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プリフィクス
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自分の推しに、自分の全てを知られる。
どういう地獄だよ、と言いたくなる。
シャルロットが眉をひそめたり「へぇ~」と感心した風の声をあげたりする。
そのたび私は、いま彼女は私の人生のどこを見ているのだろうかと気になって、いたたまれなくなる。
間違いなく、私は死んだのだろう。
シャーロットは、こう言っていた。
『これから、私はあなたとして生き、あなたは私として生きるわけなのだけど』
と。
つまりそれは、そういうことなのだ。
これから、私たちが何をするのか。
シャルロットに訊ねるまでもなく、彼女が知ってるのと同じ情報が、既に私にも伝わっていた。
「ありがとう」
私の人生を見終えて、シャルロットが言った。
体感で五分も経たぬ間で、彼女は私について知り尽くしていた。
私の、人生について。
「………」
「………」
お互いに、無言で。
彼女が、私に背を向ける。
私も、彼女に背を向けて歩きだす。
ずっと先に、小さな光が見えた。
シャルロットが歩く先にも、同じような光があるのだろう。
お互いに、かける言葉はなかった。
私は、これからシャルロットとして人生を生きる。
シャルロットもまた、私として生きる。
闇の中で得た情報によるなら、スタートは三年前。
私は、『蒼穹のプリフィクス』のゲーム開始時点から三年前。
シャルロットは、私が借金取りに拉致された、十七歳の誕生日の三年前。
そこから、お互いの人生を生き直すのだ。
同じ様に、酷いことが起こるのだろう。
酷い目に、遭うことになるのだろう。
でも――
シャルロットについて知り尽くしてる、私なら。
私について知り尽くしてる、シャルロットなら。
――私たちなら。
少しは、マシな人生に。
いや。
幸せに。
幸せに、なるのだ。
私たちは、幸せな人生を生きるのだ。
最初は針の先ほどにしか見えてなかった光が、いまでは私の背丈より大きくなっている。
私は、その中に飛び込んでいった。
『蒼穹のプリフィクス』が、始まる前。
更なるそれ以前の世界へと――
どういう地獄だよ、と言いたくなる。
シャルロットが眉をひそめたり「へぇ~」と感心した風の声をあげたりする。
そのたび私は、いま彼女は私の人生のどこを見ているのだろうかと気になって、いたたまれなくなる。
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シャーロットは、こう言っていた。
『これから、私はあなたとして生き、あなたは私として生きるわけなのだけど』
と。
つまりそれは、そういうことなのだ。
これから、私たちが何をするのか。
シャルロットに訊ねるまでもなく、彼女が知ってるのと同じ情報が、既に私にも伝わっていた。
「ありがとう」
私の人生を見終えて、シャルロットが言った。
体感で五分も経たぬ間で、彼女は私について知り尽くしていた。
私の、人生について。
「………」
「………」
お互いに、無言で。
彼女が、私に背を向ける。
私も、彼女に背を向けて歩きだす。
ずっと先に、小さな光が見えた。
シャルロットが歩く先にも、同じような光があるのだろう。
お互いに、かける言葉はなかった。
私は、これからシャルロットとして人生を生きる。
シャルロットもまた、私として生きる。
闇の中で得た情報によるなら、スタートは三年前。
私は、『蒼穹のプリフィクス』のゲーム開始時点から三年前。
シャルロットは、私が借金取りに拉致された、十七歳の誕生日の三年前。
そこから、お互いの人生を生き直すのだ。
同じ様に、酷いことが起こるのだろう。
酷い目に、遭うことになるのだろう。
でも――
シャルロットについて知り尽くしてる、私なら。
私について知り尽くしてる、シャルロットなら。
――私たちなら。
少しは、マシな人生に。
いや。
幸せに。
幸せに、なるのだ。
私たちは、幸せな人生を生きるのだ。
最初は針の先ほどにしか見えてなかった光が、いまでは私の背丈より大きくなっている。
私は、その中に飛び込んでいった。
『蒼穹のプリフィクス』が、始まる前。
更なるそれ以前の世界へと――
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