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【第1章 誕生日と七夕 】
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今日は、私の誕生日。
私、七星 蝶心(ななせ ちょう)16歳になった。私は本当になにもかも全てが嫌い。きっとこれからもそれは変わらないと思う。
私は生れつき肺が弱いせいで行動が制限されていた。けれど、手術のおかげでだいぶ楽にはなったわ。私の身体には傷がついた。大きな大きな三日月型の傷ね。それに加えて、目が悪く、肌の色と髪の色も色素が薄いの。黒色なのに透明に見える私の髪はただただ薄気味悪がられる。
私は、さっき話したとおり健康面があまり良くない。と言うより、悪い。じゃあ、その他の面はと言うと、運動面ではそもそも話にならない。なぜなら、私は運動ができないから。さっき言った通り手術をしたから。
見た目だけでは分からないから、皆リハビリすれば治るんだと思っていたらしい。人は実際に見えたものしか信じない。だから、仲のいいクラスメイトによく冗談で「本当は運動出来んじゃないの?走るくらいできるでしょ?笑」って言われるの。私はできないからできないって言ったんだけどね。実際に見たものしか信じない人には何を言っても無駄。まぁ、私は元からそんなに運動神経がよかったという訳じゃないから、運動が出来なくてもそんなに悲しくはない。
じゃあ、次は勉強面ね。勉強は、ばっさりいって並。平均点のちょっと上の点数をとってる感じ。追試があれば、40%の確率でひっかかる。まぁ、色々とギリギリな感じかな。あなたは、今までの話を聞いていて気づいたかしら?私には、なんの取り柄もないことを。そして、なんの価値もないことを。
次は、私の私生活を話そうかしら。私の家族は4人家族。母、父、私、妹。母は、主婦。父は、公務員をしてる。妹は、バスケと陸上が得意でよく賞状をとってくる。はっきり言うけど私、家族全員嫌いなんだよね。
まず、父は思いやりというものがない。優しさがかけている。家での父は世間で言うDV夫をつとめてる。よく私や母を殴るの。口ごたえしたら、それでおしまい。何も言わないのが1番いいの。
昔、妹が口ごたえしたら、頭を13針縫う怪我をしたわ。体のあざなんて日常茶飯事。そしてそれは、当たり前だけれども私が手術をしてからも続いてる。私には力がない。それは変えようのない事実でどうしようもない。 だから、何も言わないでいる。
頭の悪い人は、人の話を聞くよりも先に怒鳴り散らして、自分のおもうままにねじふせるから、何を言っても無駄。いつでも、自分が正しいと思ってるから。自分が1番えらいと思ってるから。これが、当たり前だと思ってるから。
私が土日に出かけられないのは父のせい。父は、私をあらゆる世界から、遠ざけようとする。
小学校の時、「中学生になったら外に出かけても良いでしょ?」って父に言ったら、当たり前だというふうに「いいよ。」と言った。
でも、それは単なる口約束でしかない。いざ中学生になったら、小学生の時と変わらなかった。
「まだ、子供なんだから。遊ぶ暇あるなら勉強しろ。」と言われた。
私はもちろん「約束したじゃん。」と言ったけど、父の中ではそんな約束はしてない事になっていた。
父は「まだ子供なんだから。」と言ったけど、それは私が大切だから言った言葉じゃない。私を遊びに行かせないのも自分が働いている間に私が良い思いをするのが嫌だから。
世間では、父は娘の幸せを何よりも願うと言うけど、父は娘の幸せを何よりも嫌う。父は、私に父が稼いできたお金を使ってほしくないんだ。私だって、働けたら自分で働いて自分のお金ででかけたい。
父はお金を稼いできてるから、自分がえらいと思ってる。仕事と学校は違うと言う。けど、私たちは学校に行って勉強することが仕事。だから、父とはお金を貰っているか、いないかの違いでしかない。私たちも、これからの未来を背負っていくために勉強しているのだから、お金をもらえたってちっともおかしくない。父はそんな単純な事にも気づかない。そして、人を見下す。自分勝手なナルシスト。これが、私の父。これが、人間のクズ。これが、本当の汚物。
母も私を嫌う。母は、私に一切関わらない。機嫌が良いとたまに何かを買ってくれる。
でも、それはきっと自分が母親をしているという確信がほしいから。ただの自己満足でしかない。その証拠に私が話しかけても返事をしない。会話をしない。いつも、ただ突然都合のいい時だけ私を使う。そして、わたしが何か言うと泣く。さも、私が悪いように。まるで自分が必死に育ててきたのにどうしてこうなってしまったのという風に。私を妹と比較して、ただただ私のプライドをプライバシーを全て壊していく。いつも、そして一言「あなたは、お父さんに似ているわね」と。これが、私の母。これが、臆病でずるい人間の底辺。
妹はある意味、母と父両方に似ていないのかもしれない。妹は大体のことが私よりも優れている。スポーツ全般が得意でよく賞状をとってくる。でも、満足しない。妹はなんでも欲しがる。私の部屋にこっそり何度はいったのだろうか。何度、私物を勝手に使われたのだろうか。そして、妹は私と一緒にされる事を嫌う。
妹と私がお揃いで持っているものは2つしかない。
ひとつは、母が自己満足で買ったカチューシャ。
ふたつめは、何も知らない祖父と祖母が買った水筒。
あと、言っとくけど私は気づいてるよ?妹が私の状態を母に報告している事を。私はね、4年前偶然聞いちゃったの。洗面台で母と妹が私の悪口をいっていたのをね。そんなに憎悪を抱かれてるとは思わなかったわ。
妹は私に色々聞くけど、私は何も教えない。私は上手く演じられているでしょ?嘘で塗り固められた話をさも本当のように話す。そして、妹はそれを信じて母に話す。ほんとにバカね。私は、そんなに頭がいかれたふうに見えるのかしら。やっぱり、最初に話した話を少し訂正するわ。妹はある意味父と母両方に似ている。
私は、家族の誰1人も信じない。でも、タンバは別。タンバは、私がこっそり飼っているとても綺麗なグレーの毛の子ねこ♀。高校に入ってすぐの時に橋の下に捨てられているのを見つけたの。どうしても放っておけなくて、拾ってきた。その時は、まだ生まれたばかりで死んでしまうんじゃないかと思ったけど、こうして元気になった。この子も、私と同じように一人ぼっちだったから、放っておけなかったのかもしれない。まぁ、単に私がすごい猫好きっていうのもあるけど。
タンバは、私のたった唯一の心の支え。学校に行く時も、家に置いておくのは不安だから、連れていってる。連れていっても、大人しいから、安心していられる。それで、休み時間事に2人で教室の窓のすぐそばの木の上で日向ぼっこをするの。前に一度授業に遅れそうになって、タンバをバッグに隠せなかった時があってね。とっさに、首の後ろにタンバを隠して授業を受けたけど全くバレなかったんだよ。私の実の家族よりも本当にお利口さん。私は、心の底からタンバが大好き。
学校の友達は、仲のいい子が2人だけいる。小学校、中学校ずっと一緒。2人には、家の事情を少し話してる。でも、真実を話すわけにはいかないから、嘘でも本当でも無い話を話すしかないの。まぁ、仲がよくても私は自分をかくしているけどね。クラスメイトには、仮面を被った私の偽りの笑顔を見せてあげてるのよ。皆それを信じる。だから、ある意味私は学校にいる方が楽かも。もし、私の全てを知ってしまったら、皆どうなるのかしらね。
国語の弁論文とかでもよく児童虐待についてみんな語ってるけど、実際に立ち会ったら何も出来ないでしょう。皆が言ってるのは、理想であって現実ではないのだから。子供相談ダイヤルだって、はっきり言うけどほぼ役に立ってないんじゃない?親のことを話して解決したとしてもその後が問題だもの。何処に住むの?誰と暮らすの?そんな事誰も保証してくれないじゃない。子供相談ダイヤルにかけたり、家出するのは、あまりにも無謀なこと。だから、私は後先考えずに突っ走ることはできない。クラスメイトは、「もし家出したら、私の家に住んだらいいじゃん」って言うけど実際にそうなったら、絶対にたすけてはくれない。友だちなんて、上っ面ばっかだもの。その場を楽しむだけにお互いを必要としてる。秘密だってすぐにばらすし、気に入らなくなったら悪口を言って、いじめるしね。とにかく、私は学校では自分をつくって過ごしてる。
分かってくれたかしら?私には何もない。ただただ、時間が過ぎていくだけ。居心地悪い家で毎日を過ごし、新しいあざができるの。自分では抗う事ができなくて、ずっと耐えてる。我慢するだけの生活。私は力が欲しい、自由が欲しいの。
7時30分・・・。
あーあ、ああああああ。始まるわ。私の誕生日会が。家族が自己満足するためだけの私の誕生日。ほらっ、今年もプレゼントがないわ。ケーキだけ。ホールケーキだけど、私の皿によそられているのが1番小さい。誕生日会だから、一応ケーキはかうのよね。安上がり。2人とも普段、自分の服や靴を買うほどのお金はあるのにね。つまり、わたしにはもう手術も終わったし、一銭もお金をかけたくないってこと。
「お誕生日おめでとう。」
「お前ももう16歳か。勉強をしっかりしろよ。」
「ケーキしかかってあげられなくてごめんね。父さんも母さんもあんたが無事大人になって、幸せになる事だけを願ってるんだからね。」
「お前は、運動できない分大変な事や辛い事が多いだろうけどがんばるんだぞ。」
「お姉ちゃん、早い~。もう高校生とかぁー。ほんとに、あっとゆう間ー。」
「おいっ、お前シャンパンを飲むからグラスをとってこい。ほら、今のうちに父親に親孝行しておくんだぞ。」
「どのグラス?あっ。」
ガシャーン パリンッ……
「あーーー!!お姉ちゃんー!」
「何?どうしたの?」
「ごめんなさい。グラスを割っちゃった。」
「はぁ?おいおいおい。だから、いつも言ってんのに、馬鹿だなあ。お前は注意が足りないんだよ。馬鹿が。学習しろよ。 あーあ。このグラス高いって事しってるよな?前に話したよな。馬鹿、馬鹿、馬鹿、馬鹿、馬鹿、馬鹿、馬鹿、馬鹿、馬鹿、馬鹿。いっつも、余計なことしかしないよな。お前、邪魔なんだよまじで。金ばっかかかるしよ。これ全部お前買えよ?分かったか?早く返事しろ。返事っ!!」
「はい。」
「早く片付けろ。早くっ、早くしろって。」
「片付け終わったか?お前は、邪魔なんだよ。だから、早く2階に勉強しに行け。もう、リビングに降りてくんなよ。」
ほらね。私の誕生日でも関係ない。絶対にこうなる。てか、私がうまれてこなければよかったのにって思ってるのに誕生日会を開く時点で駄目なのよ。グラスを割った時、私よりもまっ先にグラスの心配をしたものね。私はあのグラスよりも価値が低い。もう、全部いやっ。駄目だ。駄目だ。私、、、、。ほんとにもう疲れたわ。疲れた。
「タンバ……。私にはお前しかいないわ。もう疲れたの。お前の綺麗な毛が濡れてしまうけど今日も一緒に寝てくれないかしら?」
私は小さな嗚咽を漏らしながら言った。
タンバは、質問に答えるように蝶心に頭をこすりつけてきた。こうして、蝶心は涙を流しながら声を押し殺してタンバと布団にはいって寝たのでした。
そして迎えた朝…
私の誕生日の翌日は、七夕。皆がお願いごとをする、希望溢れる日。私は自分の誕生日よりも今日が好き。彦星と織姫が一年に一回だけ会える特別な日だから。2人は今日のために毎日を生きてる。誰かの為に生きようとする2人が私は羨ましい。恋をした事が無いばかりか、動物へ捧げる愛しかしらない私は誰かの為に生きようとか思った事は一度も無い。
そんなに私のくらい気持ちとは裏腹に七夕に見える満月は毎年決して劣ることなく輝く。この月を私はベランダから見ていた。近所から、聞こえる家族の団欒の声が団地に響いている。私の部屋にベランダがついていて良かったと思うのはこの日だけ。でも、周りの笑い声は、不幸な私はどうしても好きになれない。だから、いつかほかの人の幸せを心の底から喜べるようになりたい。でも、そんな日は、やって来るのだろうか?家族の愛すら、私は持ってない。私は、なんの為に生きているのだろう。毎年、こう考えて一年を乗り切ってきた。
でも、今年は乗り切れるか分からない。私は疲れたから。
だから、私は今年初めて願い事をしようと思う。毎年、この日は彦星と織姫の再開を喜んで、羨ましく思ってた。ごめんね、彦星と織姫。今年だけは、私にもお願いごとをさせて。私のこの図々しさを許してね。私は、人の幸せをいつも心の底から喜べないでいるけれど、自分の幸せを願うなんてね。どうか、私の願いを聞いて。
わたしは…
暗闇を照らす満月を見て私は心の底から願った。
わたしは…わたしは…幸せになりたい。
これが私の願い。
これが一番最初に頭に浮かんだの。彦星と織姫は叶えてくれるかしら。
そう心の中で思い、膝の上に乗ったタンバを撫でた蝶心でした。
私、七星 蝶心(ななせ ちょう)16歳になった。私は本当になにもかも全てが嫌い。きっとこれからもそれは変わらないと思う。
私は生れつき肺が弱いせいで行動が制限されていた。けれど、手術のおかげでだいぶ楽にはなったわ。私の身体には傷がついた。大きな大きな三日月型の傷ね。それに加えて、目が悪く、肌の色と髪の色も色素が薄いの。黒色なのに透明に見える私の髪はただただ薄気味悪がられる。
私は、さっき話したとおり健康面があまり良くない。と言うより、悪い。じゃあ、その他の面はと言うと、運動面ではそもそも話にならない。なぜなら、私は運動ができないから。さっき言った通り手術をしたから。
見た目だけでは分からないから、皆リハビリすれば治るんだと思っていたらしい。人は実際に見えたものしか信じない。だから、仲のいいクラスメイトによく冗談で「本当は運動出来んじゃないの?走るくらいできるでしょ?笑」って言われるの。私はできないからできないって言ったんだけどね。実際に見たものしか信じない人には何を言っても無駄。まぁ、私は元からそんなに運動神経がよかったという訳じゃないから、運動が出来なくてもそんなに悲しくはない。
じゃあ、次は勉強面ね。勉強は、ばっさりいって並。平均点のちょっと上の点数をとってる感じ。追試があれば、40%の確率でひっかかる。まぁ、色々とギリギリな感じかな。あなたは、今までの話を聞いていて気づいたかしら?私には、なんの取り柄もないことを。そして、なんの価値もないことを。
次は、私の私生活を話そうかしら。私の家族は4人家族。母、父、私、妹。母は、主婦。父は、公務員をしてる。妹は、バスケと陸上が得意でよく賞状をとってくる。はっきり言うけど私、家族全員嫌いなんだよね。
まず、父は思いやりというものがない。優しさがかけている。家での父は世間で言うDV夫をつとめてる。よく私や母を殴るの。口ごたえしたら、それでおしまい。何も言わないのが1番いいの。
昔、妹が口ごたえしたら、頭を13針縫う怪我をしたわ。体のあざなんて日常茶飯事。そしてそれは、当たり前だけれども私が手術をしてからも続いてる。私には力がない。それは変えようのない事実でどうしようもない。 だから、何も言わないでいる。
頭の悪い人は、人の話を聞くよりも先に怒鳴り散らして、自分のおもうままにねじふせるから、何を言っても無駄。いつでも、自分が正しいと思ってるから。自分が1番えらいと思ってるから。これが、当たり前だと思ってるから。
私が土日に出かけられないのは父のせい。父は、私をあらゆる世界から、遠ざけようとする。
小学校の時、「中学生になったら外に出かけても良いでしょ?」って父に言ったら、当たり前だというふうに「いいよ。」と言った。
でも、それは単なる口約束でしかない。いざ中学生になったら、小学生の時と変わらなかった。
「まだ、子供なんだから。遊ぶ暇あるなら勉強しろ。」と言われた。
私はもちろん「約束したじゃん。」と言ったけど、父の中ではそんな約束はしてない事になっていた。
父は「まだ子供なんだから。」と言ったけど、それは私が大切だから言った言葉じゃない。私を遊びに行かせないのも自分が働いている間に私が良い思いをするのが嫌だから。
世間では、父は娘の幸せを何よりも願うと言うけど、父は娘の幸せを何よりも嫌う。父は、私に父が稼いできたお金を使ってほしくないんだ。私だって、働けたら自分で働いて自分のお金ででかけたい。
父はお金を稼いできてるから、自分がえらいと思ってる。仕事と学校は違うと言う。けど、私たちは学校に行って勉強することが仕事。だから、父とはお金を貰っているか、いないかの違いでしかない。私たちも、これからの未来を背負っていくために勉強しているのだから、お金をもらえたってちっともおかしくない。父はそんな単純な事にも気づかない。そして、人を見下す。自分勝手なナルシスト。これが、私の父。これが、人間のクズ。これが、本当の汚物。
母も私を嫌う。母は、私に一切関わらない。機嫌が良いとたまに何かを買ってくれる。
でも、それはきっと自分が母親をしているという確信がほしいから。ただの自己満足でしかない。その証拠に私が話しかけても返事をしない。会話をしない。いつも、ただ突然都合のいい時だけ私を使う。そして、わたしが何か言うと泣く。さも、私が悪いように。まるで自分が必死に育ててきたのにどうしてこうなってしまったのという風に。私を妹と比較して、ただただ私のプライドをプライバシーを全て壊していく。いつも、そして一言「あなたは、お父さんに似ているわね」と。これが、私の母。これが、臆病でずるい人間の底辺。
妹はある意味、母と父両方に似ていないのかもしれない。妹は大体のことが私よりも優れている。スポーツ全般が得意でよく賞状をとってくる。でも、満足しない。妹はなんでも欲しがる。私の部屋にこっそり何度はいったのだろうか。何度、私物を勝手に使われたのだろうか。そして、妹は私と一緒にされる事を嫌う。
妹と私がお揃いで持っているものは2つしかない。
ひとつは、母が自己満足で買ったカチューシャ。
ふたつめは、何も知らない祖父と祖母が買った水筒。
あと、言っとくけど私は気づいてるよ?妹が私の状態を母に報告している事を。私はね、4年前偶然聞いちゃったの。洗面台で母と妹が私の悪口をいっていたのをね。そんなに憎悪を抱かれてるとは思わなかったわ。
妹は私に色々聞くけど、私は何も教えない。私は上手く演じられているでしょ?嘘で塗り固められた話をさも本当のように話す。そして、妹はそれを信じて母に話す。ほんとにバカね。私は、そんなに頭がいかれたふうに見えるのかしら。やっぱり、最初に話した話を少し訂正するわ。妹はある意味父と母両方に似ている。
私は、家族の誰1人も信じない。でも、タンバは別。タンバは、私がこっそり飼っているとても綺麗なグレーの毛の子ねこ♀。高校に入ってすぐの時に橋の下に捨てられているのを見つけたの。どうしても放っておけなくて、拾ってきた。その時は、まだ生まれたばかりで死んでしまうんじゃないかと思ったけど、こうして元気になった。この子も、私と同じように一人ぼっちだったから、放っておけなかったのかもしれない。まぁ、単に私がすごい猫好きっていうのもあるけど。
タンバは、私のたった唯一の心の支え。学校に行く時も、家に置いておくのは不安だから、連れていってる。連れていっても、大人しいから、安心していられる。それで、休み時間事に2人で教室の窓のすぐそばの木の上で日向ぼっこをするの。前に一度授業に遅れそうになって、タンバをバッグに隠せなかった時があってね。とっさに、首の後ろにタンバを隠して授業を受けたけど全くバレなかったんだよ。私の実の家族よりも本当にお利口さん。私は、心の底からタンバが大好き。
学校の友達は、仲のいい子が2人だけいる。小学校、中学校ずっと一緒。2人には、家の事情を少し話してる。でも、真実を話すわけにはいかないから、嘘でも本当でも無い話を話すしかないの。まぁ、仲がよくても私は自分をかくしているけどね。クラスメイトには、仮面を被った私の偽りの笑顔を見せてあげてるのよ。皆それを信じる。だから、ある意味私は学校にいる方が楽かも。もし、私の全てを知ってしまったら、皆どうなるのかしらね。
国語の弁論文とかでもよく児童虐待についてみんな語ってるけど、実際に立ち会ったら何も出来ないでしょう。皆が言ってるのは、理想であって現実ではないのだから。子供相談ダイヤルだって、はっきり言うけどほぼ役に立ってないんじゃない?親のことを話して解決したとしてもその後が問題だもの。何処に住むの?誰と暮らすの?そんな事誰も保証してくれないじゃない。子供相談ダイヤルにかけたり、家出するのは、あまりにも無謀なこと。だから、私は後先考えずに突っ走ることはできない。クラスメイトは、「もし家出したら、私の家に住んだらいいじゃん」って言うけど実際にそうなったら、絶対にたすけてはくれない。友だちなんて、上っ面ばっかだもの。その場を楽しむだけにお互いを必要としてる。秘密だってすぐにばらすし、気に入らなくなったら悪口を言って、いじめるしね。とにかく、私は学校では自分をつくって過ごしてる。
分かってくれたかしら?私には何もない。ただただ、時間が過ぎていくだけ。居心地悪い家で毎日を過ごし、新しいあざができるの。自分では抗う事ができなくて、ずっと耐えてる。我慢するだけの生活。私は力が欲しい、自由が欲しいの。
7時30分・・・。
あーあ、ああああああ。始まるわ。私の誕生日会が。家族が自己満足するためだけの私の誕生日。ほらっ、今年もプレゼントがないわ。ケーキだけ。ホールケーキだけど、私の皿によそられているのが1番小さい。誕生日会だから、一応ケーキはかうのよね。安上がり。2人とも普段、自分の服や靴を買うほどのお金はあるのにね。つまり、わたしにはもう手術も終わったし、一銭もお金をかけたくないってこと。
「お誕生日おめでとう。」
「お前ももう16歳か。勉強をしっかりしろよ。」
「ケーキしかかってあげられなくてごめんね。父さんも母さんもあんたが無事大人になって、幸せになる事だけを願ってるんだからね。」
「お前は、運動できない分大変な事や辛い事が多いだろうけどがんばるんだぞ。」
「お姉ちゃん、早い~。もう高校生とかぁー。ほんとに、あっとゆう間ー。」
「おいっ、お前シャンパンを飲むからグラスをとってこい。ほら、今のうちに父親に親孝行しておくんだぞ。」
「どのグラス?あっ。」
ガシャーン パリンッ……
「あーーー!!お姉ちゃんー!」
「何?どうしたの?」
「ごめんなさい。グラスを割っちゃった。」
「はぁ?おいおいおい。だから、いつも言ってんのに、馬鹿だなあ。お前は注意が足りないんだよ。馬鹿が。学習しろよ。 あーあ。このグラス高いって事しってるよな?前に話したよな。馬鹿、馬鹿、馬鹿、馬鹿、馬鹿、馬鹿、馬鹿、馬鹿、馬鹿、馬鹿。いっつも、余計なことしかしないよな。お前、邪魔なんだよまじで。金ばっかかかるしよ。これ全部お前買えよ?分かったか?早く返事しろ。返事っ!!」
「はい。」
「早く片付けろ。早くっ、早くしろって。」
「片付け終わったか?お前は、邪魔なんだよ。だから、早く2階に勉強しに行け。もう、リビングに降りてくんなよ。」
ほらね。私の誕生日でも関係ない。絶対にこうなる。てか、私がうまれてこなければよかったのにって思ってるのに誕生日会を開く時点で駄目なのよ。グラスを割った時、私よりもまっ先にグラスの心配をしたものね。私はあのグラスよりも価値が低い。もう、全部いやっ。駄目だ。駄目だ。私、、、、。ほんとにもう疲れたわ。疲れた。
「タンバ……。私にはお前しかいないわ。もう疲れたの。お前の綺麗な毛が濡れてしまうけど今日も一緒に寝てくれないかしら?」
私は小さな嗚咽を漏らしながら言った。
タンバは、質問に答えるように蝶心に頭をこすりつけてきた。こうして、蝶心は涙を流しながら声を押し殺してタンバと布団にはいって寝たのでした。
そして迎えた朝…
私の誕生日の翌日は、七夕。皆がお願いごとをする、希望溢れる日。私は自分の誕生日よりも今日が好き。彦星と織姫が一年に一回だけ会える特別な日だから。2人は今日のために毎日を生きてる。誰かの為に生きようとする2人が私は羨ましい。恋をした事が無いばかりか、動物へ捧げる愛しかしらない私は誰かの為に生きようとか思った事は一度も無い。
そんなに私のくらい気持ちとは裏腹に七夕に見える満月は毎年決して劣ることなく輝く。この月を私はベランダから見ていた。近所から、聞こえる家族の団欒の声が団地に響いている。私の部屋にベランダがついていて良かったと思うのはこの日だけ。でも、周りの笑い声は、不幸な私はどうしても好きになれない。だから、いつかほかの人の幸せを心の底から喜べるようになりたい。でも、そんな日は、やって来るのだろうか?家族の愛すら、私は持ってない。私は、なんの為に生きているのだろう。毎年、こう考えて一年を乗り切ってきた。
でも、今年は乗り切れるか分からない。私は疲れたから。
だから、私は今年初めて願い事をしようと思う。毎年、この日は彦星と織姫の再開を喜んで、羨ましく思ってた。ごめんね、彦星と織姫。今年だけは、私にもお願いごとをさせて。私のこの図々しさを許してね。私は、人の幸せをいつも心の底から喜べないでいるけれど、自分の幸せを願うなんてね。どうか、私の願いを聞いて。
わたしは…
暗闇を照らす満月を見て私は心の底から願った。
わたしは…わたしは…幸せになりたい。
これが私の願い。
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