YELL~未来からのメッセージ~

ブックリーマン

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第2章:輝く未来の裏側

灯火

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神田駅から徒歩 7 分の真新しいビルの一室。

目の前に退職届を見つめる男がいた。孝一だ。
退職届は、社員から受け取ったものだ。

会社を数年前に退職して、人材コンサルタント会社を起業した。
最初は売上も順調に伸ばしていたが、最近社員とのコミュニケーション不調に頭を抱えていた。孝一から言わせれば「やる気の問題」と考えている。もっとモチベーションを上げてもらいたい。そんなことを伝えた翌日には、すぐこのような退職届が手元に届く。

今年に入って何人目だろうか。
どこで道を間違えたのだろう。

思い悩む中で、若い頃に途中で読むことを止めたあの本を思い出した。
「Yell」自宅の本棚に保管をしていたはずだが。その続きは、まだ読んでいない。

未来の自分は、なぜこの本をまとめたのか。自分と同じように壁にぶつかり、同じ過ちを繰り返さないように、過去の自分にメッセージとして送ったものだったのかもしれない。今更ながらもう何年も前に手放した本の存在が気になり始めた。

そういえば、こんなことが書いてあった。
「人生は何度でもやり直せる。思い立った時がスタートラインなのだ」という言葉だ。

絶望の淵に居た自分にそっと寄り添ってくれる言葉であった。
気持ちを奮い立たせ、事業の再始動を行っていこう。
あの時の選択は、「間違いだった」にはしたくない。

これまで行動によって築いてきた自信が、それを否定すると一気に崩れてしまいそうな予感だけが、今の孝一を動かす唯一の原動力となっていた。
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