1 / 10
1話 青辿の霹靂
しおりを挟む
2015年 春
桜舞い散る季節のとある街中、テーブルを前に一人の中年がこう言う。
「あぁ、今日も今日とてマジック日和だ!」
彼はどうやら街頭芸人、それもマジシャンのようだ。
「あ?いいんだよ、バレなきゃフェアフェア!」
明らかに誰もいない空中に向かって言う。
「どうせ金なんかロクに払いやしねーんだ、その位いいじゃねぇか…」
そんなやり取りを一人でやってるうちに観客が集まってきた。
「おお、集まってきたな。行くぞ『オーバ』革命だ。」
鮮やかな手つきで次々とマジックを成功させていく。
お世辞にも天才的と呼べるものではないが彼のパフォーマンスは観客の心を魅了していく。
その時、
「なあ、その浮いてるものは何だ?」
「!?」
観客は一人の少年の突飛過ぎる発言により唖然としている。
何故なら少年の指す方向には風船やドローンはおろか、チリ一つない虚空だったからだ。
マジシャンは言う。
「興が覚めてしまったみたいだな、悪いな、少し早いが今日はもうお開きだ。」
そう言うと、集まっていた観客は帰っていった。
しばらくして、
「なあ、見えるのか?」
マジシャンは続ける。
「もし見えてるんだったら…ほれ、口止め料だ。とっととおうちに帰んな。」
マジシャンはポケットから1万円を差し出した。
「いや…帰る家がないんだ。」
少年は言う。
「なんだ、今どき流行りの家出少年ってやつか?」
マジシャンの質問に渋い表情で少年は答える。
「いや…厳密にはわからない。家はおろか、自分の素性や何故ここにいるのかの一切の記憶がないんだ。」
「…は?」
桜舞い散る季節のとある街中、テーブルを前に一人の中年がこう言う。
「あぁ、今日も今日とてマジック日和だ!」
彼はどうやら街頭芸人、それもマジシャンのようだ。
「あ?いいんだよ、バレなきゃフェアフェア!」
明らかに誰もいない空中に向かって言う。
「どうせ金なんかロクに払いやしねーんだ、その位いいじゃねぇか…」
そんなやり取りを一人でやってるうちに観客が集まってきた。
「おお、集まってきたな。行くぞ『オーバ』革命だ。」
鮮やかな手つきで次々とマジックを成功させていく。
お世辞にも天才的と呼べるものではないが彼のパフォーマンスは観客の心を魅了していく。
その時、
「なあ、その浮いてるものは何だ?」
「!?」
観客は一人の少年の突飛過ぎる発言により唖然としている。
何故なら少年の指す方向には風船やドローンはおろか、チリ一つない虚空だったからだ。
マジシャンは言う。
「興が覚めてしまったみたいだな、悪いな、少し早いが今日はもうお開きだ。」
そう言うと、集まっていた観客は帰っていった。
しばらくして、
「なあ、見えるのか?」
マジシャンは続ける。
「もし見えてるんだったら…ほれ、口止め料だ。とっととおうちに帰んな。」
マジシャンはポケットから1万円を差し出した。
「いや…帰る家がないんだ。」
少年は言う。
「なんだ、今どき流行りの家出少年ってやつか?」
マジシャンの質問に渋い表情で少年は答える。
「いや…厳密にはわからない。家はおろか、自分の素性や何故ここにいるのかの一切の記憶がないんだ。」
「…は?」
0
あなたにおすすめの小説
元公爵令嬢は年下騎士たちに「用済みのおばさん」と捨てられる 〜今更戻ってこいと泣きつかれても献身的な美少年に溺愛されているのでもう遅いです〜
日々埋没。
ファンタジー
「新しい従者を雇うことにした。おばさんはもう用済みだ。今すぐ消えてくれ」
かつて婚約破棄され、実家を追放された元公爵令嬢のレアーヌ。
その身分を隠し、年下の冒険者たちの身の回りを世話する『メイド』として献身的に尽くしてきた彼女に突きつけられたのは、あまりに非情な追放宣告だった。
レアーヌがこれまで教育し、支えてきた若い男たちは、新しく現れた他人の物を欲しがり子悪魔メイドに骨抜きにされ、彼女を「加齢臭のする汚いおばさん」と蔑み、笑いながら追い出したのだ。
地位も、居場所も、信じていた絆も……すべてを失い、絶望する彼女の前に現れたのは、一人の美少年だった。
「僕とパーティーを組んでくれませんか? 貴方が必要なんです」
新米ながら将来の可能性を感じさせる彼は、レアーヌを「おばさん」ではなく「一人の女性」として、甘く狂おしく溺愛し始める。
一方でレアーヌという『真の支柱』を失った元パーティーは、自分たちがどれほど愚かな選択をしたかを知る由もなかった。
やがて彼らが地獄の淵で「戻ってきてくれ」と泣きついてきても、もう遅い。
レアーヌの隣には、彼女を離さないと誓った執着愛の化身が微笑んでいるのだから。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ
鮭とば
ファンタジー
剣があって、魔法があって、けれども機械はない世界。妖魔族、俗に言う魔族と人間族の、原因は最早誰にもわからない、終わらない小競り合いに、いつからあらわれたのかは皆わからないが、一旦の終止符をねじ込んだ聖女様と、それを守る5人の英雄様。
それが約50年前。
聖女様はそれから2回代替わりをし、数年前に3回目の代替わりをしたばかりで、英雄様は数え切れないぐらい替わってる。
英雄の座は常に5つで、基本的にどこから英雄を選ぶかは決まってる。
俺は、なんとしても、聖女様のすぐ隣に居たい。
でも…英雄は5人もいらないな。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
企業再生のプロ、倒産寸前の貧乏伯爵に転生する
namisan
ファンタジー
数々の倒産寸前の企業を立て直してきた敏腕コンサルタントの男は、過労の末に命を落とし、異世界で目を覚ます。
転生先は、帝国北部の辺境にあるアインハルト伯爵家の若き当主、アレク。
しかし、そこは「帝国の重荷」と蔑まれる、借金まみれで領民が飢える極貧領地だった。
凍える屋敷、迫りくる借金取り、絶望する家臣たち。
詰みかけた状況の中で、アレクは独自のユニーク魔法【構造解析(アナライズ)】に目覚める。
それは、物体の構造のみならず、組織の欠陥や魔法術式の不備さえも見抜き、再構築(クラフト)するチート能力だった。
「問題ない。この程度の赤字、前世の案件に比べれば可愛いものだ」
前世の経営知識と規格外の魔法で、アレクは領地の大改革に乗り出す。
痩せた土地を改良し、特産品を生み出し、隣国の経済さえも掌握していくアレク。
そんな彼の手腕に惹かれ、集まってくるのは一癖も二癖もある高貴な美女たち。
これは、底辺から這い上がった若き伯爵が、最強の布陣で自領を帝国一の都市へと発展させ、栄華を極める物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる