幼女剣王KUSARI ~俺が幼女になっちゃった!転生ドルオタの異世界無双!俺、異世界でアイドルになります!

ZUZU

文字の大きさ
37 / 57

幹部狩り

しおりを挟む
 王都にいる『スネイル』は壊滅。
 幹部のボエルッタから、『スネイル』本体の情報も得られた。

 それによると、『スネイル』のボスは『マタド=ナリ』にいる。
 大陸北部の『ハジマッタ王国』にある街だ。

 というわけで――

「じゃ、行っちゃおうか」

 イゼルダが言うと、反応は2つに別れた。
 顔を強張らせるのと、ほころばせるの。
 警邏隊の偉そうな人以外は、全員、後者だった。

 5分後、俺たちは『マタド=ナリ』にいた。

 ●

 転移魔法だと、移動時間がかからないから、距離が分からない。もしかしたら、時差があったのかもしれない。王都はまだ夜だったのに、『マタド=ナリ』はもう朝だった。

 イゼルダが、通りかかった宿の看板を指さして言った。

「お昼に、あそこに集合ね」

 そこからは、別れて自由行動だ。イゼルダと俺、ウィルバーとミルカ、アドニスの3組。別れて数ブロックも歩く頃には、街のあちこちの方角から火の手が上がり始めていた。ミルカの『黒い代行者ブラック・サブスティチュート』だ。彼女は、スネイル構成員の殲滅を任されている。

「あそこの家ですね。グリドモアースが住んでます」

 イゼルダと俺は、幹部の担当だ。
 情報をもとに、一軒一軒、棲家を訪ねてぶった切っていく。
 最初の一軒は『キツネ目のグリドモアース』。
 凄腕の『毒使い』だ。

「じゃ、ここは私がやっちゃうね? 一軒ごとに、交代でいきましょう」

 右手に剣、左手に硬貨の詰まった袋を持って、イゼルダがドアの前に立つ。
 ごとん。
 ドアの向こうで何か重い物が落ちた音がし、俺達は家の中へと入った。
 ずかずかと奥に進み、着いたのは寝室。

「おうら。起きろ~」

 ベッドで寝てる男に、俺は持ってた黒い物を叩きつける。
 玄関で拾った、錠前の残骸だ。

「い、いってえなあ。ユウキ? カレン? 誰だよ……」

 頭を押さえ、シーツの中から起き上がる青年は、そんな仕草すらもさまになる、しゅっとしたイケメンだった。アドニスと並んだら、さぞ絵になりそうだ。こういうイケメンに対して、そろそろ俺も『もげろ』以外のボキャブラリーを手に入れるべきかもしれない。

 俺はしゃがんだ。
 頭の上を、幻の剣閃が通り過ぎていく。

「さすがね~。クサリちゃん、思った通りやりやすいわ」

 携えた剣を、ぴくりとも動かさぬまま、イゼルダが言った。

 イゼルダは、その能力で、剣を振らずに敵を斬る。しかし『実際に剣を振って斬るのと同じ様に、剣の通るルートを空けておいた方がやりやすいのでは?』という俺の推測は、正しかったみたいだ。

 振り向くと、部屋の隅で女がまっぷたつになっていた。吊り上がった細い目に、肘までを覆う手袋。ボエルッタの情報によると、あの手袋の下がどうなってるかは、誰にも見せたことがないらしい。

「……お、お、おおおおぅ?」

 青年が、目を丸くしていた。いつもならこの時間、彼はまだ熟睡している。ちょっとやそっとの物音では目を覚まさないくらい深く――グリドモアースの薬によって。

 これもボエルッタの情報だが、グリドモアースは、毎晩、この青年の寝顔を眺めていたのだという。あの部屋の隅から、毎晩毎晩。部屋に転がる人体の残骸から、青年がその答えにたどり着くことは出来るだろうか? 出来ない方が幸せだとは思うが。

 投げキッスして寝室を去り。
 家を出るなり、イゼルダが言った。

「ああいうをさ。ぶん殴りながらファックするのって最高なのよね」

 応えず、次の家へと向かった。
 二件目は『稲妻のベルクト』。
 雷撃系の魔法の使い手だ。

「今度は、私の番ですよね」

『両断』イメージで扉を真っ二つにし、家に入った。情報通り、家の中は床が水浸しになってた。そしてこれも情報通り、部屋の真ん中に置いた椅子に、体育座りしてる男がいる。

 これが『稲妻のベルクト』だ。

 猜疑心の塊である彼は、寝首をかかれるのを恐れ、夜間のほとんどを、こうして襲撃者を待つことに費やしているのだという。当然、睡眠不足が心配されるわけだが、その分は昼寝で補っているとのことだ。そして、床が水浸しになってるのは――ベルクトが言った。

「待ってて……良かった」

 ベルクトの指先から発した雷撃が床に――床を濡らした水に迸る。水を伝って奔った雷撃は、俺とイゼルダを――

「そーいそいそいそいそいそいそい」

――襲う直前、床近くで回した俺の木剣に絡め取られ、

「そいそい、そいやっ!」

最後は黄金色のボールとなって、ベルクトの元へと投げ返された。

「お……俺の、手が」

 それを両手で受けるベルクトだったが――手首から先を失うのに、一秒かからなかった。そして、雷撃を自らの身体に与えて得た超スピードで俺に襲いかかったのだが。

「そいやっ!」

 いま放った黄金のボールのイメージを叩きつけられ、空中で炭になった。

「すご~い。いまのどうやったの? クサリちゃん」

 俺は答えた。

「剣に、イメージを込めたんです。割り箸で綿あめを巻いて取るイメージで雷撃をすくい取って、それを球にして、ベルクトに叩きつけたんですよ」
「へ~。綿あめって何?」
「えーと、それはですねえ……」

 ベルクトの家を出ると、街はもう大火事になってた。
 しかし、イゼルダは気にした風でもない。

「だってここ、うちの国じゃないし」

 とのことだ。
 こんな感じで、俺とイゼルダはさくさく幹部を斃していったのだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

異世界に転生した俺は英雄の身体強化魔法を使って無双する。~無詠唱の身体強化魔法と無詠唱のマジックドレインは異世界最強~

北条氏成
ファンタジー
宮本 英二(みやもと えいじ)高校生3年生。 実家は江戸時代から続く剣道の道場をしている。そこの次男に生まれ、優秀な兄に道場の跡取りを任せて英二は剣術、槍術、柔道、空手など様々な武道をやってきた。 そんなある日、トラックに轢かれて死んだ英二は異世界へと転生させられる。 グランベルン王国のエイデル公爵の長男として生まれた英二はリオン・エイデルとして生きる事に・・・ しかし、リオンは貴族でありながらまさかの魔力が200しかなかった。貴族であれば魔力が1000はあるのが普通の世界でリオンは初期魔法すら使えないレベル。だが、リオンには神話で邪悪なドラゴンを倒した魔剣士リュウジと同じ身体強化魔法を持っていたのだ。 これは魔法が殆ど使えない代わりに、最強の英雄の魔法である身体強化魔法を使いながら無双する物語りである。

異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める

自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。 その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。 異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。 定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業

ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。

猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る

マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・ 何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。 異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。  ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。  断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。  勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。  ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。  勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。  プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。  しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。  それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。  そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。  これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。

『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』

チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。 気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。 「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」 「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」 最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク! 本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった! 「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」 そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく! 神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ! ◆ガチャ転生×最強×スローライフ! 無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

没落ルートの悪役貴族に転生した俺が【鑑定】と【人心掌握】のWスキルで順風満帆な勝ち組ハーレムルートを歩むまで

六志麻あさ
ファンタジー
才能Sランクの逸材たちよ、俺のもとに集え――。 乙女ゲーム『花乙女の誓約』の悪役令息ディオンに転生した俺。 ゲーム内では必ず没落する運命のディオンだが、俺はゲーム知識に加え二つのスキル【鑑定】と【人心掌握】を駆使して領地改革に乗り出す。 有能な人材を発掘・登用し、ヒロインたちとの絆を深めてハーレムを築きつつ領主としても有能ムーブを連発して、領地をみるみる発展させていく。 前世ではロクな思い出がない俺だけど、これからは全てが報われる勝ち組人生が待っている――。

処理中です...