の陽菜がやっていたのを見様見真似でやったが上手くいった。流石に陽菜みたく専門の勉強はしてないから不安だったが、案外何とかなるもんだ。
「……トキヒサ。どうなった?」
その声に振り返ると、エプリがよろよろとこちらへ歩いてくるのが見えた。
「ああ。こっちは何とか……エプリっ!?」
しかし途中でバランスを崩しかけたので、俺は咄嗟に走り寄ってエプリを支える。
「全く。毒で身体がふらふらなのに無茶するなよ」
「……フッ。アナタには言われたくないわね。動かないでって言っても前進するのだもの。……あのまま当初の作戦通りに私がセプトの動きを止めていれば、ここまで苦労はしなかったのに」
そう言えばエプリも影を操る魔法が使えたんだよな。あのまま俺が動かずに様子を見ていればエプリも対抗出来ていたって訳か。しかしなぁ……。
「対抗策があるならもっと早く言ってくれよな。これは俺が踏ん張るしかないと思って結構覚悟決めて行ったんだぞ」
「……話を聞かないアナタが悪い。……それにあれはあまり使いたくなかったの」
エプリはそう言って少し顔を伏せる。
「一度使っただけであんなに疲労していたしな。万全の状態じゃないとあんまり使いたくないよな」
「それだけでもないんだけど……まあ良いわ。……それで? そこに倒れているのがセプト?」
エプリは倒れているセプトに顔を向けた。今の今まで戦っていた相手だから、何か思う所もあるかもしれない。
ちなみに今はボジョが触手で拘束している。傍から見るとなんか触手プレイに見えなくもないので、あんまり凝視しないようにしているが……チラチラ見てしまうのは男の性という事で許してほしい。
「……成程ね。それでどうするの? ……ここで止めを刺しておく?」
エプリは何かに気づいたように一人頷き、その後とんでもないことを言い出した。周囲に風が軽く巻き起こる。傭兵の中では普通なのかもしれないが殺伐としすぎじゃないか?
「別にどうもしないよ。これだけやられたんだ。もう襲ってくる気もないだろう。放っておこうぜ」
「……甘いわね。報復の手段はいくらでもあるし、こういう輩はしつこいわよ。ここで仕留めた方が後々の禍根を断つという意味では確実だと思うけど?」
エプリの言う事はもっともだ。世の中道理を無視して不条理を押し付けようとする奴は多い。セプトはどうか知らないけど、クラウンはこれまでの言動からして間違いなくそういう類の奴だ。……だけど、
「それでも止めは刺さない。命っていうのは簡単に奪っていい物ではないって信じてるからな。相手が悪い奴だから殺すとか、こっちが殺されるかもしれないから殺すとか、そういうのはなんか……嫌だ」
甘ちゃんだの偽善者だのと笑わば笑え。いつか復讐に来るかもしれない。生かして将来こっちが酷い目にあうかもしれない。……それでも、俺は殺さない。殺さないし殺されない。
「……そう。私なら仕留めているけど、まあここは雇い主の顔を立てるとしましょうか」
その言葉と共に吹き荒れていた風が収まる。……よく見ればエプリの額から一筋の汗が流れている。俺の意思を確かめる為にまた無理をしたな。
「でも……これからもそんな甘い考えを持ち続けられるかしら?」
「俺一人だったらいずれ酷い目に遭って心境が変わるかもしれない。だから、そうならないように助けてくれよな。エプリ」
俺はそう言ってこの頼れる護衛兼仲間にニカッと笑いかけた。エプリは呆れたようにこちらを見て、
「…………それも依頼の内ならば」
と一言ポツリと呟いた。
「さあて、それにしても……帰るのに微妙に時間が掛かりそうだな」
戦い終えて一息ついて、そこで色々問題が残っているのに気がつく。拠点まで歩いて帰るにしても、俺達はあちこちズタボロで、それにエプリも毒でまともに動けない。……そうだ!
「なあ。エプリって薬の知識とかあるか? クラウンが薬を持ってたら分かるかもしれない」
「……いいえ。精々が簡単な止血用の物を調合できるかどうかって所で詳しくは無いわね」
エプリも首を横に振る。そう上手くは行かないか。
「……とは言え毒と対となる解毒剤を用意しているっていうのは有り得る話ね。クラウンを尋問でもしましょうか」
そうだな。分からないなら本人に聞けば良いんだ。俺はボジョにセプトを見張ってもらい、その間にエプリに肩を貸してクラウンの倒れている所に向かう。
「……あそこね」
クラウンは貯金箱を食らった時のままで倒れていた。目を覚ましていたら厄介だったけど不幸中の幸いというやつだな。
「……縛りもせずにそのまま来たの?」
「どうせ縛っても空属性で逃げられると思ってさ。それに紐も無かったし」
「…………はぁ。次からは縛っておいた方が良いわよ。紐が無くても相手の着ている衣服や持ち物を使って拘束することが出来るから」
エプリは簡単な衣服での拘束術を教えてくれる。……やけに手慣れてるのは何故か聞くべきだろうか?
「よし。俺が薬っぽい物を探すから、エプリはクラウンが起きても大丈夫なようにちょっと離れてくれ」
「……空属性で跳ぼうとしたら即座に仕留めれば良いのね。……了解」
「仕留めないっての! 解毒剤の事を訊き出すんだろ? もっと平和的に行こうぜ」
相変わらず物騒だが、何とか納得してくれたようで少し離れて待機するエプリ。
流石に美少女に悪党の服をゴソゴソさせるって言うのは絵面が悪いからな。待機と言う名の休憩をしてもらおう。……まあ俺も男の持ち物を漁るという趣味は無いけど、エプリにやらせるよりか大分マシだ。
俺はクラウンのローブに手を突っ込んで探る。時折掴みだした物をそっと地面に置くが、毒々しい色の液体が入った薬瓶だったり、さっき俺に投げつけてきたナイフだったりと危険そうな物ばかりだ。
「これじゃあどれが解毒剤だか……そうだ。査定だ!」
あれで少しでも情報が解れば! 俺は貯金箱を呼び出して早速調べてみる。すると、
解毒剤(程度 中)買取不可
と言うのが幾つか見つかった。細かく何の毒に対する解毒剤と書かれていないのが不安だが、どれかがエプリの解毒剤の可能性が高い。
だがこれ以上は流石に絞り込めない。クラウンを叩き起こして聞くか、一度調査隊の拠点に戻ってラニーさんに診てもらうしかないな。
「エプリ。解毒剤っぽいものは見つかったけど、どれがエプリに効くやつか分からない。クラウンを起こして聞くか、一度拠点に戻ってラニーさんに診てもらわないとダメそうだ」
「……仕方ないわね。じゃあ尋問するからクラウンを縛り上げて……危ないっ!?」
その言葉に、咄嗟に振り向きながら貯金箱を振るう。ガキンという金属のぶつかるような音がしたかと思うと、腕に一瞬鋭い痛みが走った。しかしそれには構わず、俺はそのまま貯金箱を振り抜く。
「ぐはっ!!」
そんな声とともに、襲いかかろうとしていた奴は貯金箱が直撃して吹き飛んだ。だが空中で体勢を整えて両足で着地する。……予想はしてたけどまたかよクラウンっ! しぶとすぎるぞ。
「クフっ。正直に言って油断していましたねぇ。まさか貴方がここまでやるとは。……しかし私をそのままにしておくなんて、愚かとしか言えませんねぇ」
敵にまでダメだしされた。分かってるよ。エプリにもさっき言われたから。
「まあ俺が抜けてるのは認めるけどな。……しかしお前何本ナイフ持ってんだよ?」
粗方取り上げたと思っていたがまだ予備があったらしい。片手でナイフを弄びながらニヤニヤと嗤うクラウンに半ば呆れかえる。……考えてみれば空属性で取り寄せたのかもな。人が移動するんじゃないから負担も軽そうだ。
「だけど近距離転移で避けようとしなかったってことはそっちも限界ってことだろ。それなら二人がかりのこっちの方が有利だぜ。そうだよなエプリ。……エプリ?」
反応が無いのを不思議に思って振り返ると、そこには苦しそうに膝をついて息を荒げているエプリの姿があった。
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